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『逃避』 作者: 弥生
殺されることは分かっていた。
でも、逃げられると思っていたんだ。
本当だ。諦めてなんかないさ。
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魔理沙は全てを知っている。
何故かは分からない。
いつからかも分からない。
でも、全てを知っていた。
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「今日は…チルノが死ぬ。」
突然頭に入ってくる情報。
どれも残酷なものばかりだ。
「へぇ…大妖精がね……。」
これからチルノを殺す大妖精の考えが分かる。
秘密事も分かってしまう。
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さて、私は見殺しにしても良いのか。
知っているなら助けなければ。
でも、助けてどうするんだろうか。
相手には何をすれば良い?
きっと私を攻撃するだろう。
その場で動けなくしたところで、後から殺られるだろ。
結局私は助けなかった。
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何食わぬ顔で過ごしている大妖精に感心してしまった。
一応森まで自分の目で確かめてきたが、
異臭が漂っていて、長くはいられなかった。
「ん?霊夢の奴、何やってんだ?」
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霊夢、疲れている様だ。
…何だろうか、異様な胸騒ぎがする。
霊夢を神社まで送るだけのつもりだったが、
よほど疲れていたのだろう。
空を飛んでいるのに霊夢は寝てしまった。
「全く……しょうがないな。」
落とさないように霊夢を乗せながら、神社へ向かった。
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神社に着いた。
さ、寝かせてやろう。
「…!?」
次は私が死ぬ。
「霊夢……?」
私は霊夢に殺される。
寝たフリをしているのか?
いや、うなされているが、確かに寝ている。
私は布団も敷かずに、椅子に座らせた後、
一目散に逃げ帰った。
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・・・。
・・・。
・・・分かった。
霊夢が疲れていた理由も、
うなされていた理由も。
でも逃げられない。
あいつは人材に恵まれた。
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…まだだ。まだ諦めるな。
逃げろ、とにかく逃げるんだ。
「魔理沙チョコつくったの。」
駄目だ、食べたら駄目だ。
私は逃げた。とにかく霊夢から避けるんだ。
・・・。
ここまできて絶望を感じた。
紫から逃げられる訳がないじゃないか。
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痛い思いをするのは分かっている。
それから逃げたい。
だけど無理だ。
希望なんて無い。絶望まみれだ。
私はキョコを食わされて、顔が破裂しそうだった。
痛いし、自分の嘔吐物を顔に埋め付けられるし。
もう散々だ。
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…どれだけ時間が経っただろうか。
顔の腫れは大分治ってきているだろう。
魔理沙は全てを知っている。
嘔吐物の中に素早く紛れさせた薬。
何でも治る薬だ。この日の為に貰ってきた。
「非道な行動が裏面に出たな。」
魔理沙は遠くへ消えてった。
どうも、イミテーションにssを投稿した弥生です。
内容は霊夢が夢と現実の区別がつかなくなる話でした。
これからは、たまにイミテーションで投稿しようと思います。
さて、今回はその霊夢の話の魔理沙視点です。
逃げてばかりですね。
ちなみに、この話は短編集2で書いた話の続きです。
魔理沙視点のテーマは「逃げるな」です。
ここでの魔理沙は死ぬ運命なのです。
決して逃れられません。
弥生
- 作品情報
- 作品集:
- 32
- 投稿日時:
- 2015/04/10 15:04:46
- 更新日時:
- 2015/04/11 08:08:37
- 分類
- 霊夢
- 魔理沙
いやはや、さすがのお手前。
やっぱり違う視点から見る物語はおもしろいですね。
逃げる魔理沙もかっこいい……
バレンタインデーの時から想像が膨らんでいたので、
別視点からも書いてみました。