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『病むこいし』 作者: 名前がありません号

病むこいし

作品集: 15 投稿日時: 2010/04/27 17:53:38 更新日時: 2010/04/28 02:55:34
※著しいキャラ崩壊が発生している為、それを望まない場合は戻る事をお勧めします。























いきなりだけど、私はお姉ちゃんが大好き。
ペット達もお姉ちゃんが大好きみたいだけど、私が一番お姉ちゃんを好きなの。
お姉ちゃんもきっと私を好きでいてくれているの。

だってこんなに優しくしてくれるんだもの。
きっとお姉ちゃんも私が好きなのね。




お姉ちゃんの書斎に入ろうとしたら、お姉ちゃんに止められた。
「こいしにはまだ早いわ」と言って、中に入れてもらった事は無いの。
でも、私はペットみたいに懇願なんてしないの。
だって、お姉ちゃんの困った顔なんて見たくないから。

でも、ペットのおねだりに仕方ないわねと笑顔で、
ペットを書斎に入れるお姉ちゃんを見た時に、胸がチクリとした。
この感じは何なのかしら。





お姉ちゃんが新しい服を縫ってくれた。
新しい帽子も貰った。
お姉ちゃんのプレゼントに、私が「何お返しすればいい?」って聞くんだけど、
お姉ちゃんは、「そんなのいいのよ。姉妹じゃない」って言ってくれた。
そんなの悪いよって言ったけど、お姉ちゃんは微笑んだままだった。

その後、ペット達が色んなものを拾ってきて、
それをうれしそうに受け取るお姉ちゃんを見て、胸が痛くなった。
なんでかしら。わからない。
わからないの、お姉ちゃん。




お姉ちゃんは最近、ペットに御執心みたい。
あんなのの何処がいいのかしら。
媚びへつらってるだけなのに。
私の用事はちゃんとしてくれるけど、
特に用事が無ければ、いっつもペットばかり。

こんなに近いのに、お姉ちゃんが遠くに見えるよ。
早く戻ってきてよ、お姉ちゃん。





お姉ちゃんのことを考えると、胸がズキズキって痛んでくる。
あのペットが来るまでは、こんな思いしなかったのに。
お姉ちゃんが私に冷たい。
いつもペットの世話ばかり。
私の事なんかまるで気にかけてくれないの。

お姉ちゃん。お姉ちゃん。
私、寂しいよ。私、苦しいよ。
お姉ちゃん。こっちを向いてよ。

お姉ちゃん。





お姉ちゃんが、私の目の前にいる。
私を必死に抱きかかえて、私に語りかけてきてくれる。
ああ、こんなの久しぶり。
ようやくお姉ちゃんがこっちを向いてくれたの。
たったそれだけなのに、凄く幸せなの。

でも、目の前が霞んでいて、
お姉ちゃんの顔が良く見えない。
なんでだろう。
お姉ちゃんの声がよく聞こえないよ?
なんで?

わからない、わからないよ。
助けて、お姉ちゃん。





気がついたら、ベッドの布団の中だった。
身体がぽかぽかしていて暖かい。
起き上がろうとすると、布団を枕にして眠るお姉ちゃんが見えた。

私のことを看ていてくれてたみたい。
ごめんね、お姉ちゃん。
私は優しく、お姉ちゃんを抱き寄せる。

あれ?
この手首の傷は何だろう?
何でこんな所に怪我してるんだろう?



なんでかなぁ?









私の容態が良くなると、お姉ちゃんはまたペットの世話に戻った。
ペット達は、お姉ちゃんが私の部屋から出てきたのを喜んでいたようだった。
ペット達は私が嫌いみたい。

でも、そうよね。
いつもお姉ちゃんを独り占めにしてたのに、私に取られたから嫉妬してたのね。無理ないよね。
でも、お姉ちゃんはペットのものじゃないの。
私のお姉ちゃんなんだもの。

だから、ペットなんかに渡さないんだもん。

お姉ちゃんは私の―――








かぁかぁと悲鳴を上げるお姉ちゃんのペットの鴉。
そんなの気にせずに、私はペットの羽をちぎる。
痛そうな顔をしても駄目だもん。
絶対、許さないんだから。

お姉ちゃんがくれた帽子をボロボロにするなんて。
許せるわけないじゃない。

悲鳴に気付いたお姉ちゃんともう一匹のペットの猫がこっちを見る。
「あ、お姉ちゃん。あのね、この子がお姉ちゃんから貰った帽子を……」
バシン、と乾いた音がした。

お姉ちゃんにほっぺを叩かれた。
痛い。痛いよ。何で? 何で叩くの?
悪いのはこの鴉じゃない。
帽子をボロボロにされたのに、どうして。
「……帽子ならまたあげるから。とにかく部屋に戻りなさい」

お姉ちゃんは怒ってた。
私は悪くないのに。
でもお姉ちゃんを怒らせちゃった。
怖いよ。怖いよ。
お姉ちゃんに嫌われちゃったよ。
胸が痛いよ。とっても痛いよ。
助けて。







私の部屋に猫がやってきた。
鴉は私にボロボロにされて来れないから、代わりに謝りに来た。

鴉は部屋の床に落ちていた帽子を拾おうとしたけど、
うまく拾えずに傷つけちゃったって猫は言うの。
私は信用できなかった。
ペット達がお姉ちゃんを自分達の側に入れようとしてるんだ。
お姉ちゃんに媚を売って、お姉ちゃんと私の仲を引き裂こうとしているんだ。

私はその猫も傷つけてやろうと思ったけど、
お姉ちゃんの怒った顔を思い出して、
私は手が出せなかった。
あの顔を思い出すたび、私は恐怖で身体の震えが止まらなくなる。

ごめんなさい。ごめんなさい。
お姉ちゃん、ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。
お姉ちゃん、許して。







お姉ちゃんが私の部屋に入ってこなくなった。
あの猫も入ってこなくなった。
きっと、お姉ちゃんは鴉の看病をしているんだ。
お姉ちゃんに嫌われちゃったのかな。
嫌だよ、お姉ちゃん。嫌わないでよ。

私、お姉ちゃんの事大好きなんだよ?
どんなにされても、お姉ちゃんにならいいの。
でも、嫌わないで。
お姉ちゃんに嫌われちゃったら、私生きていけないよ。

怖いよ。お姉ちゃんの心を視るのが怖いよ。
怖いよ。お姉ちゃんの本当の思いを知るのが怖いよ。
怖いよ。お姉ちゃんが私を嫌っていたら……私死んじゃうよ。

覚(み)たくないよ。
悟(し)りたくないよ。

だからごめんね、お姉ちゃん。













私はそっと瞳を閉じた。


眼はもう覚(み)えなくなっていた。










お姉ちゃんは、今何をしているのだろう。
凄く気になる。

私は今、地底を散歩している。
気付いたら外へ出ていた。
お日様が照っていて気持ちいい。

少しまぶしいけど、お昼寝したら気持ちいいのかも。
お燐なら真っ先に寝ちゃうかな?
お空も寝ちゃうかも。

お姉ちゃんは相変わらず、
マイペースに日々を過ごしている。
私にはお姉ちゃんが何を考えているのかは分からないけど、
きっと分からなくてもいいよね。
私はお姉ちゃんが好き、それだけでいいの。

頬に何か温かいものが触れた。
指でなぞると、真っ赤な液体がついている。

よくよく服を見ると、赤い液体がべっとりとついている。
やだなぁ、もう。
またお姉ちゃんに服を洗ってもらわなきゃいけない。

しかたがないので、散歩は終了。
おうちに帰らなきゃ。

お姉ちゃんとお燐とお空が待ってるわ。
ヤンデレというのは結果だけを見ても、理解は出来ないという。
あくまでも、普通の状態から徐々に病んでいく過程を見ていく事が重要なのだという。

で、これであってるか教えてください先生。

あと、今回も背景を黒にしてみる。
以前の話にもあったけど、コメント見えずらいのが難点だね。
コメントも白に出来ればいいんだが。
名前がありません号
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/04/27 17:53:38
更新日時:
2010/04/28 02:55:34
分類
さとり
こいし
ヤンデレ?
キャラ崩壊の恐れアリ
1. 名無し ■2010/04/28 04:31:48
こいしちゃんみたいな時が私にもありました
2. pnp ■2010/04/28 12:32:17
これぞこいしちゃんと言った感じです。
3. 名無し ■2010/04/28 19:13:51
こいしは確かにこんな感じだと思う。
4. 機玉 ■2010/04/29 20:28:07
こいしは幸せになれたのかな?
展開が非常にしっくりきました
こんな見事な設定が考えられるようになりたい
5. 名無し ■2010/05/03 22:23:47
あれ、これってキャラ崩壊してなくね?
そう思えるほどピンと来る過去設定でした
見えない方が幸せなこともある、か
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