東方死手帳　Act1 Episode1

「何も変わらないって言うのは暇だねぇ………つまらないし………」

幻想郷を見渡し、そんなことを呟いた。
そして、いつもの場所で黄昏れる。

「異変でも起こしてみようか………できるだけ、幻想今日中が騒ぎそうなもの………」

自らの手のひらを広げ、そこに魔力を集中させる。
すると、幻想郷ならではの１冊の手帳が出現した。

「とある人の能力と、外の世界の凶器を参考に作ってみたが、効果はあるかな？」

頁をぱらぱらめくりながら独り言を言う。

「ちょうどいいし、そこら辺にでも落として効果を試してみるか………異変にもなりそうだしな………多少の犠牲は必要だろうし」

私物を持ち、空へ飛び立った。








































■■■■■東方死手帳　Act 1　Episode 1　Begin■■■■■












































ある日の幻想郷。
普通の人から見れば何ら変わらない日だった。
しかし、幻想郷に住む１人の少女にとっては世界が変わっているように感じた。

「………」

足下を確認する。
今日はいつもに比べて暇だったので、何か面白いものは無いかと探していた。

「………ぁ」

探している時に、見つけてしまった。

地面に落ちている１冊の手帳。
それを見つけた少女は、表紙に書いてある文字が読めなかった。
外の世界の字だろうか。
そんなことを考えてみた。

それを拾ったのは霧雨魔理沙だった。

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私は、その拾った薄っぺらいものを家に持ち帰った。
こーりんの店でも見たことがあるが、これはノートというらしい。
頁を開いたが、何も書かれていない。
何も書かれていないということは、誰かが買ったものでまだ使われていないのだろう。
つまり、使わない方が良いのだろうか………。
こんなことを言うのは自分の性に合わないな。
頁をめくり表紙に戻る。

『DEATH NOTE』

読めない。
特に、外の世界で言う英語とかは特に読めない。
後ろの４文字は読める。
ノート。
しかし前は………。

デツ？
デツノートと読むのか？
そうだ、きっとそうに違いない！！

「そういえば………」

しょうがない、日記として使ってみるか！

「えっと………」

○月×日。
今日は鼠のナズーリンにあった。
一緒に珍しいキノコを探そうと誘ったが断られた。

「１日目はこれで問題ないだろう」

もしかしたら、三日坊主とやらでやらなくなってしまうかもしれないが………。
だが、私は死ぬ時が近いというわけではないのだから、日々の変化があるわけなのだし、いろいろと書けるだろ。

私は眠った。

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次の日の朝。
いつも通りに目が覚める。
つまり、現在はいつもと何も変わらないということだ。
まあいい。
いつも通りに神社に行って霊夢を冷やかしてやるか。

そんなわけで、私は箒にまたがり颯爽と飛び立った。

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スタッ

砂利を踏みつけた音が聞こえる。
違うとこに着地すれば良かったかな………。

「おーい、れーい………」
「あ、魔理沙さん！！」

何だ、文が来てるのか。
お前じゃなくて霊夢に用があるのにお前が反応してどうする。

「大変ですよ！」
「何がだ？」

相変わらず五月蝿い奴だ。

「昨日、ナズーリンさんの死体が見つかったんですよ！！」
「へ？」

一瞬、自分の鼓動が高鳴っていくのを感じた。
ナズーリンの死体が見つかった？
何で？
何があったんだ？

「白蓮さんが教えてくれたんですが、ナズーリンさんの帰りが遅いからと捜しに行ったら、道ばたで居眠りしている姿のナズーリンさんを見つけまして………もう帰りなさいと話しかけたら返事が無かったそうです。　で、脈を調べたら死んでいたそうです」

話の筋がよく判らない。
しかし、文も朝から物騒な話を聞かせてくれるな…………迷惑な奴だ。
ま、それが新しいニュースとやらなんだから、しょうがないんだろうけど。

「死因の方は心臓麻痺だそうです」
「何だそれ？」
「心臓の動作が停止し、体全体に生命的活動が行き渡らなくなる感じですかね」
「………」

聞いたことが無い死因。
一体どうやったら………。

その日は、その事件のこともあったが、それ以降は皆で世間話をしたりした。