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『ゆうかりんとらぶらぶちゅっちゅするお話 〜最終話〜』 作者: 和愛変態

ゆうかりんとらぶらぶちゅっちゅするお話 〜最終話〜

作品集: 30 投稿日時: 2012/04/02 03:00:11 更新日時: 2012/04/02 12:00:11
さんさん


 潸潸と雨が降っている。戸外に見える鮮やかな緑と黄の風景は何所となく灰色を足したようだ。静かに涙を流す風景から視線を落とすと、彼女が静かに横たわっている。静かに息を吸い、静かに息を吐く。静かに私に生命を感じさせながら、静かに私を見ている。私は静かな彼女の訴えに答えるかのように彼女の瞳をを見る。何も変わらない、ただ鮮やかな赤。ただ、その鮮やかな赤でさえ静かだ。
 無限と続くような沈黙。私は、視線をそのままに彼女を観察する。緑の綺麗な髪は変わらず鮮やかで、もともと白かった肌はいつにもまして白く見える。ただ、彼女の生きる意味だけがすっぽりと抜け落ちたようだ。

「お願いがあるの。」

 静かな雨の音にさえ負けてしまいそうな声で彼女が囁く。しかし、私はどう答えてよいのか分からず静かに彼女の瞳を見つめた。妖しくも怪しくもなく花のように美しく静かで虚しい、彼女の瞳。
 ただ、黙っていると彼女は続けた。

「もうすぐ私は死ぬ、死んでしまう、避けようがない未来、だからお願い。私が死んでもあの子達を守って欲しい。」

彼女は視線を窓の外に移す、

「花は咲く、そして散る、でもまた咲く。永遠に。それはまるで輪廻転生。人も、妖怪も、皆同じ。咲いて、散って、また咲く。それだけ……。」

 彼女の言葉が、死というただ一つの単語が、私の胸を貫く。
 彼女は此方に視線を戻し、笑った。
 儚く、儚く、儚い。この儚い笑顔が永遠に続けばいい、永遠に続いてくれと胸の奥で願った。鮮やかな髪も、透き通る肌も、全てが残って欲しいと願った。死という単語は私に生を願わせる。それほど彼女の死という語が、未来が、全ての妖怪より恐ろしい。

「次のお願い。」

彼女の静かな一声一声が私を逃れられない現実に呼び戻す。

「私が死んだら。貴方に埋めてもらいたい。」

死という語が私の胸を締め付けるあまり、大声で約束する。約束する、と言う。と、彼女は笑う。
 何故神は生物に死の悲しみを与えたのだろうか。どうでもよい事を無理にでも考え気持ちを落ち着けようとするが、私は死に悲しみ、死に恐怖するだけだ。

「最後のお願い……」

 静かに、とても静かに彼女は言った。

「私は今まで沢山のものを殺し、壊した、から――。」 













 私には何を言っているのか一瞬の間理解できなかった。理解したくなかった。しかし彼女の言葉が、声が無理やりに私に理解させる。彼女は私を酷く憎んでいるのだろうか、私を苦しめたいのだろうか。頭の中に彼女の言葉が、一語一語、一音一音がぐるぐると渦を巻き、彼女が最後の願いを言うシーンがフラッシュバックする。一秒も経たずに私は発狂しそうになるが、それは彼女の「ねぇ……」と言う催促が止めさせ、私に正気を保たせた。
 ゆっくりと私は立ち上がる。少し位置が高くなったことで彼女の全身が目に納めることができる。髪も目も綺麗で頬もやつれていない、どう見ても彼女は死に程遠い。だが、彼女の静かな息遣いが、雰囲気がどうしても死を漂わせる。
 一歩一歩踏みしめながら彼女の上に立つ。そして、目を合わせないように膝を折り、跪く。
 歯を食いしばり、彼女の胸元を見続ける。そして、彼女の首に手を伸ばす。
 その瞬間、彼女と目が合う、彼女は目で笑う。

 初めて彼女に会ったときもこんな風に目で笑った。初めて彼女に胸中を打ち明けたときも、一緒に向日葵の世話をしているときも。




















 記憶が混乱している。だが、確かにこの腕に感触がある。植物の茎を折ったような感じだが少し違う。もっと植物より重く、儚かった。植物からあふれ出る生命のエネルギーがなかった。
 彼女は、眠っている。とても静かに。



 これは夢だ。昔読んだ、外の本だ。十の夢の話だ。今にも死にそうな女性は花になったのだ。同じだ。これも夢だ。
 私は、彼女の隣に横になる。夢となれば話は早い、夢で寝てしまえば目が覚めるものだ。ゆっくりと私は目を瞑る。



















 燦燦。太陽の日差しで目を覚ます。普段なら彼女は私より早く目覚めて花の世話をしているはずだが、隣で寝ている。寝息は、無い。
 一晩眠り、私は落ち着いたのだろう。眠る前のことを思い返してみても、悲しくはなかった。何故かと自分に問うが、答えは出ない。出るものではないと分かっている。
 寝息も立てず静かに横たわる彼女の緑髪をなでる。やわらかく、日の光に当てられきらきらと輝く緑髪。時間の流れが遅く、遅く感じて、このまま時が止まってしまうのではと思ってしまう。止まってほしい、時が止まってほしい。強く願っても時計はコチコチと音を立て続ける。
 あぁ。と、溜息をついて、立ち上がり、窓の外を眺め、約束を思い出し、もう一度だけ溜息をつく。






















 ここなら丘になっていて、彼女の愛した向日葵がいちぼうできる。
 遠くの向日葵が綺麗すぎて、彼女を抱き上げたまま思考が停止してしまう。
 ここにしよう。
 彼女のためにここにしよう。
 
 できれば大きな真珠貝で穴を掘りたかった。
 できれば天の星の破片を墓標にしたかった。
 そうすれば、彼女と再開できると思った。


































 















 文々。新聞

   向日葵畑の名物お爺さん、亡くなる。
 昨日、私が暇潰しに向日葵畑に行くと、普段なら向日葵の手入れをしており、声をかけると紅茶を入れてくれるお爺さんがそこにはいなかった。私は不思議に思い、お爺さんの住んでる小屋に行ってみても誰もいなかった。主人のいない家に勝手に上がるのも悪いだろうと、私は来た道ではなく来た空をゆっくりと飛んでいると丘の上の墓標の傍にお爺さんが入るのを発見した。何をやっているのかと気になった私は丘に降りてみるとお爺さんは墓標の傍らで亡くなっていた。座って寝ているのではないかと見間違えるほどとても安らかに目をつむっていた。
 とても優しく、人里の子供達にも人気だった綺麗な向日葵を育てるお爺さん。私も少しの間だったが紅茶を入れてもらったりと世話になったお方なの少しばかり寂しく思う。





































 向日葵畑を見下ろす丘には大きな、とても大きな向日葵が二本生えています。その向日葵はお互いが見つめ合い、太陽を眺めていません。いつから生えていたのかわかりません。この稗田でさえもわかりません。ですが、こんな言い伝えがあります。その二本の向日葵は、種族を超えて愛し合った二人の生まれ変わりなんだそうです。信憑性にかけるので幻想郷縁起には書けませんが、とても素晴らしいお話ですね。
一話〜三話が消し飛んだ。
ゆうかりん絶対許さない。
和愛変態
作品情報
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30
投稿日時:
2012/04/02 03:00:11
更新日時:
2012/04/02 12:00:11
分類
ゆうかりん
1. 名無し ■2012/04/05 15:25:36
消し飛んだなら仕方ない
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