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『あたいたちの日々3』 作者: ぐう

あたいたちの日々3

作品集: 30 投稿日時: 2012/03/08 10:46:12 更新日時: 2012/03/08 19:46:12
「明日の天気です。全国的に天気は回復し・・・」

テレビで放送している天気予報を、歯磨きをしながら見ているお燐。
うなずきながらじっとテレビに釘付けになり、やたら明日の天気を気にしてるようだ。

風呂から上がったさとりは、そんなお燐の姿を見かけて声をかけた。

「あらお燐、明日の天気を気にしてるけど、どこかに出かけるの?」
「ふぁっ、はほひはは。ひふはあひはへふへ・・・(あっ、さとり様。実は明日ですね)」
「ちょっ・・・一旦口ゆすいでから喋って・・・」

歯ブラシをくわえたままのお燐の発言は、さとりには何を言ってるのかわからない。
お燐は歯ブラシをくわえたまま、洗面所へと向かっていった。



「明日ですね、久々に小町と遊ぶ約束したんですよ。それで天気予報見てたんです」

口をゆすぎ終え、お燐は改めて明日のことについてさとりに話した。
小町とお燐の関係は既に承知済で、明日はそれによる付き合いなのだということも把握した。

「でも今年になって初よね? 今まで天気がいい時があったのに出かけなかったわよね?」
「だってあたい、あんまり寒いの嫌いですから。だから春になるまで会えないかもって予め伝えてあるんです」
「出かけるのはいいけど、せめてお空が帰ってくるまで待ってもらえないかしら。灼熱地獄の熱源の確保ができなくなるから」
「それまでの代理ですね、わかりました」

ちなみにお空は魅魔の家へと遊びに行っており、今は留守にしていた。(イミテーションの「停電の苦い思い出」参照)
少しずつ暖かくなってきたとはいえ、総じて見ればまだまだ寒く、灼熱地獄の温度も下がりやすい。
そのためお燐は、お空が帰ってくるまでは灼熱地獄の管理を任されることになった。





「久々に小町と会えるけど、元気にしてるかな〜」

翌日、お燐はウキウキしながら出かけられる時を待っていた。
少し暖かくなったのもあり、死体の投入で温度は少し落ち着くようになっている。これならお空が帰ってくるまで十分持つだろう。

「にしても、お空早く帰ってこないかなぁ・・・」

何かを待つ時は、些細な時間さえ自然と長く感じてしまう。
お燐には1秒1秒さえ長く錯覚し、お空の帰り待ちにイライラしそうだった。

「お燐、ただいまー!」

その時、灼熱地獄に響く元気のいい声。
それがお空の声だと理解すると、お燐は目の色を変えて走り出した。

「おかえりお空! じゃ、後はよろしくー!」
「えっ? え、あ、ちょっ、うにゅ、お燐ーっ?」

帰ってきたばかりで事情がわからないお空は、颯爽と走り去るお燐の姿を見ながらあたふたした。

「それじゃあさとり様、行ってきまーす!」

一刻でも早くしたいが為、お燐は猫の姿に変身して地霊殿を後にした。



「ふあーあっ・・・それじゃあ後はあいつに付いていきな」

大きくあくびをしながら、三途の川の先に到着した魂を導く小町。
別の死神の案内の元、魂たちは裁判所へと向かってゆく。

「あーねむ・・・、こんな温いのに仕事なんてかったるいねー」
「出たわ、小町のサボリフラグ発言。でも今日は確かに眠くなるわね・・・」
「だろ? じゃあそういうことであたいは一足先に・・・嘘だってば」

魂を導き終えた小町は、眠くなる陽気をいいことにとんずらをほのめかした。
しかし同僚の死神の鋭い視線に、嫌々仕事を続けざるを得なかった。


「んにゃっ、こんにちは」
「あら、あなたは確か小町と仲がいいお燐ちゃんだったかしら。小町はまた魂を送ったところなのよ」

無縁塚に到着したお燐は、一度戻ってきた小町が再度船頭をして魂を送りにいったところだと他の死神に教えてもらった。

「お姉さんは今日仕事なの?」
「いいえ、今日は休みでこれから里に買い物に行くところなの」

お燐と小町の仲は死神たちにも噂になっており、明るく気ままな性格が好印象となっていた。
しかし小町が戻ってこないことにはどうしようもない。お燐はしばらく待つことにした。





「うう・・・何か嫌に冷えてきたねぇ・・・」

一方そのころ、魂たちの船頭をしている小町は、肌身をさす冷気に背筋をぞっとさせた。
さっきまで暖かく、眠気すら覚える陽気はどこへやら。

川に面してるというのもあり、凍てつく風が小町の肌に寒さをもたらせ身震いさせた。

「早く帰ろ・・・今日お燐と会う予定もあったし・・・」

三途の川に送られてきた今日の分の魂は、今船にいる連中で最後だったはず。
防寒対策もしていないため、これ以上の仕事はろくにできない。かじかんだ手で船を漕ぐなどもってのほかだ。

「じゃあ、あたしこれで失礼するよ・・・。うぅ寒・・・」
「ちょっと小町、荷物はどうしたの?」
「今日はさっきまで暖かかったし、特に何も持ってきてないよ・・・。昼飯は売店の弁当で済ませたしさ・・・」

対岸の死神に申し送ると、小町は無縁塚のほうへとすぐに戻っていった。



「あばばばばば・・・さささ寒い・・・」

小町がこちらに戻りはじめていた頃、お燐はずっと小町を待ち続けていた。
しかし小町同様、突然の寒波に身体を震えさせていた。

「でも何で・・・今日晴れるって聞いてたのに・・・」

お燐の言うとおり、天気予報では確かにどこも晴れると言っていた。そしてその予報は当たっていた。
だがお燐が口をゆすぎに行っている間も予報は続いており、「ところによっては急に天気が崩つき、気温が下がるおそれがあります」と予報を続けていたのだ。
まさか無縁塚でこうなるとは誰も思わなかっただろう。

ぐうう・・・ぐりゅりゅりゅ・・・
「何でこんな時に急に寒くなるんだよ・・・あたい聞いてないのに・・・」

あまりの寒さはお燐のお腹から信号を出した。
だが小町と会うということは、これ(便意)による戯れも兼ねているし、こんな寒い中でお尻を出して排泄など嫌に決まっていた。

「あっ、あれはっ!」

寒さに震えるお燐は、川の向こうからやがて見えてくるシルエットに気がついた。
大きな鎌、頭の両側にある結んだ髪・・・他ならぬ小町だった。

お燐はお腹を押さえながら、大きく手を振って自身をアピールした。


「うう寒・・・、あれもしかして、お燐?」

その小町も、寒さに震えながらも対岸のシルエットに気がついた。
二本の尻尾、髪の横から垂れている三つ編み、そして自分に向かって振っている手・・・お燐以外には考えられなかった。

「わざわざあたいを出迎えてくれてたなんて・・・急がなきゃ」

シルエットがやがてはっきりとして、それがお燐だとわかると、小町は船を漕ぐ速度を上げた。

ガコッ!
「うわっ!?」

だが桟橋に近づいたその時、船底が何かにぶつかって小町は大きくバランスを崩し・・・



バシャーンッ!
「ああっ! 小町ーっ!」

船はひっくり返ることも座礁することもなかったが、その上に乗っていた小町は川hrと転落してしまった。
お燐はすぐさま川に落ちた小町を助けに向かおうとしたが・・・

ザシュッ!
「ひいっ!?」

突如お燐の目の前で何かが刺さる音がし、その音にお燐は足が止まった。
その向こうでは小町が必死にばたついているが、お燐は目の前のものに焦点を合わせた。

「あ・・・あわわわわわ・・・」

お燐の数十センチ先の地面に勢いよく刺さる大きな刃、そして直角になって奥に伸びる長い棒。
それは小町が転落した時に勢いで飛んできた、彼女愛用の鎌だった。

「・・・・・・」

お燐は口をはくはくさせながら、力なくその場にへたり込んだ。
もしこれ以上早く助けに向かっていたなら、頭にグサリと突き刺さっていたのかもしれない。そう思うと足がすくんで動くことができなかった。


ザパーッ
「ぷはっ! ひぃいい寒い寒い寒い!」

その頃の小町は自力で泳いで川岸まで辿り着いたが、この寒さで水の温度も低下しており、三途の川も例外ではなかった。

「あっやば・・・これ以上力入れたら・・・」

小町は岸に上がろうとするが、今これ以上力を込めたらその拍子に決壊してしまう、それに気がついて身体を引き上げることができなかった。
だがどのみち、川の寒さが小町の身体に追い討ちをかけ・・・







ブビュッ、ビッビュルルル・・・
「ははは・・・はは・・・もうだめ・・・」

予想外の恐怖が全身の力を奪い、お燐は涙を浮かべながら笑うしかなかった。
括約筋の力も薄れ、お燐の下着から黄色と茶色の液体が合わせて垂れ流れる。

ブビュブビュッ、ビチュビビビビイ・・・
「あはははは・・・はは・・・」

漏らしていることそのものは慣れているのだが、このような形で漏らすなど微塵も思わなかっただろう。
お燐の力ない笑い声のように、下痢便もお燐のスカートを汚しながら茶色の水溜りを広げてゆく。



ゴポッゴプゴポゴポゴポッ!
「んんっ・・・もう、仕方ないよ・・・」

岸につかまりながら、小町は身体を震えさせた。
彼女の後ろに、次々と泡が浮かんでは水面で割れてゆく。

ゴポゴポゴポッゴボボボボボ!
「まさか川の中でうんちしちゃうなんて・・・ははは・・・」

浮かぶ泡が割れると、少しずつ小町の後ろを主に水の色が濁ってゆく。
やがて小町を中心に茶色に変わり、原因は紛れもなく小町が出した便によるものだった。

恐怖心が消え、あるいは水の中で腹具合が落ち着くまで、二人とも身動きがとれなかった。



「しかしごめんねお燐、あたいがドジって川に落ちたりするから」
「い、いいよ・・・。ただ小町の鎌が目の前に刺さった時は本当にびっくりしたよ・・・」

未だ鎌の恐怖が頭から離れないのか、ドキドキする胸を押さえるお燐。
小町は謝りながら、お燐を優しくなだめた。

お燐の後ろには茶色の雫がマーキングのように垂れ、小町の服もびしょびしょにより垂れる水の中に茶色さが少し混ざっていた。

「それにしてもお燐が元気そうで何よりだよ。冬の間ずっと会えなかったからさ」
「小町こそ風邪とかひいてなくて元気でよかった。あたいも嬉しい」

しかし失態に至っては今に始まったことではないため、あっさりと話題が切り替わった。
二人とも元気そうなお互いの顔が見られて何よりそうだ。

「あーあ、今日する分がもう出ちゃったし、どうする?」
「まぁまずはあたいの家で熱い風呂に入って、今日はとことん飲むじゃない」
「そうだね、たまには普通に過ごすのもいいかな」
「そういうこと。それじゃあ行こうか」

二人とも寒いはずなのだが、久々の再開は一時的にそれを和らげてくれているようだった。
寒さがぶり返す無縁塚を歩いてゆく二人、その跡のように茶色の雫が垂れ続けた。
今回は一年ぶりのあたいコンビです。忘れている人も多いかもw
お燐は以前の靈夢同様の恐怖失禁、小町はひじりん以来の水中失禁というオチで決めました。

春が近づいてきましたが、急な気温の変化にはまだまだ油断ができません。
そして間もなくあの悪夢から1年、私も当日黙祷を捧げようと思います。
ぐう
作品情報
作品集:
30
投稿日時:
2012/03/08 10:46:12
更新日時:
2012/03/08 19:46:12
分類
火焔猫燐
小野塚小町
スカトロ
お漏らし
1. NutsIn先任曹長 ■2012/03/08 20:26:49
ひさしぶりの、あたい〜ズ!!
さとり様、身内の心を読むのは自粛しているのかな? まあ、お燐の言わんとしている事は、事情を知っている者なら察することはできますが。

『寒い』、きましたよ、スカフラグが!!
来たっ!! お燐のおそろ脱糞+小町の水中脱糞!!
今回のスカはちょっとアクロバティックですね。

最後のシメでブラウンロードがなんだか、栄光の道筋みたいですね。

いずれ、他のシリーズとのクロスオーバー・スカなんかも読んでみたいな。
魅魔様は複数のレギュラーをやっているから、それはそれは華やかになりそうなんですけれどね……。
2. ぐう ■2012/03/29 20:45:12
>先任曹長さん
最近はちょっと変な方法で漏らさせることにこっているものでw
他のシリーズとの連携ものもやってみたいですね。
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