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『産廃百物語「Pneumonic Plague」』 作者: 山蜥蜴

産廃百物語「Pneumonic Plague」

作品集: 20 投稿日時: 2010/08/21 18:34:33 更新日時: 2010/08/27 14:24:06
不覚だった

いや、不覚だったのだろうか?

全力で戦い無残に敗れた事実を『不覚だった』等と油断のせいにして逃げようとしているのでは?

…いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。
そんな『事実』よりもっと差し迫った現実から逃げるべきだ。

ここから逃げるべきだ。


───────



私は巫女と戦い敗れた。
自分達の手には余ると判断し、部下達と共に撤退、報告に向かったのだ。
しかし私はその撤退すら出来なかった。

巫女に撃ち込まれた薄紫に怪しく光る針のせいだろう。
烏に変化し飛行中にズキリと目が痛むと急激に視界が暗転し、墜落した。
いや、正確には暗転後は記憶が無いので墜落したかは解らないが常識的に考えても、現状から考えても墜落したのだと思う。
それも最悪の場所に。


つまり地底へ繋がる風穴に、だ。


忌まわしい地底へ繋がる風穴は実は一つでは無い。
最も大きく、地底まで垂直に伸びる大風穴の他に、御山には無数に小穴が在るのだ。
時々、山の者が行方不明になる事があるが、その大半は何かの拍子にそれらの穴に足を滑らせてしまった物だろう。
転落しても浅い場所ならば助かる事も多いだろうが、運悪く深みに落ち込んでしまえばどうなる事か?

以前酒場で、小穴に転落し辛くも生還したと話す木の葉天狗の男と居合わせた。
酔っていたのだから真偽の程は甚だ怪しいものだが、その男の話には真に迫った物が在った。

地底には悍ましい妖怪達が群れを成しており、一切の躊躇無く殺しに掛かって来たという。
いや、『躊躇無く殺しに』というのでは語弊がありそうだ。
殺す前に散々甚振られるに相違無い。

地底の者に言わせれば『地底と地上の不可侵条約を破ったのは向こうなのだから殺しても良い』という理屈なのだろう。
男が落ちたのは幸い然程深くでは無かった為、何とか帰ってこれたという事だが、そう語る男の左顔面は焼け爛れ、目も白濁し見えていない様だった。
聞いて良い物か迷ったが思い切って尋ねてみると、やはり地底で負った傷で、化け蜘蛛に酸をかけられたという事だ。



私はそんな穴の一つに落ちてしまった。



どれ程の深さに落ちたのか、それすら判らず、視界は真の闇に包まれている。

深さが判らないのは転落時は意識を失っていたからだ。
視界が闇に包まれているのは洞穴だから、という訳では残念ながらない。

先の男に聞いた話では地底の洞穴はほぼ全域が薄ぼんやりと光る苔に覆われており、何とか物が見えたという事だったが…

私の視界は墜落時に暗転してから回復して居ないのだ。
哨戒時は何時も持ち歩いている巾着から燐寸を出し擦ってみもしたが、何も見えなかった。
何一つ、だ。

光を感じすらしない。

千里眼も同様に使えなくなっていた…と言うより妖力が略完全に使えないのだ。
逆に言えば千里眼の能力を持っていたせいで、妖力封じに巻き込まれて通常の視界さえ封じられてしまったのだろう。

…正確には鼻も鈍り、耳も若干…要は五感全てが鈍って──鈍っているとはいえ普段に比べればで在り、現在でさえ人間より遥かに鋭くは在ろうが──いる。
最も顕著なのが眼というだけだ。


巫女の針、あれには強力無比な封魔の呪術が篭められていた様だ。

撤退前に粗方引き抜き投げ捨てたが、戦闘〜撤退までの僅かの間刺さっていただけで私の妖力を殆ど吸い出してしまっていたのだろう。
あの時は興奮していた為、ただの戦闘と負傷の為の疲労と判断してしまったが、そうでは無かったのだ。

そして、撤退の為の変化と飛行で僅かに残っていた妖力を使い果たし途中で気絶、墜落。






五感が鈍り、視界は完全に無い状態、妖力は使えず、太刀と盾も何処かへ行ってしまっていて、在るのは剣鉈一本と僅かの携行食糧、それと連絡用の照明弾が一発。
転落した際にであろう、体中が打撲で痛み、岩にでも引っ掛けたのだろうか、着物はずたぼろ、粗方血は止まっているが身体も所々裂けている。
そんな状態で恐るべき地下世界に一人で蹲っている白狼天狗。

それが今の私という訳だ。


…あぁ、その上、私がこんな所に居るという事を知っている味方は居ないわけで、救援も望めない。


『絶望的』という言葉よ、おめでとう。君に最高に相応しい状況がここに在るぞ。


───────



私は自分の状態を確認すると、普段より利かない鼻と耳を頼りに辺りを警戒しながらよろよろと壁に手を当てながら歩き出した。
何処へ行くべきか等判らないが、此処に居てはいけないのだけは確かだ。

高下駄はこの様な岩のごろごろした場所には向いておらず、何度も躓き転んでしまう。
かと言って、下駄を脱いだのではこのギザギザの岩だらけの洞穴を一分も歩けば足の裏は血塗れになるだろう。

また、転んだ先にだけ都合良く岩が無いなんて事は無く、掌は転ぶたびに突いて傷だらけになり、一度はこめかみを酷く切ってしまった。
普段なら直に止る出血も中々止らず、改めて今の自分の無力を思い知らされる。


偶に天井の異常に低い箇所もあり、しゃがんだり伏せて通らざるを得ない場所もあった。
いや、伏せてもギリギリの高さで垂れ下がった無数の鍾乳石に私の背は酷く傷付けられた。
白かった私の着物は多分、前は泥にまみれて茶色く汚れ、背はずたずたに裂けた上に血で赤く染まっているだろう。


─────



どれ程歩いただろうか?時間も良く判らないが、少なくとも二刻は歩いたと思う。
自分の足音が変わったのに気が付いた。


今までの岩や土を踏む音から、木の板を──橋だろうか?──を踏む音になっていた。

地底に橋?

そんな疑問を持ちながら手を前に伸ばすと欄干と思しき手摺と錆の感触の…恐らく擬宝珠に手が触れた。
間違い無い、橋だ。



背筋に寒気が走る。

誰に聞いた話だったか。

『地底には橋姫が居る』

『元は人間だったが嫉妬に狂い、ついには鬼、般若にまで成った女が居る』

『妬んだ女、その縁者、相手の男の親類、終いには誰彼構わず、次々と喰い殺した女が居る』


『大同四年から天長二年にかけての京の都で、※申の時過ぎには誰一人一切の外出をし無く成った程の恐怖の源が居る』
※申の時(15〜17時頃)

拙い、ここは途轍もなく拙い。
急いで引き返さなくては取り返しのつかない事に成る。
私は直に橋に背を向け、来た道を戻…




「そこの貴女、何処に行こうというのかしら?」




否、既に取り返しのつかない事に成っていた。

橋に向けた私にかけられたのは声だけでは無かった。
何時の間にか私の首にはひんやりとした細腕が、後ろから恋人に抱きつくように絡み付いていた。

「折角来たのに、そんなに慌てて帰ろうとするなんて…」

女の美しいが底冷えのする声は今や私の顔のすぐ右横から聞こえていた。私の肩に女が顎を乗せている様な形になるだろう。

「貴女には誰か待って居て呉れる良い人が居るのかしら?」

女の吐息──臭い訳では無いが妙にねっとりとした──が私の首筋を撫でる。


「…妬ましい」

つい先程まで落ち着いた、寧ろ色気の在る口調だった女の言葉に、勃然と殺意…いや、それよりもっと暗く陰湿な瞋恚が燃え上がった。

「ああぁああぁああああ!」
私は恐怖に駆られ無我夢中で女の腕を振り解き、見えない眼を見開いたまま地底を疾駆した。


「嗚呼、やっぱりそう…居るのね。だから逃げたのでしょう?妬ましい…妬ましい」

後ろから女の声が虚ろに響いていたが、追跡の足音は聞えなかった。



何度も何度も転びそうになり、何度も何度も実際に転びながら私は滅茶苦茶に壁に当てた手だけを頼りに洞穴を逃げ続けた。



─────


「…ッ!…っは!…くっ…ふぅ…はぁ……か、は……あぁ……」
暫く走り続けたが、限界だ。
私は荒い息を吐きながら、洞穴の湿った地面に座り込んだ。


妖力の無い状態で全力疾走(と言っても手探りの為傍から見ればヨロヨロだったろうが)をしたのは何時振りだろう?
哨戒部隊に入る前、行軍訓練で一週間歩き続けた時以来では無いだろうか?
あの時は僅かな糧食で殆ど眠る事も出来ずに小休止と極偶に在る大休止だけで山々を移動し続け死ぬかと思った。
…まだ幻想郷が結界に閉ざされる前の事だ。
そういえばあの頃、同じ隊で訓練を受けていたあいつは今は何を……


駄目だ、駄目だ。
関係無い事を考え過ぎだ。
それは唯の現実逃避で、良くない兆候だ。

気力を絶やすな。
…『怒りだ。弱った時は怒れ』確か教官がそんな事を言っていた気がする。

嫌いな奴でも思い出そう。

…あの烏天狗なんか良いんじゃないか?
あの…あぁ…しゃ……しゃ…しゃ、なんとか、文…。文々丸新聞の…丸?そうだ、射命丸。射命丸文。
あいつには腹が立つ。
人が暑い中真面目に歩哨に立っている時に『何か面白い進入者とか居ませんでした?』じゃあない。
面白いもクソもこっちはスペルカードも知らない、守らない、守る知能の無い、妖怪共から御山を守るのに命を張っているのだ。
殺し合いをして面白い相手等居る物か。
そう怒ったら『あややや、気が短い犬ですね。狂犬病ですか?』と来た物だ。
『あややや』じゃ無い。狂犬病だったら水辺の警備なんか…いやそれ以前に会話出来ないし、死ぬだろうが。



…あいつにでも良いから会いたい。
あの不敵な笑顔を見れたらどんなに心強いだろう。あぁ、どうせ私は今は眼がこんなだから、見れないか。
この地底で誰か一人でも居てくれたら。もし、見えない眼の代わりをして呉れたら。


だから違うっ!
弱気になってどうするんだ。
あの烏天狗は怒りの燃料の役にすら立ちはしないのか?



「…はぁ」
溜息を一つ吐いて私は立ち上がり、汚れが酷く無意味とは思いつつも袴の埃を払った。

さて、どうしよう。
どうしようも無い、というのが本音だがそんな事を言っても仕方が無い。



…風。
風はどうだろう?

風穴という位なのだ、風が流れているのでは無いか?
私は人差し指を口に含み湿らせ、天井を指差す様にして風向きを調べてみた。


…僅かだが、感じる。
指の右側が少しひんやりする。

体中打撲や擦り剥き傷だらけなせいで、この微弱な風に今まで気が付かなかったようだ。
よし、どちらに進めば良いかの指針はついた。

これで少しは…




ちゅぷ

ガリッ


痛っ!?

上を差していた人差し指が生暖か…何かに舐められ……いや、咥えられて…齧られた?


「ふふふ、おいひいわ」

痛い。
あの女だ。
橋の所に居た。
この声は間違い無い。
何故?何故こんな所に?
追って来ては居なかった筈だが?
足音なんて聞えなかったじゃないか?!


ちゅぱ


齧られて痛む人差し指を女の口から引き抜き、私は風上に向けて再びよろよろと走り始めた。

「貴女、若しかして眼が見えないんでしょ。ずっと、貴女の直近くに居たのよ?飛んでただけで」
女の声はすぐ背後から聞え、今度は後を付いて来る足音も聞える。

何だって?あの女がずっと傍に居た?

「ふふふ、眼が見えないのにそんなに慌てて。怖いのかしら?私が?地底が?」

女の声と足音は段々と間を詰めて来ている。
…当然だ、向こうは地底に慣れていて眼が見え無傷。こっちは地底は初めてで盲目で傷だらけなのだ。

「手を突き出してよちよち逃げて、可愛いわ。ふふふふ」

女の声が後頭部の辺りから聞え、何かを振り上げる──例えば金槌とか──風切音が聞えて




「…あっ!?」

私は内臓が上に持ち上げられるような感覚に囚われ…つまり落下した。
恐らくクレバスの様な物に落ちてしまったのだろう。


「妬……い…」

落下する私の耳に何か呟きが聞えた気がする。


─────



「っつ…」
頭が働かない。
ここは?
全身が軋む。
確か追われて逃げて…滑落。
そうだ、落ちたのだ。


私は仰向けに倒れたまま手足を動かしてみて、それらがまともに動く事を確認すると壁に背を預けた。

滑落した時に出来たらしく、頬に切り傷が出来ており大分痛みまだ血が薄く流れている。
逆に言えば、血が止まらない程度の時間しか気絶していなかった事になる。

余り愚図愚図していると橋姫が何処かから回り道をして来ないとも限らない、急いで移動した方が良いだろう。
再び風向きを湿らせた指で確かめ、風上に向けて歩き出す。



──────




どれ程歩き続けただろうか?
時計等持っていないし、持っていたとしても見えないのだから意味が無かっただろう。

そう、目は未だ見えず、そもそも妖力自体が出ないのだ。
何か解呪の儀式の様な物でも行わないと解けない種類の封魔の法術だったのだろうか?



腹の減り具合や用を足した回数から考えて、少なくとも此処に落ちてから4、5日程だろうか。
こういう状況では長く経った様に感じる物だから、逆にまだ2、3日程度しか経っていないか?
…分からない。

分からない、が非常用に何時も持ち歩いていた細身の竹筒で出来た水筒の水と、油紙に包んであった燻製鹿肉がつい先程食べた物で最後だったのは純然たる事実だ。


食料は何も──怪しげな苔や茸を食料とはまだ判断したくは──無い。
眼が見えたなら或いは鼠や虫の類くらいは捕まえられたかも知れないが…。

問題は水だ。
妖力の出ない今、水無しでは然程長くは持つまい。

橋姫の所まで戻れば、橋の下には水が在るだろうが…。
戻りたいとは思えないし、戻ろうとした所で戻れるものでもない。



─────


水を見つける事が出来た。
喉を潤し、水筒も満たした。


だが、今度はその水が問題として立ちはだかっていた。

水が問題と言っても、先程までの様な水不足、または水質の話では無い。

文字通り立ちはだかっているのだ。



最初に足を突っ込んだ時は水溜りかと思った。
次に、最初に思ったよりそれが大きく深い流れの有る川の様な状態、つまり泥水で無く或る程度澄んでいるだろう事が分かり喜んだ。

最後に私の進行方向が完全に水没している事が分かってしまった。


洞穴の天井は段々と狭くなっていき、逆に床面は下がっていく。
2間も進めば水位は私の胸に達するだろう。


何故だ?風を辿って来たというのに…。
答えは割合直ぐに見つかった。
完全に水没しているかに見えた道の天井(壁、というべきか?道が段々と下がっている為、何とも形容し難いのだ)には深い亀裂が走っており、風は其処から吹き込んでいた。


水没箇所の向こうにはまだ道が、それも風の吹いてくる地上への道が続いているかも知れない。
しかしあくまで『かも知れない』で在り、亀裂は途中で水没通路とは別な方へ折れ曲がっており風はそちらから来ていて、水没通路は行き止まりという可能性も有る。

それに風は通れても私が通れる保障は無い。


戻るか?
此処に来るまでにどれ位歩いた?それを今度は食料無し、水だけで引き返して、更に別な道を探し直してもう一度進む?
無理だ。
間に合う訳が無い。途中で野垂れ死ぬのが関の山だろう。



一か八か、水没通路を行くしか有るまい。
降りる事の出来無い賭けだ。




私はピシャリと顔を叩くと、身を切る様な冷たさの地下水へと身を浸していった。



一歩進む毎に水位が上がってくる。

足首





太腿













顎が水に触れた直後、床面が急激に低くなり──深さが急激に増し──最早足は付かなくなった
そのまま少し平泳ぎで進むと、天井の低さは水面から僅かに一尺有るか無いか。

顎を上に向け、息を続けながら進んだが直ぐにそれも出来なくなった。

通路は完全に水没、息を止めて潜って行くしかない。


私は短く浅く早い呼吸を繰り返し肺の中の空気を一旦全て追い出し、それから有りっ丈吸い込むと沈んで行った。


私は天井に片手を当てたまま通路を泳いでいった。

…私の息を止め続けた最長記録は約6分
…泳ぐ事を考えれば4分は持たないだろう

時々壁や天井から岩が飛び出しており、水をかいた拍子に手や足の先を擦ったり、顔を打ったりする。
だが速度を緩める訳にはいかない。

…早く、速く

…向う側へ行かなくては
…『向う側』なんて在るのか?完全に此処は水没しているのでは?


やがて水をかこうと突き出した片手が壁に突き当った。
心臓がビクリと跳ね、鼓動が早まる。

…行き止まりだったか?!

その片手で壁を辿っていく。

…息が苦しくなってきた
…引き返すべきか?!

私の片手は通路が左方へ湾曲しているのを探り当てた

…曲がっていただけか



泳ぎ続ける

…苦しい




泳ぎ続ける

…苦しい
…どくりどくりと自分の心臓が脈打つのが聞え始める












泳ぎ続ける

…苦しい苦しい
…酸欠で頭がガンガンする


















泳ぎ続ける

…空気空気空気
…天井に呼吸の出来る空気の残った空間は無いのか!?





















泳ぎ続ける

…駄目だ
…死ぬ

































もう泳ぎ続けられな…


水を掻こうと突き出した左手が、バシャリと水面を突き破った。

…空気っ!


「がぁ゛あ゛っ!!……ぐっはあ゛ぁ゛!………ひゅ…ふっ……ぁ゛あ゛………」


そこは水没していない通路。

私は賭けに勝ったのだ。




─────


水没箇所を抜けてから更に1、2日
相変わらず風上へ歩き続けていたが、目も希望も見えては居ない。


私が前方に突き出していた左手は何か粘着質の膜の様な物に絡まった。
ピンと張られた細身の紐の様な何か。べとりとした感触。それでいて振り解こうとしても千切れはせず、特に袖にへばり付いて離れない。

巨大な網…蜘蛛の巣だ。
恐らくこれが酒場の男が喋っていた地底の土蜘蛛の巣なのだろう。

私は慌てて剣鉈を引き抜くと袖を切り裂き、後ろに体重をかけて手を粘着質のそれから無理矢理に引き剥した。
そして手が外れた拍子に私は尻餅をついてしまった。


だがそれが幸いした。

尻餅をついた私の頭上──先程まで身体の在った場所──で風切音。


「ありゃ、外れちまったかい。…二重の意味で」

直後に頭上から女の声が、上方へ遠ざかりながら響く。


『何者だ』等と訊くまでも無い。
この巣の主、土蜘蛛に相違無い。
気が付けなかったとは情け無い。



今になってみれば、辺りには死臭が漂っているでは無いか…くそ、何故気が付けなかった?

…死臭の元は全て土蜘蛛の犠牲者だろうか?
蜘蛛は体外消化とやらで、獲物に消化液を注入し『中身』を溶かして吸うという話を聞いた事が在るが、土蜘蛛もそうなのだろうか?
もしそうなら今この死臭を発しているのは、多分吸い残しの『外見』だろう。



「あんたが誰かは知らないが、今腹が減っているのさ。喰われて呉れ給え『地上の妖怪』」

地底の忌わしの妖怪らしからぬ陽気な声だったが、その声の陽気さは最後の一言──『地上の妖怪』には微塵も残って居なかった。
怨念、それに似た感情だが、そんな有触れた形容詞を使うのが憚られる様な背骨に冷や水を流し込むが如き声。



…先程の攻撃は声の響き具合からみて、遥か高みの天井から糸で身体を吊るして振り子の様にして行ったの、か?

以前外の世界に、なんとかじゃんぷという足に目利安紐を付けて高台から飛び降りるという度胸試しだか娯楽だかが在ると聞いたが、その要領と同じだろうか。


ここが奴の巣だとすると、網がさっき引っかかった一つ切りという事は在るまい。
きっと行く手を塞ぐ様に張り巡らして在るだろうし、若しかすれば運良くここまで当らなかっただけで、私の後方にも網が幾つも張られているかも知れない。
私は網に掛からずとも、既に逃げるという選択肢を絡め取られているのだ。


となれば、私の取り得る手は唯一つ。

鬪う、…いや、戰う。

これのみであろう。


一切の土地勘は無く、辺りには絡まれば剥すのが困難な蜘蛛の巣が張り巡らされ、足場は悪い。

そして敵は巣は勿論、足場の悪さも天井にぶら下っているのだから関係無く、ここでの戦い…いや狩に慣れている。

そして私は目が見えず、一週間近くまともな食事を取っておらず、身体は傷だらけ、武器は剣鉈が一本きり。





恙無…っ!


土蜘蛛の巣に迷い込んだ事は本来は最悪の事態と言える、というか言うべきだ。
だが、土蜘蛛は確か風穴の比較的『浅い位置』、『入り口近く』に巣を張るそうだ。
つまり、見えた。

希望が。



目の見えないまま、未知の敵地を一週間彷徨い帰り道が分からなかった経験は無いが、
不利な状況で強力な敵と、最小の武器で、最悪の体調で戦わなければ成らなかった経験は腐る程在る。
何時も通りだ。


私は立ち上がると右手に剣鉈を逆手に──落とさぬ様に柄に付けた革紐に手首を通して──持ったまま、左手は無造作に懐に突っ込んで声のした斜め上方に向き直った。

機会は一度切りだろう。
これも良く在る事だ。



次に奴が降りてきた瞬間、が勝負だ。



「…おやぁ?目を閉じて棒立ちになってどうしたんだい?諦めたかい?絶望したかい?疲れたかい?」

頭上から大声が響く。
良く在る『聞えてくる』を『響く』と置き換えた形容では無く、実際に風穴内で酷く反響し響いている。
そのせいで頭上、という程度にしか声の出所を探れない。


「…どうしたんだい?犬妖怪?何時までもそのままボーっとしてると怖い妖怪に獲って喰われちまうよ?精々抵抗して御覧よ」
声の残響が耳に痛い。


「犬では無い、狼だ」とぼそりと反論したが、恐らく奴に聞えては居まい。


「それともアレかい?目を閉じて心眼とか悟でも開こうってのかい?無理、無駄、無為だ、止めときな!」
土蜘蛛の大声はグワングワンと反響を繰り返し、腹に響く様な大音響と成っている。



…どうやら奴は単純な、獲物を前に御喋りに成る類の間抜けでは無い様だ。
初めからの不自然な大声はこの反響が狙いなのだろう。
何度も何度も声が反響し、響き続けている。



奴は私の目が見え無い事には気が付いていないだろうが、元より『地上の妖怪』なのだから奴より暗闇で目が利かないのは当然の事。
目の見えぬ今の私には関係無いが、恐らく此の辺りには例の光苔も少ないか、或いは無いのだろう。



『目は暗闇が塞いでくれる。
 鼻は死臭が塞いでくれる。

 耳も反響で塞いでやろう』

そういう魂胆なのだろう。

だが…




大反響の中に、僅かに風切り音が混じったのを私の耳が感じ取った。

位置は左後上方から。
振り子の様に攻撃を仕掛ける心積もりであろうか。


一度気が付いた音を補足し続けるのは然程難しくは無い。
…風切り音が近づいてくる。

この速度なら…


後3秒


後2秒




後…



臭い?



風切り音が近づいて来ると、今度は私の鼻が感じ取った。

死臭を。


振り子の様に、ではなくこの風切り音は本当に振り子だったのだ。
恐らくその振り子の錘は死体。




なら本当の土蜘蛛は今…っ




「御馬鹿さん!」

不意に予想外の位置──顔の直ぐ横──から土蜘蛛の声がかかり

同時に私の頸に糸がかかり


ぎしり


次の瞬間私の脚は地面を離れた。

内臓を下に残して来てしまったのではないか、と思うほどの速度で私の身体は吊り上げられていったのだ。


右手の剣鉈を離し、何とか頸と糸の間に指を捻じ込み気道と動脈を確保する。
だが、それはつまり指先で全体重を支える様な物であり…
力が抜けて来れば必然直ぐにまた頸が絞まり始めよう。



「さようなら『地上の妖怪』」
土蜘蛛の声が先程と同じ様に顔の直ぐ傍から聞える。
どうやら私の頸を絞めている糸は土蜘蛛が手で持っているらしい。


そんな事を考える内に、段々と右指に疲労が溜まり頸が絞まって来た…

今はもう上昇は止まっていたが、あの速度だったのだから今は下手な大木より高い位の高さの筈……意識が落ちなくとも、物理的に落ちても死んでしまうだろう。




くっ…


意識が遠の…い……





頃合か。

私は左手を懐から高速で引き抜き、持っていた物を






ばしり

「おっと危ない」
土蜘蛛に叩かれ、持っていたそれは虚空に落下していった。



「何か切り札でも持ってたかい?残念でし…たっ、と」


糸の頸を絞める力が一段と強まり、プツリと細い糸が私の頸の皮に食い込み血が垂れる。


私は掠れた声で土蜘蛛に話しかけた。


「さ…ぅ……ら…」



「あ?」



「さ゛…よぅ、な゛……ら…っ」




直後に破裂音


「ぎぃ…ぁ……っ!!」
更にその直後に土蜘蛛の悲鳴が続き、頸を絞める力が弱まった。


破裂音の正体は勿論先程叩き落された物だが、それはただ一発持っていた連絡用の照明弾である。
既にピンを抜き、安全把を握っているだけだったそれは落とされても何も関係が無い。
しばし顔を伏せて晴れた空を見上げれば開いた瞳孔は痛む。


地底に長い永い間暮らし続けた眼には、晴れ空よりずっと強力な照明弾の閃光はさぞ強烈な事だろう。

私はその一瞬の隙を狙い、空いた左手を糸と頸の隙間に捻じ込むと脚で勢いをつけ、その手で身体を逆さに振り上げ土蜘蛛に脚で抱きつく形になった。


「さようならだっ『地底の妖怪』!」
私は右手に革紐でぶら下っていた剣鉈を握り直すと、それを振り被る。

「くぉ…っ!」
土蜘蛛が閃光の痛みに悶えながらも、剣鉈を防ごうと肩を竦めて両腕を自身の頸に巻き付ける様にして守りを固めるのが分かった。
成る程、頸以外ならこの程度の何の呪術も施されぬ刃物で即死する筈は無いと踏んでの事だろう。
そして、即死さえしなければ何か『次の一手』で私を殺せると踏んでの事だろう。

甘い。


この剣鉈での一撃の下に、両腕の皮膚を切り、筋繊維を絶ち、骨を砕き、その上頸まで叩き落とすというのは確かに不可能と言えよう。

だが、関係無い。
私は剣鉈を振り下ろした。


頸にではなく、土蜘蛛と私をこの地底の大空洞の天井に吊るしている糸に、である。
ぶつり、という音がすると同時に私と土蜘蛛は落下し始めた。


「貴様…っ!」
予想外の行動に土蜘蛛が正気を疑う声を上げるが、私は気にせず二撃目を土蜘蛛に浴びせる。
ずぶりと私の刃が土蜘蛛の頸に巻きついた両腕を貫く。
私は落下しつつ、両腕を封じられ抵抗の出来ない土蜘蛛の頸に左手を捻り込み下方に回し…



ぐしゃり

長かった様でその実、3秒と無かったろう落下は終了……地面に叩き付けられた。

私の下敷きとなり、岩肌に叩き付けられた土蜘蛛の頭部は砕け、手足は捩れ、腹は裂けていた。
土蜘蛛を緩衝材としたものの、当然私も無傷とはいかず落下の衝撃で弾き飛ばされ左腕が圧し折れてしまっていたが…。




私は五感の内、視覚、聴覚、臭覚の三つまでをほぼ塞がれていた。
だから、残り二つの内の一つ、触覚。
これに頼らざるを得なかった。

最初に首を吊られた時からそれが狙い、零距離、接触。

一度組み付けば、腕力でなら負けぬ自信がある。
問題はただ、見えぬが故に触れられぬという事だけだった。


それに、もとより剣鉈一本で土蜘蛛を仕留められるとは思っていなかった。
だから、大人しく吊られ…落とした。

『地底』等という環境自体と戦う事と比べれば、この手の戦闘は私にとっては余程日常に近いものである。



私はよろりと立ち上がると、倒れている土蜘蛛に歩み寄り、腕から剣鉈をずるりと引き抜き、そのまま行く手を阻んでいた巣を切り裂いた。
十分通れる程度に切り開くと、私は土蜘蛛の血糊と粘着質な糸を袴で拭い鞘に納める。

そこらに落ちていた大体骨らしき白骨を拾うと、同じく落ちていた白骨体の着ていた襤褸の着物を引き裂いて包帯にする。
骨を添え木にして左腕を固定して首から吊るすと私は風上へ再び歩き始めた。




…あっさり刃が抜けたという事は、まだ土蜘蛛は死んでいなかったのだろうか?
…まぁ良い、死なずともあれ位やっておけば追って来る事は出来まい。


────


…地上だ。

見えずとも感じる。
私はとうとう生還したのだ。


気が抜けたか、私はその場に倒れこんで──懐かしい草と土の感触──しまった。



────


「うっ…」

目が覚めた…という事は今まで目が覚めていない──つまり睡眠か気絶──していた事になる。

…ここは?

背には柔らかい感触、身体の上も同様に柔らかく布団に寝かせられているようだ。


ぼやける目を細めたり開いたりしながら辺りを見回す。

障子、行灯、漆喰壁、格子天井…

…良かった。本当に戻って来れたのだ。



「起きたか」

不意に声を掛けられ目線を声のした方向、枕元に移すと木ノ葉天狗(格好からして医師だろうか?)が胡坐をかいていた。

「あの…ここは……」

「案ずるな。療養所じゃ。休め」
木ノ葉天狗の話し方は端的でぞんざいだったが、声自体はこちらを気遣って呉れている様に感じられる。

「私はどれ位の…間?」

「長い間寝ておった。巫女の術を解くのにも手間取って回復に時間がかかったのじゃろう」

「どれ程?」

「今は冬の終わり頃じゃ」

「…冬の」
一瞬言葉に詰まる。

「然様。御主が倒れておるのを里の者が見つけてから色々と情勢も動いた」
彼の声は苦々し気である。


「動いた、とは?」


「先ず山の上に来た風神、奴等と和解した。信仰する代わりに、色々と恩恵を得る」


「…っ。御山に割り込んだ奴等と和解…?」

「そうだ。本来は『奴等』などと言うのも憚られるが…わしは気に喰わん。鬼が治めた古来この山は…いや、言うまい。兎に角そうなったのだ」


「…。色々と仰られるからには、他にも何か?」

「…地底の封印が無うなった……」


ぐらりと視界が歪む。

「莫迦な!?なっ…何故そんな…」


「地底から間欠泉に乗り怨霊が噴出したのを切欠に巫女が調査をしてな。今までの様に地底に封じ込め見ぬ振りをするのはかえって危険と八雲が判断したらしい」


「では……まさか…地底、の妖怪が……」

「…ちらほらと出て来ておる」



最悪。
橋姫はまだしも、私は完全に土蜘蛛は敵に回している。

まさか、こんな事にっ

殺しておけば良かった。
止めをさせば良かった。


確か土蜘蛛は病を操るというでは無いか。

地底での時は食する為であり、下手に患わせては肉が不味くなるとの判断で使わなかったのだろう。
或いは単純に即効性を持たぬのだろうか?


何れにせよ、奴が復讐する気に成れば一体私に何が出来よう?
一人二人が病で死んだとて、証拠に成らぬ。

何の咎めも無く奴は殺せる…。



「出てきた妖怪の中に…土ぐ……ケホッ…ゴホッ……」


果たして私のこの咳はただの偶然のものだろうか?
少し、咽ただけかただの風邪であって欲しいと願うが…


「地底から出てきた中にはな…」
「…。勝手に他人を主人公にめちゃくちゃな…」

「これで私の話は終わりです」
烏天狗はそういうとズラリと並んだ蝋燭の一本を吹き消した。

「射命丸サン、今のホラーですか?」

「怖くなかったですか?」

「…どの辺が?」

「物語の主題が曖昧で、最後油断したあたりで感染の可能性が出てくる辺りとか?」

「何で疑問系なんですか。…それってただ話が下手でグダッて足掻いた、ってだけじゃないんですかね?」

「な、何を言いますか椛!あなたは明日も今日と同じに生きれると思っている時に突然浮上する病気の可能性の恐怖を知らないから…」


なんだこの茶番。

━━━━
えぇと、何を書きましょうか。
お久しぶりです、と言うのも何せ投稿数がアレで間も空きすぎなものでアレで御座います。
作品集14で椛を風神録の陰謀物崩れで針山にした作者と言えば思い出して…頂ける自信が御座いません、はい…。

正直、書いていて何処が嫌だって、水没した洞窟でした。
閉所水没窒息ネタだけでホラー書いたほうがよかったんじゃ…って気もしないでも…

言い訳がましいですね。お後がよろしいようで…。


■コメント、誠に有難う御座います 2010/08/25
>>1様
ランボーは勿論大好きですよ!それも1作目が特に。
傷縫ったり焼いたりもその内やりたいですね作中で。
何せ幽霊も妖怪も普通に居るので、所謂心霊現象じゃ誰も怖くないかなぁなんて思った結果こんなサバイバル物崩れに(笑)

>>2様
タイトルのPneumonic Plagueってのは肺ペストの事でして、ヨーロッパの3割が死んだペストの中でも、それの致死率は特に…
茶番で良かったな椛!

>>上海専用便器様
不仲と言ってもガチ不仲でなく、ルパンと銭型、ポルコとカーチス、ムゲンとジン的なあやもみだと個人的に好みです。
怖さの欠片でも御伝え出来たなら大変喜ばしく思います。

>>穀潰し様
当初は只管パルスィに地底を追い回されるパルミネーター案も在ったのですが、襲うなら土蜘蛛が「らしい」かな、なんて思いまして。
少しでも格好付いてれば幸いです。

>>5様
求聞とか読むと妖怪は皆基本的にトンでもなくタフで、又土蜘蛛も結構強力な妖怪なので頭砕けた程度は問題無い!……筈。
そうそう、ゆ〜〜っくりジワリと優雅に、ですよねこういう場合の御約束は(笑)

>>6様
目が見えないキャラが異様に出来ちゃうのは聖闘士星矢のドラゴンとかの頃から…いえ、それ以前からのお約束ですw

>>うらんふ様
残念ながらウィザードリィシリーズは存じないのですが、オブリビオンのある水没MAPを
アルゴニアンという爬虫類種族使ってたお陰で楽にクリア出来た事がありまして、他種族だったらと考えると…
文を読んで怖いと感じるのは、自分がもし「そう」だったら、と思い浮かべた結果じゃないかなぁなんて思い、
誰でも一度は経験の在りそうな「水場で窒息しかける」と「病気」を恐怖ポイントに、派手なシーンを混ぜて作ってみました。

>>機玉様
椛を書くとどうも一人称が「私」になってしまい、そうするとどうもクールキャラになってしまい、そうするとこうなってしまってw
折角目が見えない設定にしたのだから、もっとそれを生かせれば良かった気がしないでも無いですけれども。
切羽詰った感を感じて頂けましたなら正に恐悦至極、です。
産廃的には少し甘い気もしましたが…基本的にグロ、エグイ経過は好きでも、終わりはハッピーエンドが私は好きなのでこういう後書にw

又、此度は面白い企画を有難う御座いました!
久しぶりに書く切欠と成りまして、とても楽しめました。

■2010/08/27
ギャー、今読み直したら書き出しの目が見えない、という描写が奇妙奇天烈な文章になっていましたので直しました!
あぁ恥ずかしい…っ。あそこ読んだだけで「これは駄作だな」と見切りつけてブラウザバックした人も居たんじゃ無いかと思う位の…。
多分、というか確実に5,6回書き直したせいで、同じ様な事を繰り返し書いてしまったのだと思います。次から気をつけよう!


>>灰々様
書くに当って、休日に数時間目隠しをしたまま過してみましたが怖いですね。
家から出なかったので怖いのは箪笥の角と、テーブルの上のコップを叩き落さないかくらいでしたが、これが外だったらと思うと…。
サバイバルホラー、を名乗ったのはバイオハザードが最初でしたっけ。B級ホラーとか大好きですので、こんな感じの物が出来ました。
ヤマメはあぁ見えて、伊達に地底に封じられてる訳じゃないと思いますよ。
七九〇年の京畿、『男女、三十以下の者病に臥す者多し亦死すものも多し』というのも実はヤマメの仕業だったのでは?なんて妄想してみたり。
正直に言って、下手な怪談より病気とかの特集番組って怖いですよね。
もみじもみもみ。
山蜥蜴
作品情報
作品集:
20
投稿日時:
2010/08/21 18:34:33
更新日時:
2010/08/27 14:24:06
分類
産廃百物語
地底
犬走椛
水橋パルスィ
黒谷ヤマメ
病女
1. 名無し ■2010/08/22 04:08:41
山蜥蜴さんが書かれる椛はランボーですか!?それも1作目の。
幻想郷だと、ホラーより現実的な恐怖のほうが受けるみたいですね。
2. 名無し ■2010/08/22 04:43:15
茶番でよかった、マジ良かった
そう当事者からは思えるタイプの現実的な怖さだな、こりゃw
3. 上海専用便器 ■2010/08/22 07:07:13
これはいい、あやもみ
怖さも、文章からちゃんと伝わってきました
4. 穀潰し ■2010/08/22 22:59:16
『正体不明の恐怖』ではなく、ちゃんとした『襲われる恐怖』を感じられました。
もみじ格好いいよもみじ。
5. 名無し ■2010/08/23 04:43:30
頭が砕けても死なないの、とか喰われざるを得ない
病に倒れて動けない所をゆ〜っくり優雅に頂かれましょう
6. 名無し ■2010/08/23 19:52:11
目が見えないでよくここまで出来るなw
7. うらんふ ■2010/08/23 22:20:34
ウィザードリィ5で「潜水」の能力が必須だったなぁ・・・
確かアヒルの足があれば大丈夫だったかなぁ・・・と思いだしました
リアルに思い浮かべることの出来る恐怖って、怖いですよね・・・
8. 機玉 ■2010/08/24 23:05:17
椛がカッコイイ……!まるでバットマンだぜ。
全体を通して漂っている張り詰めた空気が素晴らしかったです。
後書きに辿り着いた瞬間正直ホッとしましたw
9. 灰々 ■2010/08/27 03:16:27
目が見えないってのは健常者からすると想像もつかないほど怖いですね。
サバイバルな感じのホラーと椛のかっこよさ、文章上手くておもしろかったです。
ヤマメは執念深そう……
特命リサーチ200Xとか見たあと、自分が特集していた病気にかかったらどうしようとビクビクしていた時期が俺にもありました。
そして、茶番でよかったね。椛。
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