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『ちゃんの夏休み』 作者: 偏頭痛

ちゃんの夏休み

作品集: 最新 投稿日時: 2015/08/12 15:17:02 更新日時: 2015/08/13 00:17:02
今外界は異常な台風三連撃のせいで例年にない猛暑に苛まれていた。
外界の各所で30度超え、ひどい日には40度にまで温度は上がった。


熱中症で病院送りになる老若男女。肌に直接刺さるかと思う程の直射日光。
これには何処ぞのスキマ妖怪もこう言った。



「まるで地底の灼熱地獄だわ!!」



「何この日光、私の肌をカピカピに乾燥させる気?こわ!外界こわっ!」


紫はスキマから出した半身をすぐにスキマの中へ引っ込めることで殺人光線から逃れた。


そして程なくして
高度6千メートル上空で奇声を上げるBB…妖怪の賢者に後ろから近づく者がいた



「ゆーかーりー?わざわざここまで連れてきといて放置はないんじゃなあい?私傷付いちゃうわあ〜」



二人目のB…八雲紫が身体を出しているスキマの中から不満を垂れながら出てきたの冥界の主であり八雲紫の親友である西行寺幽々子だ。



「何そんなに騒いでるのよ〜?そんなみっともない姿を式が見たらどう思うでしょうねえ〜?ねえどう思うのかしらねえゆか」



ピカッ!!



「おほぉ!!??あつっ!!いやむしろ痛い!!何これなにこの殺人光線!私の真っ白なモチ肌を破壊せんという勢い!!紫!どういうつもり!」


すぐさまスキマの中へ避難する幽々子。紫を恨めしげに見ている。


「いや…そのわかってもらおうと思って」



「死ね!!」 「ひど!」



「そもそもアンタが私に見せたいモノがあるとか言ったから着いてきたのだけれどもお?」 イライラ



「そうよ。あれを見なさい」
紫は真下を指さした。



「?」



下には外界の人間たちが築き上げた都市があり、その中で人間たちが忙しなく動き回っているのが見える。 また高温のためか蜃気楼が発生しており建物が人間たちがグネグネと歪んでいるように見えた。



「あれさーなんかさー踊ってるように見えない?ねえねえ面白くない?」



「・・・・・・・・・・」



「私なんか最初見た時なんて吹き出しチュって…あっ噛んじゃった(笑)」



「・・・・・」グイッ



「へ?幽々子何するの」




「そう…そんなに面白いなら一人で見てなさいな」



幽々子はそう言った瞬間に紫の頭部をスキマの中から外界の空に突き出した。



「ちょっ!?幽々子!?ゆゆ…ぎゃあああああああああ!!!」




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「全く何やってんですかもう」



「ゴミィ…」シュン



「紫が悪いんだからねえ?」プンプン


「はあ・・・・・」



マヨヒガの縁側で大きなため息をつくのは八雲紫の式、八雲藍。


「あの私も暇ではないんですからね?家事もまだ残ってる忙しい時間帯になぜ全身に火傷を負った紫さまと幽々子さんが来られるんですかね?訳がわかりませんよ」


「本当に申し訳ない」


「あー紫さまはちょっと黙ってて下さーい」



「!聞いた?最近こんな感じなのよーアンタんとこの前髪パッツン庭師もこうなる」ビシッ!(ドヤァ



「私が怒ってるのはねえ・・・・・カクカクシカジカ」


「なるほど、大変失礼しました。ウチの主が大変なご迷惑を」



「ねえ、無視しないでよー二人とも私抜きで話進めてひどいわー」


「あー紫さまがこの件にこれ以上関わっても幽々子さんの機嫌を損ねるだけなのでいつも通り寝てて下さい。部屋のクーラーは付けときましたからどうぞどうぞ」



「ひどい!ひどいわ!大っきらいよ二人とも!もういい!」ガタッ!


紫はいきなり縁側から立ち上がるとスタスタと縁側に沿って歩き始めた。


「紫さまどこへ?」



「ちぇんのとこっ!あの子はきっと私に安らぎをくれるわ!心無いアンタとそこの暴霊と違ってね!」


「ちぇんのところへ?」
ちぇんという言葉が出ると明らかに藍の表情が一変した。


「あの、紫さま…今はちぇんのところに行かない方がいいと思いますよ?」


「はあ?何言ってるのよ!そんなこといってまた私に意地悪しようとおもってるんでしょ!その手には乗らないわ!」


「いや訳がわかりませんよ」



「ふははははアデュー!」シュッ

ふざけた挨拶をすると紫は縁側の曲がり角を曲がり消えていった。

「あーあ・・・・・」 先程よりも重いため息を藍が吐き出す。



「何かあの子猫にあったのお?」



「えっと、それが・・・・・」



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紫は縁側に沿って先ほど藍たちといた縁側とは逆に位置するところへ歩を進めていた。
マヨヒガの裏には森が広がっており、その木陰が涼しいので暑い日にはよくそこにちぇんがいるのだ。



「あ…」



ちぇんは確かにそこにいた。



「よ、よーし。・・・・・・・・・・チェえええええええええええんん!」



「・・・・・うるさいんですけど」


「!!!!!?????」



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「あらあらお友達と遊ぶ約束してたのに遊べなくなったのねえ」



「はい…それが今朝連絡で来たものですからちぇんの奴ハブててしまって・・・・・」


「ちぇんちゃん災難ねえー」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


「!?」


「らぁあああん!!ちゃんがあ!ちゃんがあああ!!」



「ベッドはあちらです」



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「もうありえない…!当日に急に遊べなくなったなんて」


「式はそう簡単に休みとれないのよ!」

ちぇんは不機嫌だった。ことの発端は今朝に届いた友達からの手紙である。手紙にはこう書かれていた。


橙ちゃんへ

連日のように続く猛暑で相方であるチルノちゃんが溶けました。だから当分は遊べません。ごめんね。

大妖精&ルーミア&りぐる&みすちーより



「オーバーキル!全滅!意味わかんない!!」


外界での異常な天候による影響はここ幻想郷にも少なからず与えられているようだ。
それにしても。

「チルノが溶けたから遊べないってどういうことよ!!」


ちぇんは散々喚き散らすと疲れたのか座敷に横になった。

「あ、痒。ちくしょう蚊め」ポリポリ


「・・・・・」


ちぇんは暇で暇で仕方無かったので何気なく自分の体をまさぐり始めた。

「最近毛づくろいしてなかったし、そろそろかな~…は!まさか私の体臭やばいから皆来なかったとか!?いやまさかね」


「くんくん、ああ大丈夫っぽいわ」


「え、なに、何かおへそ痒い!」

どうやらへそのあたりも蚊に刺されたようだ。



「どうやったらこんなところ刺されるのよ」


へその周りをあらかたかきおわると、ちぇんは何の気なしにへその穴に指を突っ込んだ。


「ん?何だろ何かコリコリしてる」
奥に進むほど何か塊があるのが感触として伝わってくる。
何かの塊がへその穴の中に詰まっているのだ。


「何か詰まってる…」

ちぇんは指をほじくり回すと器用な指付でその塊をかすめ取った。


「何これ」



それは黒い小さな塊だった。小さいと言ってもその大きさは人差し指人関節分だ。 指で揉むと簡単に崩れた。


「なんか汚そうね」


ちぇんは顔をしかめながら、野生の本能的にごく自然な動作でその塊に顔を近づけ匂いを確認した。



「・・・・・くんくん」


「!!!!!!」


匂いをかいだ瞬間、ちぇんの目の前は赤色に点滅しちぇんの意識は途絶えた。


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「それじゃあ私はこれで失礼するわぁ」


「はい、またいつでもいらして下さい」


「…早く元気になるといいわねあなたの式」


「ありがとうございます」


幽々子は藍の言葉を最後まで聞き終わる前にその場から消えていた。



「・・・・・さて、そろそろちぇんの様子を見に行くか」


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「ちぇーん?いるかー?」

返事がない。部屋には居ないようだ。ということは



「まだあいつ離れにいるのか、やれやれ」



藍は苦笑を浮かべると離へと向かった。


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「はぁはぁ・・・・・」


「ちぇーん?」


「はぁはぁはぁはぁ」



「ちぇん?」



離れに近づく事に何者かの荒々しい息遣いが聞こえてくる。


「ちぇん、お前なのかい?」


息遣いはもうはっきりと聞こえてくる。

恐る恐る離れに隣接する座敷を藍が覗くと。


「!?」



「はぁはぁはぁはぁ…しゅごい!しゅごい!」



四つん這いになって指の匂いを一心不乱に嗅ぐちぇんの姿が目に入った。



「ちぇん…おまっ…おまえ…ん?」スンスン


異様な光景にあっけにとられていた藍の鼻が甘ったるいメスの匂いを感知した。 どうやらちぇんが放出してるらしい。


「おまえ興奮して濡れているのか…」



「はぁはぁ!?らんしゃま!?らんしゃまぁ」



ちぇんは藍に気付くと動揺したのか、喘ぐのを止めた。



「らんしゃま…しゅごいですよ…匂い…くさすぎ」


「は?」


ちぇんはそれだけ言い残すと、疲れたのかそのまま眠ってしまった。



「・・・・・きっと友達と遊べなくてショックだったんだよな…そうだよな…たぶん」





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夏休み明けの寺子屋


「みんなは夏休み何をしたのかな、先生はフラちゃったよ。何がいけなかったのかな?・・・・・」ダラダラペチャクチャ


キンコンカンコーン



「ごめんねーちぇんちゃん」



「アタイは暑さはニガテなのよ、許してね!」


「そーなのかー(反省してる)」 「今度うなぎおごるわ」


「幽香さんの写真あげるよ」


けーね先生の長話が終わったあとにみんなが私に謝りにきた。みんな申し訳なさそうな顔をしてるけど、今となってはそんなことどうでもいいこと。


「いやいいのよ、逆にお礼をいいたいくらいだわ」


「そんな、何言ってるのちぇんちゃん?」


「うーん、何かアタイモヤモヤするわ!何でも一つだけなら言うこと聞いたげるわよ!」


「そーなのかー(同意)」 「うなぎじゃだめ?」

「ビデオもあるけど」


このままでは気が済まないのかみんなが何でも聞いてくれると申し出てくれた。嬉しい。


「ふーん、何でもいうこと聞いてくれるの」


「「「「うん」」」」




「はは、じゃあねー私んちきてよ」







とっておきの匂いを嗅がせてあげるわ
久しぶりです。偏頭痛です。暑いですね。
偏頭痛
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2015/08/12 15:17:02
更新日時:
2015/08/13 00:17:02
分類
八雲家
西行寺幽々子
へそ臭
夏休み
1. 弥生 ■2015/08/13 02:51:33
お久しぶりです。お待ちしていました。
この猛暑の中、よくわからない温度の話がくるとは。
台詞のセンスや流れの良さ、相変わらずの上手いエロ描写など、とても面白かったです。
勿論パロディにも気付いてますよ。
2. レベル0 ■2015/08/13 08:39:29
幽々子様がB……なわけないだろいい加減にしろ
3. 偏頭痛 ■2015/08/13 18:52:49
コメントありがとうございます。気付かれましたかさすがです。
幽々子様は淑女ですね()
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