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『幸せの定義』 作者: Uみみ

幸せの定義

作品集: 31 投稿日時: 2012/09/09 04:37:08 更新日時: 2012/09/09 13:37:08
全てのモノには波が存在する。
月にも星にも空にも花にも水にも、そして人間や妖怪にも。
小石を水たまりに投げ入れれば、波うち、そして一定時間たてば静まり返るように。
波がそれぞれ、お互いを排除したり調和したりして、この世の中は成り立っている。

そんな中、その波が視えるモノがいた。
「それ」は波がグラフのように目に視えていた。
ゆったりと長い間隔の波。
速く小刻みに上下する波。
最初はただ、それが視えるだけだった。
しかしだんだんと、それを操ることができるようになった。
波長を変えて本来あるべき自然の流れを壊して、とある植物を枯れさせたり。
波長を変えて、一種の動物を絶滅に追いやったり。
妖怪兎の精神の波長、無意識と意識の波長をズラすことで仲違いさせたり。
それはとても愉快なものだったが、やはり飽きる。

そこで、「それ」は考えた。
そういえば、自分の波長を見たことはなかった。試しに見てみよう、と。
「それ」はわくわくしながら自分の波長を見るために瞳を輝かせた。
「…あれ、あれ?」
おかしい。
どんなものにも波長はあるハズなのに。
無機物でさえ波長がある。ましてや、生き物なら必ず波長はある。

なのに、「それ」には波長がなかった。
波が動かないというわけではない。
そもそもグラフが見えないのだ。
それはこの世に存在すらしていないこと。
そしてこの世に存在する万物全てと調和することが不可能だということ。
何とも、関係が築けないということ。
そして誰も、愛せないということ。
「あ、あ、………っぁあああああああぁああああああぁあああああああああああああぁあああぁああぁあああああああぁあああああ!!!!!!」
「それ」は悲しみのあまり、狂気に飲まれてしまった。
他人の波長を操ることしか生きがいがない。
誰かが自分といても、誰も自分の奥底まで見て気づいてくれるものはいない。
植物さえも、動物さえ影響を自分が与えることはできない。
波長がない自分は歪みをもたらすこともない。
ゆえに自然界から排除されることはない。
殺される可能性は皆無。
死ぬまでずっと、誰とも仲良くなれず、愛すこともできず、一人ぼっちで生きていかなければならないのか。

どうにかして波長がほしい。
それができないのならば、せめて誰かの手で私を終わらせてほしい。
波長がない私を、どうか消してほしい。
そう思って賢者のもとへ訪れた。
境界を操るという賢者になんとかしてもらおうと。
だけど彼女は首をふるばかり。
「あなたの精神には境界がないの。正しく言うと、狂気と正気の境界がない。でも意識と無意識の境界はちゃんとある。けれど、あなたは私から見れば全くの狂気。でもあなたのなかでは境界がないから全くの正気とも言える…」
しかし境界がないのなら私にはお手上げだわ、と返されて「それ」は深く絶望した。
地底深くの覚妖怪も訪ねた。
「感情はちゃんと読みとれます。けれど、あなたの求める解は私には出せません」
知識人であるハクタクの元へも行った。
「すまない、私には全く……歴史は創れるが、君にそれをしたところで何も変わらないと思う」
幻想郷の知識人をあたってみるが、いい解答は得られなかった。
皆動揺している波長が見えるだけ。

そして最後に訪れた紅い紅い館。
運命を操れる姉と、運命を砕く妹。
「できるわよ」
ここにきて、予想外の答え。
「それ」は目を輝かせた。
「私の妹ならあなたを終わらせられる。…けれど、あなたが本当に望んでいるものは得られない」
私が本当に望んでいるもの?
波長?それとも終わり?
「違う、そのどれでもない」
「わかってるんでしょう、鈴仙・優雲華院・イナバ」
それでもあなたは運命を壊すか?

簡単、だった
崩壊。


ただ私は幸せが欲しかった誰かを愛したかった愛したいよ愛されたいよ師匠てゐ姫様みんなみんな大好きだよなのにどうしてどうしても私は愛されない愛せないそんな幻想を壊して壊して夢を壊して幸せを壊して?また修復して?それを味わって苦味しか感じられない甘くない甘くない月みたいに冷たいこんなの嫌だよ嫌だ嫌嫌人並みでいいから幸せになりたかった偽物の人生で偽者みたいに過ごしてマリオネットみたいに生きるなんて苦しいよ誰か助けてよあなたが大好きで大好きで?あなたにそんなこと言えない優しさが痛いイタいイタい砕けた月の欠片が痛いよ痛い出口が見えない入り口が見えない迷って迷って迷い続けて誰もきてくれないだから私は私、は全部壊した、、の?

「だれかをいちどでいいから、あいしたかったよ」
産廃初投稿です、Uみみと申します。
こんな文章ここに投稿していいものなのか…と思いながら投稿させていただきます、緊張。

うどんげの波長についての話は本当に書きたかったのですがイマイチわかりにくい文章となってしまって…
愛がないうどんげ、が一応今回のテーマでした。
またうどんげについてはいろいろ話広げていきたいです…
Uみみ
作品情報
作品集:
31
投稿日時:
2012/09/09 04:37:08
更新日時:
2012/09/09 13:37:08
分類
うどんげ
1. NutsIn先任曹長 ■2012/09/09 14:04:27
感情はこんなに揺れ動いているというのに。
波風を立てる事ができるというのに。
幸せを手に入れられなかった、悲しいウサギさん。

見たくも無いものを見続けたその目は、紅く泣き濡れて……。
2. 名無し ■2012/09/10 18:29:21
うさぎは寂しいと死んでしまいます。
愛されることはなく、かといって愛することもできず。
最後まで周りに干渉することを諦めなかった鈴仙は「寂しがり」かわいい!
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