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『責任感』 作者: 弥生
ある事件が起こり、今に至る。
「慧音。」
「なんだ、妹紅か。」
「なんだとは何だ、せっかく見舞いに来てやったのに。」
「ははは、冗談だよ。悪かったね。」
横になって寝ていた慧音は体を起こす。
「無理するなよ、茶ならいらないから。」
「しかし…客人に茶の一杯も出さないというのは……」
「私がいいって言ってるんだから良いんだよ。」
慧音の傍に寄り、その場に座る。
こちらをじっと見つめる慧音は心配に満ちた目をしていた。
だいたい、慧音がこうなってしまったのには訳があり、
「それで…あの娘達は……?」
「すまん慧音…今日も駄目だった。」
かなり大きな問題であった。
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ある日チルノが行方不明になった。
すぐ戻ってくると誰もが思ったが、チルノは帰ってこなかった。
しばらくしてすぐに、リグルまでもが消えてしまった。
手掛かりすら無く、大妖精はおかしくなっていた。
諦めなかった慧音は森の奥に入り、そこで突然の冷気が慧音を襲い
そこで倒れているところを妹紅に助けられた。
あまりにも強過ぎる冷気に危険を感じ、急いで運ばれたという。
その後、森をよく調べてみると妖精の羽の欠片が落ちていた。
それは間違いなく大妖精の羽だった。
慧音はその事実の重みに耐えられなくなり、もう一度倒れた。
そして現在に至る。
代わりに妹紅が他の二人を探しているのだが、どうしても見付からない。
早く慧音を楽にさせてやりたいのに。
その感情が妹紅を急かした。
「慧音…なぁ慧音。」
「聞こえているよ、どうかしたか?」
「その、慧音……あいつらは、もう………」
御互い察していた。
悟っていた。
あいつらは戻ってこない
「悪い慧音…お前は諦めてないのにさ。」
死んだという保証はない。
もしかしたら生きているかもしれない。
しかし、それは恐らくない。
そして、今自分達の周りでは想像も出来ない様な事が起こっている。
何故だろうか、そうとしか思えない。
「は…はは……」
「慧音?」
「そう…だよな……ははは、やっぱり………そうだよ、な…。」
「慧音…?」
バッと身を乗り出し妹紅に向けて言った。
「妹紅!私を殺してくれっ!!」
…何を言っているのかが分からなかった。
分かりたくなかった。
「何で……」
「お前に殺されたいんだ!頼む、私を殺してくれないか!?」
「何で私なんだよ…何で死ななきゃいけないんだよ…!!」
……。
部屋が静寂に包み込まれた。
「…私は、妹紅が好きだ。」
「……。」
「妹紅に殺されたいんだよ、私は。」
「……。」
「私は、子供を一人として守ってやれなかった。
凄く悔しい。しかも動けないときた。」
「……。」
「私に生きる価値なんてない。殺してくれ。」
「……。」
「妹紅……?」
「……………。」
「どうして泣いているんだ……?」
「………良いのか?」
「あぁ、やってくれ。」
「私…私も………。」
「分かってたよ。私の事を好いてくれていたこと。」
「あ……」
「ほら、やってくれるんだろ?
何だよ、別れを惜しんでくれるのは嬉しいが、泣かないでくれ。」
「うあぁ……うぐっ………」
「笑顔で…………送ってくれ。」
「今までありがとう……慧音……………。」
今出来た精一杯の笑顔で良かったのだろうか。
そんなことを答えてくれない慧音は黒い塊になった。
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「月が綺麗ですね。」
昔、慧音が教えてくれた言葉だ。
愛してるという意味らしい。
綺麗な満月が暗闇を照らしていた。
慧音に変化がないから、本当に死んでしまったのだろう。
「慧音…見てみろ、いつ見ても大きいよな。」
…返事がない。
「本当に…月が綺麗だ。」
今夜の月は、やけに暗かった。
どうも、まともに描いた弥生です。
前に友人(と言っても良いのか)からネタをもらいまして。
『好きな人に殺されたがるやつ』だったのですが、
どう考えてもこれじゃないという。
しかしそのお陰で続きが書けました。
まだまだ『夢』の物語は終わりそうにないですね。
という訳で、この話は『一緒』〜『仇討ち』の続きとなります。
これからどう展開しようか悩んでいますが、思い付いたらまた
少しずつ書いていきますので、どうぞ宜しくお願いします。
弥生
- 作品情報
- 作品集:
- 最新
- 投稿日時:
- 2015/10/26 16:48:09
- 更新日時:
- 2015/10/27 19:20:39
- 分類
- 続編
- 慧音
- 妹紅
弥生さんの作品は不思議な魅力がある。
私に文章力とその魅力分けてほしい(泣)
私なんて大したことないです。
むしろ、あーたんさんの文章力が欲しいですかね。
出来ればさとりに。
殺されたいのですか。
じゃあさとりに殺される夢を見れるように祈りますね。