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『もてもてもこたん 1』 作者: 上海専用便器

もてもてもこたん 1

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/17 13:14:45 更新日時: 2010/07/18 07:39:21
「いいか、妹紅。お前は、相手の気持ちを理解する力が必要だ。
そもそも、何故輝夜があそこまでお前と殺し合いをしてくるのか分かるか?
それはだな、彼女はお前のことが好きだからだよ。
好きなものほど傷つけたくなる、という感情を抱いているのだ。
そのことをよーく理解した上で、もう一度輝夜と真正面から話し合ってみろ。
輝夜は必ず、お前に心を開いてくれる。いや、それだけではない。
彼女はお前に自分の想いを伝え、お前たち二人は晴れて恋人同士。
そして、しばらくたったある日、輝夜にプロポーズをして永琳の元に結婚報告に行く。
永琳は喜びのあまりに泣き出してしまい何も言葉を発することができなくなるはずだ。
心配するな、私が傍にいて何とか永琳を泣き止ませてみせる。
それから、結婚式の準備を行おう。場所はもちろん、博麗神社だ。
みんな、お前たち二人が結婚することを聞いて大喜びだ。泣き出すものも大勢出てくるはずだ。
何故かって?それはだな、妹紅。お前は幻想郷一の美少ね……美少女なのだよ!
それが、この幻想郷の真理なのだ!」





















「妹紅のち〜んちん♪」
「そーなのかー」
「もこたん、待て〜!」
「ちょ、ちょっとぐらい待ってくれたっていいじゃん!」
「ま、待ってください妹紅さん!」
毎晩毎晩、竹林まで私を追い掛け回してくるとさすがに輝夜と殺しあうことができない。
いつからか、この5人は私の追っかけとなっていたのだ。
襲ってくるわけではなく、捕まえた後は無理矢理家へと連れ戻されてしまう。
慧音は元々、人妖関わり無くかわいい子が好きだったから暖かく迎え入れる。
それはいいのだけれど、それからが大変だ。
まずお風呂は一緒に入る。ご飯も食べさせてくる。同じ布団で寝る、キスをする。
そしてあろうことか、体を求めるようにまでなってしまったのだ。
最初は、この子達は私には無関心みたいだった。
けど、いつからか急に私に懐いてきた。
(いつだったっけ………そうだ、あの時。)
私は、あの日の事件のことを思い出した。



「今日もまた、輝夜と決闘かぁ…………」
(決闘なんかやめて、一緒に遊びたいのになぁ………)
そんな幻想を抱きながら、私は永遠亭へと向かっていった。
確かに、輝夜は私の宿敵だ。父の仇であることも忘れていない。
でも、輝夜が本当は寂しがり屋であることを慧音から教えられた時から、父の仇のことなど気にしなくなった。

「いいか、妹紅。お前は輝夜のことを誤解している。
お前をどうやって苦しめてやろうか、などと考えていると思い込んではならん!
彼女が如何に寂しがり屋かお前は知っているか?
いつもいつも、お前の写真を懐にしまっているのだぞ。
もちろん、永琳や鈴仙、てゐといった自分の家族の写真もしっかりと残している。
彼女に恨みを抱く理由は十分に分かっている。
だがな、彼女のことも理解してやってくれ………!
過去のことを知らないわけではないのだろう?」

急に慧音がこんなことを言い出してきた。
でも、もっともだと思った。
確かに、輝夜も私と同じようにつらい目に遭ってきた。
いや、私よりも辛かったのかもしれない。
そんなことを気にせずに、私は輝夜を苦しませようとだけ考えていたことになる。
恥ずかしかった。
あいつは私と同じ、永遠の孤独を背負って生きる蓬莱人。
なのにどうして、一度も優しくしてあげられなかったのだろう。
「よし、今日という今日は私の思いを伝えるぞ!!」
そう決心した時だった。
「いやぁぁぁぁあぁぁぁ!!誰かたすけてぇぇぇぇぇ!!!」
女の子の悲鳴が竹林に響き渡ったのだ。
これは冗談の悲鳴ではなく、危険が迫ったときに出す悲鳴だった。
「人里の子供!?」
もしかしたら、慧音の教え子が妖怪に襲われたのかもしれない。
これは決闘に行っている場合じゃない!
すぐに、助けてにいかなければ…………!!
(今助けに行くから、待っててね……………!)
私は全速力で悲鳴が聞こえてきた方向へと飛んでいった。

しばらく進むと、提灯明かりが見えてきた。
その近くで、いくつかの影が動いているのが見える。
遠くてはっきりと見えなかったが、何が行われようとしているかだけはわかった。
(女の子を犯すなんて………しかも、年端も無い子を…………!!)
小さな女の子の服を破き、男たちはその子の恥部を舐っていたのだ。
しかも、5人。
私の怒りが頂点に達するまでに、時間はかからなかった。
しかし、こいつらをどうするかは慧音が決めること。
殺したい衝動を抑えて私は弾幕であっという間に、レイプしようとしていた男たちを気絶させた。
そして、その子たちの傍へと降り立つ。
「よしよし、もう大丈夫だぞ。」
私は慰めの言葉をかけて、5人をそれぞれ抱きしめようと思った。
だが女の子たちをよく見てみると、神社での宴会で見かける顔ばかりだった。

「ふぇぇぇぇぇぇぇん、こわがったぁぁ!!」
「ありが、どうございます!ありがとうござ、いまずっ!」
「ぐすっ……………このままで……………いさせて…………………」
「え、えっと………さすがに、ちょっと苦しいかな。」
「いや………離れてほしくない…………」
「泣き止むまで、お願いします………」
「あー、うん。分かったよ。」
どうやら、ミスティアの屋台でチルノ、リグル、ルーミアの3人が遊んでいたらしい。
そのことに怒った屋台の客とチルノたちが喧嘩になってしまった。
ミスティアや大妖精が仲裁に入ろうとしたんだけど、二人は無理矢理押し倒されてしまって、
チルノたちも同じように襲われてしまったらしい。急すぎて怖くて何もできなかったとも言っている。
ともかく、5人とも入れられてはないのでよかった。
その男たちは、慧音と霊夢の手で罰が与えられたそうだ。
どうやら、博麗神社のお賽銭50年分を集めるまでは許されないと決まった。
で、逃げ出そうとした男が一人いたので両足を炭になるまで燃やし尽くした。
もちろん、命は落としていない。落とさせたりしない。

ここまではよかった。
問題なのは、その次の日からだ。
どうやら、外が怖いということで5人はどこにも行けなくなってしまった。
ということで、しばらくは私と一緒に暮らすことになる。
それが全ての始まりだった…………
そして、今に至ってしまう。



「あー、もう!私は今日、輝夜に用事があるの!」
「そんなのより、あたいたちと一緒にあそぼうよー!」
「妹紅、大好きなのだー」
「鰻もサービスしておくからさぁ。」
「か、体だって差し上げますよ…………?」
「健康に良い虫も呼んであげるよ?あ、アレの代わりになる虫も呼ぶ?」
この子達を助けたため、結局あのときは決闘に行けなかった。
さすがに今日は輝夜の元に行っておかなければ、
慧音の家まで乗り込んでくる可能性が出てくる。
今日は輝夜と勝負をしなければ………!
私は5人を説得して、すぐに帰るからということで家で待ってもらった。
さて、いつの間にか永遠亭の近くにまで来ていた。
あと数分でたどり着くだろう。



「永琳………どうしたら、妹紅は私に振り向いてくれるかしら…………」
「輝夜、ごめんなさい……私が無力だったばっかりに、妹紅に誤解させてしまって…………」
「いいのよ、永琳。私に魅力が無いだけの話だから。」
「いいえ!輝夜に魅力が無いなんて、そんな話はないわ!あってたまるか………!」
「永琳、ありがとう。でも………もうつらくて疲れてきちゃった…………」
「かぐやぁぁぁ!!」
「……来たわね。」
「永琳、行くわ。」
「………想いを、伝えてみたら?」
「……………後始末、お願いね。」



「ふふ、また性懲りも無く出てきたわね。」
「うるさい、お前が申し込んで……………っ!」
「ど、どうしたのよ?」
「な、何でもない!」
私は輝夜に対して、いつもと同じようなことを言えなくなってしまった。
輝夜は私と一緒。
輝夜も一人で寂しい
輝夜も一人が嫌。
私も、一人が、嫌…………
(いけない、輝夜の前で泣くのだけはダメ。私が輝夜を守ってあげないと。)
そう思った私はそれから先何をしたのか全く覚えていなかった。
気づいた時には、輝夜が私の胸で泣いていた。
何故泣きついて来たか分からなかったけど、
私は輝夜の頭を撫で続けていた。


それからというもの、私は輝夜の遊びに付き合わされるようになっていった。
「ねぇねぇ、妹紅。次は肘の骨で弄ってみましょう。」
「だめよ、妹紅。手の入れ方は、こうよ!」
「妹紅ー、キスー」
輝夜のことは嫌いではないので遊びに付き合うのはいいのだが、
そのためにわざわざ腕を引きちぎらなければいけないのだ。
一番大変なのが、四肢切断してそれを全てあそこに入れる遊び。
毎回毎回、死ぬかと思う。
「ふふ、大好きよ……………」
「う、うん、私も好き。」
輝夜と抱き合いながら、私は夜を明かす。
これが輝夜との夜の過ごし方だ。
もう少し、ノーマルなプレイでやってほしい…………




その数日後、また慧音に教えを説かれた
今度は、予想外のことを教えられた。

「いいか、妹紅。幽香を凶暴な妖怪だと思ってはならない。
彼女は本当は人間たちと仲良くしたいのだ。友達もたくさん作りたいのだ。
だが幽香を守ろうとする男性はおろか、女性すらこの幻想郷にはいない。
彼女の力は強いが、心は一番弱いと言ってもいい。
だが、お前なら彼女を守ってやることができる。
いいか、明日からしばらく彼女の護衛になるんだ。
彼女の本心を、自分でしっかりと、確かめるんだ!!」




「見ろよ………風見幽香だ。」
「へっ、美人の癖に生意気なことしやがって。」
「あーあー!あんな美人がいるんじゃあ、店に客が寄ってこねぇなー!!」
「とっとと死んじまえよ幻想郷の面汚し!」
幽香は、人里で評判の悪い男たちに悪口を大きな声で言われていた。
けれど、幽香は人里の人たちに迷惑をかけている様子はない。
いや、むしろこの男たちに冷ややかな視線を向ける人がいた。
だけど、こいつらはそこそこ喧嘩も強い。
文句を言うと、何をされるか分からなくて反論できないのだろう。
幽香はそのまま、人里の外へと歩いていった。
その後を、私はこっそりと追う。


しばらく追い続けていると、幽香は急に木陰に隠れた。
何をするのかと疑問に思い、そっと近づくと急に咽び声が聞こえてきた。
(ほ、ほんとだ………慧音の言うとおり、幽香は打たれ弱いんだ…………)
私は今までの自分を殺したくなった。
どうして、幽香のことをただの乱暴者と思っていたのか。
私はそのまま、幽香を優しく抱きしめてあげた。
幽香はびっくりして私を傘でぶってきた。
けど、そんな痛みは何も感じない。
私は優しく幽香の頭を撫でてあげた。
「大丈夫、私が守ってあげるから………大丈夫。」
その後、幽香は大声でワンワンと泣き出してしまった。
野次馬が集まることがなくて助かった。


「ふぅ………みっともなかったわね。」
「そんなことないよ、幽香。」
「一度思いっきり泣いてみたら、すっきりしたわ。これからはもう何も気にせずに生きていけそうよ。」
「ほんと?」
「ええ、ありがとう妹紅。館に来たら、たくさんイイことをしてあげるわ。」
そして幽香はそのまま、立ち去っていった。
しばらく幽香の背中を見守った後、私は人里へと戻っていた。

………そのとき、あの男たちが幽香の後を追っている姿が
チラッと視界に入って本当によかった。
すぐにそいつらの近くまで飛んでいき、弾幕で気絶させる。
こいつらが本当に幽香を襲おうとしたがどうかは分からない。
けど、幽香を襲おうとしていたと言っておけば
幽香を襲おうと思う人間は出てこないはず。
幽香を守るためにも、こいつらには罰を受けてもらわなければならない。


そして、慧音と霊夢による罰が与えられた。
今度は、お賽銭100年分を集めるまでは
札で下半身失調状態にすると決まった。
もちろん、こいつらに同情する人はいなかった。
もう悪さをすることもないだろう。
結局100年分払うことができないと判断し、
この男たちは人里の広場で晒されることに決まった。
その家族も同罪と決まり、100年分の借金を背負わせることになった。
これで幽香を守ることができる。


それから数日後、幽香も家に来るようになる。
「ふふ、この花もいいでしょ?いい匂いよね………」
「おいしいかしら、このジャスミン茶?あなたのためだけのものよ。」
「大好きよ、妹紅……………これからもずっと、私が死ぬときまで一緒にね?」
花に囲まれながら、幽香と私は深い眠りについた。
幽香の寝顔がかわいいと知ることができて、本当にうれしかった。
やっぱり、人間なんかの噂を信じてはいけない。



それから数日後、また慧音に呼ばれた。
今回も、しっかりとしたことを教えてくれる。

「いいか、妹紅。お前は最近、人間嫌いになっているようだな。
だがな、それだとお前は白蓮たちのことを否定してしまうことになるぞ?
白蓮は本気で人間と妖怪が平等に暮らせる世界を目指した。
そんな夢は人間たちの手によってあっけなく潰されてしまった。
しかし、彼女は人間を恨んでなどいない。
むしろ、人間を救わねばならないと考えている。
そんな彼女を、お前は否定するのか?否定してはならんだろう?
妹紅、白蓮たちの想いを全て包み込め。
彼女たちが心を開いてくれるには、それしかない。
全てを理解してあげるんだ、弟のことも。封印されたときのことも。」



命蓮寺にたどり着いた私は、僧兵の役割を担っていた一輪と出会う。
一輪も私の存在に気づき、声をかけてきた。
「あなたは………妹紅さん、でしたね?」
「妹紅でいいよ。一輪……だったよね?」
「ええ、そうです。では、妹紅と呼びましょうか。それで、何か御用ですか?」
「えっと、白蓮に用があって………」
「人里のことかしら。分かったわ、呼んでくるから待っててください。」
一輪はあっという間に、命蓮寺の中へと入っていった。
数十秒後、毘沙門天の代理の星が門まで出てきてくれた。
「聖とのお話の前に、まずは私にご用件を言ってくださいますか?
慧音さんからの伝言ですが?それとも、あなた自身からの伝言ですか?」
「いや、何となく話がしたくてきたんだけど………」
「談笑、ですか?」
どうやら、あまり受け入れてくれそうにない。
仕方ない、今日は一旦帰ることにしよう。
慧音なら、何とかいい手段を教えてくれるはずだ。
そう思った矢先、星が急に声を上げた。
「それはありがたい!!どうぞ、こちらへ……!」
「へ?」
「いいから、いいから!」
急に口調が変わり、星は私の背中を押して命蓮寺に入らせた。


「ふふ、こうやって友達感覚で会話をするのは久しぶりよ。」
「ふーん、自分を神格化する人ばかりで困ってたんだ。」
「ええ、私が言うのもなんですか聖や私たちも一介の妖怪。
そんな風に持ち上げられては、真の平等など一生来ないのです。
私たち家族の中に一人、人間がいてくれれば本当はよいのですが………」
そのことには、私は頷くことができる。
人間と妖怪の平等な世界のためには、人間の力も必要なのは分かる。。
「でもね、白蓮。」
「どうしたの?」
「そんなに無理しなくてもいいんじゃない?」
「え…………?」
「それは一体…………?」
「今まで本当に辛かったんでしょ?その……弟さんも失って、信じていた人間に封印されて………」
「妹紅さん!!」
「だからさ………一度、全部吐き捨てちゃお?
そしたら、夢にもう一度近づけるかもしれないし………」
「妹紅さん、申し訳ありませんが帰っていただけないでしょうか?
聖のことを思っておしゃってくれたのかもしれませんが、
その言葉は逆に聖を………聖?」
「うっ………ううっ……………」
「ご、ごめん!な、泣かせるつもりはなかった!!」
「ち、違うわ…………やっと、私を……ぐすっ………理解、してくれる人が………いてくれて…………うれしいのよ………!」
「聖………それでは、今まではずっと我慢して……………」
「ごめんなさい、星…………」
居心地が悪くなってしまった。
ひとまず私は、後ろに下がり白蓮を星が慰める姿を暖かい目線で見届けた。
一段落着いた後の白蓮は、さっきよりさらに輝いた目をしていた。

それから、私は度々命蓮寺へと招かれるようになった。
呼ばれる理由は大抵、命蓮寺で泊まってくれとのこと。
泊まるようになって以来、私はナズーリン、一輪、ムラサ、ぬえとも仲良くなっていった。
「もう君は、立派な家族の一員だね。」
「ふふ、まさかまた家族が増えるなんて思ってもいなかったわ。」
「もっと早くに出会っておきたかったなぁ。」
「ねぇねぇ、今度は妹紅の家に泊まってもいい?」
数週間後には、完全に私は命蓮寺の住人の一人となっていた。
「あなたと出会えてうれしかったわ。これからも、よろしく頼むわね?」
「妹紅さん……いや、妹紅。末永く、よろしくお願いします。」
もちろん、私もうれしかった。
さすがに慧音が一番大好きだけど、2番目以降に好きなのが命蓮寺のみんなだ。



次の日もまた、慧音に大事なことを教えられた。

「いいか、妹紅。お前は天界の住人に会ったことがあるか?
天子という天人に会うといい。この子は、ものすごくわがままで傲慢に見えるかもしれん。
だが、彼女は幼い頃から一人ぼっちだった。誰も友人がいなかった。
異変で神社を潰したのも、自分を見てもらいたかったから。
誰かが自分の苦しみに気づいてくれると思ったからだが、結局誰も気づかなかった。
しかし、今のお前なら天子を救うことができる。さぁ、天界に行くのだ!」


「あなたが、私を倒そうっていう人間?」
「そんな話をした覚えはないけど、一応そうだよ。」
「………変な人ね。まぁいいわ。さ、相手してあげるわ。せいぜい、暇つぶしにはなってよね。」
確かに、傲慢な子に見える。
だけど、それは全て偽りの姿。
本当は素直で寂しがり屋で臆病な子。
(輝夜みたいだなぁ………)
輝夜と私が殺しあっていたときのことを思い出す。
どちらとも、本当の思いを知る由も無く延々と殺し合いを続けていた。
今となっては、それが如何に哀れなことだったかを思い知らされた。
(とりあえず、ちょっと本気を出せば勝てるでしょ。)
こっちは不死の体の持ち主、あっちは頑丈だが不死ではない体の持ち主。
それに、自慢じゃないけど能力差もある。
勝敗は明らかだった。

「く、くそ〜…………悔しいぃ〜……………」
「はぁはぁ…………さすがに、ちょっと疲れたな………」
「好きにしなさいよ……どうせ、紫とかに頼まれて懲らしめにきたんでしょ……?」
さて、そろそろこの子に心を開いてもらわなければ。
心を開いてもらう方法も慧音に教えてもらった。
「じゃあ、私と一緒に家に来て。」
「え?」
「好きにしてもいいんでしょ?さ、家に行こう。」
「そ、それって……………いやぁぁぁぁぁあ!!それだけはやめてぇぇ!!」
急に叫びだしたので、私は何が何だが分からなかった。
家に連れてきて、しばらく一緒に生活するつもりだったんだけど。
「お願い、お願いします!初めては、初めては奪わないでください!」
そっちに誤解されてしまうとは思わなかった。
「あー、襲うつもりじゃないよ。」
「ほ、ほんと?本当に、酷いことしない?」
「もちろんだよ。」
「……………絶対にしないって、約束して。」
「分かった。」
そして私は、天子を連れて家へと戻っていった。

それ以来、私は天子と一緒に生活をした。
天子は最初はさすがに私を警戒し続けていたが、数十日も一緒に暮らしていくと変化が出てくる。
「ねぇねぇ、妹紅。今日は幽香の作った紅茶が飲みたいわ。」
「幽香の?わかった、幽香に頼んでみるね。」
「ほんと?ありがとう、妹紅!」
「だ、だからそんなにくっついちゃ………」
天子が私に甘えてくるようになった。
ご飯を食べさせてやら、服を着替えさせてやら、体を洗ってくれやら。
楽しんでるみたいだし、私も楽しいから疲れも気にならない。

翌朝、起きてみると天子がいなかった。
「ちょっと人里まで言って、野菜を買ってくるね。」と書いてある紙があったので、どこに行ったかは分かった。
でも、何か胸騒ぎがする。
私は念のために、天子の後を追いに行った。

「嫌、やめて!!」
「慧音様から聞いたぜ。お前が、あの時の地震の犯人だってな。」
「お願い、話して!!」
「お前のせいで、人里の人間が死んだんだぞ!」
「そ、そんなことないわ!!霊夢は誰も死んでないって………死んでないって、言ってたもん!!」
「うるせぇ!」
「っ!え……………私……………殴られて……………う、ううっ……」
「うわっ、泣き出しやがったぜ。」
「気持ち悪いなぁ」
「おい、とっととやっちまおうぜ。」
「何を?」
「決まってんだろ、こいつを犯…………え?」


私は、その場にいた、ゴミ屑どもを、全員、燃やして、燃やして、燃やし尽くした。






「妹紅、妹紅っ!!」
間一髪、私は天子を助け出すことができた。
慧音にも来てもらったので、男たちを殺さないように私を止めてくれるように頼んだ。
案の定、私の怒りは頂点に達していたので慧音が止めてなければ確実に殺していた。
「大丈夫だよ、天子。私が守ってあげるからね。」
「妹紅、すきぃっ!大好きっ!」
「私も天子が大好きだよ………大丈夫、もう大丈夫だから。」
私は泣きじゃくる天子をしばらくの間、抱きしめ続けていた。
輝夜のときと同じように、頭を優しく撫で続けながら。

それから天子は一度天界に帰ってまた家に来てから、ずっと家にいるようになった。、
自分の嫁ぎ先ができたと言い残して、一生私と一緒に暮らすと決めたそうだ。
私は今、天子と一緒に家の屋根で星を見ていた。
「ねぇねぇ、妹紅。」
「どうしたの?」
「今度は衣玖を連れてきていい?」
「衣玖………あぁ、写真で見せてくれたすごく綺麗な人か。」
「すっごく優しくて、私のお姉さん代わりなのよ。
子供の頃から、私を大切にしてくれて………でも、迷惑ばかりかけてきたわ。」
「大丈夫、その人も天子のことが大好きだから。
ずっと大切ににしてきてくれたなら、、たとえ迷惑をかけたことがあっても受け入れてくれるよ。」
「妹紅…………大好きっ!」
「も、もう。」
天子は私に抱きついたまま、しばらく離れようとしなかった。


ちょうど次の日、天子を襲おうとした男たちが処罰されたのは。
慧音と霊夢によると、今度はお賽銭50年分払えない場合は里中引き回しで磔の刑にするらしい。
何でも、男たちは慧音に「天子の起こした地震で、死んだ人間がいる。」と言われて
天子を襲おうとしたらしい。
が、慧音はそんなことを言った覚えはないそうだ。それで慧音の風評被害の罪にもなる。
さらには女子を暴行した罪、天人の権力者の娘を襲い、
人間と天人の関係を悪化させようとした罪。これで磔に相当するそうだ。
引き回しの最中、そいつらは慧音が嘘をついたなどと言い触らしていたが、
元々この男たちは人里のゴロツキどもだったので、誰も信用しなかった。
磔にされる瞬間まで、慧音のことを悪く言っていたから
ついに人里の人たちから石を投げつけられていった。


天子と一緒に寝ながら、私はこれからのことを考えていた。
次は、何を教えてくれるのだろう。
慧音が教えてくれることは、絶対に役立つ。
あぁ、明日でいいから早く教えてほしいなぁ。

















「………異変、と呼べるのでしょうか。」
「もちろんよ、藍。」
「どうなさいます?」
「…………中々手ごわいわ。死んでいるほうが、どう見ても悪になるように仕向けているのよ。」
「彼女については?」
「私の友人に手を出したら、容赦なく処罰するわ。」
「ですが、彼女に賛同する者たちの数が徐々に増えてきています。」
「そうなのよねぇ………ふふ、いつか私も殺されちゃうのかしら?」
「紫様。」
「冗談よ、冗談。ま、私はみんなが幸せならそれでいいんだけど……
さすがにこれはいただけないわね。」
「………そろそろ、私も動くことにします。」
「ええ、あなたも心を奪われないでね?」
「もちろんです。」
「……………霊夢。あなたがこのことを黙認するなんて……………
もう、私の手の届かないところまで行っちゃったのかしら…………?」

紫は、文々。新聞の記事を見てこれからの幻想郷について悩んでいた。
その記事の見出しには、こう書かれていた。
『犯罪者急増!その全てが、獄門晒し首に相当するものばかり!』

「…………ワーハクタク。あなたの思い通りになんて、させたりしないわ。」
次は妖怪の山と地下とどっかにいる人形使いと魔理沙など。
下手なイチャしか書けない、死にたい。
タグを追加しました。
上海専用便器
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/17 13:14:45
更新日時:
2010/07/18 07:39:21
分類
妹紅
慧音
バカルテット
輝夜
幽香
命蓮寺
天子
みんな大好きもこたん
目的不明
1. 名無し ■2010/07/18 00:34:34
慧音の言ってることは善なのに
2. 名無し ■2010/07/18 01:27:40
霊夢と慧音は貧乏くじ引く事多いよな。

ゆうかりんはもっと虐めていたい。
3. 名無し ■2010/07/18 03:20:54
もてもてなもこたんは心を洗われるな
このまま総ハーレムを築いて欲しいくらいだ
4. 名無し ■2010/07/18 12:18:39
いや、慧音おかしいだろ…。
5. 名無し ■2010/07/18 12:52:24
一体この二人は何がしたいんだ…?
6. 上海専用便器 ■2010/07/18 22:23:32
コメをいただき、ありがとうございます。

>>1
次からは、慧音が活躍し始めますよ

>>2
たまには、ゆうかりんに優しくしてあげようと思った

>>3
かなりのハーレムにする予定です。

>>4
もっともっとおかしくなっていきますよー
たいしたこと無いかもしれないけど………

>>5
ちなみに、何かを企んでいるのは慧音だけであり、
妹紅に罪は無いです。赤の他人に対しては、冷たいですけど。
7. ふすま ■2014/07/09 21:54:57
モテモテな妹紅とセリフを見ただけで誰だかわかってしまうほどのあなたの文章力に嫉妬します。
慧音はこんな事して何が目的なんだ?
それにしても霊夢ちゃっかりしてるなwww
あと紫様マジかっけーっす
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