ファイナルドロワ攻防戦

唐突だが、怪しい男が魔理沙の家に行って、その家の主人を叩き起こして言ったことにはこうだ。

「君のパンツ何色なの？」
「え・・・し、白だぜ？」

突然のことに困惑する魔理沙。
寝ぼけた頭をフル回転させて、自分が何を聞かれて、どう返事をしたかを理解するまで時間がかかった。気がついたときには頭の中はスターダストレヴァリエ。胸のトキメキはファイナルスパーク。顔の紅潮はまさに不夜城レッド。そして羞恥心はプライベートスクウェアだ。

「え、白なの？」
「えっ、なっ、アンタ、い、いきなりやって来て何を・・・！！」　

頭が正常に働くようになった魔理沙は当然の如く抗議をする。
男はお構いなしに魔理沙の魔女服のスカートを思いっきり翻す。

「ドロワかよ・・・」
「なにしてんだオイ！！」

「ドロワかよ！」
「ドロワかよ！」
「ドロワかよ！」
「ドロワかよ！」

気のせいだろうか、男の声が複数重なって聞こえる。
それもそのはず、魔理沙に話しかけた男の後ろには、一直線に４人の男が並んでいたからだ。

「な、アンタらいつの間に！？」
「最初からだ・・・俺の陰になって君からは見えていなかったがな・・・」

そう言って、男たちは某アーティストグループの『一列になって時間差でグルグル回るあのダンス』をやる。

「これだけは言わせてくれ・・・ドロワかよ・・・」
「ハイッ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」

「や、やめろ・・・帰ってくれ・・・」

「ハイッ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよったら」
「ドロワかよ♪」

「色気なし、胸なし、やる気なしの」
「３ナシ魔女が！」

「ハイッ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」
「ドロワかよ♪」


男たちの『一列になって時間差でグルグル回るあのダンス』と変な合唱は止まらない。
魔理沙は理不尽な状況に、ただただ俯いて声なく涙を流すだけであった。