東方風物死　如月　『バレンタイン・デッス』

「咲夜さん、ホントにやるんですか？」
私は尋ねる
「意志は変わらないわ・・・お願い」
どうしてこんなことに・・・




・・・話は一時間ほど前に遡る・・・

私は日課の庭仕事をしていた
すっ
尻に触れる感覚・・・これは・・・
「咲夜さん！」
振り返ると、尻から太ももに手を動かそうとしているメイド長が居た
「ごっ、誤解よ！美鈴！」
せめて手を離してから言えと・・・
「いったい、どうしたんですか？」
「私の部屋に来てくれないかしら？」
「嫌です♡」
「ちょっｗｗｗなんで？」
「手篭めにしようとした前科があって、よくもまあ・・・後、質問を質問で返さないでください」
「お願い・・・真面目な話なの・・・」
真顔になられると私も弱い
「はあ・・・いいですよ・・・」

「で、いったいどうしたんです？」
「お嬢様への愛の証明のため・・・私の！躰から型をとった、チョコレート像を贈るのよ！」
うん、私関係ありませんよね
しかも、産廃分は咲夜さんのキャラ崩壊ぐらいですよね
こっそり部屋を出ようとすると、ガッチリと肩を捕まれる
「と、言う訳で私を殺して欲しいの♡」
「はあっ！？」
何が、“と、言う訳”なのかと
「いや、脈絡無いですよね」
「型を取る間、息も出来無いだろうし」
「いや、何で私なんですか・・・」
「盆の窪に鍼を打てば外傷が少ないって言うし・・・」
「霊夢さんにでも言って下さい・・・後、チョコを渡す代わりに死んでどうするんですか？」
駄メイド長は手を振って言ってのける
「閻魔と死神には一回蘇生させて貰う約束を取り付けているわ、後、永琳先生に体の方の再生も」
なぜ神はこの�Hにこんなスキルを・・・
某KY「私は悪くねえ！」
あんたじゃねえ、信仰でも集めてろ
「お願い、あなたにしか頼めないの・・・霊夢に言ったら材料のチョコレートを全部持っていかれるわ・・・」
こんなんに非常識人扱いされる巫女ェ・・・

断ると私がR18-Gになる未来が、お嬢様でもないのに見えたので、二人共風呂場で全裸になったうえ、体毛を剃ったり、“穴”の掃除をした上でテープを張ったりといった下処理をした
かくして、冒頭のシーンに戻るのである。

「咲夜さん、ホントにやるんですか？」
私は尋ねる
「意志は変わらないわ・・・お願い」
そして、彼女は目を瞑る
「じゃあ・・・殺りますよ、咲夜さん」
「待って、今気付いたんだけど、私の老廃物が入っている方が興奮するわ！私が！！と、言う訳で掃除したのをこっちｎ・・」
トスッ
意外と音は少ない
「サッキュン！」
ガクッ・・・
彼女の、俯いた顔を持ち上げる・・・
上目になって舌を付き出したアホ面って・・・
「アヘ顔やん！」
ご丁寧に両手がピースになっている・・・
後は型取りを頼まれたらしい河童に任せて部屋を出た
「・・・もういやだ・・・」



「みんなーお礼よ〜」
復活してそうそう・・・
「あれ、箱がデカくないですか？」
開封してみると・・・生首が
「うわあ！」
周りを見ると腕だの、足だの、涙目になっているにとりの手元に三角形の塊が見えるが、もしや・・・
「いや、折角型取りしたのに一回で捨てるのももったいないし、材料が三個分しかなかったから三体目を解体して・・・」
三個ってことは、残りは二個・・・おいたわしや、フランドール様・・・お嬢様はいつものことだし、雇用主の責任が・・・
「あっ、ホワイトデーのお返しはあなた達の知り合いの幼女とのデート権で・・・あれ皆さん、なんでカードを掲げｔ・・」

十六夜咲夜が二度目の死を経験したのは言うまでも無い・・・