依存

気持ち良くて止められなくて止まらなくて。
止めたくなくて止めたくなくて気持ち良くて。
あれがないと苦しくてイライラして気持ち悪くて。
欲求が抑えられなくて。
お姉様に貰った本に書いてあった。
正確には教えてもらった。
これは

“依存症”だって
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「フランちゃん、また来たよ。」

「よく来たわね　こいし、さぁ、座って？」

いつも通り、ベッドの上に座らせる。
それで、ゆっくりと倒していく。

「フランちゃんの匂いがするよぉ」

「いつも私が寝てるもの、当然よ。」

ぽふんっとこいしが頭を枕に乗せる。
私と　こいしの匂いが同時に鼻に届いた。

「ハァ…ハァ……」

息が荒くなる。

これから得るものの約束された期待感。
目前の確実なる快楽に全身が求めているこの瞬間。
また違う苦しみを味わう。
そこが良いのだ。

「それじゃあ……出して………」

「溢しちゃダメだよ？」

しっかり口で出口を囲う。

「出る…あっ………」

控え目に出てきたそれは、
しょっぱくて、癖になる　　おしっこ
私の周りには理解されないみたい。

「ぅー……」

プルプルと体を震わせた　こいし。
私の口には　こいしのおしっこの味でいっぱい。

「美味しかった？」

「とっても。こいしのおしっこしか飲めないよ。」

「ありがとう、じゃあ………」



こうして始まる性行為もまた、依存してしまっているのだろう。
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「こいしね、フランちゃんが大好き！お姉ちゃんも好きだけど。」

「私も好きよ。」

あくまで　こいしのおしっこがなんだけれど。

「フランちゃん…離さないからね、絶対。」

「うん……わ　たしも………。」

こいしも私に依存しているのだろうか。
いや、どう考えても依存されている。

……ちょっと不快に感じた。
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それからも　こいしのおしっこを飲み続けた。
こいしよりも　こいしのおしっことセックスの方が好きで。
だからこうなることは薄々勘付いていた。

「こいしのこと…ホントに好き？」

「何言ってるの、好きに決まってるじゃない。」

「どうしておしっこの方が好きなの？」

「えっ………！？」

おかしい。
こいしには心が読めない筈。
ならどうして……！？

「その反応……やっぱりそうなんだ。」

「違うの！大好き！！こいしのこと大好きよ！！！」

まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい。
このままだともう　こいしのおしっこが飲めなくなる。

「もう…もういらない！！」

何故持ち歩いていたのか
こいしは刃物を取り出し、自分の腹を切った。

「い"ｯｯ！？う"ぅ"…ぁ"ぁ"ぁ"…………！！！」

シーツが血で汚れる。
音を発たせながら腸の形を壊していく。

「何しｯうぶぉぁっ！」

そのグロテスクは光景は異常なものであり、思わず吐いてしまう。
ビチャビチャと耳に残る音は、こいしの声よりよく聴こえた、

「ごぇで……フラ"ンちゃん……こい"しの"ことだけを……み……で………………

「ごぼろｵｯｯ！！ごぽｫｯｯ！！！」

…あ"い"しで………ぐれぇ………る"………………？」

喉が焼ける程に痛い。
胃液で溶かされてる。

吐き気が収まった頃には、こいしは既に息絶えていた。
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…その筈だったのだ。

「フランちゃん？また来たよ！」

「どうして……？」

「お姉ちゃんからお薬貰ったの！そしたら元気になったのよ！」

「嘘…嘘よ、そんなっ……」

「でもね、おしっこ出なくなっちゃった。でも良いよね？」

あぁ、怖い。怖いよ。こいしが怖い。

「フランちゃんは　こいしを愛してくれるもんねっ！」

私は目を閉じた。全てを閉じるかの様に。

「こいしにはフランちゃんしかいないからっ！！」

そして強く祈るのだ。

「いつまでも一緒だからねっ！！！」



事の終わりを。