射命丸文の性的な日々 一

作品集: 19 投稿日時: 2010/08/07 00:53:41 更新日時: 2010/08/07 00:53:41
※この作品には重度のスカトロ描写及び名無しのオリキャラ男が存在します。
 苦手な方は閲覧に際してご注意ください。








山間に隠れかけた西日が世界に昼と夜の境界を照らし出す。
その薄暮の空の下、人気の無い無縁塚にただ一人佇む影があった。
胸に黒い手帳を押し付けるように抱き、俯き加減に体を震わせているのは射命丸文である。
ただ妄想を書き連ねていただけだと思っていたその手帳に、唐突に現れた自身の名前。そしてその下に記されていた数行が文の心を体以上に震わせていた。

そっと、それが何かの見間違いであったという僅かな希望にすがってもう一度手帳を開く。
・非処女――――間違いない。
・経験人数――――数えたことは無いが三桁で有ることは疑いようもない。男女比もまあこんなものだろう。
・自慰回数、手段――――これもその通りだ。
・性感帯――――もう認めるしかなかった。ここに記されているのは間違いなく文自身の秘められた情報だ。

己の最も隠したい部分が暴かれていた――――それもこんな事細かに。
その事実を理解するに従って、じわりと脚元から恐怖と焦燥が登ってくる。
気づけば体の震えは立っているのも辛いほどに大きくなっていた。自身を抱くようにしてその場に座り込む。

「……あっ」

腰を地面に降ろした瞬間、生ぬるい感触が尻の下に広がった。
それが何で有るかは確かめるまでも無かったが、それとは別の疑問が文の中に浮かんだ。

「もしかしたら、昼間の事も見られて――――?」





時を少し遡る。






太陽が一番高い場所に差し掛かった頃、紅魔館周辺でのネタ探しに見切りを付けた文は、次の目的地である竹林方面へ向けて空を駆けていた。
その途中、人里の上空に差し掛かったところで彼女はふと急ぐ脚を止めた。
見下ろした里の中では変わらぬ人々の生活が営まれていた。ちょうど昼時ということで通りに見える人影はいつもより少ないだろうか。
そのまま視線を里の入り口へと向ける。一仕事を終えて昼休憩を取るところなのだろう。汗をぬぐいながら里へと入ってくる男たちの一団が見えた。
その中に一人見知った顔を見つけた途端文の中で良からぬ考えが顔を出した。
ネタを探しに行かねばならないという義務感と本能から湧き出る欲求を天秤に掛ける。
逡巡した時間は僅かだった。

「持ち合わせ有ったかな……」

ポケットの中から愛用のがま口を取り出して中を確かめる。
それなりの額が入っている事を確認すると文は音もなく里の近くへと降り立った。




「お仕事お疲れ様です!」

唐突に後ろから掛けられた声に男は思わず口に含んだお茶を吹き出しそうになった。
振り向くとそこにはニコニコと判りやすい営業スマイルを顔に貼りつけた天狗が覗き込むようにして立っていた。

「あ、ああ。あんたか。驚かさないでくれよ」
「あやや、すみません。そんなつもりではなかったのですが」

座ったまま男は文へと向き直る。他の仕事仲間はみな昼飯を食べに各々の家や飯屋へと行っていた為ここには男と文以外の人物は存在しなかった。
男は独り身であり、節約の為自分で作ってきた握り飯を里外れで食べていたところに文が声を掛けたのだ。

「お食事はもうお済みですか?」

男の横に広げられた空の風呂敷を見ながら文が尋ねる。

「ああ。なんせ握り飯二つの質素な食事だったんでね」

竹筒に注いた茶を啜りながら自嘲気味に男が答えた。

「相変わらずお金には困っているみたいですねぇ。この前のアレはもう使ってしまったんですか?」
「あんなもんその日のうちに返済へ消えたよ。知ってるんだろ」

見透かしたような笑みを浮かべながら質問をしてくる文に、眉を顰めつつ男がぶっきらぼうに答える。
死んだ親が男に残したものは財産ではなく借金だった。食事を切り詰めながら辛い肉体労働に従事しているのもそのためである。

そんな男の様子をどこか満足そうに見ながら文はポケットからがま口を取り出した。

「ではまた、返済のお手伝いをさせて頂きたいと思うのですが」
「……………………」

男が無言で憎々しげに見上げてくる。文は黙ってがま口を開けるとそのまま逆さにひっくり返した。
ジャラジャラと中身が地面へと落ちる。小銭が多いが纏めれば男の賃金三日分にはなるだろう。

「足りませんか?」
「……分かったよ。じゃあまた仕事が終わったら前の場所で」
「いいえ、今、ここでお願いします」
「は?今?ここで?」
「生憎今日はこの後、取材の予定が一日びっしりと詰まっているんですよ」

取材と言ってもネタを探して幻想郷を飛んで回るだけなのだが。

「いやしかし、いつ仲間が戻ってくるかわからんし、それに飯食ったばっかりであれは……」
「まぁ無理にとは言いません。残念ですが他を当たるとしましょう」

実際はこの真っ昼間から他に都合の付きそうな当てなど文に無い。
ゆっくりと膝を曲げて屈みこみ、落ちた硬貨を拾うフリをする。すぐにその手は男によって遮られた。
沸き上がってくる笑みを押し殺して顔を上げる。

「どうしました?ゆっくりと昼休みを」
「…………わかった。今でいい」

摘んだ硬貨をそっと男の手に握らせるとその上から自身の手を重ねて文が微笑んだ。

「交渉成立ですね」




男が昼食を取っていた場所から少し離れた場所には朽ちかけた大木が立っていた。
回りを背の高い草に囲まれたそこは、遠くから一見しただけでは根元の様子を覗えないようになっている。
念のため気配に反応して鳴子と似た役割を果たす己の烏羽根を数枚、風に乗せて周囲に舞わせた。

準備を整えた文は大木に両手を付いて腰を突き出し、男を誘うように媚びた声を出す。

「それでは前回と同様に……」
「わかったよ。でも時間があまり無いんだけどな」
「ええ、だから一分一秒が惜しいのです。さぁ、お願いします!」

急かす文の声に押されて男がスカートに手を掛けた。
そのまま一気に下着ごとずり降ろす。白い肌が真昼の陽光を受けて輝いた。

男が腰を屈めるとちょうど文の尻が頭の目の前に来た。
まずは両手でその引き締まった尻たぶを割り開く。

「んっ……」

それだけで文は甘い声を小さくあげた。
さらけ出された文の肛門は肌の白さに比べると明らかに異質な程黒ずんでおり、一見して使い込まれたそれとわかる。

男は一瞬だけ息を呑んで動きを止めたが、すぐにその誘うようにひくつく菊穴へと舌を伸ばした。

「んあぁぁっ!そう、そのまま、いいですよ!」

舌先が触れた瞬間、待ちかねたと言わんばかりに文が艶の有る声を出した。
まずは皺を一本一本なぞるようにして丁寧に舐めほぐす。
その後唾液と一緒に舌の先を肛門の中へ送り込むようにして細かく前後に動かした。
両手も遊ばせることなく尻たぶを優しく揉み解すように動かし、時々平手でパシンと叩いて刺激を与える。

「ふぁん、あっ、あっ、ああんっ!あーそれ、それもっとおぉ!」

嬌声を上げながら快楽に流される文と対照的に、男は舌先が感じる刺激と抜き差しする度穴の奥から溢れ出す臭気に必死で耐えていた。
頭の中で仕事に使う道具の種類や用途を一つ一つ思い出して気を紛らわせる。舌と手だけを別の生き物にして動かした。

挿し入れた舌を上下左右に動かしながら腸内の襞をこそぎ落とすように舐める。
口内に溜めた唾液を送り込むと今度はそれを一気に吸い取る。
どちらも以前に男が文から、文字通り「体に教え込まれた」技術だ。

「あああああ、もうっ、もうだめぇ!だめです!イキます!イキますからあああ、んんーっ!!」

それからすぐに文の限界が訪れた。こうして簡単に絶頂して果ててくれる事だけは男にとって救いだった。

最後の追い込みとばかりに舌の動きを早める。舌の先に何か固いものが触れて衝動的に顔を背けたくなったが耐えて舐め吸った。
男の性根が真面目で有ることと、終わった後に難癖付けられて報酬を減らされたくないという思いが献身的なまでの奉仕に繋がっていた。

「あ、あああっ、ああああああーっ!――――はぁ……はあっ」

一際大きく文が声をあげると同時に肛門が男の舌を強く締め上げた。引き抜かれては堪らないと舌を慌てて引きぬく。
ずるずると地面に倒れ込む文から見えないようにそっと口元をぬぐって唾を吐いた。
本当なら茶で口をすすぎ一息付きたいところだったがそうは天狗が卸さないだろう。
なんせたった今盛大に絶頂を迎えたばかりだというのにその目は次の行為に向けた期待で溢れていたのだから。

立ち上がった文が今度は男の胸にしなだれかかるように抱きついてきた。
そのまま男の股間をねっとりとした手つきで撫でる。

「ふふふ、お互い準備万端ですね」

熱を帯びてじっとり湿る体を押し付けながら男の耳元で文が甘く囁いた。
男は黙って衣服の下を脱ぎ払う。文の言葉通り男根は硬く反り返っていた。

文が男の首に腕を回し男は文の両足を抱えるようにして持ち上げた。
そのまま位置を調整して男根の先端を文の肛門へとあてがう。

「じゃあ、んっ、いきますよ」

本来なら男の台詞であろうそれを呟くと同時に文は腰をぐっと降ろした。

「ふはぁん!んんっ、はあぅ、全部、入りましたね、ふぅ」

乾きかけた男の唾液以外に潤滑油が無いにも関わらず、文の肛門は男のモノを殆ど抵抗なく根元まで飲み込んだ。
腸内を押し広げられる感覚だけで文は軽く果てたが、そのまましばらく男の体に抱きついて動かずに肉棒の感触を楽しむ。
加えて肛門だけでは貪り足りぬのか、半ば無理やり男の唇を奪うと舌を生き物のように動かしてその口内を味わいだした。
舌で舌を絡め取り、唇と歯の隙間にねじ込み、頬の内側を舐め尽くす。
溢れ出すように湧き出る唾液を休みなく送り込み、同じだけ相手から吸い取ろうとする。
絡み合う二人の口元から透明な糸が何本も垂れて服にシミを作った。

五分は経過しただろうか。
ようやく男の方から逃げるように顔を離した。

「ぷはっ、ふぅ……。ふふ、貴方の匂いに混じって私の中の匂いがしましたよ。もっと嗅ぎたかったなぁ……」
「……動くぞ」

ウットリとした声を無視して男が文の腰を掴むと、上下に動かし始めた。
男の肉棒が舌よりもずっと深い部分を突き上げ、こそぎ、引きずりだす。

「あっ、ああん!そんなっ、急に、ああっ!」

先程と違って細かな技術など使わないただ強引で乱暴な動きだったが、文の肛門は目一杯に拡がりながら貪欲にそのピストンを受け入れた。
いや、ただ受け入れるだけでは無い。肉棒の感触を少しでも多く味わおうと入り口は突かれる際には力を抜き、抜かれる際に力を入れる。
更にその内部はうねりながら男の肉棒を締め付けしごき上げていた。
その動きは文の肛門が排泄器官ではなく完全に性器として機能している事をはっきり示していた。
挿し込まれた肉棒が一気に引き抜かれる感触に文が背筋を反らせて仰け反る。
強制的に排泄させられるかのような錯覚が快楽の中枢を刺激する。
一番太い亀頭が肛門を押し広げるのを感じながら文は絶頂に達した。

しかし男は動きを緩めることなく激しく突き上げ続ける。
文が一度や二度の絶頂で満足しないと分かっているのだ。
何度体を震わせ、白目を剥き、泡を吹こうとも容赦なく男は文の中をかき回した。

「ほっ、ん、んんーっ、ん、ん、ん――!!」

快感が強すぎるのか。下唇を噛み締めて獣と変わらぬ声で文が喘ぐ。
涙と涎を垂れ流すだけではない。鼻だけで呼吸を行ってるせいで息をする度にその二つの穴から鼻水が生き物のように激しく出入していた。
その表情は転んで擦りむいた膝の痛みに耐える幼子のようだ。

男の方もそう余裕が有るわけでは無かった。文の中は並の女性よりも遥かに具合が良い。
それでも未だ射精に至っていないのは報酬を貰う以上は尽くさねばならぬ義務感と、もう一つ。
最初は先端にその存在を感じるだけであったが激しく抜き差しを繰り返すうちに解れたのか。今でははっきりと「それ」が全体に纏わり付くのが分かる。
触感だけではない。結合部からは文の腸液と一緒に「それ」の匂いが立ち上ってくる。
それらに対する生理的な嫌悪感が男を辛うじて絶頂の手前で踏み止まらせていた。

だがそれにもやがて限界が訪れる。
男はこれ以上耐えられないと悟ると最後の一押しとばかりに動きを一層速めた。
文を気遣う必要はない。何故なら彼女は最初に挿入した瞬間から今に到るまでもう幾度となく、それこそ軽く二桁は達しているのだから。
男の動きが変わったのを感じて文も行為の終わりが近いことを知る。

「ん……いいっ、ですよ。たっぷりと中に出してぇ、ああん、ください!」

そう言って男の動きを助けるように自ら激しく腰を振った。
それが引き金になったのか。男が小さく呻いて身を震わせる。
最奥まで突き込まれた肉棒から白濁液が迸り、文の中に広がった。
その熱を腸内に感じながら、文は名残を惜しむように、そして最後の一滴まで絞り上げるべく腰の動きを止めなかった。

「も、もう無理だ。これ以上出ない……」

根を上げた男が腕で動きを制止するまでたっぷりと余韻に浸る文であった。





「さて、それでは最後のお楽しみといきましょうか」

ゆっくりと二人の結合が解かれる。しばらくぶりの大地を踏みしめると、未だ呼吸の荒い男に向き直り文が微笑んだ。
最初とは逆、今度は文が男の前で姿勢を低く屈めた。文の目の前には先程まで己の中に入っていた男の肉棒がぶら下がっている。
硬度を失い頭を垂れるそこには当然男が嫌悪し続けた「それ」――――文の大便がたっぷりと付着していた。
射精後も文が動きを止めなかったせいで男の精液もブレンドされ、凄まじい匂いを放っている。
そこへ躊躇なく顔を近づけると大きく鼻から息を吸い込んだ。

「――――はあっ」

存分にその香りを楽しむと恍惚とした表情で息を吐く。
そして肉棒を掴むと淀みない動きで一気に口内へと吸い込んだ。
舌で付着した便と精液をこそぎとりながら徐々に根元から先端へと動かしてゆく。
再び男の肉棒がその姿を現した時にはあれほど有った汚れが殆ど消えていた。
クチャクチャと下品に音を立てながら咀嚼し、その匂いと味を思うがままに味わう。
空いた手で僅かに肉棒に残った汚れをこそぎ集めると、指先に集め鼻の穴の中へと塗りたくった。
顔中で心ゆくまで汚臭を堪能すると再び肛門が疼きだすのを感じたが、さすがにこれ以上は時間が許すまいと手を伸ばすのは自重した。



口内の汚物を一欠片も残さずに嚥下して文が立ち上がると、既に男は衣服を身につけて少し離れた場所に立っていた。
男に倣って文も手早く下着とスカートを身につける。そのうち肛内の精液が溢れ出るだろうが彼女にとって問題は無かった。
汚れた下着は顔に被って今晩の自慰に使えるので寧ろ有難いくらいである。

「いやー堪能できましたよ。これで今後の取材にも身が入ると言うものです」
「……そりゃあ何よりだ」
「良ければまたお願いしますね。あ、これ少ないですが追加の報酬ということで……何で離れるんですか?」

今唇を奪われては昼食が無駄になると言わんばかりに男が露骨に距離を取る。
そんな男を不思議そうに見ながら首を傾げる文であった。



男と別れて再び上空へと文屋が舞い上がる。
欲求を満たして軽くなった体が軽快に風へ乗った。財布の中も相応に軽くなったが致し方あるまい。
まだ人と妖怪の関係が形式的なものでは無かった頃は、わざわざ対価など払う必要もなかった。
欲望の赴くままに気に入った相手を攫って家に連れ帰って監禁し、精根尽きるまで搾り取れば良かったのだ。満足すれば口封じに命を奪っても誰に咎められることもない。
最も文の場合は相手の寿命が尽きるまでに満足することなど滅多に無かったが。
しかし時代は移り変わり、目立って人攫いなどしようものならたちまち巫女が針を持って飛んでくる。
それで今では仕方なく、金に困っていて尚且つ口の堅そうな人間を探し出し交渉を持ちかける方法に変えたのだ。
せめて文の性癖がノーマルであれば天狗相手で構わなかったのだが。
身内に寛容な天狗社会ではあったが、異常性癖者に対する視線は人のそれとそう変わるものではなかった。
うかつにスカトロ趣味などバラしてはその後のリスクが大きすぎる。
特に烏天狗相手に知られた日には妖怪の山の住人全員に知られる事に等しい。同族である以上簡単に力に訴えることも出来ない。
そういった事情が有り、文の性欲解消は専ら里の人間相手に行われていた。

予定外の時間を喰ってしまったと心中でボヤく。完全に自業自得なので文句は言えないのだが。
今回の事自体は文にとって日常の延長線上だったが、こんな日の高いうち、それも取材の真っ最中に手を出してしまうのは珍しかった。
普段は記者として、あるいは山の天狗としての活動を終えた夜更けに人目を忍んで脚を運ぶのだ。
ここ数日のネタ日照りで溜まったストレスが性欲という形で表に出てきたのかもしれない。
そう自己分析の真似事をしながら遅れを取り戻すべく普段よりも急ぎ足で竹林を目指す。
速度を上げる程に強く吹きつける風が火照った体に心地良い。相変わらず空は雲ひとつない快晴だった。







――――白昼の情事を思い出して文は思わず吐息を漏らした。
だがすぐにそれどころではないと気を奮い立たせる。
備考欄に書かれている通り今日も里で自身の性欲を満たしていたが、果たしてあれは本当に「秘め事」で有ったのだろうか。
事前に周囲への注意は十分に配っていたつもりであったし、行為に溺れながらも意識の一部分で警戒は怠っていなかった。
腐っても幻想郷で上位の力を持つ烏天狗である。半端な尾行や出歯亀を看破する自信は有った。
しかし事実として行動ばかりか性感帯までこの手帳の持ち主である誰かに把握されているのだ。
とすれば導きだされる答えは相手が半端ではないスニーキング技術を習得していたか、もしくはそれに特化した能力を保有していたかである。
前者はともかく、後者には天狗仲間だけでも幾人か覚えがあった。
千里眼を持つ白狼天狗や念写能力を持つ記者仲間の顔が浮かぶ。他には……そう、河童の技術力ならば姿を消して対象に近づく程度なら訳ないだろう。
だがしかし、どちらにしろ得られるのは視覚的な情報のみである。
余程近づけば別だが……その場合でも本人すら自覚していない性感帯なぞどうやって知るというのか。
最初に見た巫女のページを思い出す。他にも幾度か未自覚の表記は目に付いた。
文に関することだけが正確で他の人物に関しては適当だとも思えない。
更に言えば四六時中対象を観察していないと正確な経験人数など割り出せるはずが無い。

考えれば考えるほどに訳がわからなくなり、文は頭を抱えた。
だが色々と思考を巡らせる間に心の動揺は少しずつ収まりが付いてきた。
誰がどんな意図で人の性的な情報を収集していたかは確かに気になる。
しかしこれだけ調べが付いてなお今まで自分に接触してこなかった以上、何らかの脅迫を受ける可能性は低いのではと思えてきたのだ。
改めて手中の手帳へ視線を向ける。今これの持ち主はどうしているのだろう。手帳の紛失に気づいて慌てているのだろうか。
それとも彼、もしくは彼女の能力を以てすればすぐに同じものが作成出来るので気にも留めていないのか。

もし、あっさりとこの手帳を探すことを本人が諦めていたとしたら――――このまま自身の懐に拝借出来ないだろうか。

泡のように突然浮かんだその考えに、文はさっきまでとは違う種類の震えを感じた。
もう一度手帳を始めのページに戻って開く。最初は流し読みしていたそれを今度はじっくりと舐めるように再び捲りだした。
博麗霊夢、霧雨魔理沙、十六夜咲夜……文が何度も取材に訪れ、幾度かは記事にした少女達の名と情報が事細かに記されている。あくまで性的な事に限ってだが。
誰かの妄想だと鼻で笑っていた時には何も感じなかったが、これが恐らくは自身と同じ彼女たちの真実だと知った今はその一つ一つから目が離せない。
肛門をほじられるのと同じ位ほじるのも好きな文にとって性的な目を向けるのに相手の性別は関係なかった。
取材の際も表面上はごく普通に接していたが、妄想の中では少女達の肛門を何度も犯し、その顔を互いの汚物で茶に染めていた。
スペルカードルールの無い時代で有ったのなら間違いなく力づくでも手篭めにしようとしていただろう。事実、昔はそうやって攫ってきた少女も多く存在した。
更にページを読み進める。
アリス・マーガトロイド、風見幽香、八意永琳……人間だけでなく魔女や妖怪、驚くことにその存在が認知されてまだ日の浅い月人の名まで有る。
美しい容貌を持つ彼女たちも当然文に取っては性欲の対象であった。さすがに正面から犯そうと挑んだことは無かったが。

…………使える。

半分ほど読み終えた文が確信した。この手帳は使える。何に?言うまでもない。自分が最初にもっとも恐れた事にだ。
本来の所持者が何の目的でこれを記したのかは分からないが、文からしてみれば使い道など一つしかない。

文がゆっくりと立ち上がった。もう体に震えは残っていない。
周囲を見回しながら手帳を慎重に腰に差す。この行動も把握されている可能性が当然頭を過ぎったが、その時はその時だと腹を括った。
決意を胸に秘めて空を見上げる。太陽は既にその姿を隠し、月と星の時間が始まっていた。その輝く海へと大地を蹴って飛び込む。
十分に高度を取ると、腰の手帳を片手で押さえ弾かれたように飛び立った。


その日一番の速度で去りゆく天狗を銘のない墓石だけが見送った。
最後までご覧いただきありがとうございます。
色々詰め込んだら無駄に長くなったくせに中身が台詞と状況説明ばっかりでスッカスカです。
ついでにスカです。
読み直すとなんかベタもトーンもしてない漫画の原稿みたいですね。
綺麗な言葉で肉付け出来る他の作者さんが羨ましい……。語彙ェ・・・。

内容の方は序のあとがきに書いた通り作者の趣味全開です。
全国三千万の射命丸ファンに呪い殺されそうで怖いです。
作中の文がなにやら計画していますが作者は完全に無計画です。
次作が「天才・八意永琳の性的な日常」とかに変わってるまでワンチャンあります。

こんな無軌道な作品ですが少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
最後になりましたが前作にコメントしてくださった方ありがとうございました。大変励みになりました。
それでは。
デスモモンガ
作品情報
作品集:
19
投稿日時:
2010/08/07 00:53:41
更新日時:
2010/08/07 00:53:41
分類
射命丸文
スカトロ
アナル
文ビッチ
1. 名無し ■2010/08/07 06:35:46
そんなに卑屈にならなくても大丈夫ですよ
2. 名無し ■2010/08/07 06:54:13
また逃走者シリーズみたいにあややがやらかしちゃうのね
いいぞ、もっとやれ

>>次作が「天才・八意永琳の性的な日常」とかに変わってるまでワンチャンあります。
これはフラグ………?
3. 名無し ■2010/08/07 07:03:23
いいぞ、もっとやれ

>「天才・八意永琳の性的な日常」
ほほう…楽しみだ
4. 名無し ■2010/08/08 16:36:36
最っ高ですよ!
最近産廃にハードスカが少ないなあと寂しく思っていたところに、素晴らしいお話をありがとうございます。
やっぱり、臭う、食べるの描写があると無いとでは興奮度が全然違いますね。

次回作も期待しています。
5. 名無し ■2010/08/19 13:33:24
今後の展開にwktkが止まりません。
文章はもちろん、手帳にまとめられた変態ステータスに非常に興奮しました。
名前 メール
パスワード
投稿パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード