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『妖精メイドの造り方』 作者: 螺旋

妖精メイドの造り方

作品集: 9 投稿日時: 2010/01/05 10:14:21 更新日時: 2010/01/05 19:14:21
目が霞む。
腹は減り過ぎて何も感じなくなった。
手足どころか爪の先すら動かす気力や体力もない。

私が魔法の森に入って数日が過ぎた。元々は入り口に近い場所で茸を取るはずが、気付いたら相当奥に入り込んでしまっていた。おそらくは森の瘴気にあてられたのだろう。さらに空腹のあまりかじった茸に毒があったらしく、かなりの間、汗が引かず頭痛と寒気に悩まされた。
そして私は意識を失った。



白い光が目を焼いた。眩しい、ではなく痛いほどの光。
数秒のあいだ瞼を閉じ、ゆっくりと開いて目を馴れさせていく。
狭い部屋だった。二人程が横になれば埋まってしまうような面積の半分を占めるベッドの上に私は横たわっていた。
砂漠のようだった咥内に湿度があった。ベッド脇に小さな机があり、その上には小さなパンがいくつかと先の濡れた水差しがあった。誰かがそれを使って私に水を含ませたのだろうか。
私はパンを手にとった。ベッドで休んだせいか、毒かどうかなど疑う余裕もない程に空腹を感じていたし、そもそも一度死んだはずの命だ。今の私ならばどんなに不利なロシアン・ルーレットでも受けてたってやるという気になるだろう。
幸いにしてパンを食べて体が変調をきたすことはなく、むしろ活力が込み上げてきた。脳に血が回り始めたからか、私を救ってくれた相手が誰かを気にし始めていた。

森には魔法使いが住むという。彼女が救ってくれたのだろうか?



体力も気力もある程度回復し、私はベッドから起き上がってドアノブに手をかけた。
呆気ない程に軽い力で開いたドアの先は赤い絨毯の引かれた廊下だった。壁も天井も、絵の具をぶちまけたように赤で彩色されていた。廊下は左右どちらを見ても先が霞む程に長い。相当に大きな屋敷のようだった。
不意に、廊下の先から誰かの話し声が聞こえた。若い女の声だ。1つではなく、3つ程。
自分の体を見れば、一糸纏わぬ生まれたままの姿だった。布団に包まれていたために気付かなかったのだろうか。ともあれ、反射的に私は開いたばかりのドアの中に飛び込んだ。
声はドアの外を通過していった。
しかし私は再び外に出ることはしなかった。赤い、大きな屋敷。その二つから脳裏に導き出されたのは湖のほとりにそびえ立つ、悪魔が住むという館だった。

最悪だ。なぜここにいるかは分からないが、私は悪魔の館に連れ込まれてしまったらしい。何の目的で?
悪魔は人の血を吸うという。つまり、私は餌として連れて来られたのだろうか。そう思うと、私は部屋から外に出ることに恐怖を感じ、外に出ようとドアノブに手をかけても、あれほど軽かったドアノブが接着剤で固定されたように硬くなっているように感じ、結局開くことは出来なかった。
私は数日の間その部屋で暮らしていた。私が寝て、起きると机の上に食事が置いてあった。私は警戒しながらもそれを口にして空腹を凌いでいた。
いつ、襲われるのだろう。恐怖からか、食事も咽を通らなくなってきたのだろうか。徐々に私の必要とする食事の量は減っていった。
部屋から出ようとしても、ドアノブに手をかけた瞬間にドアの前に悪魔がいる幻想を得て、結局私は外に出ることが出来ないでいた。
さらに数日がたった。なんとなく、部屋が大きくなった気がする。恐怖で身長が縮んでしまったのだろうか。相変わらず食事の量は減っている。





そして私は目を醒ました。眠たい目を擦りつつベッドから降り、大きく伸びをする。頭が冴えるのに合わせるように背中の羽根がぴんと張っていく。
傍の机に畳んだメイド服に腕を通す。
今日も一日、なるべく失敗しないように頑張ろう。
なんとかっつー神話っぽくやってみた。コンビニで立ち読みしただけなんですけどね。
一応概要は知ってましたが実際読むと怖い恐い。


ってかパソコンに触れない……もう一月くらい……携帯じゃ長く書けない……
螺旋
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2010/01/05 10:14:21
更新日時:
2010/01/05 19:14:21
分類
妖精メイド
1. 名無し ■2010/01/05 23:29:31
東方なのに妖精なんて西洋的なもんが当たり前のようにいるのは違和感あったな
2. ぐう ■2010/01/06 12:47:48
背中の羽の存在に気づいたのはいつなのか・・・
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