東方音楽厨

｢ちょっと紫｣

｢あら、霊夢。私の所まで来るなんて珍しいわね｣

｢そりゃ来るわよ、大結界が揺らいでるんだから。あんた何やってんの？さっさと直しなさいよ｣

｢ああ〜〜････････｣

｢何がああ〜よ｣

｢いや、ちょっと理由があるのよそれにわ｣

｢････一応聞いてやるわ。何？｣

｢幻想郷とか、音楽に較べたらクソやん？｣

｢せやな｣

｢だから私ね、ゆかりんの人生の名盤ランキング１００位を作っていたの｣

｢なら仕方ないわね････｣

｢見たい？｣

｢まぁぢ見たい！｣


｢じゃあ１００位から５位ずつ紹介するわね。


100位・Relaxin' With Miles/Miles Davis Quintet

99位・Parallax/美狂乱

98位・Just Another Diamond Day/Vashti Bunyan

97位・原子心母/Pink Floyd

96位・終りのない恥辱/ゲロゲリゲゲゲ

｣




｢へえ〜････ここだけ見ても、原子心母以外は一筋縄ではいかないチョイスね。まあフロイドなら私は口笛吹きのが好きだけど｣

｢まあ、あれもサイケデリックロックとしてわ良い出来だと思うけど。やっぱり原子心母のインパクトにわ敵わないわね。｣

｢うーん、それにしても100位のリラクシンはねえ。マイルスならもっと他にあるだろうって気はするんだけど｣

｢これわIf I Were Bellのマイルスの名演に尽きるわね。あんな消え入るようなドラマチックなソロ、聴いた事ないもの｣

｢まあ、確かにあれは名演よね。私マイルスは電化ジャズの方から入ったから、こんなか細いプレイが出来るのかって驚いたわ｣

｢Oleoなんかも、かなりずっこけそうなリズムでスリリングだし、全体としても良い出来だしね｣


｢そうね････99位と96位は邦楽からのランクインか。ゲロゲリはまあ分かるけど、美狂乱かあ｣

｢和製クリムゾン、って言葉を肯定する訳じゃないけど、やっぱりクリムゾンっぽさわ否定しないわ。でも、あの底冷えするような冷たさわクリムゾンにわ無いと思うの｣

｢まあ言いたい事は分かるわ。なんか音が無機的なのよね。まあ私としては名作というより秀作って感じだけど。その点、ゲロゲリの方はいかにもって感じよね｣

｢そうねえ、コンセプトからしてねぇ････。１トラックアルバムってだけども中々アレなのに｣

｢まあ、ある種のアンビエントミュージックと同じでしょ。ホームレスの言葉だってただの効果音みたいなもんでしょ。そもそもあれ全然聴き取れないし｣

｢そういう、ある種の汚らしさがあんなに美しい音楽を演出してるのよね。あのノイズともしれないような雨音も、篭ったような音響も、散漫なピアノも、それだけじゃあの美しさわ生み出せなかったと思う｣

｢まあ、美しいと言うならバニヤンだけどね。ゲロゲリと違って、こっちの美しさを否定する人はまずいないでしょ｣

｢ええ。こんなにわかりやすくて綺麗なアシッドフォークも、逆に中々無いわよね。｣

｢なんだかんだでキャロル･キングなんかとは感触違うしね。アシッドフォークの説明を求められたら、このアルバムを聴かせるのが一番ね｣


ガラッ
｢紫様、お茶請けです｣

｢あら藍、ありがとう｣

｢なんか気を使わせたみたいで悪いわね、長居するつもりもなかったんだけど｣

｢なに、構わないさ。それよりお前が遠慮する事の方が不気味だ｣

｢いや、遠慮はしないけどね････････そうだ藍、何話してるか知ってるでしょ？あんたもちょっと聞いてなさいよ｣

｢いや、私には仕事が････････｣

｢藍、私が許すわ。座りなさい｣

｢はいはい････｣