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『紅い花』 作者: 和愛変態

紅い花

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/04 11:28:24 更新日時: 2010/07/05 06:29:59
耳を通り抜ける風が、だんだんと広くなる青空に落ちていく。
やがて、青い景色の端から現れた木々が太陽を突き刺そうと伸びていく。
その姿はまるで、北欧神話のオーディンの持つグングニルようだ。
ただ、グングニルと違うが所は、狙った獲物を捕らえられるか否か、それだけだ。
獲物を追うグングニルの先はぴたりと止まり、その瞬間







私は紅い「花」になった。






私がこの趣味に目覚めたのは、紅霧異変の時だった。
私は霧なんて気にせず、他の仲間と遊んでいた。
その時、紅い巫女服を着た人間が来たのだ。
仲間は次々と撃ち落とされ、遥か下に見える湖に紅い「花」になっていった。
私は遥か下の仲間、いや「花」に気を取られていると私の番が来た。
一瞬の内に私の右腕は飛び散り、激痛に悶えていると羽が消し飛んだ。羽が無くなった私は湖に落ちていく。

恐怖のあまり、目を瞑ろうとしたその時


水面を漂う紅い「花」が見えたのだ。

遥か遠くで見たのとは違う、
水面に揺れながら儚く散って行く姿は言葉では表せない美しさを秘めていた。
美しい、そう思うと同時に私も美しい「花」になれると思うと、全身から喜びが溢れてきた。

やがて私は水面の紅い「花」になった。







長い間、一回休んだあと目を覚ますと其処には何もなかった。
最後に見た美しい花々は無くなっていた。

私は何時の間にか涙を流していた。
それは美しい花々が無くなったからではなく、
私がその美しい「花」になれた事への喜びの涙だった。








紅い「花」になる、という趣味はいつか自慰のようになっていた。
嫌な事があれば人気の無いところに行き飛ぶのを止める。
そして流れる風景を楽しみながら、「花」になった自分を想像する。
最後に痛みとともに一回休む。
これほど気持ちもいいことは他にあるだろうか。
私には思いつかない。





そうだ。





私は思いついた。
これをあの子に教えたらどうだろう。あの子なら、あの青ならどうだろうか。
とても美しい「花」になると思う。いや、なるだろう。









丘に、あの子を呼び出した。

そして、「花」になる事を勧めた。

どうしてだろうか。どうして「花」になりたく無いのだろうか。

私にはわからない。

そして、別れ際に逃げるように言われた。













「大ちゃん、変だよ。気持ち悪いよ」














私は呆然としていた。
どうして「花」になる事の良さが伝わらないのだろうか。

また嫌な事ができた。




私は、飛ぶのを止める。








大ちゃんかわいいよ大ちゃん。

大ちゃんと一緒なら飛べると思うんだ。




前作にコメントしてくれた方々、
有難うございます。
物語を書くということが初めてのだった為
読みづらい所も沢山あったと思います。
最後まで読んで頂きほんっっっっっとうに
有難うございます。


大ちゃんのおっぱい揉みたい。

いや、むしろ大ちゃんにおっぱい揉まれたい。
和愛変態
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/04 11:28:24
更新日時:
2010/07/05 06:29:59
分類
妖精
チルノ
1. 名無し ■2010/07/04 20:36:03
グングニルと紅い花のギャップがナイス
2. 名無し ■2010/07/04 23:04:49
一回休みがなかったらもっと綺麗な花になるぜ
3. 名無し ■2010/07/05 03:31:46
誤字。
> なれたことえの
4. 名無し ■2010/07/06 12:42:14
ゲームとかで敵などの死に方が、単にバラバラになって死ぬんじゃなくて、演出が掛かった死に方をすると美しさを感じますね自分は、
その点killer7とかno more heros(規制版)の演出にはトキメキを感じました。
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