手のひら返して返された

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/13 00:04:42 更新日時: 2010/07/13 00:04:42
「ぬえ!また聖からの仕事をサボって、寺子屋の子供たちと遊んでいたわね!!」
「何のことだか分からないな〜!」
「まぁまぁ、子供たちも楽しんでいたからいいじゃない。」
「で、ですが………」
「ふふん、ムラサは子供に優しくなんかできないもんね。」
「な、何ですって!?」



毎日毎日、こんな下らないやり取りを繰り返す。
それが私の一番の幸せだった。
聖は優しくしてくれるし、ムラサとは喧嘩ばかりしてるように見えるかもしれないけど、
本当は同じ布団で寝るくらい仲がいい。
一輪も地味だけど頼りになるし、星は天然だけどいざというときは聖並みに頼りになる。
そして、子分の小傘にクールでかっこいいナズーリン。
地上に出てからは、本当に楽しいことばっかり!

「さぁ〜て、今日は誰と遊ぼ………あれ?」

何か変な感じがする。
手が疼いてきた。
虫でもくっついたのかと思って手を見てみると、手が裏返っていた。


「え、ええ!?わ、私、こんなこともできたんだ………」


正体不明が看板のぬえちゃんでも、自分の体で知らないことがあったなんて。
鵺って、そこまで不思議な生き物だったのかな。
でも、私の体に異常が出ていたら嫌だしみんなに相談しに行かないと。

聖のところに行って…………?

あ、あれ?あんなババアのところに何を相談しに行くの?
あいつ、自分が死にたくないから若返っただけの臆病者じゃん。
大体、人間と妖怪がみんな平等なんてそんな世界作れるわけないよ。
だって、あいつ人間と一緒に生活してないもん。
ただの力の強い化け物、私と一緒。
危ない危ない、あいつに洗脳されかけていたなんて恥ずかしいな。

じゃあ、誰に相談しようかな?
よし、ムラサは面倒見がいいから………

ちょっと待って。ムラサって、何もできない無能だよね?
船を沈没させることしかできないじゃない。
それであのババアが救ったとかいうけど、あいつ簡単に言い包められたんだっけ。
はぁ、一緒に寝た自分が恥ずかしい。
これからは、沈没船長って呼ぼうかしら?
……センスがない名前だから、やめよっと。

一輪かぁ…………

美人とは思うわ。
でも、地味。

こうなったら、星に見てもらうしかないね。

って、星はまさしくババアの信者だったわ。
毘沙門天の代理があんなババアの手先でいいのかなぁ。
ふふ、いつか星が毘沙門天に罰される時が来て欲しいね。
いっつもいっつも、ババアの傍にいるし挙句の果てにエッチまでしてた。
さすが、落ちこぼれの妖怪の集まりだよね。
星は命蓮寺でも一,二を争う無能。

小傘はどうかしら。

人を脅かすことすらできないのに?
幻想郷一の無能妖怪、この称号を与えてやりたいわ。
早苗とかいうアホ巫女とかなり仲がいいみたいだけど、
人間を驚かすのが生きがいなのに人間と一緒にいていいの?
しかも、デートもしてたのよデート!
はっ!同じ妖怪として、恥ずかしいわ。

残りは、ナズーリン…………

毘沙門天のスパイだっけ?
星を監視しに来たんでしょ。
それなのに、星と一緒に寝ていたのは何で?
………星のことを好きだと見せておいていざという時、星を殺すためね。
ナズーリンなら、相談してもいいかもしれないわ!

よし、ナズーリンのところに行こう!!


命蓮寺に戻り、私はナズーリンの元へと向かった。
運よく、一人で命蓮寺の掃除をしていたナズーリンと出会えた。
「おや、ぬえじゃないか。掃除を手伝いに来た、と言ってくれればありがたいが。」
「ねぇねぇ、ナズーリン。」
「どうしたんだい?また、聖に隠し事をするのか?」
「あのねぇ…………」








「あのババアを殺したいんだけど、どうしたらいいかな?」














「出て行きなさい。」
「ひ、聖…………?」
私は今、聖たちに追いだされそうになっている。
「もうここに帰ってこないで。」
「ム、ムラサも何で…………?」
怒るときはもっと声を荒げるムラサが、こんなに冷たい声で怒ってくるなんて思ってもいなかった。
「ぬえ………どうしてなんですか…………?」
「ち、違うもん!!私はナズーリンを傷つけたりしないもん!!」
私を心配しているように話してきたが、星の顔は私を見下しているものだった。
「でも、ナズーリンはあなたにやられたと言っているわ!!」
「違う!!私はやってない!!」
普段なら絶対に怒らない一輪が、私の胸倉を掴んできた。

あの後、ナズーリンは急に私に掴み掛かってきた。
何でナズーリンが私を襲ってきたのか分からなかった。
「冗談でも、そんなことは言ってはならないぞ、ぬえ!!」

怖かった。

ナズーリンに怒られたことなんてなかったもん。

ムラサ以外の誰にも、怒られたことなんてなかったのに。

本当に怖かった。

ナズーリンに殺されちゃう、みんなに殺されちゃう。

どうしよう、どうしよう。



なんで、私はこんな気持ちになったんだろう。
気がついたら、片耳が欠けているナズーリンが血を吐いて地面に横たわっていた。





「嫌だよ、聖ぃ!!私にはここしか居場所がないのに!!」
「……………私を、殺したかったのでしょ?」
「え………?」



何で?


何でそんなこと言うの?


聖は、私の大好きなお姉ちゃんなのに。


聖のためなら、死ぬ覚悟だってあるんだよ?


今ここで、自殺したっていいよ?


だから、私のことを信じてよ!


私は聖を殺そうと思ったりしない!!



バチンっ!!
急に右頬に痛みを感じる。
こんなに痛いと感じたことは、今までで一度も無かった。
「もう一度言うわ…………………この命蓮寺から、出て行きなさい!!












頭の中が真っ白になる。
どこにも行く場所なんてない。
フラフラ空を飛んでいるけど、前は全く見えていない。
今私がどこにいるかなんて、分からない。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。
もう死のうかな?
舌噛み切るだけで、死ねるかな?
でもそれぐらいじゃ、妖怪は死なないよね………
そうだ、巫女に殺してもらえばいいんだ。
ふふふ、神社で暴れたら私を殺してくれるよね………


「聖………こんなことになるなら、会わなかったらよかった…………」


そうつぶやいて博麗神社へと向かった。
両手はいつの間にか元に戻っていたが、そんなことどうでもよかった。





















「ということで、この子の死体をどうするかは貴方たちに任せるわ。それと………ごめんなさい。」
「分かったわ、処分は任せておきなさい。」
「………悲しくないの?」
「ええ、自業自得でしたもの。」
「っ…………まぁいいわ。それと、少しは参拝客をこっちに寄越しなさいよ。」
「ありがとう、霊夢。」
(………こいつらがおかしかったことに気づいておけば、
あんたを助けられたかもしれないのに…………ごめんなさい。)

「みんな、ぬえの死体が届いたわ。」
「やっとかぁ。」
「まったく、迷惑ばかりかけてこの屑は。」
「聖、どうするのですか?」
「もちろん、見せしめとしてバラバラにするわ。」
「そうですよね、いくら私たちでも我慢の限界ですもの。」

ぬえの死体をバラバラにしていく、白蓮たち。
斧を用いて、右手、左手、そして両足と次々と切断していく。
切断されようとも、ぬえの両手足は綺麗なままだった。
ムラサたちがぬえを晒し者にしようとする最中、白蓮は自分の手を洗っていた。
そのときにやっと、自分の体の異変に気づく。































両手が、裏返っていた。

















「ナズーリンさん、聞こえますか?」
「聞こえているよ、鈴仙。」
「治した耳の方も聞こえるようになったでしょ?」
「ありがとう、永琳。貴方のおかげで、ここまで元気になれたよ。」
「そう…………」
「ご主人、また物を無くしてないだろうか………?また、ムラサとぬえの喧嘩を見たいな。
ぬえが何であんなことをしたかは分からないけど、聖なら優しく包んでくれるはずだからね。
もしかしたら、ぬえが泣きながら謝ってくるかもしれないから、
今のうちに慰めの言葉を考えておかないとな。」
「……………っ!」
「れ、鈴仙?」
「きっとトイレに行ったウサー。あいつ、ああ見えてお腹が弱いウサー」
「そうか…………しかし。」
「しかし?」
「彼女は、涙を流していたように見えたが………?」

「鈴仙。」
「ひ、ひめさまぁ………」
「泣いちゃダメ。今は、あの子に苦しみを与えてはいけないわ。」
「で、でも……でも!わたしが、わたしに力がないからぁ………!」
「大丈夫よ、昔と違って今のあなたは他人のために泣いてあげられる………十分に力があるわ…………」
「う、ううっ…………ひっぐ……ひめさ、ま…………」

「早く、みんなに会いたいな。そのときは、永琳やてゐたちも一緒に宴会を開こうじゃないか。」
「そうね………楽しみにしているわ。」
「楽しみにしているウサー」









聖白蓮たちの心中死体が見つかったのは、
ナズーリンが意識を取り戻すちょうど一日前だった。

その知らせを聞いて、驚かない人妖はいなかった。
なぜ、あの聖白蓮が心中などしたのだろうか。
その傍に、ぬえのバラバラ死体が晒されてあった。
「気が狂ったのか?」
「あの聖様がご乱心に?」
「あんな素晴らしいお方が狂うなんて、この世の終わりだ。」
人里は特に騒然とした。
しかし、慧音と阿求の手により聖白蓮たちの葬儀が行われたことで
かろうじて騒ぎは収まった。


その後見つかった、聖白蓮の遺言状にはこう書かれてあった。
























「ぬえを一人にしてしまったことへの罰です。」
小傘が出演する隙がなかった。
しかし、前作より劣化したかも。
皆さんが手のひら返しネタに飽きなければ、次はあやや編で。
上海専用便器
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/13 00:04:42
更新日時:
2010/07/13 00:04:42
分類
ぬえ
白蓮
ムラサ
一輪
ナズーリン
その他大勢
意味不明
1. 名無し ■2010/07/13 10:38:04
嘘吐きの文の手のひらが返ったら・・・
聖人の誕生だな
2. 名無し ■2010/07/13 22:38:37
手が裏返ると痛いのかな?
3. 名無し ■2010/07/13 22:45:28
次も楽しみに待ってるよ〜
4. 名無し ■2010/07/27 13:24:08
なんで裏返ってるんだ?
5. ふすま ■2014/07/09 19:53:32
文字通り手のひら返しとは……。
その発想はなかった
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