血なめたらうまかった

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/03 21:06:53 更新日時: 2010/07/03 22:17:46
 家の前に死体が転がっていた。

 それは、とてもきれいで、私でも思わず見とれてしまうような美しさだった。
 なぜそんな死体がこんなところに倒れているのかなんて見当がつかない。
 でも、捨てるのはもったいなく感じた。

「咲夜、この死体を私の部屋に置いて」

 信頼できる従者である咲夜に、望んだ事を命令する。
 咲夜は動かない。
 見てみると、迷っているように、視線をあっちへこっちへ動かしていた。

「咲夜?」

 痺れを切らし、名前を呼んで咲夜をせかす。
 今までこんな事無かったのに。
 咲夜は、やっと決心したのか、でも眉はハの字になったまま、口を開く。

「お嬢様、この人……」
「何?」
「……」
「気に入ったから部屋に持っていくの。後の事はその時になったら考えるわ」
「……承知しました」

 ようやく動き出し、その死体を持って紅魔館に向かい咲夜は飛んで行った。
 骨が折れる。何なの?

 初めてだ。咲夜がこんなに私の命令を嫌がったのは。
 さっきの死体に何かあったのかしら?
 まあいいわ。私の部屋でじっくり調べさせてもらおう。

 そう考えると、抑えられなくなった。
 早く調べたい。もっとあの死体を見ていたい。

 あんなにきれいな死体は初めてだわ。
 あんなに眩しい死体は初めてだわ。

 色の少ない服。










 始終咲夜の顔が暗い事は気になったけど、それよりもこの死体をもっと眺めていたい。

 居心地の良い自室の中、私はただ死体を床にベッドに置いて眺めていた。
 いつまでも見ていたい。
 触ってみるとひんやりとした。
 既に体温はない。

 ――血はおいしいのかしら。

 ふ、とそんな事を考えた。
 好奇心は止められない。
 死体の血なんてまずいに決まってる。そんなの分かってる。
 分かってるけど、既に私の顔は死体の首に吸い寄せられていた。

 口を開き、そっと噛む。
 じわりとまだ少しだけ温かい血をなめる。

 まずい。
 でも止められない。
 中毒。

 おいしい。
 どうして。
 まずい。
 止まらない。
 いつまでも飲んでいたい。
 まずい。
 中毒。
 舐める。
 吸う。
 息が切れる。
 顔が熱くなる。
 自然と笑み。
 おいしい。
 まずい。
 手に力がこもる。
 幸せ。
 涙があふれる。
 吸う。
 音がする。
 体を引き寄せる。
 高揚感。
 興奮。
 抱きしめる。
 吸う。
 まずい。
 中毒。
 ずっと望んでいたような。










 気がつくと、死体の血をほぼ吸いつくしていた。
 もうほとんど残っていない。

 まだ飲みたい。
 でももうほとんどない。
 私は激しく名残惜しく感じた。

 しばらくどうしようかと悩む。

 気づく。

 おいしいのは血じゃなくてこの死体。
 この死体だから中毒になった。
 この死体の血を再び飲む方法。

 自らの爪で皮膚をひっかく。
 きれいな自分の血が、白い腕を伝って床へ落ちていく。

 傷ついた部分を死体にかませる。
 幸福感。

 血でべとべとになった死体の口をなめる。
 中も、外も、ただなめる。

 なめながら、体の他の部分も血で塗っていく。
 そこも丁寧になめとっていく。

 おいしい。おいしい。


 疲れた寝る。
 隣で声が聞こえる。
 目を向ける。

 あら霊夢じゃない。
 珍しいわね、あなたからこの紅魔館に来るなんて。

 どうして泣いているの?
 そういえばここって私の部屋じゃない。
 どうやってあの咲夜を説得したのかしら。

 あら霊夢、いつもの白と赤の服はどうしたの。
 全部真っ赤じゃない。

 本当に今日は変わった事が多いわね。

 衝撃音。
 目が覚める。

 真っ赤な服を着た死体を見る。

 ああこれは、ああ。

「……ああ」

 私は笑った。
 そっと死体を抱きしめる。

「いいわ、ずっとここに置いてあげる」

 私は死体に恋をしてしまったようだ。
 懐かしい感覚が全身を包む。

 また隣で泣き声が聞こえた。
 私はもう目を向けなかった。
 泣き声はずっと続いた。
どうもはじめまして。コペと申します。
よろしくお願いします。

勢いでささっと書いて記念すべき初投稿がこれだよ!!

あれレミリアさんって爪とんがってなかったっけ…あれ…
コペ
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/03 21:06:53
更新日時:
2010/07/03 22:17:46
分類
レミリア
霊夢
吸血?
病んでる?
1. 名無し ■2010/07/04 10:42:02
受け止めきれないから、いっちゃったんだね
2. 名無し ■2010/07/10 22:44:11
いいb
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