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『幻想郷ナルド』 作者: パワフル裸ロボ
幻想郷にファーストフード店がやってきた! スマイル0円国産牛肉格安サービスハンバーガー店だ!
「なんだこりゃ?」
魔理沙が早速嗅ぎつけてやってきた。幻想郷最速ブン屋よりも早く。
「いらっしゃいませーえっ!」
変なイントネーションでお出迎えする店員は元気いっぱいみんなのアイドル、早苗さん。
「…お前、何やってんだ」
「アルバイトですよ、アルバイト。ここの店長さんがアルバイトやらないかっていうからホイホイついてきたんです」
「そうか…」
なんとなく一抹の不安を抱えながらも、魔理沙はとりあえずメニューを眺める。ハンバーガー自体の存在は知っていた。アリスがサンドイッチのようなものといって魔界からのお土産に持ってきたのを食べたことがあるからだ。その時の印象としては、美味しいには美味しいが口にも腹にも体にも重たい食べ物、である。
「うーん。げ、メニューありすぎだろ」
とても豊富なハンバーガーの数々に、何が違うんだとつぶやきながら選定していく。が、やはり未知の食べ物、味や食感の想像もつかず、地雷を踏みそうで恐ろしくて二の足を踏んでしまう。
「おい店員、こん中で味がさっぱりしてるやつはどれだ? って、わかるわけないか」
はっは、と自嘲ぎみに笑う魔理沙に、0円スマイルを浮かべる早苗。
「このBLPバーガーがおすすめですよ。薄味でさっぱりしてますし」
「なんだよその腐った女が好きそうな名前…」
「ベーコンレタスポテトバーガーの略ですよ」
これにします? と尋ねる早苗に、ああ頼む、と答える。ふと、客の何気なしの要望に応えた早苗の行いに疑惑がうかんだ。
「ってか、よく答えられたな。早苗のくせに」
「ちょ、馬鹿にしすぎですよ! 私だって、アルバイトするうえで大事な知識くらい勉強しーてーまーすー」
魔理沙は、本当にこれが早苗だろうかと若干引いた。と同時に、この腋巫女二号は働くということを理解しているのかと関心もした。
「飲み物はどうします?」
「あー、じゃあこのジャスミン茶で」
「サイズはいかがいたします?」
「サイズ?」
「はい、SMLの三つがあります」
「SML? なんの略だ?」
「はい。それぞれ、スモールのS、ミニマムのM、リトルのLです」
「ほうほう……って全部小せぇじゃねぇか!」
思わず手に持っていたメニューを床に叩きつける。
「冗談ですよ、冗談。それぞれスモール、ミドル、ラージで、小中大ということです」
「最初からそう言えよ」
メニューを拾い直し、とりあえずでMで注文をする。
「かしこまりましたー。料金は230円になります。…はい、確かに。BLPバーガー一丁、ジャスミンM一丁はいりまーす!」
早苗が後方に元気よく声をかけると、はぁーい、という幼げな応答。
「…妖精か?」
「妖精です」
強ばった顔つきで俯く魔理沙。早苗の後方は厨房のようなので、つまりは妖精が調理をしているということだ。不安じゃないわけがない。
「ああ、大丈夫ですよ。あの子達の主な仕事は返事するのと食材を運ぶのくらいですから」
と、ジャスミン茶を紙コップに入れながら早苗が笑う。
「じゃあ、ハンバーガーとやらは誰が作ってるんだよ」
「美鈴さんですよ。なんでも、あそこのお嬢様に暇してるなら働いてこいって追い出されたみたいで」
と苦笑い。つられて魔理沙も苦笑い。
「本来ならストックに出来上がりの品が入っててすぐ出せるんですが、まださっき作り始めたばかりなのでもう少々おまちください」
と、ジャスミン茶の入ったMサイズのコップと1と書かれた札を手渡された。魔理沙はそれを受け取ると、外がよく見える窓際の席に座った。窓の外では、箒をもってぐるぐる同じ場所を掃き続ける、楽しそうな妖精たち。仕事をしているというよりは掃除ごっこで遊んでいるようだ。
「お待たせしました、こちらが商品になります」
早苗が丸っこい紙の塊を乗せたトレイを目の前に置く。魔理沙はその紙を恐る恐る開く。
「…おお」
うす茶色のバンズにベーコンとレタスがサンドされたハンバーガーが入っていた。バンズを持ち上げると、レタスの上に白っぽい粘土状の塊が。マッシュポテトのようだ。その見た目に思わず魔理沙は喉を鳴らす。バンズをそっと閉じると、両手で優しく持ち上げ、口元へ運ぶ。一口、かじりとり咀嚼する。レタスは相当新鮮なものであったようで、シャリっとした食感を歯に伝え、ベーコンから滲んだ肉汁がレタスとポテトに絡み、程よい爽やかさと旨みを舌に与えてくれる。
「…うまいな」
「まあ、作りたてですしね。ストックに置かれるとどうしてもレタスがヘタってしまって、食感は少々かわってしまいますから、一番美味しい時に食べられた魔理沙さんはラッキーでしたね」
「ストックするとまずくなるのか」
「まずくなる、というわけではなく、シャリっとした食感が楽しめなくなるだけです。と言い訳させてもらいます」
えへへ、と苦笑いを浮かべる早苗。
その後、魔理沙は美味しいハンバーグに舌鼓を打ちつつ、あっという間に完食する。
「ごちそうさま。ふう、うまかったぜ。ところで早苗」
「はい、なんですか?」
レジ業務をしていた早苗が、返事をしてこちらを向く。
「このベーコン、一体何の肉使ってんだ? しつこくない味でうまかったけど、食べたことない味だったんだが」
「それは企業秘密ってやつですよ、簡単には教えられませんねぇ」
「…そうか」
そう言って立ち上がる魔理沙。そのまま店を後にする。ありがとうございましたーあっ! と早苗の元気な掛け声を背に受けながら、あることを考えていた。
企業秘密ねぇ。秘密ってのは、のぞき見するためにあるよな。
魔理沙の頭の中の常識に照らし合わせ、早速行動に移す。どうやら自分の退店後にブン屋がすっ飛んできたようで、店員の注意は店内に向いている。これは好機とさっとすたっふおんりーとひらがなで書かれた裏口を開き、内部に滑り込む。
入ってすぐは通路になっており、スタッフルームと厨房にそれぞれ続いているようだ。魔理沙はスタッフルームを早々に通り過ぎ、厨房のドアを小さく開ける。話から察するに、この中には美鈴と妖精たちがいるはずである。もし侵入がばれてもどうとでもなるだろう。そう思い、隙間から覗き込んだ。
「注文きたよー。早くしないと。次だれ?」
「あ、私だー。やだなぁ」
「クジで決めたんだから文句言わないの」
どうやらブン屋が注文を入れたようで、妖精たちの話し声が聞こえる。
「はーい、担当の子はこっちに来てくださいねー。すぐ済ませるからねー」
美鈴の声がした。が、どうやらこちらから見えない位置にいるようで、姿は確認できない。魔理沙はドアをそろそろと開け、その姿を確認しようとした。体一つ入るほど開き、身を乗り出すと。見えた。どうやらまだこちらには気付いてないらしい。
「はい、じゃあここに足を入れて」
「はーい」
ちょこん、と妖精が美鈴の前に立つ。美鈴はかがみ込むと、妖精の足に何かをはめ込んでいる。
「できたよ。じゃあ、ちょっと飛んでね?」
「はぁい」
元気に返事を返すと、妖精はわずかに浮き上がる。すかさず美鈴は横に垂れていたひもを引く。すると、妖精が楽しげな悲鳴とともに逆さ吊りの体勢になる。
「じゃあ、すぐ終わるから、我慢してね?」
そういうと美鈴は、大きな出刃包丁を手に握り、逆さの妖精と向き合う。魔理沙の本能が、これ以上見てはいけないと訴えかけるが、好奇心と恐怖心でその場に凍り付いたように動けなくなっていた。
次の瞬間。美鈴は出刃包丁で妖精の首を撫でた。妖精の首はパックリと開き、赤黒い液体をドバドバとあふれさせる。咽喉を切り裂かれたためか、悲鳴のようなものは聞こえず、妖精の顔も、自分の現状をうまく認識できていないのか唖然とした表情をしている。
そのうち、血の勢いがなくなり、滴り落ちる程度になったとき、美鈴は妖精の体を下ろし、調理台に乗せる。
「さあ、頑張って作りますよー!」
「がんばってー!」
目の前で仲間が殺され、調理されようとしているのにも関わらず、妖精たちは無邪気に応援をしている。
「手軽に調達できて調理も用意、しかもおいしいときました。ここの店長はとても明瞭な頭をお持ちですよね」
後ろからかかる声に恐る恐る振り返ると、0円スマイルを浮かべる早苗。
「私も最初は驚きました。けれど、考えてみると妖精なんて幻想郷には掃いて捨てるほどいますし、殺してもすぐリスポーンしますし、なにも問題はないんですよね」
0円スマイルのまま、魔理沙のほうを向く。
「まあ、企業秘密ってこのことなんですけど、従業員以外には知られるわけにはいかないんですよね」
魔理沙は、恐ろしくて声すら出せずにいた。
「魔理沙さんには、二つの選択肢があります」
サッと差し出された早苗の手に握られている、二本の紐。
「ここの従業員となるか、ハンバーガーとなるか、二つに一つです。拒絶はハンバーガーですから、よく考えて動いてくださいね?」
すぐに逃げることを考えた魔理沙は、通路を振り返る。が、たくさんの妖精がじっとことらを見つめながら進路をふさいでいた。これをかき分けて進むのは困難であり、そんなことをしてる間に美鈴あたりにつかまってしまうだろう。魔理沙は一つ息をのむと、震える手を二本の紐に伸ばした。
「先が赤くなってたらハンバーガーですからねー」
零円スマイルで早苗が嘯く。ガタガタと震える手を何とか制しながら、左の紐をつかんだ。それを、ゆっくりと引き抜く。
「……!?」
「あら、残念でしたね」
早苗が、声色も変えずにつぶやく。いや、普段より若干高かったかもしれない。魔理沙は急いで振り返り、何とかして妖精をかき分けて逃げ出そうとした、が。
「だめだよー」
「クジで決めたら文句なしなのー」
妖精たちが魔理沙の服や体をつかんでくる。
「い、いやだ、ふざけんな! 離せ、いやだ、絶対にいやだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
妖精につかまれ、少しも進めない廊下。しかし、魔理沙はそれでも無理やり進もうとした。が、急に足が浮いた。体をつかむ妖精ごと。妖精たちはキャーキャーと無邪気に笑ったが、魔理沙だけは処刑台に立たされた冤罪囚人のような顔をした。
「ほんとにいいんですか?」
「店長さんがいない今、私が店長代理ですからね。企業秘密を守る義務があるんで、多少の強行もやむをえませんよ。さ、お客さんもお待ちですし、早く調理してしまいましょう」
はーい、と美鈴は片手で妖精ごと魔理沙を引っ張っていく。
「いやだ、いやだ! やだやだやだ、離して、離してぇ!」
襟をつかむ美鈴の手に爪を立て逃れようとするが、きめ細かい柔らかなはずの皮膚には跡のみで一向に傷はつかない。
やがて、先ほどの妖精のように足にひもをかけられ、逆さに吊るされる。
「いやだ……頼む、なあ、頼むから助けてくれ。このこと、誰にも言わないから……」
美鈴が出刃包丁をつかむと、魔理沙はヒッと喉の奥で鳴らした。
「お願いします、なんでもしますから、助けてください! ただ働きでもいいから従業員にしてください!」
魔理沙はもはや意地も恥も捨てて、全力で命乞いをする。だが無慈悲にも美鈴によって髪を掴まれ、喉を裂きやすいように顎を上げられる。
「ごめんなさい……許して下さい……」
魔理沙の最後の言葉は、およそ彼女らしくない反省の言葉であった。
す、と音すら立てずに包丁が魔理沙の喉を通過する。パックリと開いた咽喉から一瞬遅れて血が溢れかえる。不思議なことに、魔理沙は痛みを感じておらず、しかし、喉が開いている感じはありありと伝わってくるため、気持ち悪さに目を見開いた。鼻や口内に喉から血が伝わってきていたが、呼吸出来ていないためかせき込んだりすることなく、鼻腔内を生々しく血が流れる感触に新鮮味さえ覚える。
肺は未だに呼吸を続けており、口や鼻を通さず行われる呼吸は周期が短くなるのかと魔理沙の知的好奇心を少し掻き立てた。そんな現実逃避を許すほどに痛みも苦しみもなかったのだ。
しかし、やはり死は避けられないようで、ふわっとした感覚で徐々に意識が遠のいていく。彼女が最後に考えたのは、霊夢のことであった。私がいなくなったら、悲しんでくれるだろうか。そう最後に思うと、彼女の意識は暗闇に落ちていった。
「うーん、魔理沙さんって意外と筋肉質なんですね。あちこち若干固くて、使えそうなのは胸と腹の一部と太ももくらいですかね」
「では、使えそうな部分だけ今調理してしまって下さい。残りは美鈴さんのまかないにしましょう」
「筋肉質だと筋張っててあまり美味しくないんだけどなー」
とほほ、と美鈴は落胆しつつも、今か今かと待ちわびるブン屋の為に調理を開始した。
「うむむ、値段の割には美味しいですね。ところで、食材は何を使っているのですか?」
「企業秘密ですよ♪」
早苗はそう答え、絶対に話すことはないと言外に表すようにスマイルを浮かべる。秘密、と聞いてこのブン屋、はいそうですかと引き下がる性分ではない。
「そうですかー、残念です。それでは失礼しますね!」
と告げ、店を出る。ただでは帰らぬとでも言うような笑顔で。
「……やれやれ、パテの次はフライドチキンがやってきますか。仕入れ原価が安くなって店長も喜びますね」
「単純に利用客も減るから、マイナスな気もしますけど……」
美鈴は苦笑いしつつ、包丁を研ぎ始めた。
――――
ビックマック大好きです。モスは好きではありません。ロッテリア? 知らない子ですね。
私の住んでる地域はマックとモスの一騎打ち状態です。ココイチは撤退しました。最近だとすき家が参入してきました。ネギ玉牛丼大好きです。
皆さんは牛丼に卵をのせるとき、白身は省く派ですか? 白身も行く派ですか? 私は白身も行きます。あと豚汁美味しいですよね。値上がりしましたけど。
どうでもいいけど美味しい塩ラーメン食べたい。
※
NutsIn先任曹長さん
マックは正直行かなくて正解だと思いますがね。太る。霊夢はむしろ永久無料パスで機密保持のための警備と妖精の呼び込みと養殖を手伝ってくれるに違いない。
2の名無しさん
妖精は果物等の新鮮な自然物のみ摂取しているので肉質はいいのです。ハーブ鶏並です。魔理沙も肉とかの贅沢してなさそうなのでそこそこイケます。ブン屋はダメですね、マズイです。
ギョウヘルインニさん
うーん、自然の化身、とかだからじゃないですかね。神聖なもの的な。ま、産廃じゃ関係ありませんが。
レベル0さん
ロッテリアは車で一時間圏内にありませんので。モスはバンズが好きじゃないです。
5の名無しさん
よくわかってらっしゃる。
6の名無しさん
ええやろ?
7の名無しさん
むしろ変化球が難しくて投げれません。
県警巡査長さん
幻想郷に中国はいても中国はありませんからね。……待てよ、よくよく考えたら中国が作ってる=汚染バーガー、の可能性が微レ存…
パワフル裸ロボ
- 作品情報
- 作品集:
- 32
- 投稿日時:
- 2014/07/18 12:40:14
- 更新日時:
- 2014/07/29 01:14:07
- 分類
- 魔理沙(食材)
- 妖精(食材)
- 早苗
- 美鈴
- PCで打つとき「みすず」って打つからみすずって呼びそうになる
- まさにジャンクフード
近所にマックがありますが、あまり行きませんね。当方、視力が悪いゆえ、メニューが見づらくなりやがって……。
好奇心、デバガメとパパラッチを殺して羊頭狗肉ですか……。
霊夢は、バーガーとチキンを平らげて秘密を知っても、魔理沙達の敵を討つ事無く、永久無料パスで簡単にダンマリになりそう♪
ウシは労働力だから食べては駄目
豚は穢れているから食べては駄目
じゃあ、妖精はってことに
モスバーガーもいいよね。
ロッテリアという手もあるぞ