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『逃避』 作者: 弥生

逃避

作品集: 32 投稿日時: 2015/04/10 15:04:46 更新日時: 2015/04/11 08:08:37
殺されることは分かっていた。
でも、逃げられると思っていたんだ。
本当だ。諦めてなんかないさ。
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魔理沙は全てを知っている。
何故かは分からない。
いつからかも分からない。
でも、全てを知っていた。
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「今日は…チルノが死ぬ。」

突然頭に入ってくる情報。
どれも残酷なものばかりだ。

「へぇ…大妖精がね……。」

これからチルノを殺す大妖精の考えが分かる。
秘密事も分かってしまう。
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さて、私は見殺しにしても良いのか。
知っているなら助けなければ。

でも、助けてどうするんだろうか。
相手には何をすれば良い?
きっと私を攻撃するだろう。
その場で動けなくしたところで、後から殺られるだろ。

結局私は助けなかった。
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何食わぬ顔で過ごしている大妖精に感心してしまった。

一応森まで自分の目で確かめてきたが、
異臭が漂っていて、長くはいられなかった。

「ん?霊夢の奴、何やってんだ?」
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霊夢、疲れている様だ。
…何だろうか、異様な胸騒ぎがする。
霊夢を神社まで送るだけのつもりだったが、
よほど疲れていたのだろう。
空を飛んでいるのに霊夢は寝てしまった。

「全く……しょうがないな。」

落とさないように霊夢を乗せながら、神社へ向かった。
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神社に着いた。
さ、寝かせてやろう。

「…!?」

次は私が死ぬ。

「霊夢……?」

私は霊夢に殺される。

寝たフリをしているのか?
いや、うなされているが、確かに寝ている。

私は布団も敷かずに、椅子に座らせた後、
一目散に逃げ帰った。
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・・・。
・・・。
・・・分かった。
霊夢が疲れていた理由も、
うなされていた理由も。

でも逃げられない。
あいつは人材に恵まれた。
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…まだだ。まだ諦めるな。
逃げろ、とにかく逃げるんだ。

「魔理沙チョコつくったの。」

駄目だ、食べたら駄目だ。

私は逃げた。とにかく霊夢から避けるんだ。

・・・。
ここまできて絶望を感じた。
紫から逃げられる訳がないじゃないか。
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痛い思いをするのは分かっている。
それから逃げたい。

だけど無理だ。
希望なんて無い。絶望まみれだ。

私はキョコを食わされて、顔が破裂しそうだった。
痛いし、自分の嘔吐物を顔に埋め付けられるし。
もう散々だ。
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…どれだけ時間が経っただろうか。
顔の腫れは大分治ってきているだろう。

魔理沙は全てを知っている。

嘔吐物の中に素早く紛れさせた薬。
何でも治る薬だ。この日の為に貰ってきた。

「非道な行動が裏面に出たな。」

魔理沙は遠くへ消えてった。
どうも、イミテーションにssを投稿した弥生です。
内容は霊夢が夢と現実の区別がつかなくなる話でした。
これからは、たまにイミテーションで投稿しようと思います。

さて、今回はその霊夢の話の魔理沙視点です。
逃げてばかりですね。
ちなみに、この話は短編集2で書いた話の続きです。

魔理沙視点のテーマは「逃げるな」です。

ここでの魔理沙は死ぬ運命なのです。
決して逃れられません。
弥生
作品情報
作品集:
32
投稿日時:
2015/04/10 15:04:46
更新日時:
2015/04/11 08:08:37
分類
霊夢
魔理沙
1. レベル0 ■2015/04/11 23:36:19
あれ?こっちにも上げてたのですね。
いやはや、さすがのお手前。
やっぱり違う視点から見る物語はおもしろいですね。
逃げる魔理沙もかっこいい……
2. 弥生 ■2015/04/12 10:59:13
コメントありがとうございます。
バレンタインデーの時から想像が膨らんでいたので、
別視点からも書いてみました。
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