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『超高齢者戦隊ババレンジャー【第5話】』 作者: どっかのメンヘラ

超高齢者戦隊ババレンジャー【第5話】

作品集: 5 投稿日時: 2009/10/16 01:40:40 更新日時: 2009/10/16 10:40:40
「あれ・・・ここは?」
小傘は目を覚ました。そして自分が本来いるはずが無い「どこか」にいるのだということに気づいた。石造りの部屋、鉄製の扉、天井近くの小さな採光用の窓、足元のたらい、そして自分の手足を縛り付ける鎖に気づいた。小傘は木の十字架に全裸のまま鎖で縛り付けられていた。
鉄製の扉が重苦しい音を立てて開いた。入ってきたのは、マスクをして下着とエプロンだけを身にまとった金髪の女だ。手には大きめの工具箱を持っている。
「え・・・?あなた誰?ここはどこなの?あなたがこんなことしたの?」
「・・・・。」
「助けてよぉ、早くこれほどいてよ。」
「・・・・。」
女は答えない。女は小傘の言葉を無視して工具箱を開ける。そこから先がとがり真ん中が90度曲がった銀色のパイプと金槌を取り出した。
「え?やだ・・・何?何するの?やだ・・・やだ。」
女の尋常ではない気配におびえる小傘。女は無言で小傘の薄い胸にパイプをあてがった。
「やだ!やめて!!!!いやだいやだ!!!!いやいやいや!!!怖い!!!!助けて!!!!!」
小傘は絶叫する。そして女は小傘の胸にあてがったパイプに金槌を振り下ろした。
「あがああ!!!???」
小傘の薄い胸にパイプが刺さる。小傘は手足を動かし必死にもがいたが、その抵抗も鎖を鳴らす以外の意味は持たなかった。
「がふっ!!!あぐぅ!!!ごほぉごほっ!!!はひゅーはひゅー・・・。」
ぶしゅうううう!!
5回金槌を振るったところでパイプの曲がった先から血が噴出した。パイプの先が心臓に到達したのだ。
小傘の体が痙攣を起こし、そして静かに反応が失せて行った。小傘の浅葱色の瞳と赤い瞳の瞳孔がだんだんと広がっていき、光が失われていった。
パイプから吹き出た血は下のたらいの中へとたまってゆく。
パイプからの血の出がどんどん弱くなり、ついには血がわずかに滴るだけとなった。
血が出なくなったことを確認した女は、たらいをどけると、工具箱から包丁を取り出し小傘の腹を切り開いた。女は傷口から手を入れると、青黒い臓器、胆嚢を取り出した。女は肝臓と胆嚢を結ぶ管を切り、口を紐で結ぶ。
たらいを小傘の亡骸の下に置くと、女は工具箱から手斧を取り出す。
どすっ。重く鈍い音が響く。
小傘の足首を叩き切った。たらいのなかにぼちゃりと音を立てて足首が落ちた。断面からまただらだらと血が流れ出す。
女は胆嚢を手に持つと、地下室を後にした。




「超高齢者戦隊ババレンジャー第5話・疾れ!飛べ!発進!ババァビークル!」




「えっと・・・乗り物ですか・・・?」
ここは妖怪の山を流れる川のほとりのにとりの自宅兼作業所。そこの主河城にとりの前に立つのは皆さんお馴染み老いた体に正義の心を包んだ幻想郷最凶のババァ軍団、超高齢者戦隊ババレンジャーの皆さんである。
「ええそうよ!正義のヒーローは必ず高性能で多機能でカッコイイ乗り物に乗って現れるものよ!バッ○モービルとかスパ○ダーマシンGP-7とかみたいなかっこいい奴作って頂戴!」
紫はにとりに言う。
「えーっと・・・よく分かりませんがどういうものがいいんですか?」
「えーとまず時速500キロは出ないといけないわね。」
「あと空も飛べるようにして、もちろんマッハ3で。」
「宇宙も自由自在に飛べるぐらいじゃないと。」
「何かボンネットから機関銃やミサイルが出たりとか。」
「ワープで過去にも未来にも自由自在に行ける奴がいいわ。」
「ふざけないでくださいよ!!」
にとりは帽子を地面に投げつけて叫んだ。
「そんな中二病設定の塊みたいな乗り物作れるわけ無いでしょ!」
「何よ!超巨大超合金ロボや超巨大宇宙戦艦作れって言ってんじゃないのよ!!!!そんな乗り物ぐらいちょちょいのほいで作れるでしょ!!!!」
にとりは帽子を拾い両手で数回転させると頭に被った。
「くるりんぱっ、と・・・。とにかくそんなトンデモ車は作れません!顔洗ってにんにく卵黄でも飲んでから出直してきてください!」
「何よ!!新型バイブや強力ローターみたいなスケベアイテムは喜んで作ってるくせに!!!」
「作ってませんよ!!!そんな変態的なモン!!!」
地団駄を踏む紫ににとりが言い返す。
(まったく巨大戦艦作れとか駄々こねてた前の柄杓の亡霊といい何で私のところにはこんな変人ばかりくるんだろ・・・?それにしてもバイブやローターの話が出るなんて・・・。てっきり性具の研究開発を秘密裏にやってること気づかれたかと思ったじゃない・・・。)
にとりは額の冷や汗を拭いた。


「ん?何これ?車あるじゃない。」
永琳がにとりの資材置き場を覗いた。そこには外界から入ってきた日○セドリッ○ワゴンがおいてあった。
「ああそれですか?いろいろ調べましたけどエンジンが死んでたから動きませんよ。」
「なに?人参?」
「エンジンですよ!どんな耳してるんですか紫さん!この車を動かしてるものです。それが壊れてて動かないんですよ!」
「じゃあ代わりの人参を持ってくればいいのね!永琳、人参持ってる?」
「うーん、ちょっといま切らしてるわ。でも優曇華ならあるいは・・・。」
「だからエンジンです!!いい加減人参から離れてください!!」
「えーだってよ永琳?」
「困ったわねぇ、優曇華は多分エンジンは持ってないわよ。」
「もう嫌だこのババァたち。」
ため息をつくにとり。掛け合い漫才はテレビの中でやっているのを見るから面白いのであって目の前で、しかも自分が参加するのではまったく面白くない。
これが上位ボスキャラ集団かと思うとうんざりする。
「ん?何ですかこれ?」
白蓮が指を指す。
そこにあったのは同じく外界から入ってきた天下のポ○シェ91○様である。ただし派手な事故でも起こしたのか前半分が完全に分離して座席が血まみれになっている。
「ああ、それは外界のスポーツカーですよ。エンジンが後ろについてるんです。」
「へえ・・・じゃあエンジンは無事なのね・・・。あら?ここに靴が落ちてる。」
紫は座席に挟まっていた靴を拾い上げた。
「・・・中身が入ってる。」
にとりは嫌な予感がした。
「まさか紫さん・・・このスポーツカーのエンジンをこのワゴン車に積もうとか考えてないでしょうね・・・。」
「え?ダメ?」
「ダメに決まってるでしょうが!!!エンジンがパワフルすぎて危ないですよ!!!」
「え?!パワフルになるならいいじゃない!!」
紫が言った。
「だからパワフルの度が過ぎてて危ないんですよ!!!死にますよ!!!」
「そんなのやってみなきゃ分からないじゃないの!!!女は度胸!!何でも試しているものさ!!!!」
紫が白蓮から借りた大層ファンキーな漫画のセリフをにとりに言い放った。
にとりは彼女たちを今すぐ追い返したい衝動に駆られたが、惜しくも相手は上位ステージのボスキャラたち、対する自分はしがないキャラぞろいの3面ボスの一人である。
「はぁ・・・分かりましたよ・・・作ればいいんでしょ作れば・・・。」
にとりは仕方なく彼女たちの条件を飲むしかなかった。


そして次の日。
「さーて早速ババァビークルの試運転よ!」
「いぇえええい!!」
「いえーい。」
紫の声ににとり以外の4人が大盛り上がりである。
セドリッ○ワゴンはボンネットに無理やりポ○シェ様のエンジンを詰め込まれた上、車体は5人のトレードマークカラーの紫、茶色、赤、青、黒の5色の縞模様に塗られ見た目にもババァなカラーリングになっていた。
5人がババァビークルに乗り込む。
「さあ!ババァビークル!目覚めなさい!!」
運転席の紫がエンジンを作動させる。とたんモーター音がしばらく鳴りついで乗用車らしからぬ爆音が響いた。
「いざ発進せよ!!ババァビークル!!1.2.3.・・・ウォリャッ!」
紫はギアをドライブにいれ(ババァでも安心のオートマティックトランスミッション)アクセルをめいっぱい踏み込んだ。
ずぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!!!!!!!!!
激しくタイヤが空回りする音とエンジンの爆音が響きババァビークルは猛スピードで走り出した。
砂埃と爆音とババァたちの悲鳴を撒き散らしながらババァビークルは走り去っていった。
砂埃が引いた後、そこに残っていたのはにとり一人だけであった。砂埃まみれになったにとりは小さくなってゆくババァビークルを見ながらつぶやいた。
「あたしはもう知らないよ・・・。」
猛スピードで道路を疾走するババァビークル。紫はババァビークルの出来にたいそうご満悦だ。
「おお!!!これよ!!!!この速さよ!!!!バットモービ○とか○パイダーマシンGP-7なんてめじゃないわああ!!!!」
「ひいいいいい紫とめてええええええぇぇぇ!!!!」
幽々子が叫ぶが紫は聞いてない。幽々子はこんなことなら妖夢にさよならの一言も言っておけばよかったと後悔していた。そういえば自分はもう長らく白玉楼に帰ってないけど妖夢はどうしてるだろうかと思った。
その頃白玉楼では・・・。
「今日は幽々子様帰ってくるかな・・・?」
妖夢は自分と幽々子の二人分のお昼ご飯を作っていた。
献立はさばの味噌煮とサツマイモとひき肉の煮物。味噌汁は豆腐と油揚げだ。
一通り作り終わると、妖夢はお茶を淹れて一人で縁側にすわりくつろいだ。半霊が周りをふよふよと飛ぶ。
抜けるように青い、雲ひとつ無い空を見上げながら、妖夢はつぶやいた。
「いい天気だな・・・・。」
そのままぼんやりと空を眺める。1時間ぐらいたっただろうか。半霊が尻尾の先で妖夢をつついた。
「ん?ああ、ごめんね。ご飯にしようか。」
そして二人分のご飯を用意する。料理が載った食器を机の上に並べて箸を出す。
「ご飯の用意できたよ。」
妖夢がそういうと、半霊はふわふわと形を変え始めて人の形になった。
半霊が席に着くと、妖夢も席に着いた。
「いただきます。」
半霊は料理の前で手を合わせ頷くように首を前に傾けた。
黙々と料理を食べる二人。
「おいしい?」
妖夢が半霊に問いかけると、半霊は何も言わず、頷いた。
「うん、よかった。でもこのお芋まだちょっと火が通ってないね。ごめんね。」
半霊は首を横に振った。
「うん、そっか。ありがとう。そういえばバカ十字団の四人まだ捕まってないんだってねえ。どこに隠れてるんだろうね。」
二人でおしゃべりしながら料理を食べ続ける。時間がまったりと過ぎていった。
そして幽々子たちはというと・・・。
「ひいいいいとめてくださいいいいい!!!!!」
「ちょっと紫!!!これはいくら何でも速すぎる!!!」
「ひいいいちょっとこれは危ないわ!!!スピード落として!!!」
紫以外の4人は大騒ぎだが、当の紫はただただババァビークルのスピードの限界に挑戦していた。
「うおおお!!!まだイケる!!まだイケる!!まだイケる!!まだイケる!!」
紫は呪文のようにつぶやいている。

「紫いいぃぃ!!!!もうやめてええええぇぇぇぇぇ!!!!私たちの精神ライフはとっくの昔にゼロよおおお!!!!!」
永琳が叫ぶ。
「ぎゃあああああ!!!死ぬる!!!!死ぬるうううう!!!」
神奈子が狂乱状態になって叫ぶ。
白蓮は口から泡を吐いて気絶いていた。
「とめて紫!!!とめてええええ!!!!!」
幽々子が紫に泣き付いた。
しかし紫は答えない。
「紫!?聞いてるの?!紫!!」
紫は真っ青になった顔を幽々子に向けて、こう答えた。
「・・・・・・・ブレーキが利かない・・・。」
「・・・・・・・・・・・ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
4人の声にならない悲鳴が上がる。
そのときだ。
「うわああああ!!!!」
目の前に「赤と黒の人の形をした何か」が飛び出てきたのである。
とっさにハンドルを切ったもののその「何か」に激しく激突した。
ババァビークルはそのまま派手に横転しまくり5人を畑に投げ出したのであった。
いったいババァたちに何がおきたのだろうか。話はほんの1分前にさかのぼる。
「・・・!?・・・奴らだわ・・・奴らの気配を感じる・・・!!」
道端で宿敵の気配を感じ取りながら、迫りくる敵との遭遇に身を構える女が一人。
そう、この前命蓮寺を襲撃した三柱の主犯格、鍵山雛だ。
(ただならないババレンジャーの気配だわ・・・すごい気迫を感じる・・・しかもものすごいスピードでこちらへと向かっている・・・・。)
かつて洩矢神社の没落に乗じて命蓮寺を襲撃し信仰を奪い取り力を得ようとした彼女。しかしババレンジャーたちにそれを阻止されてから彼女の目的はババレンジャーへの復讐に変わっていたのだった。
「相当な殺気ね・・・。ふふふ・・・いいわ、この勝負受けて立とうじゃない。ただし残念だけど私は勝つためなら手段を選ばない女よ。」
そういうと雛ばたの草むらに隠れた。ちょうど雛が隠れるにはちょうどよいススキやセイタカアワダチソウの生えた茂みがある。そう、ここから奇襲攻撃を仕掛けようというのだ。
(ふふふ・・・来るわね。何も知らないババレンジャーたちが!ふっふっふ・・・。地獄を見せてやるわババレンジャー・・・最高の地獄をね・・・。)
雛は顔に悪役らしい不気味な笑みを浮かべた。来る。ババレンジャーが来る。猛烈な爆音とそれ以上の気配を漂わせながらこちらに来る。
「よし!!!いまだ!!!!」
雛が草むらから躍り出た。
「ははははは!!覚悟しなさいババレごぼぐぐぁああ!!!!???」
砂利道を時速230kmで走行していたババァビークルは雛を吹き飛ばした。
手足の関節と首があらぬ方向に曲がりながら、くるくる回り飛んでゆく雛。
ババァビークルはハンドルを切り損ねると畑に突っ込みそのまま2回3回と横転して多数の破片とババァ5人をばら撒き爆発炎上した。
口や体中のちぎれた皮膚から血を噴出し、地面に墜落した雛。普通の人間なら死んでいただろうがあいにく厄神様である彼女はその程度のことでは死ななかったのである。
「・・・うぐぅ・・・あが・・・許さない・・・許さないわババレンジャー・・・・げふぅ!」
雛はねじれてぐちゃぐちゃになった手足をもぞもそ動かしながら這い蹲り草むらに隠れた。
空中に放り出されたババァたちはそのまま地面に墜落し、動かなくなった。


魔法の森の近くに古道具屋がひとつ建っている。外界から流れ着いたものを多く扱う店、香霖堂だ。
おんぼろの建物に傾きかけの看板がついたこの店は、一見廃屋に見えてしまいそうだがこれでも立派に営業している。
そこに一人の金髪の女が近づいた。女が蛾楽が曇った店のドアを開ける。ちゃらちゃらとドアベルが鳴った。雑然と外界から流れ着いた商品が積まれた棚が店内に並ぶ店の中。それらの棚の間を通り進んでゆく。その奥で新聞を読んでいたのはこの店の店主、森近霖之助だ。
霖之助は新聞から目を離し客の女を見る。
「ああ、君か。」
そしてまた新聞に目を落とした。女はこの店の店主と顔見知りのようだ。
女は霖之助に近づいた。
「ん?どうしたんだい?」
女はおもむろに霖之助の腹に足蹴りを食らわした。
霖之助はカエルが潰れたような音を出してふっとび、商品棚に突っ込んだ。
壊れた商品から腹を抱えてはいずり出てきた霖之助。
「げほっ!ごほっ!・・・ずいぶん手荒な挨拶だな・・・。」
女は霖之助の言葉に答えず、霖之助の頭を踏みつけた。
「ごふっ!がは!ぐぶっ!ごふ!ごはっ!」
霖之助の鼻はつぶれ前歯か折れる。めがねのレンズが割れて破片が霖之助の右目を傷つけた。床が顔を中心に赤く染まった。
女は霖之助の肩を蹴り仰向けにさせ、霖之助の額を踏みつけた。
霖之助の傷のついてないほうの目に、さっきは持っていなかったはずの斧が映る。よく見知った女の不気味な笑顔に、霖之助は震え上がった。
「な・・何をする気だい?冗談にも程度というものがあるだろう?」
女は何も言わず狂気に満ちた笑顔を満面にたたえた。女はその斧を霖之助の股間に振り下ろした。
「ぐああああああああああ!!!!!!!!???????」
霖之助が絶叫する。股間から大量の血と尿を垂れ流す。いや、膀胱をかち割られて尿が漏れ出したといったほうがよいかもしれない。
女はまた霖之助の股間に斧を振り下ろした。もはや霖之助は喉がすべて肺からの呼気で抉り出されてしまうのではないかと思うほどの悲鳴をあげた。
そして女は何度も何度も斧を振り下ろした。
8回振り下ろしたところで女は手を止めた。霖之助の股間はいまやへそのすぐ下まで割れていた。かつて股間があったであろう所は血と小便と大便にまみれ割れていた。霖之助は口と鼻の穴からところどころ赤く染まった泡を吹き白目をむいて痙攣していた。もはや息はほとんど無い。しかし妖怪の血を引く彼はまだ生きていた。
女は霖之助の額から脚をどけてまた斧を振り上げると、それを霖之助の首に振り下ろした。
霖之助の首が飛ぶ。断面から血が吹き出た。
女はこの凄惨な最期を迎えた古道具屋の店主の苦痛にゆがんだ生首をつかんだ。
彼女は気味の悪い笑顔を顔から消し、真顔になる。ぶつぶつと何かをささやいたあと、その口をこじ開け、ディープキスをするように口でふさいだ。その女は自分の舌で霖之助の舌を手繰り寄せると、噛み千切った。
女は霖之助の舌を口に含んだまま、咀嚼せずにそのまま飲み込んだ。女は喉を下る生肉の感覚を楽しんだ後、霖之助の首に何かの魔術を掛け始めた。霖之助の頭の肉や眼球や脳
がだんだんと溶けてゆく。どす黒い血のような色の液体が床に垂れては瞬時に蒸発して黒い煙を発する。煙は渦を巻きながら女の口と鼻から進入していった。女は骨だけになった店主の頭を床に落とし、踏み砕いた。
女は血だらけの口を拭いた後、自分の服についた生々しい血糊に手をかざす。血糊は服から煙のように立ちのぼると女の手に吸い込まれていった。床に捨てられた斧はまるで氷が解けるように溶けて、蒸発して消え去った。
女がきびすを返して店を出る。女はまるで軽い用事を済ませた後のように主をたった今失った古道具屋を後にした。


「う・・うーん・・・。」
気を失っていた紫が起き上がった。ほかの3人も起き上がった。白蓮は用水路に犬神家よろしく逆さに沈んでいた。幸い全員無事なようだ。
皆普通の人間ではないがそれでも全員無傷で生還するなど奇跡に等しい。
紫がふと顔を上げると、畑の向こうに黒焦げのババァビークルが落ちていた。
変わり果てたババァビークルを悲しげな目で見つめる紫。
「私たちの・・・私たちのババァビークルが・・・。」
「紫・・・・。」
「みんな・・・ごめんなさい・・・私のせいで・・・私のせいでみんなのババァビークルをこんなにしてしまって・・・。」
紫は目を涙で潤ませた。
「紫・・・そんなこと気にすることじゃないわよ。」
神奈子が紫の肩に手を回す。
「そんなこと気にするなんて紫さんらしく無いですよ。」
用水路から脱出した白蓮がいった。
「みんな・・・・。」
「紫、空を見て。とても綺麗よ。」
幽々子が言った。秋の空には雲がひとつも浮いてない。ただ青く抜けるような空があった。
「空はいいわ。悩みも何もかもすべて洗い流してくれるもの。」
空を見上げる紫の顔に、少しずつ笑顔が戻り始める。
「そうよね、正義の味方がこの程度でへこたれてたらダメよね。」
紫は立ち上がる。
「みんな、ありがとう。もう私は迷わない・・・絶対に!」
紫は胸を張って高らかに宣言した。
「私の名は八雲紫!!!幻想郷の平和を守る正義の味方超高齢者戦隊ババレンジャーのリーダーよ!!!!」
「ぐぅぅ・・・臭い・・・展開がぁ・・・ぐふっ!・・・くさすぎるぅ・・・。」
近くの草むらの影で通りすがりのナズーリンがクサい展開に悶絶していることなどババァたちが知るはずも無かった・・・。


どごおおおおおお!!!!!!
いきなり周囲の空気を震わせ爆音が響く。後ろを見ると近くにある魔法の森の辺りにきのこ雲が立ち上っている。
「なっ!!何事!?」
ババレンジャーは突如起こった非常事態に身構えた。
突如煙の中から禍々しい紫色のレーザーが飛び出た。そして煙から人らしき影が2つ飛び出た。
その一方が弾幕を発射する。しかしもう一人の影が展開した黒いシールドによって跳ね返された。
弾幕を弾き返した方の人影がもう一方の人影に急接近する。その瞬間紫色の光が両者の間に瞬き、もう一方の影は猛スピードで地面に落ちていった。
まだ空に飛んでいた方は地面にまた紫色のレーザーを発した。地面で先ほどより大きな爆発が起こり今度は体に感じる程の衝撃波を感じた。
「紫!!!」
神奈子が言う。
紫は無言で頷いた。
5人は爆心地へと向かって飛び始めた。
「妖夢・・・。」
幽々子はふと妖夢の安否が心配になった。
しかし今はそのことには構っていられない。妖夢はきっと安全だと自分に言い聞かせながら幽々子は5人についていった。
その頃白玉楼では・・・。


お昼ごはんを終わらせて食器を台所へ運ぶ妖夢。半霊は人の形をしたまま腹をさすっている。
「美味しかった?」
半霊はうなづいた。
「ねえねえ、そういえば紅魔館の門番がクビになっちゃったの知ってる?新聞に載ってたんだ。かわいそうだよね、いくら泥棒に入られちゃったからって首になっちゃうなんて。」
半霊は人魂の形に戻り、またうなづいた。
「うんうん、そうだね。あそこの吸血鬼我が侭なんだってね。うんうん。」
二人でおしゃべりしながら食器を洗う妖夢。
食器を洗って片付けた後、今度は庭の手入れをする妖夢。半霊は人の形のまま縁側を雑巾がけしていた。
「ふう、こんなぐらいでいいかな・・・。あ!こら!遊んでないで掃除しなさい!」
妖夢が雑巾がけをほっぽり出してトンボを追い掛け回している半霊をしかりつける。
トンボは少し飛んで言ったあと鹿威しの上に止まった。頭をぐるぐる回し前足を綺麗にしている。
しばらく妖夢はその様子をぼんやりと見ていた。
「秋だなあ・・・。」
妖夢はそうつぶやいた。時間がまったりと過ぎていった。
主が帰らなくなった白玉楼でも、妖夢は依然とさほど変わらない生活を続けていた。変わった事といえば話し相手が幽々子から半霊になったことと、三度の食事をそれほど多く作らなくなったことぐらいだ。
朝になったら素振りをした後朝食を作り半霊と食べて、庭の手入れや屋敷の掃除などの雑務をこなして、暇になれば縁側でくつろいだり半霊とおしゃべりしたり昼寝したりなどまったりと過ごしていた。主がいない生活は最初はとてもわびしいものだったが今となってはそのような生活に慣れ始めていた。
庭の手入れを終わらせた妖夢は縁側に座り、お茶をすすっていた。
妖夢は特に目的の無いように妖夢の周りをふわふわと飛んでいる半霊につぶやく。
「幽々子様今日も帰ってこないのかな?明日は帰ってくるといいな・・・。」
妖夢は抜けるような秋晴れの空を見上げた。
妖夢のいつも通りの昼下がりのひと時が過ぎていった。


しかし彼女は知らない・・・彼女の主人は今まさに諸悪の根源との正面対決を迎えようとしていることをことを・・・!


行け!超高齢者戦隊ババレンジャー!進め!超高齢者戦隊ババレンジャー!
早速「金髪の女」の手により二人が殺されたことも永遠亭で謀反が起こって輝夜が屋敷を追い払われたことも気にする必要はないぞ!!


超高齢者戦隊ババレンジャー
第5話                 完
突如惨殺された二人、果たして金髪の女の正体は?そして魔法の森で撃墜された人影の正体は?そしてその人影の運命はいかに?ババレンジャーは彼女に太刀打ちできるのか??

真相は次回を待て!


ふう・・・こんな感じでいいのかな?
どっかのメンヘラ
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2009/10/16 01:40:40
更新日時:
2009/10/16 10:40:40
分類
幻想郷最凶のババァ軍団
老害
グロ
そして正面対決へ
正義の味方御用達の超ハイテクカー(笑)
マッハ号の中身とかどうなってるんだろう
作者の調子がからっきしだよ三級品
1. ぐう ■2009/10/16 10:54:14
>私たちの精神ライフはとっくの昔にゼロ
これで爆笑したwww
2. 名無し ■2009/10/16 11:20:45
ようむちゃんまったりしすぎです
3. のび太 ■2009/10/16 12:12:23
ババァビークル…
こち亀の大原部長のタテ目ベレルの代車のタテ目初代セドリックを思い出した…。


妖夢まったり留守番してんな…。
一番マトモかもしれんな。


しかし、香霖堂襲った金髪の女って…心当りがありすぎてわからん…。
4. 排気ガス ■2009/10/16 15:32:58
殺し方がとても素敵な金髪さんに対して、はねた事すら忘れるとか流石ババアだ、とんでもないぜ

ナズーリンうっかり通りかかっちゃって悶えるナズーリン可愛いよナズーリン、雛ちゃんいつもありがとう!
5. pnp ■2009/10/16 19:27:12
雛ー!介護させてくれー!
いつも思いますが、本当に羨ましいテンションです。
次回も楽しみにしています。
6. 中将 ■2009/10/16 20:09:44
あれだ、泡になるやつで何とかレンジャー思い出した。
あの、バスとかに乗ってる人が全員泡になるやつ。
くそう、次回作が楽しみだ!!
7. 名無し ■2009/10/16 22:00:03
なんかナズーリンがギップルっぽいwww
8. 名無し ■2009/10/16 22:09:10
あれ?おかしいな?
霖之助が殺されたら胸がスカッとしたw
9. 暇簗山脈 ■2009/10/18 00:35:34
ストーリーはシリアスなのに老人達のせいでw
10. 名無し ■2009/10/18 15:32:05
美しさすら感じる瀟洒な殺しのシーンとババァたちの珍道中が同居している奇跡に乾杯
11. どっかのメンヘラ ■2009/10/19 18:32:41
>>1
HA★NA★SE
>>2
舞ったり分補給完了!
>>3
なんかの漫画で同じネタでてきたなぁ・・・って思ってたらそれかwww
>>4
本当にとんでもないババァだぜ!
>>5
多分うちの雛は「あなたの助けなんて借りない!!私は独りで生きてゆく!!」
みたいなこと言いそう。
>>6
オウ・・・聞いたことあるぞ・・・。思い出せない・・・。
>>7
ギップリャ!
>>8
それは・・・愛だ!
>>9
老人GJっていってやってくれ
>>10
乾杯!
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