Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『Naz Quest DISC1』 作者: スレイプニル
ナズクエスト
ニアはじめから
つづきから
エクストラ
gensoukyo games
ようこそ! げんそうきょうに!
あなた の なまえ は ナズーリン です さあ ぼうけん の はじまりです!
さあ!
・・・・・・
「ナズーリン!ナズーリン!起きて下さい!」
目が覚める。揺すられたからだろう。
「ん、どうしたんだい?御主人?まだ朝ではないはずだが?」
「そういう訳じゃないんです!周りを見て下さい!」
身体を起こし周りを見る。そこに広がるのは暗く鬱蒼とした森の景色だけで、いつもの暖かな寺の寝室ではない。
背中に残る大木の冷たい感触を感じつつも、ナズーリンは起き上がった。
「ここは?」
「私にも分かりません…ですが、ここは厳密には幻想郷ではない様です…」
「幻想郷ではない?何を馬鹿なことを…」
あり得る訳がないと、辺りを見回す。薄暗いまだ朝になっていない森の中では虫の鳴き声がざわめき返すだけだ。しかしこれは幻想郷でも良くある光景、未だ星の言葉を信じられないナズーリンは近くの大木に華麗に登った。
「………。」
綺麗な月に映しだされた空に見えるモノはなにもない。大木から見回せる範囲で見下ろすが、見慣れた景色ではない。
「どうでした?ナズーリン」
「………。」
現実を認めるしかないようだと、静かにナズーリンは肯定した。
「それにしても…」
「えぇ、これからどうしましょうか…」
「取り敢えず…身の安全が確保出来る場所へと行こう。ここが幻想郷ではないとしても、何らかの施設があるはずだ。」
星は、そのナズーリンの提案に乗るしかなかった。
―――
"はじめのもり"
「ナズーリン〜…」
「どうしたんだい?御主人?」
ふうふうと息を吐く星に振り返ったナズーリンは、疲れきった表情をしている星を見て、肩をすくめた。
「仕方ない。少し危険じゃあるけれど、野営するしかないようだね…」
「ごめんなさい…。」
「御主人が謝る事じゃないさ。私もまだ状況が把握出来ていない。少しばかり休むのも得策だと思っただけさ」
咎める気ではないナズーリンに星は何度も頭を垂れた。
「しかし、これはどういう事なんだ…?ここが幻想郷ではないにしろ。私がいや、私達が現界し続けられる空間…外の世界とやらではないようだし…分からない。」
「………。」
星は黙っていた。というよりも疲れて寝てしまっていた。それを流し目で見つつ少々呆れたような顔をしていたナズーリンは仮眠しつつも周囲を警戒する事となった。
―――
NEXT
「御主人、起きてくれないか?」
「うーん、後ちょっと〜…」
まったくと、ナズーリンはまだ夢の中にいるであろう星を強く揺すった。暫くしてやっと目が覚めた星を見て、ナズーリンは軽く息を吐くと、立ち上がらせた。
「明るくなり始めてきた。そろそろ活動しても良い頃だ。さぁ行こう。」
「えぇ、そうですね。出来れば村か何かがあれば良いのですが…」
不安がる星にナズーリンは励ますように微笑むしかなかった。
しかし、ナズーリンにも行くアテなどまったくない。かなり非効率的ではあるが、歩くしかないのである。
そもそもここが幻想郷ではないのならば、何が出てくるかわからない。どの程度の脅威であるかも感知出来ていない状況で同じ場所に留まっているのは危険行為である。だからこそ、少しでも動かなければならないのだ。
それでもまだ問題が出てくる。生物が生物たる所以の生理現象、食料だ。
(こればかりは、どうにもならない…しかし不思議だ…獣1匹すら見当たらないとは…)
周囲を警戒しながら歩くナズーリンであったが、周りは虫や鳥がざわめくだけで何もない。この世界は幻想郷よりも危険度が低い世界なのかと、少しだけ安心の念を抱いた。
「ナズーリン!」
星が叫んだ。ナズーリンは考えを改めさせられる事になる。
「jsa78./sag…」
雑木を掻き分けてという比喩が比喩ではなく、その醜そうな顔面から放たれる視線とナズーリンの目がかち合う。
▽<醜い>オークが1体出現した!
「御主人下がって!」
「いいえ、私も戦います!」
「御主人…仕方ない。ここは協力して倒そう!」
【コマンド?】
「ん?これはどういう事だ?」
身構えていたナズーリンが自分の頭上に現れる薄く発光する文字列に眉をしかめる。そこにはただただうっすらと「コマンド?」という疑問文が書いてあるだけだった。
「…?」
横目で星の方を見るが星の頭上にナズーリンと同じようなものはない。
><醜い>オークは右手に握っている棍棒を大振りに振り回してきた。
>しかしナズーリンは華麗に回避した!
「ちぃっ!」
間一髪避ける。眼前に立つ醜い化物はぶつぶつと呟くように下卑た笑いを浮かべる。
このまま手をこまねいては負ける…。ナズーリンは頭上にちらつくその文字列に従うしかなかった。あまり理解が追いついていないが、ナズーリンは叫ぶように駆け出した。
>ナズーリンは素手で<醜い>オークを殴る!
><醜い>オークに2のダメージ!
分厚い鎧のような脂肪に拳を叩きこんでも、相手は何の違和感すら感じていないようであった。直ぐ様間合いを取り安全地帯へと逃げるナズーリン。
「これでは駄目だ…何か…何かないか…」
辺りを見回す、しかしナズーリンの視界に映る景色には武器になりそうなモノは何もない。
><醜い>オークが乱暴に棍棒を振り回す!
>星が転倒した!ナズーリンはなんとか回避した!
「きゃあ!」
星が棍棒の脅威から逃れようとした時、何かに引っ掛かり、地面へと勢いよく転げ落ちた。
「イタタタ…ん?」
転げ落ちるきっかけとなったその突起物を見る。
>星からナズーリンへと武器が手渡される。
「これは…?」
「何故か落ちていました…今は考えている暇なんてありません!」
>ナズーリンは硬そうな棒を装備した!
>星は錆びた剣を装備した!
><醜い>オークは上段からぶっきらぼうに打ち下ろした!!
>ナズーリンは回避した!
「反撃開始だ!」
>ナズーリンは硬そうな棒で貫いた!
>クリティカルヒット!<醜い>オークに23のダメージ!<醜い>オークは腹に浅い傷を負った!
>星は錆びた剣で切り刻んだ!
><醜い>オークに4のダメージ!<醜い>オークに7のダメージ!<醜い>オークに3のダメージ!
><醜い>オークはよろめいた!
「これなら行ける!」
>追撃!
>ナズーリンは硬そうな棒で貫いた!傷口を抉る攻撃!
>クリティカルヒット!<醜い>オークに27のダメージ!<醜い>オークの腹の傷口が広がった!
>星は錆びた剣で一刀両断した!
><醜い>オークに17のダメージ!
「gha...sa..87a/...」
><醜い>オークは倒れた。
>戦いに勝った
>苔が生えた棍棒を手に入れた。
―――
「はぁ…はぁ…」
ずしんと、巨体を地面に伏したソレを見て肩を上下させる。一撃食らえば死んでいたかも知れないという恐怖感が極度に疲労を加速させていた。
化物が握っていた棍棒を拾うが、ナズの体格に合わない為星に渡したが、星も同様であった。
棍棒はその場に放置して、化物を見る。こんなもの、幻想郷では見たことも聞いたこともない。まさに、この場所、この世界が幻想郷ではないと証明しているのであろう。
「ナズーリン…」
「分かっている。本当に此処は…いや本当に大変な事になってしまったようだね。」
血濡れた棒切れから滴り落ちる新鮮な赤い血と、倒れている化物、ナズーリンの決断は、すぐにここから逃げるべきという事であった。
理由は簡単だ。この化物が幻想郷でいう低級妖怪の類であった場合、それ等は群れをなしている可能性があるからだ。
そのナズーリンの考えは正しく、静かだった辺りが醜い化け物の咆哮の合唱が木霊した。2人に出来る事はただ逃げる事だ。走って走って走る事。
2対1という勝負でやっと勝てたというのに、群れを相手に敵うはずがない。森の雑木を掻き分けながら、咆哮が遠ざかるまで走った。
―――
"けものみち"
なんとか、振り切ったかと、ナズーリンは警戒しつつ、星と共に森を駆け抜けていた。
...Now Loading
―――
まちへのみち
「ここは…?良かった。やっと人が居そうな場所に着いたようだよ。」
「はぁ…。」
星は疲れからか、適当な相槌すらも出せなかった。ナズーリンは取り敢えず村の中へと入っていく。
村といっても、幻想郷でもよく見るような小規模な集落のようであったが、以外にもすぐに人は見つかった。
「やぁ、不躾ですまないが少し質問させてくれないか?」
のそりとこちらを見た男がナズーリンの姿を認めると、にこやかに笑いかけてきた。
「なんだい?」
「此処は何処なのか?」
「ここは名もない寂れた村さ、人も少ないよ。」
「この世界は?」
「何を言っているんだい?」
「この世界の事だよ。あまり言葉にしづらいんだが、私はここではない幻想郷と呼ばれる場所から来たんだ。だから…」
「…よくわからないが、この世界は『ゲンソウキョウ』と呼ばれているよ?」
ナズーリンは言葉が出なかった。というより頭が痛かった。
「ああ、分かったよ。手間を取らせて、悪かったね。」
「どうでした?」
「…私も良くわからない。あの男はここが幻想郷という世界だと言ったんだ。でもここは私達が知っている幻想郷じゃない。つまりは…」
「私達が違う幻想郷?に迷い込んだって事ですか?」
「そうなのかもしれない…確証はないけれど…」
悩む二人であった。日光は天高く登り、心地良い暑さが身体を火照らせていた。その天から、透き通った。そして聞き覚えのある声が針のように通った。
「はぁい。今日和御機嫌よう〜!」
「お前は!」
上空から見下ろすようにふわふわと浮いているその少女は、東風谷早苗、幻想郷でも少なからず縁がある者だ。
「いやいや、こんにちわ御機嫌よう!調子はどうでしょうか!」
早苗は笑うように言った。ナズーリンはその天から突如と現れたその少女の方を仰ぎ見た。右手に握る硬く鋭利な棒を強く握りしめる。
異様・・・というべきか、その早苗の現れ方そのものも可笑しい訳であるが、余裕たっぷりの表情、何処か両者を上から見下すような・・・
「良かった・・・知っている人に出会えた。」
星は、ナズーリンと違った心境のようで、早苗に何の敵対心を抱いている様子はなかった。
「・・・一ついいかい?」
「良いですよ。何でもどうぞ」
「ここは何処なんだい?」
有益な情報を聞き出そうと、ナズーリンはそう切り出した。それに対し早苗は意外にも柔らかな表情で答えた。
「ここは、幻想郷とは異なる世界。しかし、ここは幻想郷でもある場所・・・と貴方に言ってもあまり理解出来ないでしょうけれど、貴方はここに迷い込んだのですよ。」
「じゃあ、君は私の知っている"東風谷早苗"かい?」
「それは・・・うふふ」
ナズーリンの問いに答えない早苗は右手の甲をナズーリンと星に見えるように差し出した。
「この指輪、何だと思います?」
「・・・いいや、見たことはないね。」
「私は変わったんですよ。この指輪のおかげでね!」
その指に収まっている指輪は純金の装飾で鈍く光り輝いていた。身構え直す。星もそこで何が起きているか理解し、剣を構える。
【Boss Battle!】
「ふっふっふっふ・・・」
「御主人!下がって!何か様子が変だ!」
「わかっています!」
>さなえ は あやしく わらっている・・・
>さなえ は あやしく わらっている・・・
>ナズーリンは早苗を攻撃する術を持たない!
>星は早苗を攻撃する術を持たない!
「この武器では、攻撃もままならない・・・何かあれば・・・」
早苗が笑う。
「くすくす・・・、ナズーリンさん、ひとつ良い事を教えてあげましょう。この幻想郷での貴方は"賢者"…貴方は『魔法』を扱う事が出来るのですよ。」
「魔法・・・?」
そういえば、と自分の頭上でおぼろげに輝く文字の羅列の中から、早苗が言った言葉を見つける。
>ナズーリンはファイアボルトを唱えた!!
>早苗に12のダメージ!
「やれば出来るじゃあないですか・・・ですが・・・」
>さなえ は こんじきのゆびわ を たからかとかかげ つよくねがった!
「馬鹿話も終わりです。死んで貰いましょう!」
「御主人!」
>ナズーリンは星を庇った!
「ナズーリン!」
「あらあら、何と涙ぐましいのでしょうか!ですが・・・そんな些細な事、関係はないのです、よ。」
「な・・・!?」
金色に輝く指輪が一層光り輝いた。早苗の指先を中心に、空気が歪むかのように張りつめる。
不味い・・・ナズーリンは頬に汗が一筋伝ったのを直に感じた。この異質な空気、早苗の周囲に展開するかのような張りつめ方。時間の針が一つ進めば進む程、それは確信へと変わる。死を、死という未来を見せられている。
「御主人、すまない。」
ナズーリンはそう一言呟けるだけの時間があった。
>さなえ の ゆびさきから まりょく の はどうがほとばしる!
>ナズーリンたちは こうげき の しょうたい を つかめない!
>ナズーリンに389のダメージ!
>しょうに267のダメージ!
>ぜんめつした・・・
「がっ・・・」
早苗の攻撃を受け、ナズーリンが力尽きる。後続の星も、波動の衝撃を受け地面に倒れ伏す。
「さようならナズーリンさん、くすくすくす・・・またお会いしましょう・・・」
薄れゆく意識の中で、早苗の言葉をナズーリンは最後まで聞き取れなかった。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
「ここは・・・?」
ナズーリンは目を開ける。おかしい、自分は確かに死んだはずではないかと、だが、自分は寝ているその少し汚れたベッドから反発力ないその感触と共に起きあがった。
隣には、大層安らかな寝息を立てている星がまだ起きあがる様子もなく夢の中を満喫しているようであった。
木で作られた無骨な作りの小さい部屋、臭いもお世辞にも良いと言える香りではない。立ち上がって自分の体を適当に見てみるが、傷一つすらない。
「生き返っているという事なのか・・・?おかしい・・・これはどうなっている・・・?」
持ち物は投げ出されるかのようにまとめて置いてあった。荒らされた様子もない。
「あら、起きたのね。」
聞き覚えのある声だ。あまり聞きたくはないがという面持ちで、ナズーリンは開けられた戸の方へと振り向いた。
「博麗霊夢・・・君もここに来たのかい?」
「その言葉、そっくりそのまま貴方に返させてあげるわ。ぼろぼろになった貴方をここまで連れてきて元通りに治療までしてあげたのに、何かひとつぐらい言う事があるんじゃないの?」
「・・・すまない。」
別に良いわ、と返した霊夢は、ナズーリンの体を少しだけ見た。
「重度の魔力汚染をそんな低レベルで受けてまぁ、良くここまで復活出来たわね。というより、あんな雑魚しか出てこない森で、これだけの魔力汚染を引き起こせる程の大魔法を扱える奴がいたなんてねぇ・・・あぁ、貴方達はここは・・・初めてだったわね。」
「あぁ、そうだとも。分からぬまま意味不明の化け物に襲われ、何とか撃退したものの、早苗・・・東風谷早苗に襲われてね。それで一度死んでしまったんだよ。」
「早苗・・・?あぁ、他にも正規の幻想郷からこちら側に迷い込んだっていう奴等がいるっては聞いたけれど、あの早苗もねぇ。」
「しかも、早苗は私達が見たこともない指輪を付けていた。」
「指輪?それはどんな?」
「金色で、一切の装飾が無くそれでいて不気味に光り輝いていたよ。」
霊夢が押し黙った。
「付け加えるならば、早苗はその指輪を使って魔法の類を放っていると、私は見ている。どうにもあの状況からだとそうとしか考えられない。」
「金色の指輪・・・ねぇ、まぁ今度会ったらすぐに逃げなさいよ。何故かは知らないけれど、早苗は私達と違って殺す事に躊躇がないようだし。あぁ私は大丈夫よ、この世界から出れれば良いし。」
「出る方法があるのかい?」
「あるにはあるらしいのよね。」
有耶無耶に霊夢が返答した。
「私も貴方達より早くここに飛ばされて、この場所に居着いたんだけれど、何でも聞いた話によれば、この世界を支配してる奴を倒せば元の幻想郷に戻れるらしいわ。」
「なら、何故霊夢はここに居るんだい?君程の実力者なら・・・」
「簡単な話よ。1つは私のここでの職業・・・貴方も早苗から今の自分が何の職業か言われたんでしょ?私は『ヒーラー』回復専門だから私一人じゃ何にもなんないのよ。元の幻想郷ならもっと広範囲に動く事も出来るんでしょうけれどね。そしてもう1つ、これも単純ね。その「敵」とやらの居場所が分からないのよ。」
「なら、私の仲間に・・・」
「それも良いんでしょうけれど、お断りするわ。私は単独行動の方が好きだし、それに貴方や他の誰かが死んだら、その体を復活させる者が居なければ駄目でしょ?」
ナズーリンは霊夢の正論に黙るしかなかった。確かに回復、五体満足になるレベルまで体を治す事が出来る今の霊夢の能力は貴重だ。他に同じレベルの存在が居るとは思い難く、戦力として扱って不意に死なれでもしたらナズーリン達の次は無い。
「分かった。今の話は聞かなかった事にしておくれよ。」
霊夢は静かにうなずいた。
「あぁ、そうだ。貴方、まだこの世界の"仕様"っていうの、あんまり知らないでしょ?」
「あ、あぁそうだね。本当に来たばかりなのだから分かる訳がない」
「じゃあ、これを見てもらえるかしら?」
―――
【はくれいれいむ/博麗霊夢】
レベル:60
職業:ヒーラーLv99★
HP:560
MP:789
こうげき:245
ぼうぎょ:229
すばやさ:189
かしこさ:540
せいしん:897
きょうき: 0
〔スキル〕
【蘇生魔法】【回復魔法】【破邪魔法】【符術】【飛行術】【博麗式対魔法防御術】
〔そうび〕
あたま:★博麗のリボン[DEF+15・SPD+35]
こうか:狂気にならない・低級魔法反射
せつめい:博麗神社の由緒あるリボン、長年使われていた為、神霊が宿っている。
からだ:★博麗の千早[DEF+120]
こうか:ダメージ10%軽減・対邪悪防御
せつめい:かなり価値のある博麗の巫女のみが着る事を許された千早、腋が開いてる独特の巫女服である。
りょうて:★博麗の対魔札[ATK+10%・DEF+10%]
こうか:神聖・射撃攻撃・貫通15%・対邪悪
せつめい:邪を払う為に作られた博麗謹製の対魔札、基本的に投げて使う。
あし:★博麗の靴[SPD+20%]
こうか:行動速度増加40%・疲れ軽減
・・・・
「これは・・・?」
ナズーリンにしか見えないその文字の羅列を見て、霊夢は息を吐いた。
「これが私のここでの"データ"らしいのよ。一応参考になると思って見せた訳。」
「私達のも見れるのかい?」
「見れるんじゃない?その為に貴方の能力があるんでしょうし」
その言葉にナズーリンは疑問を持ったが、大分慣れた感覚で脳内でカーソルを動かす。
―――
【ナズーリン/なずーりん】
レベル:2
職業:賢者LV1
HP:9
MP:120
こうげき:24
ぼうぎょ:32
すばやさ:28
かしこさ:56
せいしん:45
きょうき:0
〔スキル〕
【賢者魔法】【博識】【妖怪】【観察眼】【貧弱】【ダウジング】
〔そうび〕
あたま:なし
からだ:ナズーリンの服[DEF+2]
せつめい:何の変哲もないナズーリン愛用の服、僅かながらではあるが防御効果がある。
みぎて:硬い棒[ATK+4・SPD+1]
→刺突武器・壊れる・会心+10%
せつめい:その辺で拾った頑丈そうな先の尖った木の棒、なかなかの打突性能を持つが、やがて壊れる。
あし:ナズーリンの靴
せつめい:何の変哲もないナズーリン愛用の靴、防御効果はない。
―――
「私が・・・賢者・・・?まさか本当だとは・・・」
「そのようね。でも賢者っていうのはこの世界じゃ難しいんじゃない?」
「どういう意味だい?」
そりゃあ、と霊夢が続ける。
「見てみなさいよ貴方のHP」
「へ?」
言われて、慌てるようにナズーリンが数値を見直す。そこには自分のHPが1桁だけの表示になっていた。
「これは・・・?」
「分からないの?賢者っていうのはそもそも知恵と知識を会わせたモンじゃない。幻想郷にすら居ない・・・まぁ紫は賢者って言われているけれどそれは別として、その2つを両立させる為には己の肉体が犠牲になるんじゃないの?」
「そういうものなのか・・・?」
少しだけしょげかえっているナズーリン
「まぁでも、これからでしょ。レベルさえ上げれば強くなるわ」
「レベル?」
「えぇ、どうやらこの世界では強さの基準がレベルという単位で表されているのよ。私もここに来たときは1だったけれど、今ではこの様よ。」
成る程と、ナズーリンはうなずく。
「うー・・・うーん。」
そう話していると今まで寝入っていた星が目を覚ます。半眼でぼーっと起きあがり、しばらく辺りを見回す。
「あらおはよう」
「おはよう御主人」
「あー・・・おはようございます。今は朝ですか?」
まだ寝ぼけている星が相づちを打つように朝の挨拶を交わす。
「今は夜よ」
霊夢がそう返答して、星が頷く。
「あーそうですかー・・・ってぇ!私死んだはずでは!?」
やっと頭が回転し始めた星の動揺に、これはまた説明しなければならないと2人はため息をついた。
・・・
「はぁ・・・なるほど・・・そんな事になっていたのですね。」
霊夢とナズーリンの解説に星は関心するように2人を見ていた。
「それで、私は何の職業なんなんですかね?」
「あぁ、そうか。一応御主人のも見ておかないと」
―――
【寅丸 星/とらまる しょう】
レベル:1
職業:魔法戦士
こうげき:32
ぼうぎょ:30
すばやさ:26
かしこさ:28
せいしん:22
きょうき:0
〔スキル〕
【万能魔法】【妖怪】【幸運】【能天気】
〔そうび〕
あたま:なし
からだ:星の服[DEF+3]
せつめい:星愛用の服、少しだけ硬い
みぎて:錆びた剣[ATK+6]
→斬撃武器
せつめい:その辺で拾った錆びた剣
あし:星の靴
せつめい:何の変哲もない星愛用の靴、防御効果はない。
【ヒーラー】
ヒーラーは体を癒す事に特化した職業です。基本的に回復呪文しか使えませんが、上位のレベルになると肉体を復活させたり、邪を討ち払えるようになります。その反面攻撃魔法は殆ど扱えず、武器の扱いも魔法使い以下ですが聖なる武器だけは得意です。肉体的にも貧弱気味で魔法使いよりも少し頑丈ぐらいですが、経験を積むと邪に対する耐性と物理攻撃や魔法攻撃に対する軽い耐性を獲得します。
【賢者】
賢者は魔法使いの知恵と司祭の知識を兼ね備えた最上位職業です。殆ど全ての魔法を扱う事が出来、それを行使する為のMPも高くなりやすいです。経験を積むと呪文のコストが軽減され、複数の魔法を同時に展開し続けるようになります。その代わり肉体的には最低レベルの貧弱さで上位レベルになったとしてもまともに殴られただけで死んでしまう程貧弱です。常に魔法を展開し続けて防御しつつ相手に決定的ダメージを与える事が必要な職業です。経験を多く積めば賢者にしか覚えられないような呪文を覚え、魔法吸収に対する完全な耐性を獲得し、呪文の詠唱が必ず失敗しなくなり、朦朧しなくなります。
【魔法戦士】
魔法戦士は戦士と魔法使いの中間に位置する職業です。便利な各種魔法と戦士的攻撃力を持っていますが、魔法は魔法使いに劣り、攻撃力も戦士には格段と劣りますが魔法戦士は魔法を詠唱しながら攻撃出来るという他の職にない特色を持っています。経験を積むと物理や魔法に対する耐性が上がり、毒や麻痺への耐性を獲得します。
―――
「それで?貴方達はどうするの?」
「御主人、どうするんだい?」
「はぁ・・・事情は大体飲み込めましたが・・・私には判断つきかねますね・・・」
3人は落ち着いた表情で机を囲むように話し合っていた。簡単な話だ。「これからどうするか」というたった1つの命題。
「結局、この世界を支配してるっていう奴を倒せば良いんだろう?」
「でも手がかりがないことには・・・」
「いや、歩き続けていれば手がかりは見つかるさ、どちらにせよ此処に居続けるのは私は嫌だよ。聖の事も心配だし。」
「決まったわね。」
霊夢が立ち上がる。そして、二人の前に立つ。
「動かないで―――汝に神の寵愛を与えよ・・・―――」
少しの静寂、淡い光が2人を包む。
「何をしたんだい?」
「説明しておけばよかったわね。これは帰還の呪文、それも貴方達が何処かで死亡したら、ここに戻ってくるようにしてあげたのよ。そう、死体になったら、ね。」
静寂が響きわたった。つまりは、死体の塊になったらここに送還される事になるのだが・・・それはそれで、死ぬ前提の話になっている事だ。
「まったく、早苗との戦いでは訳も分からず死んでしまったが、そこらの雑魚相手で私たちが到底負けるとは思えないな」
「だから、保険だって言ったじゃない?それに、私だってそんなに頻繁に死なれても困るわよ。」
「そうだね、その気持ちはありがたいよ。さて長居するのも良くないな。御主人早速行こうじゃないか」
立ち上がったナズーリンに釣られるように星も立ち上がる。装備は心許ない。だが、行かねばならないと、ナズーリン達は霊夢の家から出て行った。
―――
><キメラ>人間悪魔ドラゴン植物が現れた(数1体)
>[system]<キメラ>人間悪魔ドラゴン植物のスキル【不意打ち】発動
><キメラ>人間悪魔ドラゴン植物がこちらの体勢が整わない前に攻撃を仕掛けてきた!
>[system]<キメラ>人間悪魔ドラゴン植物のスキル【強襲】発動
>[system]<キメラ>人間悪魔ドラゴン植物のスキル【連続行動】発動
>[system]<キメラ>人間悪魔ドラゴン植物のスキル【雄叫び】発動
>[system]<キメラ>人間悪魔ドラゴン植物のスキル【スマッシュ】発動
「へ?」
霊夢の部屋を出たばかりのナズーリンが出くわしたのは、幻想郷で見たこともないような奇妙な生物であった。頭は竜、身体は悪魔、両腕は人間、足は植物・・・これがもはや生物であるかすらも分からないようなその蠢くそれは、こちらを見定めるとこちらの体勢が整う前に襲いかかってきた。
「ちぃ!」
防御もままならない。
><キメラ>人間悪魔ドラゴン植物は力強くナズーリンを殴りつけた!
>渾身の一撃!ナズーリンに210のダメージ!
「くぁ・・・あ・・・」
不意を付かれたナズーリンの鳩尾に丸太のような太い腕の一撃が突き刺さる。あまりの化け物じみたその威力は、ナズーリンのひ弱な身体に穴を空けた。内蔵は飛び出し、血が周りを汚く汚す。意識が急速に失われて行くのを感じたナズーリンは、星の最後を見ぬまま、目の前が真っ暗になった。
「ナズーリン!」
一瞬でその命を無くしたナズーリンに叫ぶ星、しかし次にその身が危険なのは星だ。だが遅い、異形の怪物は死体となったナズーリンの姿を見捨てるかのように次の行動へと移った。
星の2つの眼と異形の眼が合う。星が一瞬立ちすくむ。
><キメラ>人間悪魔ドラゴン植物は燃え盛る炎を吐き出した!
>星に120のダメージ!
「ぎゃああががああああああああああ!!!!!!」
その頭を務める竜の首がもたげ、こちらと視線を切る。が、その眼光は怪しく光ったかと思うと、星の視界一面に広がる程の火炎を吐き出してきた。
炎を防御する術を持たない星は一瞬にして業火に包まれる。
「あ・・・ぐ・・・」
焼き尽くされていく細胞は炭化し死滅していく、星は、何も考えつく暇も無く、真っ黒な炭となり、地面へと倒れ伏した。
>全滅した...
「何か言うべき事は?」
腕組みをしつつ不機嫌そうな顔をしている霊夢が復活してまもないナズーリン達を見て言った。
「いや、こんな、普通考えられるだろうか?家を出た瞬間襲われるっていう・・・」
「だから言ったじゃない。」
吐き捨てるように言った霊夢は、にっこりと笑った。
「今度は人の話を良く聞くこと、分かった?」
「あ・・・あぁ、悪かった。悪かったよ。」
「すみませんでした・・・」
しょんぼりとしたナズーリンと星に霊夢はため息で返した。
「いいわね、一応この周辺は"辺境の町"と呼ばれているわ。モンスターのレベルも、上限も下限もまちまちね。後、私のこの家・・・町から結構離れているから、町まではモンスターが普通に徘徊してるわよ?」
「それを先に言ってくれ・・・いや、それすら聞かなかった私たちが悪いのか・・・」
「そういう事よ。まぁといっても私が言える事なんて少ないんだけれど、あーそうね。アンタ達装備が微妙よね。町で何か装備を整えてきなさいよ。お金ぐらい上げるから」
手渡されたのは、この世界での貨幣に相当するものであった。
「$2000ぐらいあれば良いでしょ、でもこの町の装備品も微妙だけど・・・ここらで戦う分には」
「恩に着るよ・・・」
そうして受け取った金銭を手に、ナズーリン達は再度霊夢にお礼を言って、近くにあると言われる町へと向かった。
><キメラ>人間オークが現れた
>ナズーリン達は逃げ出した。
><キメラ>ドラゴン植物が現れた
>ナズーリン達は逃げ出した。
><キメラ>悪魔植物オークが現れた
>ナズーリン達は逃げ出した。
・・・・・・・・・
何とか異形の者達の襲撃を回避しつつ、ナズーリン達はやっとの事で町へと辿り着いた。
―――
"辺境の町"
寂れた町だとナズーリンはつぶやいた。まず町に入ってまともそうな人が見あたらないのだ。
「気にしてはいられない、さっさと装備を整えよう」
冷静に、ナズーリンは腐肉にまみれた人の死体を一瞥もせず、武器と防具が売ってある場所へと歩き出した。
霊夢が言った通り、大した武器や防具はない。だが、渡された資金内である程度は強化することが出来た。これは霊夢に感謝するべきだろう。
「ふう、これなら、この辺りのモンスターとも若干ながらではあるが、渡り合えそうだね。」
硬い棒ではなく、普通のステレオタイプの魔法使いが使いそうな杖を片手に上から下まで軽装ではあるが、防具で固めたナズーリンは横目で同じように新しい装備を身につけた星を見て、何とかなりそうだと思った。
だが、ナズーリン達はまだここでの戦い方をあまり知らない。だからこそ、弱そうな敵で戦い方を学ばねばならない。最悪、死んだとしても霊夢の家に戻るだけなのだから
「死んで慣れろって言うじゃないか御主人?」
「・・・あんまり痛いのは好きじゃないんですけれどね・・・」
乗り気ではない星は、ナズーリンに連れられる形で、野へと歩いていった。
>オークが現れた!(1体)
無骨な、大柄の化け物がこちらを警戒しつつ棍棒を握る。
しかし、この図体だけが取り柄の化け物相手に遅れを取るはずもない。
>ナズーリンはファイアボルトの呪文を唱えた(×2)
>オークの腹に炎の矢が突き刺さる!(×2)
>オークに35のダメージ
ナズーリンのHPは笑ってしまう程、低い。先手必勝が不可欠だ。一通り自分が扱える呪文を見てみたが、はじめは攻撃関連の魔法しか使えないようであった。
だからこそ、ナズーリンは攻撃に徹するべきであるのだ。防御は・・・
>オークは力任せに棍棒を振り回してきた!
>星がナズーリンを庇った!
>星に12のダメージ!
「くう・・・」
重たい衝撃を鉄製の安物の盾で受け止めた星は、食いしばって耐える。こうでもしないと、ナズーリンへと攻撃がいってしまうからだ。
「ナズーリン!」
ナズーリンは返事をしなかった。そうするより早く、ナズーリンは呪文の詠唱で応えた。
>ナズーリンはファイアボルトの呪文を唱えた。(×2)
>オークの腹に炎の矢が突き刺さる!(×2)
>オークに36のダメージ
>オークは倒れた
>ナズーリンはレベルがあがった
>星はレベルがあがった
巨体が炎に焼かれ、炭と化した時には勝負は決していた。揺らぐ炎と生物特有の脂臭さを嗅ぎつつ、初めての自分達で勝ち取った勝利を酔う。
「この調子で頑張ろう御主人」
先程覚えた回復魔法を行使して星の傷を回復させるナズーリン、星は軽くお礼を言って、立ち上がる。
「・・・そうですね。地道に頑張りましょう。」
星はにこりと笑い次の戦いに備え、剣を構えいつでも応戦出来るように歩き出した。そのどこか誇らしげな自分の主人の姿を見て、ナズーリンは何も言わず着いていった。
彼女たちの旅は、まだ始まったばかりなのである。
―――
【ナズーリン/なずーりん】
レベル:3
職業:賢者LV2
HP:11
MP:143
こうげき:26
ぼうぎょ:34
すばやさ:30
かしこさ:60
せいしん:51
きょうき:3
〔スキル〕
【賢者魔法】【博識】【妖怪】【観察眼】【貧弱】【ダウジング】
〔そうび〕
あたま:皮の帽子[DEF+2]
せつめい:頭を守るに最低限の効果を発揮するただの革製の帽子
からだ:魔導師の服[DEF+1・MAG+5%]
せつめい:魔導師が着るようなローブ、若干だが魔法の威力を上げる。
みぎて:樫の杖[ATK+3・MAG+5]
→打撃武器・失率低減
せつめい:駆け出しの魔法使いが使うような杖、集中力は高まる。
あし:羽根の靴[SPD+3]
せつめい:羽根のように軽い靴、ただそれだけである。
【寅丸 星/とらまる しょう】
レベル:3
職業:魔法戦士Lv3
こうげき:47
ぼうぎょ:38
すばやさ:37
かしこさ:32
せいしん:29
きょうき:1
〔スキル〕
【万能魔法】【妖怪】【幸運】【能天気】
〔そうび〕
あたま:鉄製のカチューシャ[DEF+4]
せつめい:鉄というだけで少しだけ防御効果があるカチューシャ
からだ:鎖帷子[DEF+7]
せつめい:軽いし比較的防御効果がある
みぎて:鉄製の剣[ATK+15]
→斬撃武器・追加攻撃
せつめい:鉄製の剣、硬いし切れ味も比較的に良い
あし:鉄製の靴[DEF+5・SPD-3]
せつめい:重いがそれなりの防御効果がある靴
作品情報
作品集:
30
投稿日時:
2012/05/04 06:56:10
更新日時:
2012/05/04 15:56:10
分類
産廃RPG
ナズーリン
星
某ローグライク臭
続きがとても気になる話
特に「きょうき」のあたりとか