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『まぐれあたり』 作者: kurusu

まぐれあたり

作品集: 20 投稿日時: 2010/09/04 18:17:03 更新日時: 2010/09/05 03:17:03
「必要なくなったのよ、アレ」
幻想郷の管理者が嘆く、とても残念だと。
「そして必要なのよ、貴方が」
嘆いた少女は笑みを見せる、とても便利だ愉快愉快と。


二日前

博麗霊夢は巫女としての使命を終えた。
正確に言えば、余儀なく中断された。

理由は一つ、巫女としての資格。
原因は二つ、死亡と裏切り。




それは雨の日、博麗霊夢は不運にも事故死する。
空から降ってきた罰に当たって。


あぁ不運。
「可哀そう」
でも罰なのだから。


その次の日、またも雨天。
死体となった霊夢は消える。

原因は幾つでも予想できた。
食われた、灰になった、  その他は略する。


「それが幻想郷ですわ」




















「た、頼む!誰か…誰かコイツを…!」
声が聞こえる。





「そんな…永琳!お前なら何とかしてくれると思ってたのに!」
壁から撥ね返るような言葉、何度も「助けてやってくれ、霊夢を」繰り返す。




「…くそっ、まだ行ってないのは…白玉楼か!」
「死体が腐らないうちに…早く生き返らせないと!」



「………」


「無駄か…」
行けるとこまで行った、やれることまでやった。


「…誰も…相談に乗ってくれないなんて…
一人も悲しんでくれないなんて………なぁ」
冷たいよな、霊夢。


「…おお、悪い…お前も私もずぶ濡れだったな…」

せめて、顔だけはハンカチで拭かせてくれ、
私だけは悲しませてくれ。

体温に似た雫が滴る。
不快だ、と叩く手も動かず皮肉を生みだす口も動かず。
相も変わらず存在するのは肉体だけで、
彼女は半分居なくて。





「ほら…帰ってきたぜ」
他に行く場所が無くなった彼女は神社に戻ってくる。
『無くなった』のか、『元より無いのか』
それはわからない。

本当に信仰に乏しい神社だが、それでも家なのだ。
階段を一つ、二つ、三つ、登れば草木が見えてくる。
四つ、五つ、六つで看板が、
七つ、八つで………


「待っていましたわ、二人とも」

八つで八雲紫。

「紫………?」

なぜアイツが今更現れた…?
疑問は不安へ、不安は焦燥感へと変わる。




「紫、何の用『始末をつけに来ました』





始末?
何だよコイツ、コイツ何だよ。


「…魔理沙、霊夢は可愛かったわね」


「………」
紫の言葉を聞くたびにおぞましさが増す。
溢れだしそうなバケツの水にギリギリのスプーン一杯の水を入れるかのように。



「いや…可愛いじゃないかも」

「最高の親友だった」

「最高の親友だったのに」

「最高の親友だったからこそ」



「私の手で殺した」


紫は微笑し、自らの過ちを罰するかのように傘で地面をトントン叩き始める。




「………なんで…殺したんだ?」
答えを聞いたら、もう私は溢れだしてしまうだろう。
色んな感情が混ざって視覚がおかしくなってくる。
ここの神社は灰色だったか。





「わからない、とても苦しいの…」

「胸が締め付けられるようで、苦しくて…」

ああ、
自問自答。
答えがようやく出てきた。

「愛?」



「…ふざけるなよ………紫!!」
懐からミニ八卦炉を取り出そうとするも、

既に下半身は無く上半身は隙間と繋がっている



「本気よ、愛に血迷ったの」



「…おま……えッ……!!」
どたり、半分となった体は地面に叩きつけられる
溢れた血は雨と共に流れ草木に染み込み
虚しい残骸の色の比率は赤が濃くなり、
白黒の魔術師は赤黒の死体へと成り果てた

八雲紫は姿を消し、
静かな神社には雨の音が響く
死人に口なし、例外があるとすれば幽霊
魂は導かれるか、散るか

この出来事に関わった全てが紫の仕業であれば───




───おそらく、肉体も魂も朽ち果てるであろう───









時は今に遡る






「…話した通りよ、次は貴方が必要なの」
拘束された人物はただただ戯言を聞くしか無かった
何処からか隙間で連れさらった人間であろうか、

「…貴方もない?」
「傍に居ると自分が幸せになれる素敵な人を時々殺したくなる時…ない?」

「とても感情的になれる、ああ、悲劇の紫…霊夢…魔理沙…
どうして彼女達は無惨な結末になってしまったのでしょう」

だから
「貴方には期待してるわよ?
次の『巫女』さん」

拘束を外し、次の巫女を神社へと隙間で投げ込む
幻想郷がどうなるかはわからない、
滅びるもよし、存在し続けるもよし
どうせ私は居ないもの

「愚者の末路は残酷な結末と決まっている」

傘を自らの心臓に突き刺し、貫通させる。

「退屈はしなかった」




傘が開かれ愚者の肉片は砕け散った。
久しぶりに投稿してみました。
星ちゃんの拷問書くつもりだったのにいつの間にか違うの書いてた。
ゆかりんは扱いずらいね!
kurusu
作品情報
作品集:
20
投稿日時:
2010/09/04 18:17:03
更新日時:
2010/09/05 03:17:03
分類
1. NutsIn先任曹長 ■2010/09/05 06:55:02
中立でなければならない博麗の巫女が普通の魔法使いと恋に落ちたために、
二人は幻想郷の管理人に粛清されたのか。
しかし、中立でなければならない管理人もまた、巫女に恋をしていたため、
或いは、愛する人を殺めてしまった為に世を儚んで、
最後の義務を果たした後に自らを罰したといったところですかね。

ゆかりん抜きだと、これからの幻想郷を守る戦いは、
遊び抜きで残機もコンティニューも無しになることは明白です。
2. 上海専用便器 ■2010/09/05 11:40:17
何このゆかりんかわいい
肉片になっても、愛おしく感じる
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