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『血の七夕祭り』 作者: GreenKnights

血の七夕祭り

作品集: 17 投稿日時: 2010/06/21 14:20:09 更新日時: 2010/06/21 23:21:13
7月7日、七夕。
東洋ではこの日は織姫と彦星が年に1度再会するという伝説があり、それにあやかって短冊に願い事を書いて飾ったり恋人同士で一緒に過ごす者も少なくない。
それは幻想郷でも例外ではなかった。



霧雨魔法店

「これからも香霖とずっと一緒にいられますように。」

魔理沙は短冊を書いていた。もちろん七夕に飾るためのものである。
また部屋にはそれほど大きくない竹が一本あった。

「竹も迷いの竹林から借りてきたぜ。」

そしてその竹に短冊を括りつけた。
今日は七夕ということで霖之助が家に来てくれる事になった。

「出来たっと。早く香霖こないかな〜。」

もう夕方だ。日没前には霖之助も到着するだろう。

「あんまり食材も揃えられなかったけどそろそろご飯も作ろうっと。」

魔理沙は台所に向かう。
今家にある食材はキノコと野菜、鶏肉ぐらいだったが二人分なら間に合うだろう。
そんなに凝った料理も作れないが今日は暑いのであっさりとしたものが良いだろう。
正直言って魔理沙はそこまで料理が上手いわけではないが、料理を作った時は霖之助は喜んで食べてくれる。


すると玄関のベルが鳴った。

「魔理沙〜。居るか?」

霖之助だ。魔理沙が思っていたより早い到着だ。

「居るぜ。」

魔理沙は返事をして扉を開け、出迎える。

「よう香霖、早かったな。先に風呂に入るか?それとも食事にする?」

風呂も予め沸かしてある。

「今日は暑いから一風呂浴びてから食事にしたいな。」

「わかった、まあまだ食事も全部出来てないしな。」

魔理沙は苦笑する。

「そうなんだ。じゃあお言葉に甘えて。」

霖之助は浴室へと向かう。
風呂に入っている間に料理を作り終えて盛り付けておこう。

「折角来てくれたのに待たせちゃ悪いからな。」



20分ほど経って霖之助が風呂から出てきた。
すると香ばしい匂いが漂ってきた。

「いやあ、気持ちよかったよ。ところでご飯はもう出来た?」

「もう出来てるぜ。」

魔理沙は霖之助をリビングに案内する。
いつもはいろいろな物が散乱しているが今日は少し片付けられ、さっぱりとしていた。

「おお、美味そうだね。」

テーブルの上には蒸した鶏肉、キノコと野菜の炒め物やサラダなどが並んでいた。
どれもいつも食べるようなシンプルな料理だ。
だがこういったシンプルな方が霖之助は好きだった。

「さあ、早く食べようぜ。冷えたビールと日本酒も用意してあるし。」

霖之助をテーブルに着かせる。

「そうだな、じゃあ乾杯しよう。」

そう言いながら霖之助はビールをジョッキに注ぐ。
魔理沙もテーブルに着いてビールを注いだ。

「じゃあ、乾杯!」
「乾杯!」

ジョッキをカチャンと合わせ、それから二人は一気にビールを煽った。

「やっぱり冷たいビールは美味いな〜。さて、魔理沙の手料理を頂くとするか。」

霖之助はまず炒め物に箸をつけ、口に運んだ。

「どう、美味しい?」

魔理沙が尋ねる。

「うん、美味しいよ。味付けもちょうどいいね。」

「へへっ、ありがと。」

魔理沙は照れ笑いしながら頬を少し赤らめる。


愛する人の手料理を味わいながら二人で食卓を囲む。
最も幸福感を感じられる至福の一時だった。






食事が終わった頃。もう外は真っ暗になっていた。
空は澄み渡り、天の川をはっきり見ることが出来た。

「ふぅ〜、美味かったな。」

「今日の料理は我ながら上手く出来たな。香霖も満足してくれたみたいで嬉しいぜ。」

ほろ酔い状態の二人は腹も満たされ、ご満悦のようだった。


と、その時。

突如玄関の方で大きな爆発音とガラスが割れる音がした。

「…何だ!?」

魔理沙は立って玄関に様子を見に行った。

「何だよこれ……」

玄関は扉が吹き飛び倒れ、ガラスも粉々に散っていた。

すると…

「魔理沙。居るんでしょ?」

暗闇の中から聞き慣れた声が聞こえてきた。アリスだ。
しかしその声にはいつもと違い、殺気が込められていた。

「アリス…?」

魔理沙は恐る恐る返事をし、扉のあった所に近寄った。
そこには人形を4体ほど浮かべたアリスが立っていた。
人形は皆槍を魔理沙に向けている。
しかしそれだけではない。アリスの後ろには茶色い大きな銃を持った男達が10人近くいる。
アリスは静かに言った。

「私を騙したのね。」

「だ、騙したって…何を?…」

魔理沙は一瞬何の事か見当が着かなかった。

「とぼけないでよ!」

アリスは魔理沙の頬に思いっきり平手打ちした。

「痛っ!何なんだよ!」

魔理沙は後ろにのけぞる。

アリスは魔理沙を問い詰める。

「貴女この間霖之助さんとは幼馴染で特別な関係じゃないって言ったわよね?」

「………」

「それで、今この家には誰が居るの?」

魔理沙は何も言えない。

「誰が居るのかって聞いてるのよ!!」

「こ…香霖……」

「ふーん、それはただの幼馴染としてかしら?この人達から先週人里であなたと霖之助さんが2人で手を繋いで歩いたり買い物をしてたって聞いたわよ?」

「そ…それは……その…」

「いい度胸よね、一人だけ抜け駆けしようとするなんて。せめて恋人同士になったのなら私や霊夢にぐらい報告してくれてもいいじゃない?友達でしょ?」
「それとも友達なんかより恋人の方がずっと大事だとでも言いたいわけ?」

すると後ろの男達の間から罵声が飛んできた。

「ふざけるな!」
「友人を大切にしろ!」

魔理沙は青ざめながら言った。

「だって…いきなりそんな事言ったら…恥ずかしいし…それにみんな…」

間髪入れず男達が挑発して言う。

「何で男女交際を恥ずかしがるんだよ!立派じゃないか!愛する人を守らなきゃ!」

アリスも続いて言う。

「恥ずかしい?貴女ともあろう人が意外ね。私達に言うくらい恥ずかしくないでしょ?今までだって一緒に異変を解決するために戦ってきた間柄じゃない!」

「ごめんよ…アリス…本当にごめんなさい…」

魔理沙はただ謝るしかない。

すると、騒ぎを聞いて奥から霖之助が現れた。

「おいおい、どうしたんだい?ってこれは……」

破壊された玄関を見て唖然とする。

「香霖……」

魔理沙は霖之助を見て助けを求めようとした。
しかし霖之助には何のことだか全くわからない。

「どういうことなんだ…?」

するとアリスが再び口を開く。

「口先だけで謝って、すぐそうやって恋人に助けを求めるのね…」
「呆れたわ。友達として私達に正直に説明するのが常識でしょ?貴女とはもう話しても無駄なようね。」

魔理沙は目に涙を浮かべアリスに縋り寄る。

「待ってくれアリス!私が悪かった!全部説明するから許してくれよ!」

しかしそれには構わず後ろの男達に振り向いて言った。

「みんな、この2人は好きにしていいわよ。霖之助さんは可哀想だけど仕方ないわ。」

するとまとめ役と思われる、覆面をした男が言った。

「君は人形を連れているが加勢しないのか?」

「私は結構よ、攻撃するのも馬鹿らしい。後ろで見物させてもらうけどいいかしら?」

アリスはそう言って後ろに下がった。

すると覆面の男は大きな声で叫んだ。

「よし!みんな、躊躇わず撃てえ!」

「どういうことなんだ!?みんな止めろ!」

霖之助は制止しようとしたがもう止められない。

「天誅!」
「アベック共に天罰を!」
「霧の湖に叩き込め!」
「これが俺達の戦いだ!」
「これは私怨ではない!聖戦だ!」
「リア充死ね!」

男達の雄叫びと共に重い連続した銃声が四方から夜の森に轟く。
銃弾は魔理沙に向けて撃たれていた。

「……!」

しかし咄嗟に霖之助は魔理沙の前に飛び出し庇った。
7.6mm口径の金属製の弾幕が容赦なく一斉に霖之助を襲う。
妖怪との混血である霖之助は普通の人間よりは体力もあり、物理的な攻撃に強い方だったがこれだけの量の銃弾を受ければ流石に一たまりもない。
霖之助は全身から血液を噴出しそのまま倒れこんだ。

「おい!香霖!馬鹿!何やってんだよ!しっかりしろ!!」

魔理沙は大声で霖之助に呼びかける。
しかし反応はない。百発をゆうに超える銃弾を全身に浴び即死状態だった。

「しっかりしろよ!香霖!こうりいいいいいいいいいいいん!!!」
「うわあああああああああああああああああああ!!!!!」

魔理沙は血だらけの霖之助の亡骸に抱きついて泣き叫んだ。

「ヒーハー!ざまあないぜ!」
「ミンチよりひでえや!」

男達はそれを見て嘲笑する。

「お前ら…許さない……!」

魔理沙は怒りに任せて懐にあったスペルカードと八掛炉を取り出し、八掛炉の出力を最大にした。
八掛炉が光に包まれ始める。レーザーが直撃すれば人間は焼き尽くされる。
しかし男達が黙って撃たれるはずがない。
再び銃の引き金を引いた男達は残りの銃弾を魔理沙に浴びせる。
魔理沙は全身から血液を噴出し霖之助の亡骸のそばに倒れこんだ。
レーザーを発射する寸前だった八掛炉も割れて吹き飛んだ。
一人の男が駆け寄って2人の死亡を確認し、親指を上げた。
すると男達は歓声を上げた。

「やったぞ!」
「正義は必ず勝つんだ!」
「大勝利だ!」
「天皇陛下万歳!」

「みんなすごいわね、感動したわ。」

後ろに下がっていたアリスも微笑んでやってきた。
そして真っ赤な肉塊と化した2人の亡骸を見て言った。

「死んだら人形にでも改造してあげようと思ってたけどこれじゃ無理ね。妖怪の餌ぐらいにはなるかもしれないけど。」

皆大笑いした。

「まあみんな今日はお疲れ様!私の家に泊まっていく?」

もう夜も遅い。銃を持っているとはいえ今からこの森を帰らせるのは危険なためアリスは男達を泊めてやることにした。

「イヤッホォオオオウ!」

再び歓声が起こる。
そしてその夜、アリス邸では朝まで祝宴が行われた。





次の朝、博霊神社では霊夢と八雲紫が射命丸文から昨夜のカップル狩り事件の第一報を聞かされていた。
事の全てを知った霊夢は特に驚きもしなかった。

「あの2人、前から怪しいと思ってたけどやっぱりそうだったのね。いい気味だわ。前もって知らせてくれれば私も参加したのに。」

紫は苦笑いする。

「ごめんね〜霊夢。あの人たちにロシア経由で銃を渡したのは私なのよ。でも昨日はあなた妖怪退治に出かけていたでしょう?だから知らせる時間がなかったの。」
「それにしてもあの2人…年長者の私を差し置いてあんなにイチャイチャするなんて大した度胸よね。お陰で今日はご飯が美味しいわ。」
二作目の投稿です。また魔理沙を登場させました。
百合カップルを蹂躙する話は結構ありますが、魔理沙と霖之助を取り扱った話はあまり無いようなので作ってみました。
また時期が時期なので一番近い七夕の日に設定しました。
男達についてはしっと団をイメージしています。(関係ない人も含んでいますが)
内容としては、
七夕で魔理沙が霖之助を家に呼び、手料理で振舞う

アリスは紫から武器を受け取った喪男たちと手を組み魔理沙の家にカップル狩りに向かう

アリスは魔理沙を問い詰めるが愛想を尽かし、喪男達に処分を委ねる。

一斉射撃で2人を抹殺

その後アリスの家で打ち上げ

と言う感じです。
ちなみに男達はこの後アリスに何もしていない…はずです。


最後に、カップル爆発しろ。
GreenKnights
作品情報
作品集:
17
投稿日時:
2010/06/21 14:20:09
更新日時:
2010/06/21 23:21:13
分類
魔理沙
霖之助
しっと団
1. 名無し ■2010/06/22 00:22:58
在特会は関係ないだろ!法廷で会おう!
2. 名無し ■2010/06/22 01:08:53
嫉妬に狂ったのか
3. 名無し ■2010/06/22 01:26:45
みんな性格悪いwwww

最後に、アリス爆発しろ。
4. 名無し ■2010/06/22 06:02:13
7.62o×39oロシアンショート
ジハードと言ったらこれで決まりね
5. 名無し ■2010/06/22 06:15:15
幻想郷はレズしか受け入れませんわ
6. 砂時計 ■2010/06/22 07:21:26
AK47って凄いね
7. 名無し ■2010/06/22 10:58:24
軍ヲタ爆発汁
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