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『「魔理沙が育って行く姿を父親のように見守って来たんだ。なのに、なんで捕まらなくてはならないんだい?パチュリー弁護士また庇ってくれ」』 作者: ギョウヘルインニ
「また、森近さん捕まったのですか?」
「ええ、また捕まったわ」
またパチュリーは、小悪魔の運転するタクシーで留置所に向かっていた。
「……助ける必要なんてあるんでしょうか?」
「ないわ。でも、お金があるうちは助けるわ」
今回も霖之助が捕まって、その弁護をするためだった。
「こんにちは、痴漢、あ、間違えた。霖之助」
わざと、間違えた。留置所の一室、仕切りのアクリル越しには、痴漢の霖之助が居るからだ。挨拶のついでに、憎まれ口の一つでも言わないと気がすまない。
しかも、これ地文からかんがえると、間違っていない。
「僕は、痴漢じゃないよ。君が証明してくれたんだろう?」
「そうね」
それはあくまで裁判の話であって、誰もが霖之助が痴漢で変態だということ知っている。
「今回も助けてくれるんだろう?」
「ええ、今回は魔理沙の家にいくつも、隠しカメラつけて盗撮していたのが、ばれたのよね」
今日の昼、魔理沙がでかけていて家に帰ってみると、家の中に霖之助がいた。魔理沙は、霖之助が変態だということを前の裁判で知っていたからすぐに警察さんに通報した。
そして、やってきた警察さんが魔理沙の家を調べてみると、魔理沙が盗んで被害届けが出ていたものが次々見つかった。
それと一緒に、霖之助が仕掛けた隠しカメラが大量に見つかった。
ただちに、霖之助と魔理沙は逮捕されて留置所に運び込まれたのだった。
「ああそうだよ。僕が魔理沙の家に仕掛けたやつが全部見つかってしまったんだ」
「死んだほうが良いと思うわ」
ついつい、本音がでてしまうパチュリーだがあながち間違ってなどいない。
「ぼ、僕はまだ死ねないんだ。遣り残したことがたくさんあるんだ」
だそうだ。碌でも無い事をやり残しているに違いない。
それでも、仕事だからパチュリーを話進めることにした。
「着手金は40万、それと裁判に勝っても負けてもあなたの財産から30パーセント分のお金払ってもらうわ。もしも、財産がマイナスなら」
「フランから借りればいいんだろ?」
もう、霖之助はこういうことに慣れっこさん。いわば、常連さんといっていい。
「ええ、そうよ」
「着手金が高くなってないかい?」
「霖之助、あなたは重度の変態だから高いのよ。払えないなら、あなたは有罪になって死刑になればいいわ」
世界は変態にはやさしく出来てなどいない。変態が生き残るには、それ相応のお金が必要だった。
「で? 霖之助はなんで、魔理沙の盗撮なんかしたの?」
「僕だって、漢だよ。夜、一人さびしくなったときに使うんだ」
気持ちの悪い微笑にこの全身を毛玉にはいずりまわられる感覚は、パチュリーの想像なのだが、それはパチュリーがおかしいわけではない。おそらく、10人が同じこと言われれば、10人ともそう感じることだろう。
「そう、それで盗撮なんて卑劣なことをしたのね」
「卑劣って、僕はそんなに卑劣なことをしたかな? ただ、魔理沙がお風呂入っているところと、トイレに入っているところを撮っただけじゃないか」
「だから、霖之助は捕まったのよ」
「おかしいじゃないか。だとしたら、射命丸だって盗撮しているのに捕まらないんだい?」
「あのねえ、あなたみたいな変態が盗撮するのと、文が盗撮するのはわけが違うのよ」
どういうわけだが、わけが違う。盗撮が許されるのは、射命丸までだっていう決まりみたいな空気があった。清潔感が違う。
念写は盗撮に入りますか?という意見も聞かれたが各自判断となっている不思議。
バナナはおやつに入るのかということにそれは似ている。
「いい? あなたは魔理沙の保護者だった。だから、お風呂を覗いたり、盗撮したのは成長見守ったり。成長記録をつけていたということで、今回はそれで無罪を勝ち取るわ」
保護者なら何をしてもいいのかと思うが今はそれしか言い訳が思いつかない。
「わかった。僕がやったのは、盗撮じゃ無かったことにするんだね」
「ええ」
あなたのやったことは、盗撮以外のなにものでもないわとパチュリーは心の中で叫んだ。
それでも、仕事だから裁判には勝たなくてはならない。
そして、いつもどおりの裁判が始まった。
「痴漢の次は盗撮ですか。霖之助も忙しい方ですね。……今すぐ、死刑にして楽にしてあげましょうか?」
映姫は怒っていた。痴漢のことを無罪にしてやったのに、今度は盗撮と来た。
その顔に似合わない、ドスの聞いた声で言った。
それにこっちが本命なのだが読みたい、産廃創想話イミテーションの作品があるのに裁判なんて退屈なことをしなくてはならないのかと怒っていた。
「待って、霖之助は盗撮犯じゃないわ。だから、無罪よ」
裁判が始まって、早々死刑にされたものではたまったものではない。映姫は最近解剖研究をやっていると、小町から聞いていたから死刑が確定すると解剖室に生きたまま霖之助は連れて行かれてしまうだろう。
一人の女としてパチュリーは喜ぶかもしれないがそれでは困る。
それに事実、一緒に捕まった魔理沙はもう解剖されているから冗談ではなかった。
「しかし、明らかに盗撮で、証拠もそろってます」
たくさんの、盗撮用の機材が机には並べられている。古今東西あらゆる盗撮兵器の見本市と言ったところで気持ち悪い。
「でも、霖之助は無罪なの。お願い、映姫話を聞いて」
パチュリーは、裁判のルールを無視して映姫に近付いてとある資料をわたした。
そう切り札、それは失われた産廃創想話イミテーションだった。あの、何作か足りないところのコピーだ。
「仕方ないですね。ちょっと、だけですよ」
映姫は、怒りの表情を緩めてそのコピーを懐にしまうと仕方なさそうに話を聞き始めた。
そして、特に何かされてぼろぼろ霖な之助はパチュリーに促されて話始めた。
「ぼ、僕は、魔理沙の保護者だから、魔理沙が非行に走らないか監視していたんだ」
霖之助は既に自分の無罪を信じていたからその表情には余裕すら感じられた。
その心は泥団子をピカピカに磨いたようなものだから輝いているが、所詮中身は泥だ。
「トイレとか、お風呂でどう非行に走るのか教えて欲しいのですが?」
魔理沙がお風呂で非行に走るとしたらどういうことをするというのだろう?
霖之助にはそれが分からなかった。今まで、霖之助が覗いてきたお風呂やトイレで魔理沙は非行になど走っていなかった。
「ぼ、僕は」
「たとえば、お風呂で歯を磨くかもしれないし、トイレで文々○新聞を読むかも知れないわ」
堪らず、パチュリーは横合いから口を挟む。全くの出鱈目だったが、それが事実ならとんでもない非行だ。
「確かに、そのようなことをしていたら非行ですね」
思わず、映姫はパチュリーの出鱈目に納得してしまった。
納得する土台があった。実は、映姫は未成年なのにお風呂で焼酎を呑んだり、トイレでタバコを吸ったりしていた。
今まで、それが非行だと思って居たがそれが非行と指摘されなかった。なんだかそれが嬉しかった。
誰も知らない話だけれども、それでも、それで納得してしまった。
「でも、魔理沙はトイレやお風呂でそのようなことをしていなかったわ。これは、霖之助が良い保護者だってことじゃない?」
「確かにそうですね」
映姫は裁判を早く終わらせて、産廃創想話イミテーションが読みたい。
「それに、被害者の魔理沙はもう死んでいるしいいじゃない」
解剖されて魔理沙はもうバラバラで、ゴミ袋につめられてカラスについばまれているころあいだ。
そういう、同人誌の表紙があったからきっと本当だ。
「それもそうですね。じゃあ、無罪でいいですよ」
凄くあっさりそういうと、映姫はさっさと自室に引っ込んでいった。作品集1からもう一度見直すから、多分一週間はそとにも出てこないこないだろう。
「た、助かった」
霖之助は助かったことをしるとその場に座り込んでしまった。全身の力が抜けてしまったのだった。
「今回も君のおかげで助かったよ」
夕焼けに照らされた変態優男が黄昏ながらそういった。変態のクセに格好いいと思っている。
「お金払ったら、二度とその汚い顔見せないでくれる?」
これ以上、こんな生き物と一緒に居たくない。パチュリーは胃がきりきり痛むのを感じていた。
「ははは、そう、邪険しないでくれよ」
そういうと、霖之助は分厚い茶封筒をパチュリーに渡した。中にはお金が入っている。
「中身を、拝見するわ」
茶封筒のなかには、50万円入っていた。まだまだ、美鈴を買い戻すには足りない金額だったがそれでも少しは足しになるだろう。
「どうだい?」
「さっさと、消えて」
霖之助は肩をすくめてやれやれといった行動を取ってその場を後にして去っていった。
その後ろ姿が見えなくなると、パチュリーはその日始めて少し笑った。
美鈴を買い戻すまで、あと9億と2000万円。これからも、頑張らなくてはならない。
また変な設定がふえてしまいました。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
31
投稿日時:
2013/08/17 13:00:24
更新日時:
2013/08/17 22:00:24
分類
変態の森近さん
パチュリー弁護士
小悪魔タクシー
映姫裁判長
ばらばら魔理沙
清く正しいパパラッチと変態では盗撮の扱いが変わるのか……。
ピカピカの泥だんごの例えはナイスでした。
もう映姫様には、ゴミとして捨てられた魔理沙だった物が表紙の産廃合同誌を渡しておいたほうが良いのでは?
あ、それと映姫様、SSを読んだなら、できればで良いのでコメントを下さい。
パチュリーは美鈴の購入先の顧問弁護士になって、信頼を勝ち取り側近になったところで相手を陥れて美鈴を奪還するくらいの事をしても……。
足りない作品のコピー欲しい
まさか被害者不在で裁判が展開されるとは…さすが幻想郷