ボールペン

作品集: 9 投稿日時: 2010/01/03 21:50:26 更新日時: 2010/01/03 22:54:37
さとりが目覚めると、そこは真っ白な世界だった。
1マスを仕切るように引かれた線が、この世界の異様さを刻銘に見せつけていた。

当然、さとりはこの場所に見覚えは無い。
少なくとも地霊殿にこんな部屋は無い。
すると、目の前に見た事の無い人間が現れる。
スーツをきた、罪と書かれた袋を被った妙な人間。

「あなたの仕業ですか」
「……」
「私に話す言葉は無いという事ですか」

喋れるかすら分からないが、
袋の奥の顔は見えない。
しかし、そいつの心の中は何故か、興奮しているようにも見える。

「何が目的か分かりませんが、早く出していただけませんか」
「……」

罪袋が、白い壁を指差す。
そこだけが、切り取られたように、別の部屋の映像が映る。
そこにはお燐と空が映っている。
どうやら自分と同じ構造の部屋にいるらしい。
あちらからも見えているのか、映像に気付いたお空が、こちらに向かってくる。
すると罪袋が突然、棒状の何かを取り出す。
そして、スイッチのようなものを押す。
カチリ、という音と共にズドン、と音がした。

「なっ……」

映像に映しだされたのは、地面から生えてきた杭で、串刺しになった空の姿であった。
杭が戻っていくと、げほっ、と血を吐いたお空が地面にドサリと倒れる。

また罪袋がカチリとスイッチを押す。
ズドンと空の身体が杭に持ち上げられる。
杭の激しいピストンで、ついに宙に投げ出された空が、
地面に真っ逆さまに堕ちていく。
それに合わせて、罪袋がスイッチを押す。

カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。

部屋から次々と杭が出てきて、地面にたたきつけられる前に、
杭に空の身体が打ち上げられる。
空は最初の一撃で既に死亡していたが、幾度も繰り返される、
杭の突き上げに空の身体はボロボロになっていた。

「やめて! やめてください!」

肉をそぎ落とされ、身体中に穴が開き、その穴から血がボタボタと地面と杭に浴びせかけられる。
そして殆ど肉片同然となったそれは、地面に叩きつけられ完全にただの肉片と化した。

「あ、ああ、空……」

お燐にも見えているのか、ガクガクと足を震わせている。
目に涙を溜めて、友人の死にただ動けないでいる。

男は棒状のスイッチを捨てると、
今度は同じ形の、しかし赤い色の棒状のスイッチを取り出す。

「や、やめ!」

さとりの必死の叫びも、罪袋は聞いていなかった。

カチリ。
ズドン。

お燐の真後ろで、杭が生えてきた。
お燐は恐怖のあまり、おしっこを垂らしていた。
そして振り向かずに、動き始めた。

カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。

逃げ惑うお燐を追いかけるように、杭がお燐の後ろから生えてくる。
お燐は咄嗟に思いつき、空へと逃げようとする。

しかし。

カチリ。
ズドン。

杭は上からも生えてきた。
杭の衝撃でお燐の身体が地面にたたきつけられる。
げほっ、と血と今日の食事を地面にぶちまける。
しかしお燐は立ち止まれなかった。
また地面を突き破ってくる、杭が自分の真下にあることを察知したからだ。
間一髪で避けるお燐。
すると杭の発生が止まった。

ほっとしたお燐は壁にもたれかかる。

カチリ。
ズドン。

お燐は杭に身体の上半身を持っていかれた。

「そんな………」

がっくりとうなだれるさとり。
そして男は最後に胸ポケットにある棒状のスイッチを取り出す。
それを見たさとりは、理解する。
空とお燐の居た部屋とこの部屋は同じ。
3本目のスイッチ。
つまりこれは。

「や、やめなさい……」

ガタガタと震えるさとり。
このときだけは、さとりは目の前のそれの心を読みたくはなかった。
しかし読んでしまうのが、覚りのさだめ。

罪袋の心の声は、「いやです」だった。

カチリ。
ズドン。





カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。
カチリ。
ズドン。

一定の間隔で、さとりだったものが杭に打ち上げられては、堕ちてくる。
しばらくすると、罪袋も飽きてきたのか、その棒状のスイッチをほうり捨てる。

この棒状のスイッチを外の人間はボールペンと呼んでいる。
ボールペンって杭撃ち器っぽくね?

※一部修正
名前がありません号
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2010/01/03 21:50:26
更新日時:
2010/01/03 22:54:37
分類
さとり
お燐
罪袋
ボールペン
グロ
1. soobiya ■2010/01/03 22:32:52
杭打ち器と言うより 穴あけ器ぽいですね。
ボールペン押し当てて かちっ てして、ファイル用の穴あけてたし。痛いでしょうね。
それに 何度も線をなぞっていると 紙も切れるし、
目から脳まで貫通させれば 冗談抜きで人を殺すこともできますからね。

死神罪袋…『紅い涙』に続き、不気味に いい味だしてるなぁ…
2. 名無し ■2010/01/03 22:49:23
一方ロシアは鉛筆を使った。
3. risye ■2010/01/04 02:03:16
カチカチカチ、

楽しいですよね、カチカチカチ
4. pnp ■2010/01/05 07:11:25
うまく刺せばペンでも人が殺せるってテンマ先生が言ってた。気がする。
身近なアイテムで分かりやすいのも魅力的ですね。
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