炸裂!河童忍法尻小玉!

作品集: 11 投稿日時: 2010/02/10 08:45:23 更新日時: 2010/02/10 08:45:23
〜前回までのあらすじ〜

 宴会の帰り道、霊夢と魔理沙はほろよい気分で川辺に通りかかった。そこに出てきたのはいたずら河童、にとり。「おいてけ〜、おいてけ〜、その手に持っているキューリおいてけ〜」というものの、霊夢と魔理沙は耳をかそうとしない。「人間は河童の盟友だと思っていたけど、その関係は今日という日で最後だね!」と怒りと共に立ち向かうにとり。そもそもキューリ一本で崩れる関係なんてたいしたものではないのではないかという疑問もありながら、それを言ったら話が進まないのであれやこれやと長い長い弾幕勝負が繰り広げられた。しかし、所詮、3面ボス。主人公二人にかなうわけがない。敗色濃厚の中、にとりはついに、禁断のあの必殺技を使うのだった・・・



「河童忍法・・・尻子玉!」

 にとりの両眼が怪しく光った。

「にとり・・・そんな事をしても無駄な抵抗だぜ」
「絶対に許さないんだから!」

 さすがは歴戦の勇士である霊夢と魔理沙の二人であった。一瞬でその場から離れ、怪しいラストスペルを回避する。

「ランダム弾幕か?しかしこんなもの、見て避ければ・・・」
「馬鹿にしないでよね!」

 にとりを中心として、左右に分かれた二人。魔理沙はミニ八卦炉を手にし、霊夢の背後にも巨大な陰陽玉が現れる。

「年貢の納め時だぜ・・・マスタースパーク!」
「苦しまないようにピチュらせてあげる・・・二重結界!」

 巨大な光線がにとりを襲う。すでに満身創痍のにとりに、それを避けるすべは無かった。直撃し、宙を舞うにとり。全てが終わった・・・かに見えた。しかし、にとりは諦めていなかった。まだだ・・・まだ頑張れる・・・霊夢があのスペルを使う時・・・それが勝利の鍵だ。

「いい加減にあきらめろよ、にとり」
「陸にあがった河童が、私たちに勝てるはずがないじゃない」

 勝利を確信した二人が、にとりを見下す。その瞳は・・・養豚場の豚でも見るかのように冷たい目だった。残酷な目だった。(かわいそうだけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね)という感じの目だった。

「意識はまだあるみたいだぜ」
「全力で攻撃したんだけどね・・・けっこうしぶといわね」

 負けなければ、勝ちだ。自分のラストスペル「河童忍法尻子玉」・・・まだ発動条件を満たしていない・・・(でも、もつかな?)にとりは思う。ここまで意地をはる必要があるのだろうか?たかがキューリではないか。そんなもの、畑に行けばいくらでも生えている。わざわざ幻想郷でも最悪のこの二人に立ち向かう必要はないのではないだろうか?

「寝たふりをしても、逃がさないぜ。私たち二人に会ったのが運のつきだったな」
「泣いてるの?にとり?情けないわね」

 いや。
 負けるわけにはいかない。たかが河童だが、されど河童なのだ。この二人をぎゃふんと言わせることができなくて・・・生きてて、何の意味があるのだろう?

「熱量はパワー。弾幕はパワー。くらえ!ファイナルスパーク!」
「久遠の昔から語り継がれてきた大結界・・・二重大結界!」

 銀河が泣いた!
 虹が砕けた!
 にとりの身体は、BAKOOOOOOOOOOM!という擬音と共に空高く舞った。

 だが、二人の攻撃は終わらない。

「いい加減に、終わりにするぜ・・・ドラゴンメテオ!」
「おしおきの時間よ!博霊弾幕結界!」

 上に。下に。右に。左に。
 にとりの身体はぼろぎれのように飛ばされていく。

(もう・・・駄目かな・・・)
(やっぱり、主人公には勝てないのかな・・・)
(だってオラ、河童だから・・・)

 薄れゆく意識の中、それでもにとりは・・・・・・・諦めなかった。

(諦めたら弾幕終了だよ!)

 それは乙女の意地か?河童の誇りか?

 歯を食いしばり、瞳を見開き、ぎゅっと二人をにらみつける。

 心は・・・折れない!

 そして、その時。

 にとりが待ち焦がれていた、その瞬間が、きた。

「いくぜ!ファイナルマスタースパーク!!!!!!!」
「喰らいなさい!夢想封印!・・・ん・・・ん・・・んーーーーーーーー!!」

 突然。
 霊夢は自らの穴という穴から液体を噴出した。
 血。汗。涙。尿。
 人の中に詰まっているありとあらゆる液体が、霊夢の中から放出されていく。

「!!!!!!!!!」

 空を飛ぶ巫女が空を飛べずに落ちていく姿を見て、魔理沙はすぐに後を追ったのだが・・・どうしたことか、声が出なかった。

 苦しい。

 身体の奥に、何かが詰まっているようで、しゃべりたくてもしゃべることが出来ない。
 白目をむいて地面に横たわっている霊夢をみて、背中にぞくりと冷たいものが走る。

 私たちは、いったい、なにを、された?

「カーーーーーパッパッパッパッパッパ!!!!!」

 にとりが叫んだ!

「どうだい!?これが、河童忍法尻子玉だよ!」

 ぴくぴくと痙攣している霊夢の側にいくと、にとりはその身体の上に腰掛けた。
 けふ。
 霊夢が血を吐く。

「霊夢と魔理沙、二人の尻をとらせていただいたのさ!」

 かぱ!かぱ!かぱ!
 にとりが笑う。

「言葉の尻・・・言葉尻をね!!!!!!」

 もひゅぅ・・・霊夢がドロドロの液体を吐き出した。それはもはや、血なのか、それとも別の何かなのか分からない、黄色くて茶色くて赤くて黒い液体だった。

「・・・・・」

 魔理沙はしゃべれない。
 しゃべる言葉がない。
 なぜなら、霊夢が、あの言葉を言ってしまったから。

「んーーーーー、ふっふっふ」

 にとりが嬉しそうに笑う。

 河童忍法尻子玉。
 それは、河童流忍法の創始者、河城半蔵の生み出した究極の忍法。
 対戦相手に強制的に「しりとり」をさせ・・・そのしりとりが終わった時・・・

「しりとりでは、『ん』の言葉をいったほうが負けだよねぇ」

 今度は本当の、尻子玉を抜かれるという、恐るべき技なのだ!

 そして、対戦相手がいなくなった魔理沙も・・・

「!!!」

 身体中の穴という穴から、液体という液体を噴出させ、にとりの前にくずれ落ちた。

 手にしていたキューリと、自らの尻子玉を抜かれ、薄れゆく意識の中、魔理沙は思った。

(・・・)

(・・・)

(・・・んな、アホな)






おわり
魔理沙が「〜だぜ」「〜だぜ」ばかり言うので、「ぜ」の言葉を考えるのが面倒くさくなりました。
なんか昔、どっかの本で、ショートショートの広場だったかな?「しりとり病」の話を読んだことがあったので、それをなぜか河童忍法にしてみることにしました。
河童って忍法使うんでしょうか?
まぁ、河童ならありえますね。
うらんふ
http://shirayuki.saiin.net/~akaihitomi/
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2010/02/10 08:45:23
更新日時:
2010/02/10 08:45:23
分類
霊夢
魔理沙
にとり
1. 名無し ■2010/02/10 11:24:47
しりこだま抜く描写を是非書いていただきたい
2. 名無し ■2010/02/10 11:39:45
読み返すとちゃんと会話がしりとりになっていてワラタ
3. 群雲 ■2010/02/10 16:11:24
河童忍法帳
4. 名無し ■2010/02/10 18:06:54
「な」泣いても許さん
5. ■2010/02/10 22:51:26
ンゴロンゴロ保全地域
6. 名無し ■2010/04/01 13:40:33
そして、尻子玉が実際にスペカとして出たという…まさか、うらんふさんはこのことを予言して…!?
7. ふすま ■2014/07/08 09:10:06
本当だ!!会話がちゃんとしりとりになってる!!すげー!!
てかにとりの笑い声……「カーーーーーパッパッパッパッパッパ!!!!!」って……
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