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『遅れた頃の除夜の鐘』 作者: 幻想弐士
諸君、新年あけましておめでとう
無事新たな年を迎えられて、先生今年も張り切っちゃうぞ☆
それと、まず君たちに謝らなければならない
君たちが楽しみにしていた除夜の鐘ができなくて、申し訳ない……
本当に申し訳ない……年末最大の楽しみを不意にしてしまって……
先生が鐘を探して見つけたのはいいが、肝心の鐘が抵抗してな
ふん捕まえるのにかなり時間をくってしまって、会場に着いた時には遅すぎたんだ
今回は先生が謝罪の念を込めながら鐘をつくよ
そら、いつまで寝ているんだ?ささと起きんか!
「うっ……ぅん……」
起きろ!起きるんだ!
「――――っ!げほっ!ごほごほ!〜〜〜〜〜ッ!!」
「こ、ここは……?ッ!!お、お前!このっ!くっ?!なによこの縄は!?」
やっと起きたか、よく眠れたか?
そうそう、その縄は特殊な縄だから、鬼の膂力でも千切れないぞ
無駄な足掻きはしないことだぞ
「ちくしょう……あんた一体何考えているのよ!?」
何って……今回君は鐘に選ばれたのだよ
本当はスムーズにいきたかったんだけど、君が無駄に抵抗するから私も手荒にせざるをえなかったんだ
選んだ理由は……君が楽器だからだよ
「はぁ?アンタ何言ってんのよ……それに何その丸太?」
その時、痺れを切らしたのか、観客から急かす声が上がる
いかんいかん、無駄話をしている場合ではなかったな
私は撞木の綱を思いっきり引っ張り……
「ちょっと、なにしているのよ……ま、まさか!ちょ、やめ」
手を離した
撞木が堀川雷鼓の腹部に目がけて迫り、めり込んだ
――――――ごちゅ
「うぼっ……がっ……ごはっ!!」
位置がずれていたのか、腹部の少し上辺りに命中
骨が悲鳴をあげ、喉奥から物体がせり上がってきた
大勢の目の前で嘔吐する無様な姿を晒されるわけにはいかない
「うっ・・・ううっ・・・っっっ」
耐えろ耐えろと呪文のように頭の中で繰り返し再生するが……
「うぼええぇぇぇぇ……っ!!」
余裕で無理だった
呆気なく胃に入っていた未消化のものがぶちまけられた
必ず吐くと予想していた慧音は見事なバックステップで華麗に回避した
「げはっ……ぶへっ……べっ!べっ!」
「い、一体私が……なにをしたっていうのよ……」
それは君が太鼓の付喪神だからだよ
いい音がなりそうだから、こうして除夜の鐘に選ばれたんだよ
「除夜の……鐘?なにを言っているか訳わかんないよ!」
だからぁ、そのまんまの意味だよ
君は除夜の鐘に選ばれた
だから君はあと107回撞木で打たれるんだよ
さ、次いくぞ
ああそうそう、万が一君が死んでも撞木は止まらないからな
さあ、始まったばかりだからいい音で鳴いてくれよな
「…………今日はなんて日なの」
悪態を吐く前に、雷鼓の腹部に撞木が深くめり込んだ
新年あけましておめでこうございます
今年はダラダラと投稿しますんで、よろしくお願いしますね
なんか地元の商店街みたいになってますけど気のせいなんですかね……
幻想弐士
- 作品情報
- 作品集:
- 32
- 投稿日時:
- 2014/12/31 17:24:33
- 更新日時:
- 2015/01/01 02:24:33
- 分類
- 堀川雷鼓
- リョナの鐘
太鼓は叩くもの、鐘は撞くもの。
あ、九十九神と『撞くもの』って語感が似てるネ☆
じゃあ、いいか♪