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『私が階段を上っていると、足元にバナナの皮があって滑って転んでお腹を打ちました。幽々子様、ゴミは決められた場所に捨てないのは犯罪ですよ。訴えますよ。』 作者: ギョウヘルインニ
「幽々子様、昨日休んだのを、有給申請してもいいですか?」
「妖夢ちゃん残念ねえ。認められないわ」
昨日、妖夢は内臓破裂して仕事を休んだ。しかし、事前に内臓が破裂することが予測できなかったので欠勤扱いになった。
「ふざけないでください。有給は労働者が持っている当然の権利です」
「そうね、権利ね」
勝った。次の話を聞くまではそう妖夢は思った。
「妖夢ちゃん。有給の申請は事前に済ましとかないと使えないのよ」
「え? そんなの嘘です。有給は労働者の権利です」
「事前に申請していればね」
「じゃあ、幽々子様は内臓が破裂するって事前に分かるんですか?」
「知らないわ」
「だったら、有給の申請を認めてください。後、私を不快な気持ちにさせたことを謝罪してください」
「ことわるわ」
「なんでですか! おかしいじゃないですか!」
「だから、言ってるじゃない。有給の申請は事前に出さないと駄目なのよ」
「幽々子様なんか死ねばいいのに!」
「もう、死んでるわ」
「……あ゛あ゛あ゛ぁ訴えてやる」
そういって、妖夢はお抱えだと思い込んでいる弁護士のところに怒りをぶつけに言ったのだった。
「そもそも、妖夢の出勤率が低すぎて有給が無いのだけれども」
去っていく妖夢の出勤簿を今日も欠勤に幽々子はしたのだった。
「ということが、有ったんです。パチュリーさん労働監督署に訴えて白玉楼を行政処分してもらいます」
「そう、そんなことがあったのね。魂魄ちゃんはとっても可哀想ね」
「ですよね。おかしいですよね。こんなことが許されるはずが無いですよね」
「魂魄ちゃん。よく聞いてね」
「なんですか?」
相談料5000円(30分)を貰ってしまったから話さなくてはならないパチュリーに妖夢が舌先三寸で噛み付いていた。
「……今回仮に訴えたとしても、負けるわ」
「何言ってるんですか?」
「法律的に勝てないわ」
「何言ってるんですか?」
「だから、魂魄ちゃん。やっぱり今回は、事前に内臓が破裂することを予測して有給休暇の申請を出さなければ成らなかったのよ」
妖夢はそのセリフを聞いたか聞かないかのかのうちに、パチュリーに向かって抹香をぶちまけて出て行ってしまった。
「ぺぇ、っぺ、ぺ、ちょ、あ〜いったい、何だったの」
それでも、パチュリーは抹香で汚れた服を払い相談料を金庫にしまったのだった。
妖夢は怒りを抑えながら、白玉楼に戻って有給の申請書を書いていた。
紅魔館の帰り道にあることをおもいついたのだった。
申請書の欄には、有給申請の理由を記入するところがある。
そこに、妖夢は不敵な笑みを浮かべながら書たのだった。
申請理由
切腹します。そのため、この日は出勤できません。
そう書いて、幽々子が寝静まった寝床にそっと置いたのだった。起きた時に見つけて驚けと思ったのだった。
そして、勝った!自分は有給を事前にしたのだから明日は有給だ。と、思った。
翌日、幽々子は寝床に置かれた有給の申請書を見つけて血相を変えて妖夢の部屋に向かった。このままでは、妖夢が死んでしまう。
すごい勢いで部屋の障子を開けた、とたんに広がる血のにおいにむせそうになる。
妖夢は部屋の真ん中で畳を返して、切腹していた。
「……ねえ、妖夢、なんで、なんで、有給取るためにここまでしなくちゃならなかったの?」
そう言って、妖夢が持っている残機を確認する初冬の幽々子だった。
会社を相手取って裁判
その後、敗北
もう誰も、雇わない世の中に乾杯
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
31
投稿日時:
2012/11/23 12:07:06
更新日時:
2012/11/23 21:19:35
分類
妖夢
幽々子
パチュリー
パチュリーの魂魄ちゃん呼ばわりに、どことなく余所余所しさを感じたりして。