なみだなみだなみだ

作品集: 6 投稿日時: 2009/11/06 22:24:35 更新日時: 2009/11/06 22:24:35
「お姉さまなんかきらい!」
「ならもう知らないわ、勝手にしたら!」

お姉さまの背中に投げつけたまくらは、閉じた扉に当たって落っこちた。
急に静かになったお部屋で、まっかな手のひらの跡がついたまくらが悲しい悲しいって泣いていた。
ううん、まくらだけじゃない。みんなみんな悲しくて涙がとまらなかった。
壊れたベッドも折れてちらばったクレヨンもとれちゃった私の右手も、ひびの入った壁も食べちゃったお姉さまの左手も泣いていた。
まっかなじゅうたんに、まっかな壁に。やっぱりまっかな私のお洋服にも。涙がしみこんでもっともっと赤くなる。
私、わかったよ。このお家があかいのは、みんなが泣いちゃったからだったんだ。



□■□



とたとたた、足音がする。まっすぐこっちに近付いてくる誰かさんは、きっと元気なあわてんぼ。
がちゃり。音がして、冷たいけれど透明な風が入ってきた。
そういえば、だれかに会うのはひさしぶり。ああうれしいな。かなしいな。
私は走ってお出迎え。両手を広げて大好きな大好きなお客さまに飛びつくまで、3、2、1。
でもいつもみたいにむぎゅっと出来ずに、私は壁にごつんとぶつかった。・・・いたい。

「久しぶりだねっ今日は何して遊ぶの?あと、廊下は走っちゃいけないんだよ、魔理沙!」
「あれは早歩きだからセーフだぜ。そうだな、今日は久しぶりに弾幕ごっこなんてのはどう、だ・・・」

ぱさり。きっと魔理沙が持っていたものを落とした音。
私が壁にぶつかったままだったからびっくりさせちゃったのかな?
でも、前に転んでひっくり返った時は、しょうがないなあって暖かい手で起こしてくれたよ。

「フ、フラン、おまっお前それ、どうしたんだよ?」
「え、なあに?」
「何って、目、目が」
「目が?」
「怪我、して、血が出て、なくなってるじゃないか」
「あれ?」

あ、そうだった。
さっきね、私が自分でとっちゃったの。
多分まくらの上に二つ並べておいてあるから、潰さないように気をつけてね。
うーん、本当はだめだけど、魔理沙になら、特別にあげちゃってもいいよ!
・・・遠慮しなくてもいいのに。



□■□



「フラン!どうしてこんな事をしたの!」

お姉さまが大きな声で怒りながら私の肩をがくがくと揺らす。
私のがらんどうの目からは、血が次々にあふれてぼたぼたと。
咲夜が先に治療を、って言っているけれど大丈夫。だって私は吸血鬼。
まっかなこれは涙じゃない。血液であってなみだなんかじゃない。
・・・それなのに、お姉さまはどうしてこんなに怒っているんだろう。

「何でっ、どうして!そんなに私が嫌いなの!?」

え、きらい?どうして?
私はお姉さまが嫌いなの?
だからお姉さまも私を嫌っているの?

「そんな、ちがうよお姉さま、だっ、だって!」



だって昔、泣く子は嫌いよってお姉さまが言ったから。
頭が痛い、腹も痛い
喉も痛いし目も痛い
だけど私は風邪じゃない
熱がないから風邪じゃない
snk
作品情報
作品集:
6
投稿日時:
2009/11/06 22:24:35
更新日時:
2009/11/06 22:24:35
分類
フランドール
魔理沙
レミリア
なみだ
1. ヤマコ ■2009/11/06 23:18:33
フランマジ健気
れみりゃー!早く気づいてあげてくれー!
2. risye ■2009/11/06 23:19:58
あなたは風邪じゃない。
きっと、
フラン…
3. 名無し ■2009/11/06 23:33:38
フランはいい子なんだがなぁ…歪みは大きいよなぁ…
4. 名無し ■2009/11/07 09:40:39
フランちゃんの健気さはレミリアに通じるはず。

可愛いよ可愛いよ
5. 名無し ■2009/11/07 20:51:36
なんというメンヘラ
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