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『無題』 作者: 原価計算

無題

作品集: 14 投稿日時: 2010/04/18 14:14:01 更新日時: 2010/04/18 23:16:07
 
 いつからだったか、私は部屋に篭るようになった。ここ最近の地霊殿での生活は、私にとって喧騒と雑音にまみれた不快なものでしかなくなっていたのが原因だろう。






 *          *          *
 
 古明地さとりは眼を覚ました。どれほど寝ていたのだろう。寝起きで頭が回らない。
 とりあえず部屋を出ようと扉へ向かう。重厚な木製の扉は黒ずみ、金具は錆びて、ドアノブを回すとぎしぎし軋んだ。
 廊下へ出る。床は埃が溜まり、かつて天窓から漏れていた灼熱地獄跡の熱の輝きは弱い。
進み、エントランスへ出ると火焔猫燐が居た。声をかけ、近況を尋ねた。
 それから地霊殿内を見て回り、ペットたちと久しぶりに話をして、部屋へ戻る。扉を開けると、こいしが居た。少しばかり話をした。気がつくと、いつのまにか消えていた。疲れたので眠ることにした。
 






 *          *          *
 
 古明地さとりは目を覚ました。随分長く寝ていたようだ。
 しばし呆けていた後、部屋を出ることにした。
 扉へ向かう。木製の大きな扉は、腐りかけていた。所々穴が開いている。金具やドアノブも腐食が進み、扉の機能を果たしているとは言い難かった。
 廊下を歩き、エントランスへ行く。
 誰も居ない。
 よく周りを見渡してみれば、殿内は長い間掃除されていないことが分かる。蜘蛛の巣が天井に張り巡らされ、柱は腐り、壁はぼろぼろになっていた。 
 廃墟同然の地霊殿を見て回る。ペットは一匹も居なかった。
 部屋へ戻ると、こいしが居た。少しばかり話をして、疲れてしまったので寝ることにした。こいしはいつのまにか消えていた。 
  

  

 

 
 *          *          *
 
 それから幾年月も経て、さとりは眼を覚ました。一応、殿内を見回り、部屋に戻っても誰も居ないことを確認すると、眠りについた。
 その瞳が開かれることは、二度と無かった。
 なにか在ったのか、なにも無かったのか・・・というお話。
原価計算
作品情報
作品集:
14
投稿日時:
2010/04/18 14:14:01
更新日時:
2010/04/18 23:16:07
分類
地霊殿
さとり
こいし
1. 名無し ■2010/04/18 23:33:24
おおお・・・
なんだかわからんが鳥肌が
2. 名無し ■2010/04/19 00:01:34
こういう夢よく見るわ
3. 名無し ■2010/04/19 02:06:45
どうでも良いけれど
原価計算の資格を取得しようと勉強中の私にとって、貴方の名前は衝撃的過ぎますww
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