Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『おくりもの』 作者: 穀潰し

おくりもの

作品集: 11 投稿日時: 2010/02/10 19:42:53 更新日時: 2010/02/19 18:44:59
その子供と出会ったのは偶然だった。
森の中を散歩していたら泣いている子供を私が見つけたのだ。
その時はお腹も空いていなかったしその子供食べる気にならなかった。かわりにどうしたの? って聞くと里に帰る道が判らないって言われた。
私が、そーなのかー、って言うととますます激しく泣き出した。どうやら不安が限界に達したみたい。
放って置いてもよかったけど、このままではこの子供の泣き声で妖怪達が集まってくる。
そう遠くない『未来の食料』を他の奴に横取りされるのは気に入らないかった。
だから私はその子供を街道まで連れて出た。
何のことはない、ただ方角さえ見失わなければ難しくないことだし、私は空が飛べる。
子供っぽい外見ではあっても、力はその辺の人間の大人と変わらない。子供1人抱えて飛ぶなんて朝飯前だ。昼ご飯の後だったけど。
ここまででいい? と聞くと、子供は大きく頷いた。
まだ目は赤かったが、見覚えのある景色に安心したのだろう、満面の笑みだった。

「ありがと、おねえちゃん!」
「もう迷っちゃ駄目。怖い妖怪が一杯居るんだから」

うん! と、私の内心も知らないで子供は屈託のない笑みを向けてくれた。
その笑顔に自然と頬が緩む。手を振って走り去っていく子供に、手を振り返したのはお腹が膨れていて機嫌が良かった所為だろう。
私はそう思うことにした。



縄張りに中に人間の匂いがした。
ちょっと遅い朝ご飯にしようと匂いの元に行ってみると昨日の子供だった。手に何か包みを持っている。

「あ!!」

降り立った私を見つけて満面の笑みを浮かべた。そんなに私に会いたかったのかな。

「あなたは食べても良い人間?」

私は近寄ってきた子供にそう聞いた。
大抵の人間はこの言葉で私を人食いの妖怪だと判断して逃げだす。脅かす意味もあるのだが、最近では自分から「食べてください」って言う奇怪な人間も増えてきている。かといって下手に殺して食べたら巫女に痛い思いをさせられる。色々と判断が難しいのだ。
でも子供はそのどれでもなかった。一瞬訳の分からないような顔をした後、手に持っていた包みを差し出してきた。

「おねえちゃんお腹空いてるの? だったらよかった! はいこれ、昨日のお礼!」

眼前に突き出された包みから甘そうな匂いがした。空腹だったこともあって思わず喉が鳴る。
突き出された包みを受け取ると、子供は期待に満ちた目でこちらを見ていた。
早く開けてみて、と無言で語ってくるその目におされて、私は包みを開けた。
そこには人間達が『お饅頭』とか呼んでいるお菓子が入っていた。甘い匂いの正体は此だったのか。

「食べて食べて!」

私の表情の変化を読みとったのだろう、子供が急かしてくる。
言われなくても良い匂いをさせるそれを拒む理由は今の私にはないわ。
ぱくりと一口。

「………おいしい」

お世辞でも何でもなく、純粋にそう思った。大抵『生の食事』で済ます私にとっては、調理された物というのは珍しい。それがお菓子ならばいっそうだ。
その言葉に子供は、やったぁっ!! と大袈裟に喜んだ。

「そのお饅頭ね、ボクの家で作ってるんだ」

成る程。自分の家で作った物が他人に誉められれば、それは嬉しいだろう。
もっとも、今の私に子供に構っている暇はない。未だ魅惑的な匂いを放ってくる饅頭を片づけるのに忙しいのだから。
私が饅頭を貪っている間、子供はずっと私のことを見ていた。理由を尋ねると『あまりにも私が美味しそうに食べるから』だって。
これが人間の女なら羞恥に頬を染めることもあるだろうけど、私からすれば食事をする姿ぐらい見られたところで、何も恥ずかしいことなんてない。
十個程有った饅頭を食べ終えると、程良くお腹も膨れてきた。目の前に『メインディッシュ』があるけど、それはまた今度の機会にしよう。どうせなら、空腹時に美味しい物を頂きたい。
食べ終えた私から包み紙を受け取る子供。その目はまだ何かを期待する色に染まっていた。
私が何? と尋ねると、子供はあのね……と言い辛そうに切り出した。

「空飛んでみたい」

どうやら昨日飛んだことがいたく気に入ったみたい。泣くばかりだと思っていたのに、ちゃっかりと貴重な体験を楽しんでいたようだ。
お腹も膨れていたし、子供1人抱えて空を飛ぶぐらいなら大した労働でもない。子供の後ろに回り込んで腰を抱くと、私は一息に飛び上がった。
ふわふわと漂うような飛行を行う。友達からは風に流されてるみたい、と馬鹿にされることもあるけど、私はこの飛行が一番楽だ。
それは目の前の子供も同じだったらしい。盛大な歓声が聞こえてくる。

「楽しいの?」
「うん! すっごく楽しい! もっともっと!」

私にとっては空を飛ぶことなど息をすることと同レベル。それを抱えている子供は、世にも貴重な体験をしているかのような反応を返してくれる。
私にとってはその反応の方が珍しかった。何せ私の知り合いは全員飛べるのだからこんな反応をする奴の方が珍しい。
四半刻ほど飛行して、元居た街道へと降り立った。地面に降り立った瞬間に子供がふらついたが、慣れない行動をしたからだろう。放っておいても問題はないはず。

「楽しかった! ありがと、おねえちゃん!」

満面の笑みに弾けるような声。その姿にやっぱり頬が緩んだ。
だから。

「また明日も来ていい?」

その質問に、駄目と答えることは出来なかった。うん、と答えた私に少年は身体全体で喜びを表すと、そのまま里へと帰って行った。
考えようによっては食料が自分から来てくれる。好きな時に食べるとしよう。

そう自分に行き聞かせ、私もその場を後にする。
でも子供の肉も良いけど、あの饅頭をもう一度食べてみたいかもしれないなー。



次の日から子供は私の所へ通って来だした。
そこで私が提案したのは、街道で子供が待っていて私がそこに行くという約束だ。そして里では私のことを秘密にする替わりに、私は子供に『貴重な体験』をさせる。
だって、森の中にいる下級妖怪に『メインディッシュ』を取られるのは気に入らないし、街道近くなら子供1人でも里から抜け出せる。
それにこの子供を殺したら饅頭を食べられなくなる。
どうせならもう少し生かしておこう。
そう『無理矢理』自分に言い聞かせてどれほど経ったか。子供は週に一回か二回程の頻度で私に会いに来た。
饅頭を貰って、空を飛んで、世間話をして。そして暗くなる前に子供を里に帰す。
常闇の妖怪と言われる私が、暗くなる前に人間を帰すなど笑い話も良いところだ。
もう少し先、子供を殺すのはもう少し先にしよう。
そう何度も自分に言い聞かせながら私は子供とふれ合った。



ある日、私はみんなに子供のことをうっかり喋ってしまった。チルノやミスティアはもちろん、大妖精やリグルまでその子供と会いたいと言い出した。

「怖がらせないで」

私は彼女達にそう言った。折角の食料が逃げたら困る、という台詞は、どうしてか口に出したくなかった。
数日後に子供をみんなへと会わせた。結果は良好。お互いにすぐに仲良くなり、チルノなんか凍らせた蛙をプレゼントしようとした程だ。
その日は日が暮れる寸前までみんあで遊んだ。遊びすぎて危うく里の守護者を引っ張り出すハメになりそうだった。
そして別の日、またいつものようにみんなで遊んでいた。その日は子供がミスティアの歌に興味を引かれたのか、彼女にくっついていた。
私はそれを見て何だか嫌な気分になった。まるで食料を横取りされたような気分だ。
むぅ、と自分の頬が膨らむのを自覚した。でもミスティアと親しげに話す子供を見ていると、その表情を隠すことは出来なかった。

「どうかしたの?」

リグルが私の変化に気付いて声を掛けてくれた。あの子供は私のなのに、と彼女に伝えると、一瞬驚いた顔をした後愉快そうな笑みを浮かべた。

「なに?」

私の問に、リグルはぐらかすだけだった。その態度も気に入らなかった。
送り届ける時、子供を抱く腕に必要以上に力が籠もったのもその所為だろう。



子供が来なくなった。
その事に気が付いた時、私は餌に逃げられたという後悔より、どうかしたのかという心配の方が大きかった。
と言っても、里に様子を見に行くことは出来ない。里の守護者に門前払いされるのが目に見えているから。
どうしよう、とみんなに聞くと、私の虫たちに探らせてみるよ、とリグルが言い出した。どうして自分がこれほどあの子供を心配するのか判らなかったが、彼女の提案は有り難い。
結果としてあの子供は風邪で寝込んでいるだけと言うことが判った。守護者に気付かれる為長居は出来なかったが、それが判っただけでも満足だ。
いつの間にか握りしめていた掌に汗をびっしょりとかいていた。どうして私はこんなに焦っていたのだろう。
リグルとミスティアが愉快そうな笑みを浮かべていたことも不思議だったけど。
それから数日後には、子供が元気な笑みを見せてくれた。
もはや持ってくる饅頭よりその笑みの方が私は嬉しかった。
なぜだか判らない。
餌が元気であることを確認しているだけ。
私は自分に『無理矢理』そう言い聞かせた。
その日も何時も通り暗くなるまで遊んで、子供を送り届けた。
空を飛ぶ時、子供を抱くのは私の仕事だった。これだけは誰にもやらせたくない。
やっぱりみんなはチルノを除いて、愉快そうな笑顔だった。
なんなのだ?



何時もあの子供のことを考えるようになった。
あの子供と会うことが楽しみになった。
あの子供が帰ったあと、数日間会えなくなることが悲しくなった。
満面の笑みが、遊んでいる時のはしゃいだ声が、空を飛んでいる時に感じる体温が、目に、耳に、身体に残っているようだ。
人間のことをこんなに考えるなんて私はどうかしたのかな? とみんなに聞いてみた。
リグルとミスティアは愉快そうな顔をしていた。チルノは何がなんだから判っていないようだけど、とりあえず頷いていた。

「それは恋だね」
「鯉? あまり好きじゃないよ」

なんで魚の名前が出てくるのか。
そう言った私に、2人は頭を抑えて溜息をついた。そして地面に棒で文字を書いていく。

「鯉じゃない、恋だって。つまりルーミアはその子に恋しちゃってるのよ」

ミスティアが事も無げ言い放った言葉を、私は最初理解できなかった。じわじわとその言葉が頭に染み込むに連れて、顔の温度が上昇していくのを実感した。

「わー、初々しい反応ありがとねー」

ミスティアのからかいも気にならなかった。正確には気にしている余裕がなかった。

「何時でも相手のことを思って、考えて、そして相手の反応に一喜一憂する。これが恋じゃないなら何だって言うのよ」

そう言われれば確かに。

「さてここで質問。ルーミアは最初あの子食べるつもりだったでしょ? それは今どうなの?」
「た、食べるわけないよ!!」

リグルの言葉に私は瞬間的に答えた。しばらくして自分が何を口走ったのか、理解して驚いた。
人食いと妖怪として過ごしてきた私が、自分から『人間を食べるのは嫌だ』と言ったのだ。ということは、私はそれ程……。

「はいこれで決定。ルーミアはその子のこと大好きだね」

ごちそーさま、と零したリグルに私は何も言えなかった。
すると今まで頷くだけだったチルノが口を挟んだ。

「でもさぁ、そいつ放っておいていいの?」
「え? どういうこと?」

チルノの疑問の真意が掴めなかった。その代わり、不安が生まれた。

「だって、そいつ毎日ルーミアに会いに来てるわけじゃないじゃん。ってことはだよ、里の中にもそいつの友達がいるってことじゃないの? 里には子供が集まってべんきょーする所があるって言うし、そいつがそこに来る別の子供と仲良くなってもおかしくないよ」
「……チルノちゃんって妙なところで確信付くよね」
「ふふん! あたいってばさいきょーね!」

大妖精のツッコミを私は聞いている余裕はなかった。
あの子には私以外にも友達がいる。そんな当たり前のことをどうして思いつかなかったのか。
それと同時にどうしようもない不安に襲われた。あの子を別の人間に取られたら、もう二度とあの子と会うことが出来なくなる。
それが堪らなく嫌だった。
どうしたらもっと仲良くなれるかな?
私の問にミスティアと大妖精が答えた。

「そう言えば、人間には物を送る習慣ってのが有るみたいだよ」
「何それ?」
「なんかね、自分の大切な人に何かを贈るだって。『こんな贈り物をする程あなたのことを思っています』って伝えたいらしいよ」
「何かを贈るって何を?」
「さぁ? そこまでは判らないよ。ルーミアちゃんが大切だと思う物で良いんじゃないかな」

大妖精の言葉に私は首を捻った。
何かを贈ると言ったって、私にあげられる物は何もない。里で買い物をするわけにもいかないし、どうしたらいいんだろう。

「あ。じゃあご飯でも食べさせてあげたらどうかな? あの子いつもお饅頭くれたよね? そのお返しとしてルーミアちゃんがご飯を作ってあげるの。美味しいご飯を用意してあげれば、きっとあの子も喜ぶよ」

大妖精の提案に、みんなが賛成した。といっても私には料理が出来ない。ミスティアに教えて貰っても良いが、それでは『私だけの力』ではなくなる。
ではどうすればいいか。
………簡単だ。
私のやり方でご飯を用意すれば良いんだ。

「ありがと!」

私はそう言ってその場を後にした。
友人たちのがんばれと言う声が何より心強かったし、嬉しかった。



今、私は能力を駆使して食材を手に入れている。
私の能力は、自分の周囲に闇を作り出す。
昼間にそれをやると自分の居場所をばらすことにしかならないし、作った闇で自分ですら周囲が見えなくなる。何とも使い勝手の悪い能力だ。
でも、馬鹿と何とかは使い様。
闇で見えないのは相手もこちらも同じ。でも私は妖怪。その辺の動物より、身体能力も感覚器官も発達している。
しかも相手は自分の力を過信して、妖怪が最も盛んに動き回る夜に活動している。
ほら、見つけた。
今日は純粋に狩りをしよう。あの子に美味しい物を食べさせる為に頑張ろう。
能力を使って闇を作り出す。
突如として生まれた闇に驚いたんだろう、獲物が『鳴き声』を上げる。
それが命取りだ。
その声で居場所が分かるのだから。
私は爪を振るった。
肉を切り裂く感触と、身体に降りかかる温かい血飛沫が心地よかった。



「今日はね、あなたに贈り物があるの」

遊び終えて、彼を里へ贈っている途中に私はそう言った。

「なになに?」
「着くまでの楽しみだよー」

好奇心を滲ませた声。その声色に私は満足げに頷きながら、街道よりちょっと離れたところへ降りた。

「目隠ししてあげる」

そう言うと私は彼の顔を包む程度の闇を作り出した。そして彼の手を引くと近くの茂みへと歩を進める。

「足下に気を付けてね」

私に手を引かれながら彼は着いてきてくれた。闇でその表情は窺えないが、きっと期待に満ちた顔をしてくれていることだろう。
ああ早く見せてあげたい。
そして早く喜んで貰いたい。

「おねえちゃん、何だか変な匂いしない?」
「そうかなー。良い匂いだと思うけど」

やっぱり人間と私達では感じ方も違うんだろう。でも『美味しい物』の意識は同じ筈だ。
だって彼のくれたお饅頭はとても美味しかったのだから。

「やっぱり変な匂いがするよ」
「大丈夫よー。すぐに慣れるからね」

そんな会話をしていたら目的地へと到着した。
そこはちょっとした空間。私が食事をする際に使用するお気に入りの場所だ。
ここに贈り物が置いてある。

「はいどうぞ!」

私はそう言って彼の顔を覆っていた闇を消した。
彼は一瞬きょとんとしたあと、贈り物を目にして。
硬直した。

「ご馳走でしょ?」

そんな彼の横を通り過ぎて、私はご馳走の1つを手に取った。
未だにヌルヌルするそれは新鮮さを物語っている。もちろん中にあった不要物は取り除いてある。
だって食事をすると中から臭い物が飛び出すなんて嫌だから。

「なに……それ……」

彼が震えながら聞いてきた。
おかしいな、すぐに判ると思ったのに。
それともあまり見たことがないのかな?

「美味しいお肉だよ? さぁ、一緒に食べよう?」

そういって私は彼に1つ差し出した。ポンプの役割をするそれはとても噛み応えがあって美味しいのだ。
でも彼は首を振った。
いらないと言った。
その身体は小さく震えている。

「あ、生は嫌だった? でもこれが一番美味しいんだよ?」

焼けば良かったのかな。でもやっぱりご馳走は一番美味しい食べ方で食べた方がいいに決まってる。
未だ硬直している彼へと近づいて、その手にご馳走を押し付けた。
べちょりと新鮮な音をさせて、それは彼の手に収まった。

「………う……うわぁぁあああぁぁぁああぁあ!!」

彼はそれを放り出すと一目散に走り去ろうとして、その場に転んだ。
慌てて起こそうとした私から、まるで逃げるように後退る。
どうしたのだろう。
もしや嫌いな所だったのだろうか。
そうかもしれない。確かに噛み応えがあるが、顎の弱い者には少々食べづらい箇所でもある。
可哀想なことをしてしまった。今度はもう少し食べやすい所を選んであげよう。

「じゃあここなんかどうかな?」

胸の部分を彼へと差し出した。脂肪が多いけど、ここなら柔らかくて食べ易い。
しかもこの肉は魔力を帯びていてとても美味しい筈だ。
でも彼は受け取らなかった。ずりずりと後退っていく。

「食べるの嫌なのかー?」

お腹が空いていないのかも知れない。それなら無理に薦めることもないだろう。無理矢理食べたって美味しくないだろうし。
でも目の前にあるご馳走は勿体ない。生だから日持ちしないし。
だから今の内に私が食べておこう。

「いただきまーす」

そう言って私は目の前のご馳走にかぶりついた。
部位ごとによる様々な食感、飛び散る肉汁、染み渡る味、そして帯びた魔力、最高のお肉だった。
気付けば殆ど自分で食べてしまっていた。随分と夢中になっていたらしい。
彼の方を向けば、彼は地面に横になっていた。
こんな所で寝ると風邪を引いてしまう。
人間は私達と違って弱いんだから。
辺りも段々暗くなってきている。早めに里へ送り届けた方が良いだろう。
それに私の食べ散らかした肉の匂いに引かれて動物や下級妖怪が集まって来た。
私もこれ以上は食べられないし、後始末は彼らがしてくれる。問題は残った箒や帽子の中にあった小さな絡繰り、黒白の服だけど、リグルの虫たちが細かく解体してくれることだろう。
口元を袖で拭うと、私は寝ている彼を抱きかかえて飛んだ。
今度は喜んで貰えると嬉しい。



それから彼は姿を見せなくなった。
リグルに様子を探って貰おうとしたけど、里の結界が強まった為弱い虫は入り込めなくなったって言われた。
また風邪でも引いたのだろうか。
しばらく会えないのは寂しいけど、また一緒に遊ぼう。
今度はもっと美味しいご馳走準備しておくから。
此処までお読み頂き有り難うございます。筆者の穀潰しです。
ウナル氏の「ルーミアお母さん」を読み終えたらこんな物が書き上がっていました。どうしてでしょうか?
あと絵板でルーミアが内蔵を差し出している絵を見た覚えがあって、そこから妄想するとこんな物が出来上がりました。
お話の内容は「自分の好きな物が他人も好きとは限らない」というシンプルな物です。
しかし妖怪の恋心……難しい物ですね。

そしてルーミア可愛いよルーミア。

返信
>1
全くです。ルーミアももうちょっと成長すれば気付けたのでしょうか。

>2
そこに突っ込まれるとは思いもしませんでした。
確かにお腹は壊しますが。

>3
個人的には相容れて欲しいですね。
だからこそ失敗した状況を作品で描いているのですが。

>4
「ルーミアお母さん」で余計なことをした所為です。
正直此処が書きたかった為にこの作品は生まれたと言っても過言ではありません。
あとバレンタインデー。

>5
そのお言葉、有り難うございます。
そうですね、まだ行けますね。恋は盲目って言いますし。
穀潰し
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2010/02/10 19:42:53
更新日時:
2010/02/19 18:44:59
分類
ルーミア視点
オリキャラ
1. 名無し ■2010/02/11 08:53:22
プレゼントを選ぶのは難しいや
2. 名無し ■2010/02/11 09:09:21
生食はいかんよ生食は
3. 名無し ■2010/02/11 23:54:26
やはり人食い妖怪と人間は相容れないのだろうな…
4. 名無し ■2010/02/13 11:39:37
さりげに魔里沙死亡してるじゃねえか
5. 名無し ■2010/02/16 21:30:37
相互の理解が及ばなかっただけだ、まだいける!
純愛とは良いものだなぁ
6. 名無し ■2010/12/19 20:46:29
この二人の今後が気になります
名前 メール
パスワード
投稿パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード