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『題迷未定〜此処は何処と飛ぶ反魂蝶〜・伍/前』 作者: シ骸中尉

題迷未定〜此処は何処と飛ぶ反魂蝶〜・伍/前

作品集: 16 投稿日時: 2010/05/17 08:16:21 更新日時: 2010/05/17 18:11:16
愛は、幾らでも形を持つ事が出来る。
だが、この身は一つだけ形を持つ「事しか」できない。

だからこそ、君にこのありとあらゆる形状の愛を捧げよう。
このたった一つしか形を持てないエイクリッドの俺が、
唯一作り出す事ができるT-ENGの代わりに、愛を捧げよう。

俺だけの、女神の君に。




















「愛に惑う少年少女よ、我に続け」

現実では君に逢う事すら叶わず、
eratohoでは未だ君に触れる事なく大妖精をMに調教しようと奮闘中で、
妖々無では未だにノーマルクリアを果たせず、
緋想天では君では無く小町で天子の寿命を削り、
そしてこの狂喜狂気が氾濫する最悪の街では、
君と歪んだ方程式の下積み上げられている愛を育んでいる。

この歪んだ愛を受け取ってくれる親愛なる「物好き」は何処探しても
君だけだろう。何故?それは君「も」壊れているのだから。

だからこそ、俺は君を愛せるし、君は俺を愛する。

君は人間のような亡霊で、俺は人間のようなエイクリッドなのだろう。
さぁ、今日も愛を共に叫ぼう。

この歪んだ街で生まれる「純愛」を育む為に。





















「思考嗜好」

昨日も今日もきっと明日も、君と愛を生み出している。
そうでありますように。「伍長閣下」へ。

「嬉しい事でもあったの?」
「君が俺と愛し合ってくれるだけで俺は最高の気分を味わえるんだ」
「幸せな人ね、なら今ここで私に「喰われた」方が更に幸せになれるわよ?」
「いやいや、そんな被食人嗜好者じゃないから。俺は君と色々な一線
 を越えた愛を育めればそれでいいんだ」
「貴方って、本当に狂った人」
この街では結構珍しい分類に入る「普通の家」で、今日も
二人は限りなく狂った純愛を求め合っている。
中尉はそれを「歪愛」(ゆがみあい)と呼んでいる。

「中尉、お腹が空いたわ」
「じゃあ食べに行けばいいじゃないか。今日は「いい娘」を沢山買ってきたんだよ」
「ふふ、まるで私達は吸血鬼ね」
「安心してゆゆ様、俺達は吸血鬼じゃない。お互い壊れた奴さ」
「吸血されると人外の快感を得られるそうよ」
「そう言うよね」
「私の食事方法って、とてもおかしいの?」
「そうさ。でも、「あの時」の君はまた別格の美しさを俺だけに見せてくれるんだ」
ああもう本当に可愛いし美しいし愛おしい。
「喰べ」たいくらい。グチャグチャにして喰い尽くしたいくらい好きだよ。
「少し」だけだけど、これから君に喰われるあの娘達が本当に羨ましい。
これから俺に喰われるあの娘達が本当に可哀相。

でも止めない止められない。まるで暴食に囚われた怪物。
どんどんどんどん堕ちて行け、堕ち続けろ。
俺と君の愛よ、どんどん歪んで、どんどん堕ちろ。

























「うっ・・・ふぅ、くっはぁ・・・うく」
「・・・ッ!!・・・・・・ッ!!・・、・・・」
君があの娘達を優しく抱き上げて、その白く柔らかそうな肌を持つ
首筋に、そっと、君は歯を突き刺して、流れ出す血液と生命を舐めとって吸う。
まるで君の舌は蛇のように動いて、二つの傷口から流れ出す血液を舐め取る。
君の白い喉は何度も動いて、口に殺到する血を体内へと送り込む。
その度に小さな、握り潰せそうな程小さな妖精はびくっびくと動いて、
だんだんと快楽と眠気に支配されて行く様をじっくりと眺めていると、
俺の股間のカテゴリーGエイクリッドは首をもたげる。
「うっ、うん・・・?ん・・・次の娘はまだ?この娘はもう駄目ね」
そう言って、俺に次の餌を催促する君の姿は本当に可愛くて愛おしい。
だって、首輪、鎖を長めにした手錠、そして目隠しをした君の姿は最高だから。
まるで捕まって見世物にされている暴食鬼。
そんな俺は、勿論見えないだろうけど笑顔で次の餌を君の前へ「送る」。
そして君は哀れで羨ましくて儚い餌を抱いて、その無防備となった首筋に
歯を突き刺して、生命と共に血を貪る。

これが君の能力の「形状」だったらいいな。と俺は思いながら、
君に喰われた少女の方を見る。
びくびくと痙攣して、目は虚ろで何処か遠い所を見ている。
穿かせて貰えないまま売られたのか、無防備なその秘所は
水でもかけられたかのようにびしょ濡れだった。

こうなったらもう「元には戻れない」。完全に精神が崩壊している証である。
この場合、知り合いの娼婦館で安く買って貰うしかない。
そうすれば、死ぬまでこの娘は快感に囚われたきり、戻って来ない。
哀れな残骸は放置して、次の餌を縛って君の近くに送る。
そして、君と同じように君のその白い首筋に優しく噛み付く。
「中尉?どうしたの?」
「ふふひゃまのふぁへをひへます(ゆゆ様の真似をしてます)」
「待ちきれないならそう言えばいいのに、「愛し合いたいんでしょ?」」
「ほぉひろんふぁ!(勿論さ!)」
優しい君は、餌を一旦その辺に捨てると、俺を抱きしめて首筋に噛み付いた。
勿論、お互い甘噛みだ。この間本気でやって二人共仲良く病院送りになった。
壊れた餌を放置の吸血鬼「ごっこ」。
これが新しい愛し合い方。




















前略、何処かの誰か様

私とゆゆ様の愛は今日も歪んでおります。
初の前編後編で構成されたお話。
でも、これは私と幽々子の日常のほんの「一部」に過ぎません。

と言う訳でどうも。シ骸中尉です。

今回は上で話したように前編後編と分けています。
前編が短く感じると思いますが、後編ではいつもよりもっと長く書きます。
幽々子との「歪愛」を。
シ骸中尉
作品情報
作品集:
16
投稿日時:
2010/05/17 08:16:21
更新日時:
2010/05/17 18:11:16
分類
題迷未定シリーズ
西行寺幽々子
歪愛
猟奇
1. 名無し ■2010/05/17 19:47:58
歪んで愛して、その果てには何が?
2. 荷重狐 ■2010/05/18 16:55:32
いつも通り楽しく読ませてもらってます。
これは後半が楽しみです。
これからも頑張って下さい。
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