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『契約する時は慎重に』 作者: 片耳兎

契約する時は慎重に

作品集: 最新 投稿日時: 2021/06/06 13:14:32 更新日時: 2021/06/06 22:14:32
「死にたくないなら、この書類にサインしな…それだけで俺との契約は完了だ…魔法使いよ、まだ生きたいだろ?この苦しみから逃げたいだろ?なぁに、対価は軽いもんさ…死ぬよりマシだ…」

魔理沙(悪魔の囁き…地獄の淵から語りかけるそれは私にとって、恐ろしさと共に何よりも縋り付きたい魅力的な言葉…一体何を要求されるのか…それでも生き続けられるなら…私は…)

「何を迷う必要がある?今ここにいるのは死にたくないと願う魔法使いと、それを救ってやると言っている俺だけだ…サインは難しいか?なら、その血をこの書類に一滴垂らすだけでもいいさ…形はなんだっていい…お前さんの意志さえあれば…」

魔理沙(確かに…迷う意味はないのかも…サインを書く力はなくても、指を伸ばして血を滴り落とすことはできる…いや、できなくてもやってみせる…生きるためなら…!悪魔に魂を売っても構わない!!)

???「ちょっとちょっと!なにやってんの!!??」

魔理沙(!!!???何だ!?)

???「何考えてんのさ!君ね!今のクロージングを悪魔界から見せてもらったけど、どうなってんの!?」

後輩悪魔「あ…先輩…すみません…」

先輩悪魔「あのねぇ…今はコンプラ的に厳しい時代なの!そりゃ昔は契約した後でも嘘ついたり約束を反故したり無茶できたよ?契約さえ出来たら後のことは無視って時代はあった!でも今はダメなの!聞いてたよ!書類にサインだけしたら終わりなわけないでしょ!契約前には絶対に重要事項を説明しなきゃ!」

後輩悪魔「いや…早くしないと死にそうだったんで…」

先輩悪魔「だから?それで何も聞かされず契約した相手が是非曲直庁に訴えかけたら?勝てないよ僕達?だって必要事項説明してないもん!あとさ!書類に血を落とすだけでいいとか僕教えた!?絶対にサインか判子って教えたよね?血文字とでも言いたいの?そんなの通用するわけないよね?」

後輩悪魔「すみません…」

先輩悪魔「まだ言うことはあるよ!対価は軽いとかさ君が決めることじゃないでしょ!?対価に関しては契約者と確認しあって問題無い範囲で決める。そして上司か先輩悪魔を呼んで必ず二重で確認って研修で習わなかった!?」

後輩悪魔「そうですね…」

先輩悪魔「君が自分から『契約行きたいです!』って言ってきた時はちょっと嬉しかったけど、これじゃまだ難しいかな…ちょっとこの後ロープレやろっか…」

後輩悪魔「また一からお願いします…!」






結局魔理沙は死んだ…新入りの悪魔の杜撰な契約に応えようとしたその意志は報われなかった…時代は進む…無茶な契約は闇に葬られ、順序立てた正しい契約でないと駄目なのだ…魔理沙は悪くない、時代も悪くない、後輩悪魔も魔理沙を思ってのことで悪意は無かった…誰も悪くない…
この前久しぶりに中学の友人と会ったんですけど、皆変わってました。もちろん私も変わっています。日々変わりゆく友人に少しだけ寂しくなりました。そのままの君でいてくれなんて言わないけど、あの頃が戻ってきてほしいなと。
片耳兎
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2021/06/06 13:14:32
更新日時:
2021/06/06 22:14:32
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