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『種モミGET大作戦』 作者: 暇簗山脈

種モミGET大作戦

作品集: 11 投稿日時: 2010/02/13 17:40:12 更新日時: 2010/02/15 22:02:19
地霊殿にあるという核融合炉に妹紅を投入するとどうなるのか?

この幻想郷史上最大の疑問に3つの仮説が提唱された。
月の頭脳、永琳曰く、

@妹紅が死ぬ
A妹紅に反撃を食らって死ぬ
B誰も死なない・・・そんなハッピーエンド          

この仮説に矛盾を感じた蓬莱山輝夜氏は探検隊を結成し、ターゲット藤原妹紅を捕獲。
この謎の解決に挑む。

結果、妹紅が炉内で暴れたことにより、精密な炉は制御不能となる。
幻想郷は核の炎に包まれた。










乾いた荒野を一人で歩いてくる女がいる。
彼女は博麗霊夢。世紀末において博麗がうまく機能しなくなったため、一人暮らしすら大変だ。

「み・・・水・・・水を・・・」

そう言ってその場に倒れてしまう霊夢。
運よく彼女が倒れたのは人里の入口であった。

「な、なんだこの娘は?」

それを見た里の人間達が集まってくる。

「博麗の巫女だ・・・!!」
「ぬぅ、この時代では博麗は余計信用ならん!」
「そうだ、牢屋にぶち込んでおけ!」

口々に勝手なことを言う人間達。
流石の霊夢もこれにはキレた。

「てめーらの血は何色だァ!!」    












2年後・・・

「ヒィ・・・ヒィ・・・」

一人の尼僧が荒れ果てた荒野で悪党に追いかけられていた。
彼女こそ、聖白蓮。この世紀末な時代の明日を信じる者である。 

「ヒャーハッハー!ほれ逃げろー!」
「体力が・・・ドヘェッ」

その場でうずくまってしまう白蓮。
魔法に頼り過ぎたのか、加齢に伴うものなのかは知らないが、体力にはあまり自信がないらしい。

「走り込みとかしておくべきでした・・・」
「さぁ、その種モミを寄越せーッ!」

追手に追われて魔力が底をついた白蓮。
今の彼女には空を飛ぶこともできない。(空を飛びたいという気持ちはだれにも負けない)

「すいません・・・今後のトレーニングについて考えているので・・・」
「トレーニング!?」

〜白蓮さんのトレーニング日程〜

エアロバイク・・・15時間
睡眠・・・9時間

「一日の大半がエアロバイクってなんなのよ!」
「足腰を鍛えるのが大事なんです!」
「るせえババア!」
「名無三っ」

追手に蹴られる白蓮。
それもそうだ。エアロバイク15時間なんて正気の沙汰ではない。

「それにしても何故貴方は変わってしまったのです・・・ぬえ!」

そう、今さらだが、白蓮を追いかけてきていたのは命蓮寺に味方していたはずのぬえであった!(ぬえーんという効果音)

「そもそも私が仏教信じてるわけねーっつーの!!」
「な、なんですって・・・!?」

衝撃の事実に戸惑いの色を隠せない白蓮。 
疑うということをしない彼女のスタンスが崩れた瞬間であった。

「さあ、わかったら種モミを寄越せ!」
「ちょっと待ってください。この種モミを畑に蒔くと来年は米を実らせます」
「うん」
「ここまでいいですか」
「うん」
「米を実らせたら皆で食べる分の食料を確保することができます」
「・・・うん」
「そしてここからが大事なんです」
「じれったいよ!結論から言いなよ!」
「回りくどいのは嫌いですか?それより私と踊りませんかぁ♪」
「(ブチィ)」 

イライラが有頂天に達したぬえが放った手刀は白蓮の意識を駆り取るのに十分な威力を持っていた。









「ハッ・・・これは・・・私の夢・・・?」  
「姉さん・・・」
「貴方は・・・命蓮!?」

彼女の目の前には死んだ命蓮がいた。

「夢の中にまで出て・・・人肌が恋しいんですか?」
「そうじゃないんだ姉さん・・・立川にブッダ様がいらっしゃると聞いたので旅行に行くことにしたんだ」
「うわああああああああああああああああああああああああああ行きたいよおおおおおおおおおおおおおおおお」











「ヒィ!?いきなり叫ばないでよ!!」
「ハッ・・・ここは・・・あ、ぬえ」

夢の世界から戻って来た白蓮。寝言がバッチリ聞かれていたようだ。 

「え、どうしたんですか、何かあったんですか」
「(ボケたのか・・・)種モミだよ種モミ」
「ちょっと待ってください。この種モ」
「もういいよ!結論から言ってよ!」
「今日よりも明日なんです!」
「え、ちょっと・・・カッコよく言ったつもりになっちゃって・・・」
「てへ、とにかくですね、泪橋を逆に渡って明日に架ける橋にですね・・・」
「えっ、それあしたのジョーじゃん」
「ショー?(寅丸星的な意味で)
「・・・もういい、殺す」

もはや呆れてしまったぬえは強行手段に出ることにした。すなわち、白蓮の殺害。

「エターナル睡眠しろォ!!」 
「いやだああああああああああ立川行くまで死ねないいいいいいいいいいいいいいいい」

白蓮の目標は立川に行くことになってしまった。
しかし彼女は明日の活力とばかりに尽きかけていた力を漲らせる。
超高速でぬえに拳を叩きつけていく。

「ぐあああああ!!そんなバカな・・・」
「これが無呼吸連打・・・いや、北斗百裂拳・・・やっぱりペガサス流星拳です!!」

命名『ペガサス流星拳』
効果『相手は死ぬ』







 



強敵、ぬえを倒し、種モミを届ける為に人里に戻って来た白蓮が見た光景は想像を絶するものであった。
そう、皆目が死んでいるのだ。

「なんで皆目が死んでいるの・・・徹夜したのかしら・・・」

絶対に徹夜の所為ではないと思うのだが、白蓮はそう思い込むことによって自分を落ち着かせる。
すると広場の方で無駄に派手な玉座に座っている者がいる。
その周りにいるのは里の人間だけでなく、自分が見知った人妖すらいる。その玉座に座っている人物を見た白蓮は思わず駆け出した。

「久しぶりじゃない・・・白蓮」
「霊夢・・・さん・・・」

2年前のあの日、人を信じられなくなった彼女は人里を丸ごと支配してしまったのだ。

「私が世紀末の覇者になってくれるわ・・・」
「そんなことは紫さんが許さないはず!紫さんはどうしたんです!?」
「ここにいるじゃない」

見ると霊夢の肩を揉んでいる紫がいた。どさくさに紛れて胸を揉んだり脇を揉んだりしているその姿にはかつての威厳がない。
他にも萃香やアリスがいるが彼女達はボケーッと突っ立ってるだけのようだ。まるで朝会の小学生みたいだ。

「・・・ッ!!」
「いや、まあこの連中はいつの間にかいたんだけどね」
「許しません!」
「いや、え、今の流れで私に許せない箇所が有った!?」
「超許しません!覚悟!」

白蓮の放った突きを飛び込んできたアリスが受け止める。なるほど、こういう役回りだったのか。
 
「フン、そんなしょうもない突きで都会派魔法使いの私をたおせるわけがべれ!!」

アリスの頭は破裂していた。なるほど、こういう(ry
どうでもいいが、魔界の住民は自分達のことを都会人だと思っているようだ。
じゃあ東京都民は魔界人なのかというと、彼らは否定できないんじゃないかな。

「貴方・・・北斗神拳を・・・」
「いえ、ペガサス流星拳です」
「フフフ・・・北斗現れる所に乱あり、とはよく言ったものね・・・」
「いえ、だからペガサス流星拳です」
「まさか北斗がね・・・面倒だわ・・・」 
「だ・か・ら!北斗じゃないから別に面倒じゃないんです!!」
「息をするのも面倒だわ」

そう言うと霊夢はお祓い棒を出して白蓮に向ける。

「私が人里を占領できたのも、この催眠術のおかげよ!」
「うっ・・・なぜ・・・尼であるはずの私がムラムラしてきましたよ・・・!!」
「よ〜し、それじゃ私のブーツを舐めろ〜」

白蓮はそう言われると死んだような目をしながら、霊夢の靴を丁寧に脱がし、靴下を脱がし、舐め始めた。

「ちょっと!誰が直接舐めろって・・・んんっ!」
「美味しかったです」
「もう怒ったわ!飛翔博麗!!」

霊夢が玉座から飛び上がり、滑らかな曲線を描くようにして空中で一回転し、
そのままの勢いで両手の手刀を白蓮の肩に叩きつけようとするが、白蓮が凄い勢いで後ずさったので、
目標を見失った彼女はそのままの勢いで地面に頭を激突させてしまう。人生の目標も見失っているのかもしれない。

※飛翔博麗というネタは随分昔からあるネタです。節度を持って使いましょう。

「うわぁ・・・痛そうですね・・・」

白蓮がそう言うのも無理はない。現在霊夢は頭を真っ逆様に地面にめり込ませて、ドロワが丸見えの状態だ。
紫と萃香が嬉しそうなのが気に入らない。

「ほら、霊夢さん、大丈夫ですか?」

白蓮が地面に埋まっていた霊夢を引っこ抜く。

「びゃ・・・白蓮・・・せめてその胸の中で・・・」
「フフ、人肌が恋しいんですね。ウチの弟とそっくりです」
「わぁ、デカパイ」

後ろで紫と萃香が悔しそうなのが最高に気に入らない。

「ん?霊夢さん!?・・・死んでる・・・なんて幸せそうな顔を・・・」

どうやら博麗霊夢の最期の言葉は『わぁ、デカパイ』になりそうだ。
そんなことは許さんとばかりにガバッと起き上がる霊夢。

「アリスが手招きしていたわ」
「彼女は気の毒でしたね・・・」
「ええ・・・」
「これからどうするんですか?」
「亡命するわ・・・アンタは?」
「立川に行くのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」











夕日に沈む里を後ろに見送り、種モミを食べながら白蓮が去っていく。

「久しぶりに・・・人間に会った気がしました」

幻想郷ではよくあることです。










数々の強敵(とも)を倒した白蓮!だが、そこには哀しい犠牲が常に付きまとっていた!
彼女に安息の日が来るその日まで・・・戦士達の闘いは多分終わらない!
――完――
自分の主人に絶望した鈴仙がGOLANを作っていたり、
雲山が風殺金剛拳を使って一輪を姉だと勘違いしたり、
早苗が霊夢の名前を騙って自分の胸像を作っていたり、
魔理沙が聖帝十字陵を作っていたりするのだが救世主らしい救世主も現れず、
そもそもこんな20年前のネタを誰が理解するのかという作者の悲しみだけで無想転生しちゃう、そんな夜中のテンション。

※5 貴方が最初に想像したキャラですよ
暇簗山脈
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2010/02/13 17:40:12
更新日時:
2010/02/15 22:02:19
分類
北斗ネタ
1. 名無し ■2010/02/14 02:46:00
真夜中はおっさんの国
そんな昭和の忘れ物どもの集い
2. 名無し ■2010/02/14 04:06:40
永琳「媚びろ〜!!媚びろ〜!!ファハハハ!!」
3. 名無し ■2010/02/14 09:35:48
紫「霊夢様は本当に頭の良いお方…」
4. 名無し ■2010/02/14 10:11:13
レティ「どこからでもどうぞ」
5. 名無し ■2010/02/14 21:57:29
で?胸に七つの傷があるのは誰なんだ?
6. 名無し ■2010/02/16 21:01:16
このカオスっぷり大好きだ
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