よくある恋話

魔界まで来たのには理由があった。
それを他人に言うのは少し恥ずかしい。

「あら、白蓮ちゃんじゃないの、どうかしたの？」

「あぁ…少しお話を。」

ただ、神綺様に会いたかったなんて言えない。

「最近はどうですか？」

「これと言ったことはないわよ。」

「そ、そうですか…」

「どうかしたの？」

「えぇと……」

あぁ意識してしまう。
私は今どんな顔をしているのだろうか。
体が火照って仕方がない。

「具合でも悪いの？」

「いえっ！決してそんなことはありません。」

「そう？」

心配されてしまった。
やはり顔に出ていたのか。

「あのっ、神綺様には…………」

「んー？」

いや、こんなことを聞くのは違う気がする。
それに流石に足を入れす

「言いたいことがあるなら言いなさいよ！！」

「はっ…はいぃ！」



「えっと…神綺様に…好きな方がいるのかと、気になりまして。」

「好きな人？皆よ。皆のことが好きよ。」

「あ、いえ…恋愛感情での…」

「……。…………！！？」

神綺様の顔が真っ赤になった。
やはり誰かいるのだろうか。

「あ……えぇ……っとぉ………」

「いえ、無理に何か答えようとしなくてもいいですので。」

「うぅ……気付いてないの？」

「はい？」

「もういいわよ！！」

そう怒ると走って去ってしまった。




怒らせてしまった。
やはりあんな質問はするべきではなかったのか。
それにしても気掛かりな言葉だ。

「気付いてないの……気付い………きっ…！」

いやまさか、考え過ぎだろう。
まさか、まさか

「あっ、白蓮ちゃん！」

「うぁ……！」

駄目だ期待をするな。
冷静に…冷静に……。

「あ、先程は怒らせてしまったみたいでごめんなさい。」

「私こそ逃げちゃってごめんね……。その……」

「はい…」

なんだろうか。
何を言われるのか想像もつかない。

「私の好きな人っていうのは……白蓮ちゃんの…ことで…す。」

「あ…あ……」

消える。
頭の中の全てが消える。
見えるのは神綺様の姿だけ。
声を出そうとも出ない。
思い通りに動けない。

「えと…白蓮ちゃん？」

「わっ…私も！私も神綺様のことが……」

「…」

「…」

恥ずかしい。
冷静になってみれば両想い。
あぁこの気持ち。素敵なものだ。
嬉しい。嬉しくて倒れてし…ま………。





「……ここ…は…？」

「気が付いた？もう急に倒れちゃうんだもの、驚いたわ。」

「あ……ぅあ……」

また倒れそうになる。

「あぁっ！白蓮ちゃんしっかり！」



「実は…私、神綺様に会いに来ていて…」

「うんうん。」

「その…会いたくて……」

「うんうん！そっかぁ！よく来たね！」

そう言う神綺様の顔は変わらず真っ赤だった。

「その…好きです。」

「じゃあ、そうねぇ…。」

私の顔にっ…近い！？

「んっ！」

「んぅ……！？」

唇を奪われる。
とても柔らかくて、舌がヌルヌルしている。

「っ……してくれる？」

「私で良ければ…！」




この後無茶苦茶セックスした。