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『幻想侵略記3』 作者: IMAMI

幻想侵略記3

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/10 11:34:02 更新日時: 2010/12/26 14:29:16
・バトル物(笑)
・原作厳守のつもりだった俺設定多数
・間違いなく長編
・文章力がまるでない
・東方キャラが死にます
・オリキャラ多数
・ネチョ描写はちょっと

















「紫様」

八雲の巣にて、八雲藍は八雲紫に呼びかける。

「紫様。聞こえているのでしょう?お話があります」

藍が堅い声で中空に向かって話しかける。と、何もない空間にスキマが展開され、中から一人の妖怪が現れた。

「紫様。お話があります」

再び藍は告げる。だが紫は藍の顔を見ても首を傾げるだけだ。

「………!!」

その表情が(何を言っているのかしら?)と告げているのならここまで驚きはしない。

(この狐は誰かしら?)

そんな表情を紫はしている。長く使えて来たから表情で大体何を考えているのか大体わかる。

「紫様。悪ふざけはお辞めください」

「らん………そう。藍よねあなたは。何の用かしら藍?」

紫は藍に応える。だが悪ふざけではない。この口振りは藍のことを言われて思い出したかのようである。

「昨日、妖怪の山の大天狗が殺されたそうです。犯人は白昼堂々スキマを使って大天狗邸に入り、殺害した。とのことです。
犯人の特徴もあなたに酷似している。いえ、あなたそのものです………!」

「そう」

紫はいつもと変わらぬ微笑を浮かべたままだ。

「紫様………なぜこんなことを!」

「理由ならあるわよ。でもあなたには教えない」

紫はそう答えて藍のゆっくりと歩み寄った。
そして藍の手首に指先で触れて、横にそれをなぞった。

「あ───」

ドサッ

とたんに、藍の手首から先の部分は地面に落ちた。まるで人形の部品が取れるかのように。

「ひっ、あ───てくび…手首がぁぁぁあっ!」

血が吹き出す切断面を押さえて蹲る藍。それを微笑を浮かべながら見つめる紫。

「藍しゃまー?どうなされたのですかー?」

屋敷から橙が藍の悲鳴を聞いて飛び出してくる。

「橙!来るな!」

「え………
ひっ!藍しゃまぁぁっ!」

手首をおとされて血まみれの藍に怯える橙。

「紫しゃま!藍しゃまが!」

「うるさいわよ」

ゴキュッ!

紫が橙の図上に巨大な石板を呼び出し、それを落下させた。
石板に押し潰される橙。

「橙………橙!橙!うわぁぁぁぁぁああぁあ!」

「じゃあね藍」

絶叫する藍と対照的に冷淡な声で紫は別れを告げてスキマの中へと消えていった。

「橙!橙!」

藍は隻手となった手に妖力を込めて石板をどかした。

「橙………!!」

橙は体が潰れ、あちらこちらから骨が突き出ていた。横を向いていたから顔の損傷は少ないものの、頭蓋骨まで潰れている。生きているかどうかもわからない。

「い、医者だ…医者に……!!」

藍は切り落とされた自分の手首を口の加えて橙を抱き抱えて永遠亭の方向へと飛び立った。



















バタバタバタバタ………

天界上空を見慣れぬ物が飛んでいる。

「衣玖ー?あれなぁに?新しい宝貝かしら」

「さぁ…見たこともございません。あれは一体………」

離宮にいた比那名居天子は王宮へ向かう戦闘ヘリ、UH Tigerを見て永江衣玖に訊いたが衣玖は首を傾げるばかりだ。

「王宮へ飛んでるわね…」

「ええ…しかも一個ではないようです」

確かにあちらこちらからヘリが飛んできている。数えたら五機あった。

「本当に何かしらね…」

天子がその様子を眺めているとヘリが空中で停止し、旋回して全てが王宮の方向を向いた。

そしてヘリから対物ミサイルが吐き出される。天界の物が宝貝でも聞いたことがないような轟音と共に王宮の約半分の体積が吹き飛び、削り取られた。

「きゃあぁぁぁぁぁっ!お父様ぁっ!」

「総領様!」

もう半分は火薬や油に引火したのか激しく炎上している。

「総領娘様!」

天子の部屋のドアが開き、一人の天人が現れる。

「ここも河童と天狗に囲まれています!目的は不明です!」

「裏口から逃げましょう」

衣玖が天人の男に告げる。

「私が活路を開きます。そのあと私は総領娘様と空を飛んで逃げます」

「わかりました。どうかご無事で」

天人の男が部屋から出ていく。

「衣玖………」

「総領娘様。聞いていましたね?」

「うん………」

「では」

衣玖は妖力を体に貯め始めた。そして窓を開けて外へ出て宙に浮いた。

龍魚「龍宮の使い遊泳弾」

衣玖の頭上に雷の弾が出来、そこから雷撃が放たれる。

「ぎゃあぁぁあっ!」

一人の天狗が被弾して一瞬で黒焦げになる。

(もう少し当てなくてはいけませんね………)

衣玖は一匹一匹狙い撃ちにする。被弾した妖怪は確実に即死していく。

だが、そのとき───

ガガガガガガガガ!

「うぐわぁっ!」

王宮からヘリが離宮に近付いているのに気付けず、衣玖はヘリの機銃を食らって地面に落ちた。

「衣玖っ!」

天子が窓から飛び出し、衣玖の元へと行った。

「衣玖!衣玖っ!」

天子は泣きじゃくって衣玖の名前を呼ぶ。

「総領娘様………申し訳、ありません………」

衣玖の腹部は風穴が開いてごっそり内蔵ごと持っていかれ、左足が膝から千切れかけていた。

「衣玖!しっかりしてよ!衣玖っ!」

バン!

そのとき!天子の頭に短銃の銃弾が放たれた。思わず天子は側頭部を押さえて地面に倒れ伏した。

「ひぎいぃぃっ!」

「ええ?アニキ。話が違いますぜ!」

天子を撃った河童の男が傍らにいる三白眼の男に言った。

「おお。天人ってすげぇ」

「どうなっているんだ?」

三白眼と同じく天界を攻撃した長髪の男が河童から拳銃を受け取って息も絶え絶えの衣玖の頭に突きつける。

「お願いです!私はどうなっても構いませんから………総領娘様は見逃して………」

バン!

衣玖の頭は撃ち抜かれた。

「おお!すげぇ!」

「だろ?マスケットなんてもう博物館の話だ」

長髪の男は河童に銃を返した。

「ほら。お嬢様。お前も後を追って貰うぞ」

三白眼が天子の後ろから肩を掴む。

「うわぁぁぁっ!」

天子は大声を上げて腰にくくりつけてあった非想の剣を抜き、三白眼に斬りかかった。

「うえっ!あぶねっ!」

飛び退いてかわす三白眼を更に追う天子。

「死ね!しねぇ!よくも衣玖を!よぐもいくをぉ!」

顔をぐしゃぐしゃにしながら剣をむちゃくちゃに振りかざす天子。天子が横薙ぎに剣を振ったとき、三白眼は姿勢を低くしてそれをかわした。

「よっと」

天子の手首を掴み、足払いをかけて押し倒す。そしてそのまま三白眼は能力を使って天子の妖力を吸い取った。

「あ、あ、あ………妖力が………!」

天子の力が抜け、非想の剣からも手が離れる。

「ちく…しょう………」

「おらよっ!」

ボコッ!

三白眼が天子の顔面を殴り付けた。人間を殴るのと全く同じ感触である。天子は腫れた顔で三白眼を睨み付けると、三白眼は残忍な顔で笑った。

「おい。お前ら。このガキを犯せ」

「待ってましたぜ!」

もうただの少女のようになった天子に河童と天狗が群がる。長髪の男はビデオカメラを取り出してその様子を撮影し始める。

二人の河童が手足を押さえつけ一人の天狗が衣服を剥ぎ取って天子の貧相な乳房を揉みしだいた。

「いやぁぁっ!いやぁぁぁぁっ!やめてっ!」

「こういう身体もありだな。へっへっへ…」

「ぅぅぅ………」

天狗が長い舌で天子の上半身をねっとりとした下使いで愛撫する。
「天狗の旦那。あっしにも頼みますぜ」

「お前は押さえてろよ」

「あのさ…そのガキの手足へし折ればいいんじゃないのか?」

長髪の男が提案する。

「名案だぜアニキ」

「う、うそ………やめてっ!やめてぇっ!ごめんなさい!」

「よっこい」

「しょっと」

バキベキッ!

天子の華奢な両腕は割り箸を折るかのように肘からへし折られてしまった。

「あ゛ぁぁぁぁあ゛あ゛!」

「天狗の。足もたのんます」

「よしきた」

ゴキッメキッ

「ひぎゃあぁぁぁあ゛あ゛ぁぁ!」

天子の四肢は破壊された。

「ほら。くわえろ」

河童が髪を掴んで天人の頭を持ち上げて、口腔内に露出した肉棒を挿入する。



「むぐっ…ぅぐっ!!」

「じゃあ俺は下をもらうか」

天狗の男は天子の下着を破り捨てて、濡れてもいない秘裂に肉棒を挿入した。

「ひっ!いだぁぁぁぁあ!やめてっ!やべてぇっ!」

「いってぇ!」

弾みで天子は河童の肉棒を噛んでしまった。

「この野郎!死ねっ!死ねっ!このガキめ!」

「ごっ!をごぉっ!」

河童の腕力が人間と変わらない天子の顔面を蹂躙している。天狗はそれでも自分の腰を止めず、天子の鮮血が流れ出る秘所に肉棒を叩きつける。

(いくらで売れっかなぁ…このビデオ)

長髪の男はそんなことを考えながらビデオを回し続けた。




















所変わって永遠亭。

「はい。これでいいかしら」

「ええ」

月の姫 蓬莱山輝夜
亡霊の姫君 西行寺幽々子
月の賢者 八意永琳
半人半霊の庭師 魂魄妖夢

この四人の姿が永遠亭の応接間にあった。

「たしかに受け取ったわよ」

永琳は幽々子の血判入りの書状を筒に入れて紐で閉じた。

「ええ。たしかに渡したわ」

書状には、永遠亭と白玉楼の同盟の旨が幽々子の直筆でかかれている。もちろん、外からきた不可思議な人間の侵略者行為に対してだ。

「正直あなたは私達に対して苦手意識があるのよね?申し訳ないけど我慢してもらうわよ」

「当然」

輝夜に応じる。幽々子。

「博霊の巫女は、どうなの?」

永琳が幽々子に訪ねると幽々子は答えた。

「妖夢によると人間の里で半獣と人間の長と稗田乙女と会議中らしいわ。でも、あの天狗は…」

「巫女は紫の味方。そう言っていた。あなたのことも疑っていたわよ」

「紫と私は親友だもの…」

「幽々子様…」

心配そうな妖夢に幽々子は微笑む。

「大丈夫よ。例え紫が幻想郷を怖そうとしても私なら止められるわ。
紫と私は親友だもの」

「そう。私達には効かないかもしれないけど、あなたの能力はとても強いわ。期待するわよ」

「ありがとう」

ドンドンドンドン!

そのとき、応接間のドアが激しく叩かれた。

「師匠!私です!鈴仙です!
急患なんです!今すぐに!」

(急患………?)

「入りなさい」

ドアが開く。

「どうしたの?誰が来たの?天狗?河童?」

例の侵略者にやられた者なら相手の戦法や武器、術が聞き出せる。身体が語ってくれる。

「はい。それが───きゃあっ!」

「橙を治してくれ!」

鈴仙を突き飛ばすかのようにスキマ妖怪の式、藍が現れた!

「藍殿!」

「藍!」

冥界の二人が藍の姿を見て驚愕する。藍は自分の千切れた手首を口にくわえて、藍と同じく血まみれの式を抱いていたのだ!

「医者!橙が死にそうなんだ!頼む!」

「ウドンゲ。今すぐに手術の準備をしなさい。外科兎も連れてきて。
八雲藍。橙を」

「頼む!頼む………!」

涙で端正な顔をぐしゃぐしゃにする藍。永琳は手術室へと橙を運んだ。

程なくして鈴仙と妖怪兎が手術に現れる。

「あなた達は八雲藍の治療をお願いするわ。もちろんここから離れた手術室でね………
もし暴れるようなら幽々子にも手伝って貰いなさい」

「了解しました。八意様」

妖怪兎達が永琳の指示に従って退出する。そのあと永琳はぴくりとも動かない橙を見つめる。

「ウドンゲ。橙の生体反応は───無いわよね………」

「はい。あの式が来たときからこの子は既に………」

鈴仙が応える。

「もう直すことは出来ても治すことは出来ないわね。血を拭き取って。潰れている所を直してあげて」

「わかりました」

鈴仙は橙の身体を拭き始める。

「恐らく魔法じゃなくて、物理的な強い圧力で潰されたものね。
しかもかなり大きくて重い物に。恐らく紫ね。大きな岩を頭上から落としたのよ」

永琳も橙の身体に触れてあちらこちらを調べる。

「式神って傷治らないんですか?」

「式が剥がれる程の重傷を負ったらもう治らないわよ」

やがて橙の血がふきとられ、とりあえずは見た目は"綺麗な死体"となった。

そんな橙を鈴仙と永琳は複雑な思いで見つめていた───





















「映姫様。報告です」

大量の書類と格闘していた楽園の裁判長、四季映姫の元に三途の水先案内人、小野塚小町が参上する。

「言いたいことは分かっているわ」

映姫は大量の書類を示す。

「全て幻想郷から出た死者よ。中には守矢の二柱や大天狗、天界の総領夫妻とその娘もいるわ…」

「映姫様………」

「異変よ。強い力を持った人間が幻想郷を攻撃している」

「映姫様。すぐに地上に行って応戦にいきましょう」

「ダメよ」

映姫は冷酷にも小町にそう返した。

「どうして!このままじゃあ幻想郷が!」

「私は閻魔よ。あらゆる世界から来る罪人を裁くのが私の役目。
私が幻想郷に行って仕事を疎かにしたら罪人で冥界が、現世が罪人で溢れかえってしまう」

映姫は淡々といつもの口調でそう話した。

「………!?
映姫様は幻想郷よりも仕事が大事なんですか!?」

声を荒くする小町。

「ええ。その通りよ。その通り。私は、私達は何よりも仕事を優先しなくてはいけない。感情を殺してね」

「映姫様………!」

小町が顔を伏せる。

「映姫様はもっと感情がある、優しい人だと思っていました」

ギリ。と歯ぎしりしてそこで句を切る。

「でも、映姫様も他の十王と同じ、罪人を裁くだけの機械の神だ!映姫様が行かないならあたいだけでも幻想郷を救いに行く!」

「いけません!」

映姫は小町が放った以上の怒号を放つ。

「あなたもここに仕える死神です!その死神が感情で仕事を疎かにするなど許されるはずがありません!居眠りやサボりとは違う!だいたいあなたは───」

「そうかい。映姫様」

小町はそこで映姫を遮って言葉を紡いだ。

「あたいはここに仕えている死神だから幻想郷を守っちゃいけないっことですね?」

「そういうわけじゃ………」

小町の目に剣呑な光が宿る。

「なら、こうする」

バシッ!

小町は思いっきり映姫の頬にビンタを放った。

「───!?」

映姫は予想も出来なかった小町の行動に何も反応が出来なかった。

「小町………あなた………!?」

「足りなかったですか?なら、こうです」

小町は机にあった湯飲みを取り、すっかり冷えたらお茶を映姫の小さく端正な顔面にかける。厳かな帽子や制服ごと緑茶まみれになる映姫。

「これであたいはクビですね。お世話になりました」

「こまちっ───待ちなさい!小町!」

踵を返して部屋を出ようとする小町を止める映姫。だが、小町は聞こえていないかのようにそのまま部屋を出ていった。

「小町………どうしてっ!」

座ったまま泣きそうになる。
だが涙は未の刻を告げる鐘の音を聴いて引っ込んだ。今日は未の刻から十王会議があるのだ。

(………行かないと)

映姫はハンカチで髪と拭き、部屋を出て会議室へと向かっていった。
第3話完成です。結構難産でした。天界のあたりが。
次はたぶん小悪魔とパチェの完結編です。

橙 八雲紫によって岩で押しつぶされ即死
永江衣玖 長髪の男によって射殺される
比那名居天子 妖怪に輪姦された後、殺される
IMAMI
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/10 11:34:02
更新日時:
2010/12/26 14:29:16
分類
八雲一家
天界組
永遠亭
冥界組
映姫
小町
オリキャラ
バトルもの
幻想侵略記
1. 名無し ■2010/07/10 20:44:54
天子が能力を発揮出来なくなる理由がちょっとチープかなぁと感じた
2. 名無し ■2010/07/10 20:46:26
小町かっこええけど、死亡フラグ……
3. 名無し ■2010/07/10 21:06:39
映姫様かわいそす
わかれよ小町……
4. 名無し ■2010/07/10 22:35:06
無茶苦茶な設定、それに関して未だに説明が十分にされていない
だが、それがいい
いいぞもっとやれ!
5. IMAMI ■2010/07/10 22:51:03
>>1
便利なんですよスポイト男
自重時かな…
>>2
やっぱそうなりますよねーwww
>>3
小町ですから
>>4
勘がいい人ならもう敵側のボス(野郎共の上の人)が誰かぼんやりとわかっているかも…
6. 名無し ■2010/07/10 23:07:30
もしも○作の要素も含んでいるなら、予想通りの黒幕
7. 名無し ■2010/07/11 00:35:42
ユーロコプターが来たかw
兵器はヨーロッパ製かな?
8. 名無し ■2010/07/11 20:36:49
新作キタ!!
待ってたぜ!(カズ風に)
9. 名無し ■2010/07/14 20:32:19
ここまでほとんどやられる側が一方的に虐殺されてるだけなので
バトル物というには語弊がある気がしなくも無い
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