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『妹紅伝 ばっどえんどばーじょんそのいち』 作者: 藤原海軍中将

妹紅伝 ばっどえんどばーじょんそのいち

作品集: 2 投稿日時: 2009/07/27 06:04:58 更新日時: 2009/07/27 19:06:15
―――注意書き―――
とあるスレのアレをみていないと人物像が分からないと思いますが、許してください。
こういうのも好きなんです、むしろこんなのじゃなきゃヤダヤダ!!
元ネタは幻想板の長編「妹紅伝」より。

登場人物

ヤサカ・・・八坂軍の『軍神』
シズハ・・・八坂軍の作戦参謀
ケイネ・・・蓬莱軍の将校
モコウ・・・蓬莱軍のMM(モコモコ)将校。 とてもかわいい。不死じゃないよ。


BGMは適当に暗い音楽推奨。
(個人的にはうろつく殺人犯(かまいたちの夜)がベストですが。)


では、本編へ。





















カツ・・・カツ・・・カツ・・・

この世のすべてをぶち壊したような、それでなおかつ荒廃した世界のような
いかんしようも無い怨念や、憎悪に包まれているかのような場所を八坂は歩く。

カツ・・・カツ・・・・・・

今まで、何人もの人間をここに迎え入れ、何人が出て行ったのだろうか?
ふと、たまたま目に入った部屋の中を覗いてみる。

部屋の中には椅子に座らされ、眼球をくり貫かれた青髪の少女がくくられていた。
ぽっかりと空いた眼孔には、もちろん何も映っておらず、虚空を見あげるばかりだ。

・・・そもそも生きているのだろうか?
八坂は部屋へ入ってみることにした。

ガチャ・・・。

「・・・酷い臭いだな。」

身の毛もよだつような悪臭が部屋を包み込んでいた。
椅子の周りに出来ているレンガ色の水溜りはおそらく、腐敗液であろう。
人の組織の溶け出した液体・・・それがひときわ異臭を放つ。

おそらく彼女は、死んでいる。いや、死んでいなければおかしい。
でなければこの強烈な腐敗臭には説明がつかない。
まだウジが湧いていないとはいえ、いくら戦場で慣れているとはいえ
やはり「軍神」といえども「死臭」という苦手なものは存在するのだ。

・・・・・・死体に目をやる。
眼球が存在しない他にも、気になるところがあった。
両手両足の指の付け根から先が無く、辺りにその先の部分が細かく散らばっていた。
勿論、爪も丁寧に、そして無理やりに引き剥がされており、傍らに血濡れのペンチが置いてあった。

「シズハめ・・・あいつの物好きも相当だな・・・。」

確か本人によると、蓬莱に駐在していたときに仕込まれたといっていたが・・・。
そのおかげで捕まえたスパイを見るといなや、嬉々としてペンチ片手に部屋に向かうのだ。
どうやら、目的と手段が逆になっているようだな・・・。

「しかし、片付けもせずに放置とは・・・その件については徹底せねばな。」

恐らく、この様子だと後二日もすればウジが湧いてくるだろう。
好き勝手やるのは勝手だが、後のことを考えてやって欲しいものだ。

「そう思わないかねケイネ君?」

私は彼女にかかっていたネームプレートを読み上げた。
しかし、死体は何も答えない。

・・・当然だ。死体が喋る筈も無い。死体はもう、人ではないのだ。
八坂はその部屋を後にすることにした。

・・・・カツ・・・・・カツ・・・

しかし、もし「それ」が喋るとすれば其れは・・・・・・
と、考えているうちに目的の部屋に着いたようだ。


『124号室』
ドアプレートにはそう書いてある。

入る前に、服装を確認する。
先ほどのアレで、少々腐臭がついてしまったかもしれないが・・・。
まあ、ここら一帯はその臭いが溢れているので分かりはしないと思うが。

コンコンコン
ドアをノックする・・・中から声が聞こえてきた。

「誰だ?入ってよいぞ。」

おそらく声の主はシズハだろう。またやっているのか・・・。
私は半分あきれながらも返答した。

「ヤサカだ、入るぞ。」

部屋には、シズハと青白い長い髪を紅白のリボンで纏めた少女がいた。
少女は先ほどの死体のように、椅子に手首をくくりつけられて身動きが出来ない状態だった。
そして、私を見るやいなやキッとこちらを睨み、声を張り上げた。

「ヤサカ!!同盟国の将官である私にこんなことをしてただで済むと思うなよ!!」
「今すぐ私を解放しろ!!さもなくばそちらの宣戦布告とみなs」

ガツッ!!
言葉の途中でシズハが顔に蹴りを入れた。
まだ無傷だった少女からは鮮血がほとばしり、床へ紅いシミを作った。

「ふざけるな蓬莱の犬(スパイ)が。ノコノコとやって来おって。」
「私がスパイだと!?冗談も大概にしろ!!」

藤原妹紅と名乗るそれは、解放を求めているようだった。
それまでにだいぶ抵抗したのであろう、きつく縛られた縄は
彼女の血によって紅くにじんでいた。

「さて、貴様には蓬莱軍の事について話してもらわねばな。」
「さっさと吐けば、楽に逝かせてやるぞ。」

実に嬉しそうにシズハは喋る。
こういうやつをサディストと呼ぶのだろうな・・・と私は思ったが口には出さないことにした。
そして、ペンチを何度も何度もカチ・・・カチ・・・とモコウの目の前で合わせる。
彼女はこれから自分が何をされるのか少しは理解しているだろうが、完全には理解していない様子だった。

「フジワラよ、これが何か分かるか?」
「ペンチだろう、他になんと言うってんだ、クソ野郎。」

モコウはぺっと唾を吐いた。
多少血が混じり、紅くなった唾液がシズハの顔を汚す。

「ファッキンだぜ、ざまあみろ。」

ニヤリと笑うモコウ。このふてぶてしさはどこから来るのか。
流石は”先の大戦”での名エースだけではあり、度胸も据わっているようだが、
この状況でのそれは、いたずらに相手を逆上させるだけに他ならない。

「・・・・・・・愚図が。」

シズハは懐から針を取り出すと、モコウの指と爪の間に突き刺した。

「―――ッ!?」

そして、突き刺さっている針で、爪をてこの原理を使って引き剥がそうとする。
勿論、それぐらいで指にぴったりと張りいついている爪が剥がされるわけではなく、
柔らかい肉のほうへ針がえぐり込み、血が湯水の様に噴き出した。

「痛い!痛ィ!痛いィィィ!!」

眼に涙が浮かび、苦悶の表情を浮かべるモコウ。
ああ、なんとすばらしい表情なのだろうか。
この表情のまま殺してリビングに飾っておきたいぐらいだ。

「・・・ハァッ・・・ハア・・・ッ・・・」

悲鳴は嗜虐心をあおるスパイスとなり、メインディッシュともなる。
相手が我が軍屈指のサディストなら尚更だ。

「どうした?早く話さないと他の指にもやるぞ?」
「・・・!!!」

かっと眼を見開くモコウ。見る見るうちに顔が絶望の色に染まってゆくのが分かる。
そして、表情には情報を話すか話さないかの瀬戸際で揺れているように感じられた。
それを見たシズハは傍らに置いてあったペンチに持ち替えた。

「十秒やろう。十秒以内に話せ。」
「話さねば指を第一間接ごとに”これ”で切り落とす。」

ペンチでモコウの指を軽くはさむ。その瞬間ビクリと体が跳ねる。
先ほどの指に針が刺さった程度なら戦線復帰は可能だが、
指を切り落とすとなると戦線復帰が難しくなるのは明白だった。
それに気づいたのだろうか、モコウの声が少々震えてきた。

「ま、待て、捕虜の扱いは条約で・・・」
「・・・いーち・・・にーい・・・さぁーん・・・・・・。」

この状況に及んで捕虜の権利を主張するモコウ。
あんな頭の中がお花畑のような人間が作り出した決まりごとなど
こういうときにはまったく役に立たないと事がわかっていない。

「じょ、冗談じゃ……!ヤサカ!何とか止めろ!」
「敵軍に人権は存在しないし、義理もない。」

私は彼女に冷たく言い放つ。
そもそもここから生きて帰ったものはいないのだから。

「きゅう・・・十・・・時間だ。」

ビシャ・・・っと地面に妹紅の人差し指の先が落ちる。
通常ならば切れ味の悪いペンチを使うのでなかなか切れないのだが、一瞬で切断をやってのけた。
当の本人は、切られたことに気付かず、ワンテンポ遅れて痛みがやってきたようだ。

「ッッッ〜〜〜〜!!?」

唇を噛み千切らんかの勢いで噛むモコウ。
噛んだところからは出血し、血の筋を作り、下顎にたまった。
何故舌を噛み切らないのだろうか、そこまで「生」に執着があるのか。

「どうだ?早く話さないとまぁるいおててになるぞ。」
「・・・・・・ファック・・・・・・ユー・・・」

先ほどのでよほど消耗したのであろう。息も途切れ途切れになっていた。
しかし、拷問(それ)を緩めることはしない。
何故ならそれをやっているのはシズハなのだから。

「よし、そんな悪い中指にはおしおきだな」

先ほどとはうって変わってゆっくりと切断を開始する。
ここに奴の性根の悪さが見え隠れしている。
”わざと”切れ味の悪く、さび付いたペンチを使用し、それを使用前に”下水”につけるのだ。
切断面からは雑菌が山のように入り、化膿し、肉は腐り落ちるだろう。
もっとも、そこまで生き残れたものはほとんどいないが・・・・・・。

「・・・・ぐぁっ・・ぁ・・・・!!」

先ほどは一瞬だった。切断の痛みはすごいものだが、
これに比べると天国のようであるとモコウは知った。
拷問をしたことはあっても、されたことがなかったのだ。

ボトリ

シラウオのような指は見る見るうちに醜く変形し、そして千切れ落ちた。
モコウの右手の指の数は3本となり、それはもはや戦線復帰が不可能に近いことを表していた。
しかし、それで終わるはずがなかった。

3本・・・・・・4本・・・・5本目と次々に切り落として(千切るに近い)ゆく。
もう彼女は何も喋っていない。コヒュー、と荒い息遣い、
そして指を蹂躙されるたびに苦痛にまみれた声を上げるだけだ。

「・・・・・・つまらんな。」

どういうとシズハは先ほど使用した針とは違う針を取り出した。
それの大きさは爪楊枝よりもふたまわりほど大きく、長さは10サンチほどだった。
・・・・・・これでどうするというのだろうか。

「これで最後のチャンスだ。吐け。吐かねばこれを眼球に突き刺す。」

シズハの最終通告だった。

あんな恐ろしいものを眼球に突き刺されたら、誰であろうと耐えれないだろう。
やつ(シズハ)の拷問狂の噂は聞いていたが、これほどまでとはな・・・。
五秒・・・十秒と時間は流れるが、モコウからの返事は無い。

・・・・・一分間ほど経ったあと、やっと彼女は口を開いた。
彼女は、消え入りそうな声で確かにこう言い放ったのだ。


くたばれ、と。





ずぶり

シズハが容赦なくモコウの眼球に針をつき立てる。

「〜〜〜〜〜ッッ!?」

シズハはまるでスープでもかき混ぜるかのように眼球を針でかき回す。
より一層モコウの悲鳴は大きくなり、眼からはとめどなく血液と房水(眼球の体液)が溢れ出す。

「がああっ!!」

モコウは一刻も針から抜け出そうと体を揺らす。だが、非情にも椅子は頑丈に固定されており、
逆に深く、眼のより深くまで針が入り込むこととなった。
そして、あまりの苦痛に声をあげることすら出来ないモコウを見て
シズハは極上の笑みを浮かべながら深々と突き刺し、そして乱暴にかき混ぜた。

「かはっ・・・・・・かはっ・・・!」

グチュ、グチュリと眼球が崩れてゆく湿った水音が部屋を支配し、
見るものを魅了した紅い瞳は見る見るうちに形をなくしてゆく。

「・・・・・・!!」

痛みで何も考えられない。痛みだけが支配する。
脳みそが何を考えても痛みがそれを黒く、どす黒く塗りつぶす。
痛みが臨海に達したのか、モコウはパクパクと口をあけた後、失神してしまった。
そして、びくんびくんと身体を跳ねさせ、周りに黄色い水溜りをつくった。

「もうお前の眼は使い物にならんな・・・。」

抜き取った針に付いた血液をペロリと舐めながらシズハは言った。
眼球は元あった形に戻ることが不可能なほどに、そして
もうその球体は日の目を見ることが出来ないほどにぐしゃぐしゃとなっていた。

「・・・・・・。」
「フン・・・最近のスパイは骨が無いな、つまらん」

ニヤリと笑みをこぼすシズハ。
八坂はその姿に恐怖を覚えざるを得なかった。


「さあ、ここからが本番だ。」




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―――それから、眼に無数の針がつきたてられ、ある一種の芸術品とも言える
オブジェが出来るまでそう時間がかかることではなかった。
バキ読んでたらこんな口調になった。気のせいだよね。
妹紅かわいいよね、爆発するぐらいかわいいよね。
ティーガーの八拾八ミリ砲ぶち込みたいよね。
それか20ミリ機関砲でミンチもいいよね。

幻想板の「妹紅伝」の1〜2話の中で、妹紅がうまく事を運ばなかった場合の話です。
本編ではうまいことやって回避しておりますが、回避しなかった場合ですね。

次回作としては

5話辺りでもし撃墜されていたら。
9話辺りでテンシが現れなかったら。

そんなところでしょうか。
まあ、これは1〜2ヶ月周期になりそうな気もしないですが。
気が向いたら、そういう気分になったら書きます。


しかし、もこうはやっぱりかわいい
めっちゃかわいい。
このかわいさに気付けよ、何でだよ。
全人類妹紅だよ、藤原さんだよ。

ジークハイル!
ではでは
藤原海軍中将
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2009/07/27 06:04:58
更新日時:
2009/07/27 19:06:15
分類
藤原さん
静葉
ライトな拷問
軍事物
1. 名無し ■2009/07/27 17:13:38
あの作品の作者さん本人!?
すげーww
2. 名無し ■2009/07/28 02:27:29
新しい楽しみが増えました^^
3. 名無し ■2009/07/28 02:59:40
目…目に針とか想像しただけで痛い…でももこうかわいいよもこう
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