フランドールのドキドキ脱出大作戦　２

フランドールが目覚めると、先ほどと同じ部屋が広がっていた。

















私が目覚めると、ベッドの中だった。
さっき確かに死んだと思っていたのに。
起きて部屋を見回すと、先ほどと変わらない部屋が………いや、一つある。

床に置いてあった箱の近くに、頭が吹き飛んだ自分の死体がある。
触って確かめてみるが、ぴくりとも動かない。
冷たい自分の死体を触るのは何とも不思議な気分だ。

とりあえず箱を壁側に向けて、ゆっくりと開けてみる。

　　　　　　　　　　ドバァッ

という音と共に、箱から吐き出された金属の玉が壁を穴だらけにしていた。
どうやらこれで、頭を吹き飛ばされたようだ。
私は少しヒヤッとして、ゴミ箱に玉を吐き出し終えた箱を投げ捨てた。

すると引き出しを開けて、霊夢と魔理沙そっくりの頭だけの生き物が現れた。

「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしろ」

先ほどと同じ口調でそう言った。

「質が悪い悪戯だわ、あんたたちの仕業？」
「ちがうよ」
「ちがうよ」

質問した私が馬鹿だった。
そもそもこいつらが知っているとも思えない。
「はぁ」と溜息を付きながら、私は二つの頭を見ている。

「とりあえず、てーぶるのまきものをみるといいよ」
「とりあえず、てーぶるのまきものをみるといいぜ」
「テーブルの巻物？」

そういうと、二つの頭はベッドに潜り込んでいた。
私はテーブルに視線を移すと、確かに変な巻物がある。
警戒しつつも、ゆっくりと巻物の紐を解き、巻物を広げる。
するとそこには、こう書かれていた。


　　　　　　　　　　※※※※※

基本事項

・部屋には様々な仕掛けがあり、罠の殆どは致命傷となる。
・仮に死んでも、ベッドまで戻されて状況がリセットされる。
・死んだ後も記憶は消えない。
・残機はほぼ制限無し。
・危険なモノはゴミ箱へ。


1.20091027000201
>１．破壊する
>
>これはない。そもそも破壊したところで、この先に道があるとも限らない。

いや、破壊し続ければいつか壁の無いところにいけるんじゃないのか?
2.20091027002252
破壊しても破壊しても壁……つまり金太郎飴の形になるな
3.20091027011514
>>1
途中で道が崩れて崖になってるとか…駄目

脱出物は楽しみだ、あんまりここでは無いしね
4.20091027015323
切っても切っても終わりがない
それがゴールドボーイキャンディーレクイエム・・・
5.20091027071347
フランちゃん頑張れ！
6.20091027173407
血を流すってことは某饅頭では無いんだ
脱出と…ループだと…？続きwktk
7.20091027202507
MOONの逆さまの世界思い出した。


　　　　　　　　　　※※※※※


基本事項と書かれた部分には、この部屋のルールらしきモノが書かれている。
下側には、誰が書いたか分からない文が書かれている。
意味が良く分からないが、何故か私の考えに対する返答が書かれている。
あまり深く考えない方がいいのかもしれない。

とはいえ、壁を一通り破壊していけば、確かに道があるかもしれない。
出来るところまで破壊してみよう。


　　　　　　　　　きゅっとして、ドカーン



壁が吹き飛んだ。
すると、吹き飛んだ壁の先から轟音がなった。
音がどんどん近づいてくる。
大量の水が部屋に流れ込んできた。
あっという間に部屋を一杯にした水の中で、わたしははいになった。

　　　　　　　　　　　ぴちゅーん







ベッドで眼が覚める。
先ほど破壊したはずの壁は元通り。壁の目の前には灰が溜まっている。
壁破壊による脱出はこれで、完全に無くなったようだ。

箱を予定通りゴミ箱に捨てる。ゆっくり―口癖のように言う言葉を名前にした―は出てこない。
とりあえず引き出しを探る。

一番上の引き出しには、鍵穴があり、鍵が掛かっている。
真ん中の引き出しは、開かなかった。
一番下の引き出しには、鍵が入っていた。

早速、一番上の引き出しに鍵を使う。
カチリという音が鳴った瞬間、真ん中の引き出しが開いた。
開くと其処には、マッチと紙が入っていた。
紙には「夕方にしろ」と書かれている。
何のことだろうか。

周りを見回すと青空の描かれた絵、針の無い時計、黒丸が書かれた丸い皿がある。
きっとこのマッチを使って、夕方にしろと言うのだろう。

どれに使うべきか？

フランドールの選択の時である。