東方葬送夢6

作品集: 12 投稿日時: 2010/03/03 23:59:19 更新日時: 2010/03/03 23:59:19
 
 

「ぐぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"あ"あ"あ"ぁ"!! うぐがあ"あ"あ"ぁ"あ"!!」
 


哀れな少女は、燃え盛る炎に焼かれる苦痛に耐え切れず、手や足を縛めていた糸――――
いや、皮膚のほうをぶちぶちと引きちぎりながら、机の上でのたうち回った。
机の傍らに有る椅子の上には、“ジグソウ”の象徴たる薄気味悪い人形――――“ビリー”が座っており、炎の塊を空ろな瞳で眺めている。



「 ゲ ー ム ・ オ ー バ ー 」



そして、その椅子よりも少し離れたところに“そいつ”は静かに佇んでいた。
豚のマスクを被り、その上から黒いローブを纏った“そいつ”は、感情を一切含まない冷酷な声で、ゲームの終わりを告げる。



「――――ッ!!」



“そいつ”の姿を目にした瞬間、凍り付いていた霊夢の精神は 一瞬で臨戦状態へと変わった。
普段の暢気な彼女からは想像も出来ないほどに表情が歪み、瞳が激しい憎悪を孕む。
これほどの敵意を抱かせる相手は、霊夢にとっては、生まれて初めてと言っても良いだろう。



「早苗っ! アリスの火を消して!! はやくっ!!」

「――――ッ!!」



悪鬼をも圧倒するような激しい怒号が、早苗の意識を一瞬で恐怖から現実へと引き戻した。
激しい怒りの視線を“そいつ”に向ける霊夢に、身震いさえしながら 早苗は自分自身の役割を理解する。
焼かれゆく少女を助けるのは早苗の役目であり、霊夢の役目は――――



「呆けてないで さっさとなさい!!!」

「は、はいっ!!」



再度、部屋中に怒声が響き、早苗はあたふたしながらのた打ち回る炎の塊の下へ駆け寄った。
そんな早苗の様子など、一切気に留めることも無く、霊夢は“そいつ”に対して身構えた。
燃え盛る炎に照らされ、霊夢と“そいつ”の姿が紅く染まる。
だが、霊夢の表情が、早苗や“そいつ”よりも赤いのは、それだけが理由ではないはずだ。



「この……外道が……!!」



忌々しげに呻き、霊夢は憎悪にも似た怒りを孕む瞳で“そいつ”を睨みつけた。
爪が肉に食い込むほどに きつく握り締めた拳からは、ポタポタと生暖かい血が滴り落ちる。
けれども、“そいつ”は霊夢が向けてくる敵意を、まるで そよ風程度にしか感じていないようだった。
まるで人形のような“そいつ”の落ち着きが、霊夢に じわりとした危機感を抱かせる。



「どちらを選ぶの? 私の捕縛? それとも、その女の命?」



豚のマスクのせいでくぐもったような奇妙な声は、何故か……霊夢にとって 何処かで聞き覚えのある声だった。
“冷徹”、“冷酷”、“冷静”……冷たさを形容する あらゆる言葉を体現化したかのような声に、さしもの霊夢の背をぞわぞわとした感覚が通り過ぎる。



「 決 断 し ろ 」



その一言が、有無を言わさぬ圧倒的なプレッシャーをもって霊夢を一歩退かせた。
この状況で、霊夢と早苗の二人を相手に、“そいつ”が逃げることは ほぼ不可能と言って良い。
にもかかわらず、“そいつ”は全く焦ることもなく 異常と言っていいほどに落ち着き払っていた。



(……なんなのよ、こいつは……! )



霊夢の心に、初めて焦燥にも似た感情がわきあがった。
どうして、此処まで冷静になれるのだろうか?
その部屋からの出口は全部で3つあるが、どう考えても“そいつ”が逃げ切れるはずが無い。

一つ目の出口は、二人が入ってきた出入り口。
その前には、霊夢が立ちはだかっており、“そいつ”が外へ逃げるには彼女を倒さねばならない。

もう一つは、“そいつ”の左手側にある、血に染まった机の 向こう側にある窓。
その前には、のた打ち回りながら消し炭へと化しつつある炎の人型と、必死で炎を消しとめようと頑張る早苗がいる。
あるいは、早苗ならば抜ける可能性はあるが、窓が小さい。
霊夢から攻撃を受けずに“そいつ”が部屋から脱出するのは難しい。

そして、最後の出口は、“そいつ”の背後にある扉。
だが、それを開けて逃げるには些か距離が遠すぎた。
霊夢ならば“そいつ”がドアノブに手をかけた瞬間に致命傷を与えることが出来るだろう。



「ふっ……ふざけないで!! どっちもよ! あんたを捕まえるのも! アリスを助けるのも!!
 この状況、その馬鹿げた格好で! ここから、逃げられるとでも思っているの!?」



逆に考えれば、霊夢さえ倒せば“そいつ”は逃げ切れるのだが、それも不可能に近い。
その狭い部屋の中では弾幕やスペルカードは使えず、おそらくは接近戦で決着がつくため、一見霊夢が不利に見える。
しかし、普段は 強力な弾幕やスペルカードがクローズアップされがちだが、妖怪退治を営んでいる以上、霊夢もそれなりに腕っ節は強い。
それこそ、霊夢は、人里の腕自慢 程度ならば、軽くあしらえるほどの格闘能力を持っているのだ。
仮に、“そいつ”が 何らかの能力を使おうとも、それを使うためにはどうしても僅かなタイムラグが必要となり、それを見逃すほど今の霊夢は暢気ではない


むしろ、不利なのは、豚のマスクで自らの視界を遮られている“そいつ”の方なのだ。



「逃がさないわ……あんただけは! 絶対に!!」



そう叫ぶや否や、霊夢は一瞬で“そいつ”との間合いを詰め、その腹に強力なボディブローを叩き込んだ。
苦悶の呻き声と共に、腹を折って蹲る“そいつ”の頭部に、霊夢は続けざまに組んだ手で強烈な打撃を加える。
頭部にダブル・スレッジ・ハンマーを喰らった“そいつ”は床に崩れ落ち、その隙に 霊夢に背後から馬乗りにされて組み伏せられてしまった。



「ふん、口ほどにも無かったわね……これで、異変解決よ」



“そいつ”の動きを封じるように腕を極めながら、霊夢は早苗のほうに目を向けた瞬間、霊夢の表情に悲痛な焦燥が浮かぶ。
先程までは、赤い炎の向こう側にうっすらと見えていた肌の色は、既に焼け爛れ黒焦げになりつつある。
そして、部屋中に響く凄絶な悲鳴も、みるみるうちに小さくなり始めていた。



「が……グガああぁ……あぁ……!!」

「早苗! 何やってるの!! 早く、アリスを!!」

「わかってます! わかってますけどっ!!」



部屋の中には水が無く、早苗は窓にあったカーテンを剥ぎ取り、それを被せて火を消そうとしていた。
けれども、火勢が圧倒的に強すぎるため、まさに焼け石に水だ。
既に、炎はカーテンにまで燃え移っており、このままでは炎を消すことなど到底叶いはしまい。
早苗の能力で、“神風を吹かせて吹き消す”という手もあったが、逆に酸素を送り込むことに なってしまう。
霊夢の怒声を浴びながら、早苗は 焦りながら戸棚や引き出しを開けながら、水や布を探していた。



「ああ、もう! みず、水は、どこに――――!!」



早苗も、もう理解はしていた。
おそらくは“そいつ”の手によって、元々この部屋にあった布や水はどこかに隠されてしまったことを。
早苗はすぐさま その部屋に見切りをつけ、奥の部屋に続く扉へ走った。
そうして、扉を開けた直後、早苗は 自分のすぐ傍らに手桶と水瓶があることに気付く。
水瓶は大きめで動かせそうにはないが、手桶にも透明な液体が並々と満ちていた。



「――――ッ!」



早苗は、すぐさまその手桶を引っ掴み、元の部屋へと駆け出す。
……早苗にもう少し観察力があれば、その液体が少し粘性を持っていたことに気付いたであろう。
だが、焼け焦げながらも、まだ死に切れずに喉の奥から搾り出る 弱々しい呻き声が、早苗を焦らせた。
冷静に考えれば、既に全身に重度の火傷を負っている 少女は、きっと生き延びることは不可能であったであろう。
けれども、早苗はほんの僅かな“奇跡”を諦めなかった。
そして、何も知らない早苗は、炎の塊に向けて、手桶の中身を全てぶち撒けた。



その瞬間――――



ボウウゥゥゥンッ!!



「きゃああああっ!!」

「なっ――――!?」



爆発と見まがうほどの強力な燃焼の突風を浴び、早苗は吹き飛ばされるように仰向けに倒れる。
霊夢でさえ、思いもよらぬ爆音と衝撃に目を見開いたまま驚きを隠すことができない。
手桶に満ちていた液体は、可燃性の液体 ―――― 早苗と霊夢がそう悟った時には、全てが遅すぎた。



「き”ぃ……あ、あ……あぅ……ぅ………………」



先程までは炎に焼かれる苦痛に耐え切れず 激しくのたうち回っていた少女は、今では 小さな呻き声とともに、小刻みな痙攣を繰り返すだけだった。
その身体は、全身が焼け爛れ 消炭になっており、もはや霊夢がよく知る 人形遣いの少女の面影などは欠片も無い。
“そいつ”によって殺人ゲームの被験者にされた哀れな生贄は、最後には早苗に息の根を止められる形でその生涯を閉じた。
そして、“トドメを刺したのは自分”という事実へ 早苗が自ら辿り着くのに、そう長い時間は必要なかった。



「……そ、んな……あ、ああ……」



生まれて初めて、一人の人間を殺してしまった――――それは、それまで平穏な世界に住んでいた少女にとって、どれほどのショックだったであろう。
尻餅をついたまま、大地震の最中にいるかのように、早苗の全身がガクガクと震える。
心の奥から湧き上がる罪の意識が早苗の胸を蝕み、幾重にもマスクを被ったかのように上手く呼吸ができない。
早苗は今、本当の意味で非日常へと足を踏み入れてしまったのかもしれない。



「いや……あぁ…………いやぁっ! いや、イヤあああああああああああっ!!」

「っ……!!」



そして、早苗自身の声帯を引き裂くような“絶叫”ともに、張り詰める彼女の理性は、ぷつん、と――――






「 さ な え え え エ エ エ エ ―――――――――――― ッ ! ! ! ! 」






――――切れる直前、部屋中……いや、館そのものを揺るがすかのように霊夢の怒声が響き渡った。
その、あまりの大声に驚いたのだろう。 館の外では、十数羽の鳥がバタバタと羽ばたきながら逃げてゆく。
そして、霊夢の渾身の絶叫は、早苗の理性を“ショック療法”という形で辛うじて繋ぎ止めていた。



「れ……い、む……さ……」



早苗は青褪めた表情でへたり込みながら、霊夢に縋りつくような視線を向けていた。
精神崩壊は免れたとはいえ、まだ完全にはショックから立ち直ったわけではない。
そして、霊夢が早苗のために裂いた その一瞬の隙が、霊夢自身にとって命取りとなった。



キィンッ――――ザシュッ!!



一瞬の間の後、霊夢は、自分自身の喉に灼熱が奔った事を自覚した。
“そいつ”の腕は、いつの間にか霊夢の拘束から逃れて自由になっている。
皮手袋に覆われた“そいつ”の手には、銀色に輝くナイフが握られていた。



「……な……!?」



霊夢の喉を襲っていた灼熱は、未だ消えずに彼女を苛んでいる。
思わず喉を押さえると、ぬるりと生暖かい感触が掌全体を包んだ。
掌と首の間から、だらだらと生暖かい液体が零れ落ちる。



「か、はっ……」



霊夢の小さな唇の端からは、首から流れ落ちる液体と同じ……赤い血液が溢れ出した。
首を切られたにしては出血が少ないため、傷口は頚動脈までには達していないのだろう。
だが、今の霊夢に“そいつ”を押さえつけるほどの力は望めるはずも無い。
その場に力なく倒れこみ、起き上がることが出来ない霊夢を一瞥さえもせず、“そいつ”は悠々と立ち上がる。



「れ、霊夢さん! 霊夢さんっ!!」



早苗は、喉を切り裂かれた霊夢が倒れ込んだ光景を、この上ない絶望感溢れる表情で見続けていたが
彼女の命がまだ潰えていないことを知ったとたん、霊夢に縋りつくように駆け寄った。



「か、ふぁ……あ、あぅぅ……う、ぐぅ……」

「しっかり、しっかりしてくださいっ! 霊夢さん!!」



あるいは……ここで霊夢が息絶えていたら、おそらく早苗は 恐怖と絶望に押し潰され、もう立ち上がれなかったであろう。
そう言う意味では、“そいつ”が霊夢のトドメを刺し損ねたのは、霊夢と早苗にとって幸運であったにちがいない。
早苗は服の袖を力任せに引き千切ると、その布地を霊夢の喉元に押し当てた。



「おねがいです……死なないで、死なないでくださいっ!」



みっともなく取り乱す早苗に意識を裂く余裕すらなく、霊夢は“そいつ”に激しい敵意の視線を向けることしかできない。
なんと皮肉なことだろうか……つい先程まで、“そいつ”組み敷いていた霊夢は、今や地べたを這いずるイモムシのように無力そのものであった。



「……アリス=マーガトロイドは死んだ」



嘲るような口調の声が、部屋中に静かに響いた。
早苗がはっとそいつに顔を向けると、“そいつ”は扉に背を預けたまま、いつでも逃げることが出来る状態にあった。
豚のマスクで顔は見えないが、口調からおそらく薄い笑みを浮かべているに違いない。



「トドメを刺してくれてありがとう、東風谷 早苗」

「……ッ!!」



早苗のプライドを 錆びた刃で抉るように傷つけるように、“そいつ”は容赦のない言葉を口にする。
そして、ドアノブに手をかけると、燃え尽きてピクリとも動かない肉塊を一瞥して、そのまま外に逃げていった。
ぎりり、と歯を食いしばった早苗の頬に、一筋の涙が伝い、霊夢の手の甲に落ちる。



(……私は…………わた、し……は…………!!)



少なくとも、この異変が始まる前までは、早苗は 自分自身の力に対する自信や誇りがあった。
今回の異変も自分の力だけで簡単に解決できると思っていた。
霊夢との同行を自ら買って出たのは、力なき人々の為に異変を解決したいという意思もあったのだが
この世界を護る“博麗の巫女”に自らの実力を示す という、傲慢な意思が無かったワケではない。

けれども、にとりの家でも、この館の中でも、早苗がしたことといえば、ただ怯えきってしまっただけだ。
それだけではなく、自らの不用意な行動で霊夢すら危険に晒してしまった。
現人神として、守矢の風祝として、早苗が これまで培ってきたプライドは、すでにズタズタだった。



「――――っく……」



霊夢と比較して、早苗の力は まだ 未完成の粋内にある。
けれども、その未完成さゆえに――――打たれれば 打たれるほど 強靭さを増す 鋼となる“可能性”があるのだ。
そして、人は 徹底的に打ちのめされたときにこそ、その真価が問われる。
この短い時間の間に、恐怖、絶望、後悔、挫折……そんな、あらゆる苦悩を経験しながらも、早苗の目は未だ死んではいない。
みっともなくブザマな自分自身と決別するかのように、早苗は大きく呼吸をつく。



「霊夢さん、すぐ戻りますから……待っててください……」



力なく呻きながら床に倒れ付す霊夢に、早苗は静かにそう告げた。
今までの恐怖の感情など、今の早苗の顔には何処にも見受けられない。
自分に 捕まえることが出来るのか……――――そんな思考が早苗の胸をチクリと掠めていたのだが
“そいつ”を追うという彼女の行動には間違いは無かった。
ここで“そいつ”を逃がしてしまえば、もう二度と捕まえるチャンスは無いに違いない。
そう……早苗の判断は間違っていない。 一人だけで“そいつ”を捕まえようという“自信過剰かつ分不相応な行為”以外は、何一つ。
“そいつ”の仕掛けた罠は、まだ終わってはいないのだ――――



「どこに――――」



開け放たれた扉から外に出た早苗は、首を左右させ“そいつ”の姿を探る。
その瞬間、森の奥の方で、がさっ と木や葉が擦れる音が立った。



「――――ッ! ま、待ちなさいっ!!」



音の方向に首を向けた早苗の視界に、森の奥へと逃げてゆく“そいつ”の姿が映った。
すぐさま、早苗は森の中へと駆け込んでゆく。
想像以上に見通しがきかない森の中、早苗は何度も躓き、転びそうになりながら、目の前を悠々と走って逃げてゆく“そいつ”を追いかけた。
早苗の上着から覗く すらっとした二の腕や、ふっくらとした頬、細い首筋に、幾重にも傷がついてゆく。
それでも、早苗は止まらなかった……自分の誇りを取り戻すために、止まれなかった。



ぐぃ……っ!



「え?」



不意に、何かが 引っかかる感触が早苗の足を包む。
反射的に早苗が足元を見た瞬間、彼女の瞳が一筋の光を捕えた。
釣り糸のような、細い糸――――ブービートラップ――――そんな思考が、百分の一秒にも満たない時間の中で、早苗の脳裏をゆっくりと駆け巡ってゆく。
同時に、早苗の心の中を恐怖と絶望の感情が覆い尽くした。




――――“ブービートラップ”という早苗の思考は、正解だった。



早苗のすぐ傍の木陰には、ポンプアクション方式の散弾銃が隠されていたのだ。
早苗が足に引っ掛けた その糸は、ショットガンの引金へと繋がっており、それを引くためのスイッチだった。
もっとも、実戦経験の浅い早苗が、隠されたショットガンの存在などに気付くはずも無い。



ドンッ!!



早苗の身体が硬直する。
霊夢の怒声によって森の奥に逃げ込んでいた鳥達が、激しい音に再び飛び立ち、逃げ去ってゆく。
ぎゃあ、ぎゃあという鳥の声が次第に遠ざかり、程なくして、不気味な静寂が周辺一帯を支配した。
つぅ……と、早苗の額を生暖かい液体が伝い落ち、続いて その身体がぐらりと崩れ落ちた。










































































はるか後方で響く銃声を耳にした“そいつ”は、走るのを止めて その場に立ち止まった。
そして、背後を振り返ることなく、木陰に身を隠すと、自らの顔を覆っていた豚のマスクを両腕で掴む。
醜悪な豚のマスクからは想像も出来ないような、可愛らしい少女の顔が、マスクの内側から現れる。
そして、マスクを脱ぐ時に 黒いローブの袖口から 覗いたのは白い肌。
その上には、皮膚を引き千切ったかのような無数の傷がついていた。

季節は真冬とはいえ、ただでさえ暑苦しい厚手の黒いローブと、
豚の皮で出来たマスクを被って全力疾走したのだ。
普通ならば 逃げ切れるはずは無かったが、“そいつ”が早苗を撒くことが出来たのは、地の利があったことが大きな要因であろう。



「これで、“アリス=マーガトロイドは死んだ”……」



霊夢と早苗の目の前で、“死んだ”と思われていた少女――――アリス=マーガトロイドは静かに呟いた。
アリスは“自らの死”に薄い笑みを浮かべると、再び豚のマスクを被って、再び彼女の目的の場所へと走り出した。









――――幻想郷を襲う異変は、いよいよ その頂点へと向かおうとしていた。









To be continued...
≪東方葬送夢6について≫
さて、これにて霊夢と早苗のお話は一時終了です。
第一部 完! といったところでしょうか……
第二部では、幻想郷の別のキャラから見た異変の様子をお送りします。
本家の如くダラダラ感溢れておりますが、楽しみにしていただければ幸いです。
まずは、3/19にDVDで発売されるSAW6に、創作のエネルギーを貰うとしようかな。

≪雑談≫
“理不尽な死”というか、“避けられない死”を挙げるなら『着信アリ』とともに
『ファイナルデスティネーション』シリーズは外せないと思う。
1は飛行機、2は高速道路、3はジェットコースター、4はサーキット場……
それぞれの場所で起こった大事故で予知によって生き残った人間が、死の運命に追い回される名作です。
特筆すべきは、偶然に偶然が重なり、通常では考えられない死因となること(この偶然も、死の運命だけど)
どんなに逃げても、どんなに逃げても、延々と 死の運命に付きまとわれて、かわいそうに……見ているこっちは楽しいが。

これを東方で再現するなら……

早苗とか、鈴仙とか、魔理沙は、普段の自信たっぷりな態度はどこへやら、迫り来る死に怯えきった可愛い姿が拝めそうだ。
あるいは、文とかは最初は強がってはいるが、死の順番が近づくたびに徐々に怯え始め、最後にはみっともなく取り乱す姿が見られるだろうか。
でも、幻想郷の女の子達は強いからなぁ……死の運命とか通用しそうに無いかもな……
それでも、お嬢様なら……お嬢様なら、きっと何とかしてくれる……!! 運命を操る程度の能力で全員殺してくれるはず……!!

ちなみに、ファイナルデスティネーション4(ファイナルデッドサーキット)は3/17にDVDで発売されるみたいね。
変態牧師
作品情報
作品集:
12
投稿日時:
2010/03/03 23:59:19
更新日時:
2010/03/03 23:59:19
分類
ジグソウ異変
博麗霊夢
東風谷早苗
残酷グロ
1. johnnytirst ■2010/03/04 00:20:48
散弾くらってんのに頭の形があるのか…というのはどっかにぶん投げて

外の人物説は消えた…のか?

まぁともかく早苗と霊夢 m9(^Д^)プギャー
2. 紅のカリスマ ■2010/03/04 00:21:48
何故、アリスがこんな凶行に走ったのかが気になる……後、焼死体になった人物も。
第二部、楽しみに待ってます。
3. 名無し ■2010/03/04 00:24:49
うーん、一体誰が犯人なんだ……?
文の知り合いでうどんげの過去を知ってるという情報が出たときは、ある程度犯人を絞り込んでたけど、
その後新作が出るたびにどんどん分からなくなってゆく……
4. 穀潰し ■2010/03/04 00:48:27
「トドメをさす」くだりでテンションが跳ね上りました。早苗さんざまぁ。
しかし動機が読めないし、本当に犯人とも断定できない。こいつは次回が楽しみです。
>雑談
次回作はファイナルデスティネーションですねわかります。
5. 名無し ■2010/03/04 01:00:21
お嬢様が運命を操ったためしがないじゃないですかw
6. 名無し ■2010/03/04 01:37:30
ナイフは借りたんですね
7. 名無し ■2010/03/04 01:47:06
ここと4でふと気になったが、アリスが特徴的な髪ってのは無いよな…寧ろ幻想郷じゃ地味な方だし…金髪の事ならそれこそ多数居るしアリス以上に奇抜なのも多いし…だけど妹紅から見たら金髪は珍しいと言う解釈もあるが…
だけどロングスカートは合ってるよな…最後はともかくとりあえず今までの犯人はそれこそ別人だろうし…?
となると明確な描写が無かったにとりも怪しいが…犯行毎に犯人が入れ替わってるとしたらシグソウの霊(仮)が取り付いてって事になるがそれもおかしい…
これこそチェス盤ひっくり返して考えなきゃわけわからんのかな…一度整理したいがこの話を見直すと毎回へたりこむ位体力使うからなあ( ;´д`)グロは好きなのにどうしてだろうか
8. 名無し ■2010/03/04 09:16:31
アリスがアマンダ役なのかー。
9. 名無し ■2010/03/04 10:24:28
犯人『勝った!第一部完!』
続き待ってました。
これで今日一日楽しく過ごせますわ。
10. 名無し ■2010/03/04 19:33:56
本体はビリーですね、わかります
11. アベル ■2010/03/04 22:39:29
初コメです!よろしく〜
このシリーズ大好きです!続編気長に待ってますwww
12. 名無し ■2010/03/06 06:36:18
おい、早苗が死んじゃったじゃないか!
13. 名無し ■2010/09/05 19:32:57
ファイナルデスティネーションシリーズもいいかもな。
妖怪の山とか博麗神社で大惨事が起こる夢を誰かに見せて、
生き残った人々に次々と死のピタゴラスイッチが襲ってきて・・・。
名前 メール
パスワード
投稿パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード