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『所謂雑談である』 作者: 幻想保査長

所謂雑談である

作品集: 29 投稿日時: 2012/01/15 01:58:21 更新日時: 2012/01/15 10:58:21
銃はいいよね

スラッとした体

無駄の無いボディライン

シンプルで尚且つ単純

弾倉に込められた弾をただ発射するだけのそれだけの構造

持ち手に絶対服従

持ち主に一緒に共にし、一緒に戦う

文句は人間と違い言わない

だけど、ちょっと点検を怠ったら拗ねちゃう子

そこが可愛い

発砲する時に出す音

実に心地よい声だよ

銃口から立ちこめる硝煙の匂い

とてもとてもいい香りの香水だよ

持った時に手に圧し掛かるずしっとくる重さ

この重さが馴染むような感覚に陥いるよね

「まるで宗教みたいね」

宗教とは無粋な言葉を言うね

崇拝とかそんなん稚拙なことではないのだよ

あなただって私と変わらないじゃないですか

「銃のどこがいいのよ?」

と言いますと?

「銃は感覚がないじゃない」

ほぅ・・・

「ナイフの方が殺った時の感覚がハッキリと残るわ」

「相手を自分の手で仕留めたと、この手で生命を奪ったと」

「なによりナイフの方が出血が多いじゃない?」

得物の好みはそれぞれと謂う訳ですな

「えぇ、そういうことね」

だが刃も使い続ければ欠けてしまう

折角の美しき線と切れ味は落ちてしまう

「欠ければ研げばいい。折れたらそこで終い」

だがそれも銃と同じ

鼻が折れれば、換えらなければならない

中身もまた然り

「面倒が多いのね、銃は」

刃物とて同じ事だろう?

「それも、そうね」

これを見てくれるかな

カチッ

ある二人の兵士がいるだろう

”グラシャナ、グラターナ”

”ムァタァリリェコ、サァタァリェコ”

”イャア”

”ウィプェシェコ、ムゥエジェコムェレェア”

”アイキュイェイプロフトゥホ”

”ボゥカマンディ、ズェアン”

「何言ってるか、わからないわね」

この後、兵士は銃で殺される

”フゥッ?!”

消音で遠距離で狙撃

彼らは訳も分からずに死んだ

そして同様に刃物で刺殺する映像

”ふっ!ごあっ!!”

”ヤッ・・・ギャッ!!”

「いいわねぇ」

そうだな、人が死ぬ時はいいね

「あなたは相当狂っているわね」

それほどでも

でも、それは君も同じだろう

ナイフと銃、やはり

「いいのは」


「「銃だな(ナイフよね)」」


ハモってしまっな

「見事なハモりね」

いやはや

「ところで・・・」

ん、なんですな

「お茶が切れたわ」

じゃあ、淹れてくるよ

「えぇ、特においしいのを頼むわ」
ナイフも銃もいいものだ
幻想保査長
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2012/01/15 01:58:21
更新日時:
2012/01/15 10:58:21
分類
十六夜咲夜
1. 名無し ■2012/01/15 12:50:33
ナイフは美しい、銃は格好良い。
系統は違えど良いという事実は変わらない。
良い趣味をしていらっしゃる。
2. 十三 ■2012/01/15 17:47:01
硝煙が香水とはロマンチックですな
3. NutsIn先任曹長 ■2012/01/15 19:15:16
銃も、ナイフも、肉体も、魔法も、霊力も、その他諸々の特殊技能も、
ユーザーの腕によって、芸術にもゴミにもなる。

この作品の登場人物二人は、芸術家のほうですね。
4. 名無し ■2012/01/21 02:01:29
慣れてる人は銃でも「手応え」を感じるらしいが実際どうなんだろうね。
マスケットの頃は弓の方がまだ強かったけれど、訓練に時間がかかるからマスケットで戦列歩兵にしていたし、どうも質より量な印象が銃から拭えない。
早撃ち0.02秒の西部劇マニアのあの太った人や、3秒以内で16発をリボルバーから発射するジジイ、2.7km以上からアフガン兵撃ち殺した軍曹とかはそういうレベルを超越しているから一概には言えないけれども。
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