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『階段掃除よりも、私はもっと大事なことが有ると思うのです。幽々子様そうですよね。』 作者: ギョウヘルインニ
「もういやよ」
「どうしたのですか? 幽々子様?」
幽々子が自室でそう独り言を言ったときだった。階段掃除中のはずなのに妖夢が、それを聞きつけて勝手にそういいながら、部屋に入ってきた。
大方、幽々子の弱みでも握ろうと盗聴していたに違いない。掃除をしていると、なかなか弱みが握れないからこういうことをしている。
「妖夢? ねえ掃除はどうしたの?」
「掃除なんて関係ありません。私は幽々子様が心配なんです」
本当に心配しているのなら、さっさと階段掃除して欲しい。
もういやというのは、こういう妖夢の行動や言動だった。
正直最近、妖夢の顔を見るだけで幽々子は吐き気を感じてふさぎこんでしまうことがある。
「私のことはいいから、掃除に行ってね。ね?」
「そういうわけには行きません。掃除は明日でも出来ます。今日の私は幽々子様が心配なんで行きません」
今回も幽々子は吐き気を感じ始めていた。そういえば世間では、大食いとか言われている幽々子だが最近は妖夢のせいで食欲がない。
「本当に大丈夫だから、自分の仕事して頂戴」
「……なんなんですか? え? 私は、幽々子様のこと凄く心配しているのに、仕事しろなんておかしくないですか? 私がこんなに心配しているのだから掃除なんてどうでも良いじゃないですか!」
本当は、妖夢は仕事がしたくないだけだった。性根から腐っている。心配するふりして、仕事がしたくない口述を作っているだけだ。
「ごめんなさいね。でも、本当にいいから掃除しにってね」
「なんなんですか? 私がこれほど心配しているのに! 私の心は傷つきました。もう今日は仕事しません。全部、幽々子様が悪いんですよ!」
結局そう言い捨てて、妖夢はまた仕事を放棄してどこかに出かけてしまった。
「駄目なのは、分かっているけれど。居なくなってくれて助かった」
危うく過呼吸を起こしそうになった幽々子はその場で安堵の息を漏らした。
本当は、妖夢が階段掃除してくれないと困るが、そんなことはもうどうでも良かった。
こうして、妖夢は教授になったパチュリーの研究に付き合うあうために仕方なく図書館を訪れえた。
パチュリーは妖夢の研究を主に行っている。(地震とか台風等の災害研究と同じ感覚で)
「そういうわけです。パチュリー教授なら。私の心配する気持ちが、痛いほど分かりますよね」
「苦しいほどわかるわ」
苦しいほど分かる。実際、今のパチュリーは、喘息の発作を起こしかけて苦しい。妖夢に、毎日絡まれている幽々子のことを考えると苦しくなってしまった。
「ですよね。分かりますよね? そうですよね?」
「うぅ。けほっ」
駄目だった。妖夢という存在が、パチュリーには重過ぎてついに発作を起こしてしまった。
「どうしたんですか? 私の話も聞かずに、その態度は?」
「ごほ!」
怒った妖夢が埃のたまった、図書館で大声でそういうので埃がまってパチュリーの状態はどんどん悪化してしまった。もう駄目なのかも知れない。
「汚い! せきこんで! 私の服に唾がかかったらどうするんですか?」
「もう! 出てって下さい!」
いい加減、その二人の様子を見ていた小悪魔が横合いから出てきた。
パチュリー様、パチュリー様、パチュリー様と心の中で連呼しながら小悪魔は、妖夢を威圧している。
そして、妖夢が出てってくれれば、この弱ったパチュリーの介抱が出来ると打算している。
少しだけ、病んでいるのだった。
「なんですか? え! その態度は? 私に喧嘩売ってるんですか?」
「そんなことは、無いですが。出てって下さい」
それでも、妖夢が誰でも簡単に切り殺しそうな眼をしているので小悪魔が逆に気をとされしまう。
「は? 落とし前ですね! お金下さい」
「わ、分かりましたから」
小悪魔は、かつて弁護士だったパチュリーがその相談料などで貯めたお金の一部を妖夢に渡した。
「次、来るときはもっとお金準備しといてください」
妖夢は満足して去っていった。残った、小悪魔は涎が落ちそうになるのを堪えてパチュリーを介抱し始めた。
「貴女はなんなんですか! 早く映姫に合わせて下さい」
「そういわれてもねぇ」
「なんなんですか!」
「映姫様は会わないねぇ」
そして、お約束どおりの展開になった。妖夢は映姫に、むしろ映姫を訴えに裁判所までやってきた。
ところが、裁判所の前には小町がいて妖夢のいくてを阻んでいた。
話は少し前、妖夢が来そうな気配を感じた映姫は、腹痛を感じてその場で倒れてしまった。
そんなことは、露知らず妖夢は怒って暴れまわって裁判待ちの幽霊とかを千切っては食べ、千切っては吸収してしまった。
小町等の死神が大勢で取り押さえるまでにとてもたくさんの犠牲を出してしまった。
急性の胃潰瘍だったと。妖夢がこの後起こした事件の動機にされた映姫はそう言っている。
「うげぇ」
そして、事件の知らせを聞いた幽々子はついにストレスから吐いてしまった。
妖夢の替わりに、階段掃除していたときで折角綺麗にしたのにもう一度自分の汚物のせいで掃除しなくてはならない。
歯医者と親知らずと金床
追記
2さんそういえば、シリーズとか名前つけてませんでしたね。むずかしいです。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
31
投稿日時:
2013/05/08 13:50:17
更新日時:
2013/05/08 23:48:49
分類
幽々子
小町
パチュリー
妖夢
そういえばこのシリーズの名前とか有りますかね?
歩く災害ですねぇ