もりちかテクニック

「う〜〜厠厠」

　今厠を求めて全力疾走している僕は霧雨道具店で修行してるごく一般的な男の子。
　強いて違うところをあげるとすれば男に興味があるってとこかナー。
　名前は霧雨魔理夫。

　そんなわけで人里にある公園の厠にやって来たのだ。

　ふと見ると腰掛けに一人の老人が座っていた。

　ウホッ！　いいジジイ……！



　ハッ

　そう思ってると、突然その男は僕の見ている目の前で袴の帯をはずしはじめたのだ……！


ジジー




「やらんかのう」




　そういえばこの公園はハッテン場の厠があることで有名なところだった。
　いい男に弱い僕は誘われるままホイホイと厠について行っちゃったのだ☆



　彼――
　ちょっとワルっぽい御庭番兼剣士で魂魄妖忌と名乗った。
　ホモ・セックスもやりなれてるらしく厠にはいるなり僕は素裸にむかれてしまった。

「よかったのかいホイホイついてきて。
　ワシはノンケだってかまわないで食っちまう半人半霊じゃぞ？」

「こんなこと初めてだけどいいんです……。
　僕……妖忌さんみたいな人、好きですから……」

「うれしいことを言ってくれるのう。
　それじゃあとことんよろこばせてやるからな」


　言葉どおりに彼はすばらしいテクニシャンだった。
　僕はというと性器に与えられる快感の波に身をふるわせてもだえていた。
　しかしその時予期せぬ出来事が……。


「うっ……！　で、出そう……」

「ん？　もうか？　意外に早いのう」

「ち、ちがう……。
　実はさっきから小便がしたかったんです。
　この厠に来たのもそのためで……」

「そうか……。
　いいこと思いついたぞえ。
　お前さん、ワシのケツの中で小便せい」

「えーっ！？　おしりの中へですかァ？」

「男は度胸！　何でも試してみるものよ！
　きっと、いい気持ちじゃよ。
　ほら、遠慮しないで挿れてみるのじゃ」


　彼はそういうと素肌にまとった胴衣と袴を脱ぎ捨て、逞しい尻を僕の前につきだした。


（自分の肛門の中に小便をさせるなんてなんて人なんだろう……）

　しかし 彼の堅くひきしまったヒップを見ているうちにそんな変態じみたことをためしてみたい欲望が……。

「それじゃ……やります……」


　クン……
　ズ！　ズズ！
　ニュグ！


「は……はいりました……」

「おう……つぎはションベンよ……」

「それじゃ出します……」


　シャーッ
　チュチューッ

「いいぞ。腹の中にどんどんはいってくるのがわかるわい。
　しっかりケツの穴をしめとかないとのう」


　チュー……


「くうっ！　気持ちいい……！」

　この初めての体験は自慰では知ることのなかった絶頂感を僕にもたらした。
　あまりに激しい快感に、小便を出しきると同時に僕のペニスは肛門の尿の海の中で
あっけなく果ててしまった



「ああーっ！」



　ドピュッ
　チャッ
　シャーッ


「このぶんだとそうとうがまんしてたみたいだのう。
　腹ン中がパンパンじゃわい」

「はっはっ」

「どうしたのじゃ？」

「あんまり気持ちよくて……。
　こんなことしたの初めてだから……はあ……」

「じゃろうなあ。ワシも初めてじゃよ。
　ところでワシの楼観剣を見てくれんかのう。
　こいつをどう思う？」


「すごく……斬馬刀です……」


「でかいのはええんじゃ。
　このままじゃおさまりがつかないんじゃい」


　ヒョイ！


「あっ……」


　ドウッ


「こんどはワシの番じゃろ」

「ああっ！」

「ええぞ……よくしまって吸いついてくるわい……！」

「出……出る……」

「なんぞ？
　今出したばかりなのにまた出すんかえ？
　精力絶倫じゃのう」

「ちっ、ちがう……！」

「なんじゃア？　こんどはウンコォ？」

「お主ワシをボットン便所とまちがえとるんじゃないか！？」

「しーましェーン！」

「しょうがないのう。ええぞ、ええぞ。
　ワシが栓しといてやるからこのまま出しちまえ。
　クソまみれでやりまくるのもいいかもしれんぞ！」



「えーっ！？」



　――と、こんなわけで僕の初めてのハッテン場体験はクソミソな結果に終わったのでした……。

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