さなえちゃんとかみさま

さなえちゃんは、おとうさんも、おかあさんもいません。

うまれたときから、かえるのかみさまのすわこ、へびのかみさまのかなこといっしょです。

がらがらをならしたり、たかいたかい、いないいないばあ。

ふたりとあそぶのは、とてもたのしいことでした。



すこしおおきくなって、さなえちゃんはほいくえんにはいったよ。

ほいくえんでふたりのえをかいたとき、ふたりはとてもにこにこでした。

ほいくえんではともだちと、おうちではふたりとあそんで。

さなえちゃんはまいにち、にこにこ、にこにこしていました。



もうすこしおおきくなって、さなえちゃんはがっこうにはいったよ。

ぴかぴかのらんどせるをしょって、うんしょ、うんしょって、ふたりとてをつないであるきました。

みぎてはすわこ、ひだりてはかなこ。

がっこうまでいっしょにあるきました。

でも、がっこうのまえでふたりはてをはなしちゃった。

どうして、どうしてって、さなえちゃんはないたけど、ふたりはついてきてくれなかったよ。

えっぐ、えっぐってなきながらきょうしつにいくさなえちゃんは、とてもかわいそうにみえました。

でも、いえにかえってきたさなえちゃんは、とてもにこにこ、にこにこでした。

つられてふたりもにこにこ、にこにこ。

みんながにこにこで、いいなあって、さなえちゃんはおもいました。



もうちょっとさなえちゃんがおおきくなったときのはなし。

じゅぎょうさんかんがありました。

でも、ふたりともきてくれませんでした。

さなえちゃんはおともだちに、どうしておとうさんもおかあさんもこないのってきかれたんだって。

めになみだをいっぱいためて、さなえちゃんはいいました。

なんできてくれないの、どうして、どうしてって。

ふたりはいいました。

さなえ、わたしたちは、いつもさなえをみているんだよ。

さなえががっこうにいっているときは、わたしたちはとうめいにんげんなんだ。

いつでもいっしょにいるし、さびしくなんかないんだよ。

それをきいて、さなえちゃんはおおよろこびです。

わあい、わあいって、みてるふたりまでにこにこ、にこにこになりました。

にこにこのさなえちゃんがいいました。

みんなで、ずっと、ずっといっしょにいようね。

ふたりもやっぱりにこにこで、うん、うんってうなずきました。