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『未収』 作者: ギョウヘルインニ
「今日は何のようだ早苗?」
「あ、魔理沙さん来ましたね」
「だって、無視したら怒るだろ?」
「そうですね」
「それで、今日は何のようだ?」
「今日はですね。どうして欲しいですか?」
「え? どうして欲しいかって?」
「ええ、どうするか未定なんですよ」
「それって、この間」
「この間なんですか?」
「なんでも無いぜ。未定だぜ」
「じゃあ、早速。謝ってもらいましょうか?」
「え?」
「さっき、どうするかって未定って」
「だから、魔理沙さんには謝ってもらおうかと」
「なんで、早苗なんかに謝らないといけないんだ?」
「あれれ、謝りたくないと。それで、良いんですね」
「良いも何も私はお前に謝ることなんてないぜ」
「謝ることがなくても。謝って下さい」
「何でだよ」
「何でって、謝って欲しいからです」
「……ごめん」
「ごめん? 誠意が伝わって来ませんね。もっと、気持を込めて謝って欲しいです」
「は? ふざけるな。何が誠意だ」
「謝るということは、許しを請っているんですよね? 人に物を頼むときはもっと真摯な態度で謝って欲しいです」
「だから、私がお前に何をしたって言うんだ?」
「何もしていませんよ。魔理沙さんはいちいち私に謝るのに何か理由が欲しいのですか?」
「そんな物はいらないぜ」
「じゃあ、さっさと謝って下さいよ! ぶちますよ」
「っく。ごめんなさい」
「顔が謝っていないですよ。やり直しです」
「ごめんなさい」
「眼がそれましたよ。本当に悪いと思ってます?」
「思ってるわけないだろ」
「思っていないと」
「そうだぜ。それより、早苗が謝ったらどうだ」
「私に謝れと」
「そうだぜ、この下らない茶番に付き合わせたことに謝罪しろ」
「いいでしょう。それで、幾らくれます?」
「無料に決まってるだろ」
「なんでですか? 私に謝罪を要求したのですから賠償を魔理沙が払うのは当然でしょう。謝罪させたからには賠償金を支払ってください」
「なんだよ。謝罪と賠償はセットだろ」
「じゃあ、魔理沙さんはさっき謝ったんでお金もくれるんですか?」
「そんなはず無いだろ」
「そんなはず無いって。じゃあ、私は魔理沙さんに騙されたのですか?」
「そういうことじゃなくてだな」
「言い訳はいいです。私を騙したことに対する謝罪と賠償を求めます」
「何が謝罪と賠償だ」
「ごねてもいいことは有りませんよ」
「糞。ごめんなさい」
「汚い言葉を使わないで下さい」
「ご・め・ん・な・さ・い!」
「あぁ、もう良いです」
「分かってくれたか。私がお前に謝る気がないってことを」
「そうですね。では、実益をとりましょう。賠償金を払ってもらってこの話は無かったことにしてあげますよ」
「何が実益だ」
「最大限の譲歩を私から引き出せたのですから。これ以上何を望むのですか?」
「お前は何も譲歩してないだろ」
「はぁ、我侭ですね。人に親切にしてもらって気がついてすらいないと。言っても分からないなら身体に教えてあげても良いんですよ。でも、痛いのいやですよね?」
「……ごめん。もう、許してくれ」
「くれ?」
「下さい」
「許して欲しいと罪を認めるんですね」
「そうだぜ。そうです」
「仕方ありませんね。じゃあ、土下座してもらいましょうか。それで、今日は許してあげます。良かったですね」
もちろん、お金は払ってもらいますけどね。痛い思いしなくて良かったですね。
ギョウヘルインニ
- 作品情報
- 作品集:
- 32
- 投稿日時:
- 2014/08/16 16:48:33
- 更新日時:
- 2014/08/17 01:48:33
- 分類
- 早苗さん
- 魔理沙