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『淫蕩地霊殿』 作者: 通りすがり
それは無数に浮かぶシャボン玉のように、見た目に美しいが触れれば壊れてしまうものなのだ。
地霊殿の主、古明地さとりは妹に恋心を抱いていた。
狂おしく胸を焦がすような熱い恋心を、彼女は長年持ち続けてきた。
こいしの冷酷に澄んだ目を想い自慰をした事もある。
こいしの小ぶりで可愛らしい鼻を食いちぎりたいと思った事もある。
こいしの薄く紅い唇にキスしたいと思った事など何度あるか知れない。
彼女は美しかった。人形のような酷薄な美しさがあった。
あの白く澄んだ肌にはきっと切り傷が似合うだろう。
さとりの暗く熱い考えは空に浮かんでは消えた。
「お姉ちゃん、また私で自慰していたの?」
彼女は姉の恋慕を知っていたし、それを知っている事を隠そうともしなかった。
開けっぴろげで、自由で、軽視していた。
こいしはそれを気持ち悪いと思っていたが、別段止めるつもりもなかった。
姉の事は嫌いではなかったし、可愛らしい容姿をしていると認めてもいた。
ただ、実の姉妹に、しかも同性に対してその様な感情を抱いているさとりにどうしても嫌悪を覚えずにはいられなかったのだ。
「ええ、とても良かったわよ、こいし」
蕩けた目つきでそう言うさとりからは羞恥心など微塵も感じられなかった。
肩で息をつき、一見すると辛そうにすら見えるその姿から、こいしはしかし底知れない快感の匂いを感じ取ってもいた。
姉はこちらを見やると、淫靡に指をくねらせて笑った。
こいしはふっと目を逸らし、小走りで部屋を出た。
背後に浴びせられる「阿婆擦れ」や「カマトト」と言った言葉が妙に心に刺さった。
こいしは頭を押さえてベッドに倒れ込む。
さとりはグロテスクで重々しい行為を繰り返していたが、その奥に隠された透明な恋心については暗黙の了解的に両者とも言及しなかった。
触れると壊れてしまう。絶妙なバランスの上で今の関係がある事を、こいしもよく分かっていた。
姉は弱い妖怪なのだ。そして自分も然りである。
……姉が傷ついている様は見たくなかった。
嫌悪と劣情で歯車は回り、恋慕と吐き気は加速した。
最低な自分に酔い、膣を弄る手は益々早まった。
何度絶頂したか分からない。快感にさとりの身体は何度も波打ち、再び絶頂した。
枯れてしまいそうなくらい愛液を出し尽くし、筋肉が壊れそうなくらい痙攣した。
性的に満足した後、さとりはいつも自己嫌悪から手首を切った。
錆びた剃刀で、何度も何度も白い肌を傷つけた。
やがてさとりはそれに倒錯した快楽を覚える。
被虐と嗜虐を併せた最高で最低の快楽だ。
さとりは自分の膣がビクビクと締まるのを感じた。
嬌声が響く。さとりの絶頂は未だとどまる事を知らないようだった。
……夜は更け行く。快楽と嫌悪を温かく抱き締め包み込みながら。
- 作品情報
- 作品集:
- 31
- 投稿日時:
- 2013/07/04 10:19:13
- 更新日時:
- 2013/07/04 19:19:13
- 分類
- さとり
- こいし
- 地霊殿
作者様に一言。
嘘吐き。
食後のデザート気分で読みましたがその実はとても凭れる淫靡な肉料理でした。ごちそうさまでした。