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『現実は非情である』 作者: 幻想保査長
ある日、里に新しい男が入ったと聞いた
屋敷に使えている女中は話した
身なり、服装からして外から来た人間らしい
そしてその外来人はすぐに里にとけ込み、周りからはいい関係を築いてている様子
しかも駄菓子屋という店をすぐに建て、商いをしているらしいと
「ふぅ〜ん・・・」
今回の外来人は一味違いますね
大抵の外来人はこちらとの人間関係は上手くいかなかったり、問題起こして追い出されることもあった
例え馴染んだとしても、農夫辺りに就けない
その時は私は然程その男に興味は持たなかった
卯月の中旬、私の屋敷に男が訪ねてきた
なにやら風呂敷を持ってきて……なんだろう?
そう、里に駄菓子屋の開いている店主だ
店主はここでは見慣れない背広を着ていた
青い背広、火を連想させる真っ赤なネクタイ、そして……沼のような表情のお面をつけている
「なぜ、そのようなお面つけているのですか?」
「それはね、阿求ちゃん」
いきなりこの店主は馴れ馴れしく私に「ちゃん」付けで呼びましたよ
「阿求ちゃんはここでは名家の令嬢だと聞いてね」
「そんなお嬢ちゃんと会うんだから、お兄さんのような下々の男と対面なんて無礼かと思ってね」
そんなお面をつけて顔を隠して人と話をするのが失礼かと思いますが……
「いえ、そんなお気遣いはよろしいので。お面を外して下さい」
「あ、余計な気遣いだった?そう言うんだったら外すよ」
お面の下はどんな顔かと期待したけど、至って平凡な顔だった
……ガッカリなんてしてませんよ?
「さっきから馴れ馴れし言葉遣いしてるんですが」
「名家の令嬢っていっても子供にも堅っ苦しい言葉なんて息が詰るでしょ?」
「こんな可愛い子供相手にはこれでいいんだよ」
「む〜……そういうモノなんですか?」
里の人達や屋敷の使用人たちも皆は私に対しては敬語で話す
私が稗田家のお嬢様だから堅苦しく接する
こういう風に接する人はいなかった
「それはそうと、今日は何用で私のところに?」
「あっ、今日は阿求ちゃんの挨拶がてらのついでにお菓子をね」
傍らに置いてある風呂敷を解いて中にある物を出す
”ぽてとちっぷす”と文字が書かれた中くらいの袋を見せた
「なんですかそれ?」
「これはね、阿求ちゃん。薄く切った芋を油で揚げたお菓子なの」
「外にあるお菓子でね、いくつか種類があってね。これは塩を薄く味付けしたものなんだ」
店主は袋を開封し、中には波打った芋の薄切りがあった
私を山の一つを手にとり、口に放り込んだ
パリッとした食感、それに塩の利いたサッパリとした味
「おいしい……」
「お!じゃあこれはどうですか?アポロっていうお菓子」
「貯古齢糖っていうものを固めたものなんだ」
「貯古齢糖ですか…知っています、甘くておいしい品なんですよね」
渡された小さい茶色と桃色の二色の甘菓子
ぎざぎざの円錐で、大きさはだいたい一寸五分ほどかしら?
「この桃色の部分はなんですか?」
「そこは苺味の貯古齢糖なんだ」
ほんとだ、苺の味だ
「他にもうまい棒、たけのこの里、トッポにプリッツ、それしてプッチョ…」
次々と風呂敷から幻想郷では見慣れない外のお菓子が並べられる
色鮮やかなお菓子に手を出そうとしたら、店主に掴まれる
「それ以上駄目だよ。間食はここでおわり」
「もうひとつ位、いいじゃないですか」
「間食はふたつまで。それ以上は肥満になっちゃうよ」
「残りのこのお菓子は使用人たちに分けてね」
「む〜……わかりました」
「よしよし、イイ子だね〜」
なでなで…なでなで
「子供扱いしないでください!」
「でもお嬢さんは子供でしょ?」
「た、確かに子供ですけど……」
人に撫でられるの初めて…なんだか不思議な気持ち
その後、店主は私に挨拶した後、家に帰っていった
言葉遣いはアレでしたけど、終始彼はニコニコとしていた
優しい声で、私の中ではとてもイイ人そうな印象であった
貰ったお菓子は使用人たちに少しあげ、残りは自室に見つからないように隠した
バレないように隠れながら食べよう
少し減ったけど、このお菓子はどんな味がするんだろう
「大丈夫、少しずつ食べれば太らないわよ」
少しずつ…少しずつと、と阿求はお菓子に手を出した
それからというもの、時たま店主が差し入れに訪れてはもらい、いけないと思ってもつい食べてしまう
そして、お菓子の食べる量も日に日に増していった
阿求は食べた事無いスナック菓子の味にハマり、お菓子がなくなっては駄菓子屋に顔を出すようになった
当然、そんな間食の生活を続けていれば体にも変化が起きるのだった
ある朝のことだった
いつものように女中に着物の着付けをさせていた時であった
「あら?あの、阿求様……少し、腹部のまわりが太くなっていますが……」
「え゛?!」
「それに……あの、お顔も……少し、丸みが帯びてきましたような気が……します」
言われてみればそういう気が…いえ!気のせいです!
「楓さん(女中の名前)私が太っているとでも言いたいのですか?」
「い、いえいえ!そんな、滅相も!(しまった、失言だわ!給料減らされるかも!!)」
「前言撤回します。阿求様は変わってはいません。いつも通りです」
「あぁ、そうですか。私の聞き間違いでしたかしら。ごめんなさい」
そう、気のせいに決まっているわ
お菓子を食べるのを控えなくちゃ
太るなんて嫌だわ
なんて、心の中で決心するが
数日後には誘惑に負けてしまい、お菓子を食べてしまうのであった
「こんにちわ〜、店主さん」
「阿求ちゃんじゃないか。またお菓子を買いにきたのかい?ここんところ毎日じゃないか」
「えっと、使用人が多くてお菓子がすぐなくなっちゃうので」
「すぐなくなるって…あんな買う大量のお菓子がか?」
「阿求ちゃん、君にお菓子を売る量を減らさせてもらうよ」
「えっ……な、なんでですか?」
「阿求ちゃん、最初に会いに行った時は幼女とは思えない程綺麗だったよ」
「でも、今の阿求ちゃんは……ぽっちゃりしているね」
「お兄さん以前言ったよね?間食はふたつまでってね」
「何言ってるんですか……(ぷるぷる)」
「ん?今なんてい」
「元はと言えば貴方がお菓子を持ってきたのがいけないのですよ!」
「え、ええええええええええ?!」
「ちょっと太ったくらいでなんですか?こんなの、間食を減らせば元に戻りますよ」
「いやでも、お兄さん的にはお菓子買うのはやめた方がいいかなぁ〜」
「うるさい!こうなったのも貴方のせいなんですよ!」
「なんでお兄さんのせい……」
「それに、私の鶴の一声で貴方の店なんか簡単に潰せれるのですよ!」
彼女の一言で店主の顔色はみるみるうちに真っ青になった
「うっ…閉店…い、いやだ…あの時の思いなんてしたくない!嫌だ嫌だ嫌だ!」
この店主、外で店舗を持っていたのだが、不況のせいで店は潰れしまい、多額の負債を抱え込んでしまう
という、外のに居た頃のエピソードがあるのだが、今は関係無いので省略しておく
そんな思い出したくもない事を思い出した店主は阿求にお菓子を売り、いつも通りに営業したのだった
ジャンクフードに魅了された阿求はさらに拍車がかかったのだ
間食する量も食事の量も増え、使用人達が阿求を𠮟るが、彼女は馬耳東風と聞き流していた
みるみる体重は40、50、60…と豚の様に増えて行った
醜くぶくぶくと太った御阿礼の子稗田阿求
彼女を見知ってい人に酷く肥えた彼女を見ても、信じられないだろう
そしてこう言う言葉を発するだろう
「これは私の知っている稗田阿求ではない!ただの食欲に溺れた肉塊にすぎない!」っとね
今の阿求ならば、外の世界の最強の肥満女性達とタイマンはれるかもしれない
里の人間は変わり果てた御阿礼の子の姿に変えた責任を駄菓子屋の店押しつけ、里から追放したのだった
店を焼かれた店主は地底に逃げ、その後どうしているのかは不明
釣瓶落としか土蜘蛛に食われたのか、はたまた旧都で惨めに暮らしているかどうかは誰も知らない
「あ゛ぁ〜…お゛い゛じい゛な゛ぁ〜…ぶふぅ〜……ゲェプ!」
そして豚の阿求は今日も飯とお菓子を貪るのであった
* * * * *
ある幻想郷に人里離れたところに屋敷がありました
その屋敷には片腕を包帯で巻いた仙女と寡黙で沼のような弟子がいました
仙女の名前は茨木華扇と言う
桃色の頭髪で、刺繍の入った導師服を纏い、何かとだらけている博麗の巫女に喝を入れたがる
怠惰を貪っている!っと彼女を修行を強要したが、無駄骨であった
弟子はというと、何かと喚き散らす仙女と違って無口な男だった
ほぼ喋ることはなく、日常では常に口を閉ざしたまま
たまに喋ることもあるが、それも必要最低限くらいしか喋らないのだ
そして里では珍しく欲のない人間であった
煙草や酒や賭博もせず、女を買うことや贅沢なことはしない
いつも質素な生活を繰り返し、里の人間は彼を不思議がっていた
二人はこの屋根の下で一緒に暮らし、日常を送っている
私には寡黙で表情に乏しい弟子がいる
里で突然弟子にしてほしいと申し出てきて、その日から私が厳しく育て上げた弟子だ
どんなに辛くて厳しい修行に弱音は吐かず、淡々とこなしていった
賢明で素直で、私の言うことは何でも聞く唯一の弟子だ
まるで機械みたいで、人間なのかと思う時がある
しかし、時々心配するのだ
あの私だけの言葉を聞いてくれる、私だけを見てくれる彼が
以前、彼が里に下りて日用品などを調達してくると言った
里に行くだと?そんなことは言語道断だ!許さない!
その時は私が代わりに行くから貴方は自習してなさいと言った
自覚しているのだろうか分からないが、彼は私から見ても中々の美丈夫だ
外の世界では俗に言う”イケメン”とも言うらしいわね
そんな彼があんな俗世に放り出されてみろ
欲深い人妖どもがすり寄ってきて、何をされるか分かったものじゃない
それに、里に下りれば里の欲塗れの雌共も黙っていないだろう
誰とも知れぬ見知らぬ女と彼が一緒にいる……
想像するだけで悪感が走る
そうだ!そんな悍しい事態を阻止するべく彼は私が大事に守らなければならない!
だから私は、彼に一切の外出を禁じることを告げた
ふふ、門外不出とはこの事ね
彼にとって私は師匠であり、目標でもある
だから、私の発する言の葉は絶対なのだ
嫌な顔は彼は一切見せず、只私の言の葉に従う
これなら彼と一緒に居られるし、私の眼が届く
今も一人道場で修業に黙々と励んでいるだろう
不思議と歩く速度が速くなり、道場にあっという間に着く
戸を開けると、修行に集中している彼の姿が目に入る
私の気配を感じ取ったのか、私の方に振り向く
相変わらず感情の無い顔だ
だが私の姿を見た時、彼は嬉しそうな顔をした
長く共に過ごしたのだ、表情を表に出さなくとも彼の事は何でも分かる
でも、彼の事を知ってない部分もいくつかある
なに、知らない事はこれから知ればいいんだ
時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり彼の全てを知っていこう
ゆっくりと彼の背後に寄り、抱きしめた
抱きしめた事で彼との距離は近い
道着服からは彼の匂いがする
いい匂いだ…肺が彼の匂いで満ちるよう目一杯吸う
スー…ハー…!スー…ハー…!
こういう突然な事も眉一つ動かさない……まさに不動ね
ワザと胸を彼の背中に押しつけてみる
相変わらずの反応なし
「衆道なのか?」
彼に限ってそんなのはありえない
もしそうだとしたら徹底的に修正が必要だな
私の体で使ってでもその性癖は直してやる
「いや」
短く一言発せられたのは否定の言の葉だった
その一言で私は心の中で狂喜した
やった!彼は普通だ!
嬉しくてつい彼を押し倒してしまった
彼女は弟子の顔を覗きこむ
弟子は真っ暗な瞳で華扇の瞳を覗き返す
「あぁ……近くで見れば見るほどお前は素敵だ。惚れ惚れする。お前を見ていると心がときめく
胸が熱くなる。頭ン中がお前でいっぱいになる。お前は毒だ。そうだ、毒だ。私を狂わせる猛
毒なんだ」
そう言うと、彼女は弟子の首筋をねっとりと舌で舐める
「お前の味がするよ。んちゅ、ぺちゃ…おいしい…おいしいよ…これが君の味か…れろ、ぴちゃ」
「フフフ…心配するな。お前を誰も渡すもんか。お前は私のものだ。お前の眼、指、足、手、腕
太腿、耳、鼻、口、歯、頬、爪、髪、尿、糞、精液、血…全部!ぜぇーんぶ!私だけのものだ!」
明らかに常軌を逸した言動を走らせる仙女
いつの間にかに別人へと変貌した師匠の姿に弟子は虚ろな目で、ただただ見ていた
仙女は弟子に馬乗りになると、自らの導師服を破るように脱ぎ捨て、己の裸体を晒し出した
そして、弟子の道着服を剥がし、彼の褌を脱がすと立っていない陽物が現れた
「今日は房中術を教えてやる。心して、私を悦ばせるんだぞ」
ゆっくりと手を下に手を伸ばすと、秘処に辿り着き指が触れた
指先に秘処に湿り気を感じた
「んっ……っ……ふぅん……どうした?女子と交るのは初めてか?」
「…初めてだ」
初めて…ということは彼は誰にも穢されてはいないと云う事だ
初めての相手が私だと云う事実に心が躍った
彼を自分の色に染めて行く事を
「そうか、初めてなのか…安心しろ、私が全て教えてやる。何も心配することはない。私に身を委
ねればいい。そう、何も心配するな。これかもずっと私と一緒だ。お前が仙人成って不老長寿に
なろうとも、ずっとずっと私が面倒を見てやる。悠久の時までに…な」
仙女と出会う前、己を縛るこの世の煩わしい俗世から解放される為に仙人に成ろうと決意した
だが、どう足掻いても逃げられないと悟った彼は乾いた笑い声が虚しく響いた
突然ながら、私本日引退をします
理由は自衛官になるからというのと、日に日にSS書く気力がなくなっていくんだ(´・ω・`)
日本万歳万歳と叫びながら少女達のリョナ絵が大好きという私
こんな自衛官で大丈夫か?
それじゃ、気力が湧けばまた復活すると思いますので、そん時は宜しくです
では諸君、サラバダァー!
幻想保査長
- 作品情報
- 作品集:
- 31
- 投稿日時:
- 2013/03/29 18:14:21
- 更新日時:
- 2013/03/30 03:14:21
- 分類
- 稗田阿求
- 茨木華扇
ドツボに嵌った男が二人。
引退はお名残惜しいですが、それも貴方が決めた道なら致し方なし。
護国に邁進する貴方に幸あれ!!
2華扇に気に入られた時点であきらめて下さい。精力続く限り頑張れ。
元自衛官の私が保証します。大丈夫です。
いつか戻ってくる事を楽しみにしています。