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『みんなが魔理沙に求ているもの』 作者: リング

みんなが魔理沙に求ているもの

作品集: 22 投稿日時: 2010/11/27 07:17:30 更新日時: 2010/11/27 16:17:30
「よお霊夢」

いつも通り寂れた博霊神社。
そこにあちこち擦り傷のついた魔理沙が訪れた。

「聞いてくれよ霊夢。今日はアリスとパチュリーに二対一で勝ってきたぜ」

「そう……」

そっけない返事の霊夢に魔理沙は新しい弾幕や勝ちの決め手となった作戦の話を自慢げに始めた。
霊夢はその話をお茶をすすりながらつまらなそうに聞いていた。



話も終わり、ふと魔理沙が呟いた。

「なあ霊夢…。そろそろ本気で戦ってくれないか?」

「ダメよ」

真剣な顔で言う魔理沙に霊夢は冷たく言い放った。

「なんでだよ!わたしだってずいぶん強くなった。妖怪にだって勝てる奴はそうはいない!」

魔理沙の言うことは間違っていない。
異変のたびに成長し続けてきた彼女は幻想郷では知らぬものはいない弾幕使いとなっていた。

「弾幕ごっこではの話でしょう?でもあなたは弾幕ごっこではなく本気で戦おうとしている。弾幕ごっこでいいじゃない」
 
「いやだ!」

いつもならここで弾幕ごっこが始まるのだが魔理沙は引かなかった。

「わたしは強くなったんだ。神さま相手だって引けをとらないぜ。それに…弾幕ごっこじゃない本気の霊夢の力を見てみたいんだ」

霊夢は深いため息をつき、とある言葉を魔理沙に教えた。

「********」

「なんだ霊夢?、いきなり恐ろしいこと言いやがって」

「いいから…紅魔館の門番と戦うときに言ってみなさい。わたしと戦うのはそのあとね」







――――――――――――――――――――――――――――







翌日、魔理沙は紅魔館の門前に来ていた。

準備は万全、魔力は十分。実のところ魔理沙はあの言葉の意味は大体分かっていた。

どうせ弾幕ごっこじゃなくて本気で戦える合言葉だろう。

弾幕ごっこは力なの無い者が理不尽に殺されないようにするためのルール。

そう魔理沙は考えていた。

「本気の美鈴をあっさりぶっ飛ばして、おろおろする霊夢が目に浮かぶぜ」






「おーっす門番」

門の前でシエスタをしている美鈴を起こしてやる。

「はっ魔理沙さん!また紅魔館に侵入するつもりですか。それはなりません!どうしてもというならこの紅美鈴を倒してから…」

「寝てたくせによく言うぜ」

と悪態をつきながら魔理沙は言った。

「今回はお前に用があって来たんだ。わたしと勝負してくれ」

「いいでしょう。この紅美鈴、紅魔館の門番として恥じない弾幕をお見せしましょう」

いつもならここで始まる弾幕ごっこ。しかし今回は違った。

アチョーと気合を入れている美鈴に向かい魔理沙は霊夢に言われた言葉を門番に放った。



「なあ美鈴、********ぜ」



美鈴はスッっと構えを解き聞き返した。


「いいんですか?」


魔理沙は違和感を感じた。いつも陽気な美鈴から聞いたことも無いような冷たい声。
目の前にいるのは美鈴の筈なのに別人のような恐ろしい気配を感じる。
いきなり辺りの温度が下がったような、金縛りのような、そんな嫌な感覚がした。

「ほ、本気だぜ!だけど勝つのはわたしだからな!!」

少し物怖じしながらもなんとか答える魔理沙。


「そうですか。では……ぶち殺して差し上げますよぉ!!!」


魔理沙に向かって有り得ない速度で跳躍する。当然、魔理沙は目で追いきれずとっさに右に回避した。

ひぃっ!と無様な声を上げて転がる魔理沙。何が起こったかも分からない。
さっきまで自分がいた位置には恐ろしい形相の美鈴が立っていた。

「次は右腕ですね」

何を言っているのか分からず魔理沙は自分の腕を見た。

左腕がまるで粘土細工のように捻じれている。それと同時に強烈な痛みがやってきた。

「いだい!いだい!いだいいぃぃっ!!」

悲鳴を上げながら転げまわる。そこへ美鈴が静かに歩み寄る。

「ひぃ…!?まて、まってくれ!!腕が折れてしまったようだ!!わたしの負けだぁ!!!」

痛みに耐えながら必死に魔理沙は叫ぶ。もう無理だ。負けたんだ。早く帰って手当てをしないと。
混乱しながらも次は負けないと思いながらストップをかける魔理沙。


「まて?負け?何を言ってるんですかあなたは。本気での勝負は相手がゴミクズのようになるまで痛めつける。それが裏ルールでしょう?それとも裏ルールも知らない人間風情が本気の妖怪に勝てると勘違いして挑んだのか!?」


今度は右腕を狙い蹴り上げる。

「ぐがあぁああ!!!!!」

10メートル以上吹っ飛ばされて転がる魔理沙。右腕は間接と逆方向に折れ曲がっていた。

「ごふっ!げぇええええ!!!!」

内臓にもダメージが及んだのか吐瀉物を撒き散らし呻く。

このままでは殺される。もう魔理沙の頭の中は恐怖で埋まっていた。


美鈴は魔理沙の折れた右腕を掴み体を宙に持ち上げる。

「ぎえぇええ!!もうやめでぇ!わだじは妖怪のよう゛な再生能力は゛ないんだ!死んでじまう!!」

「博霊の巫女は紅霧異変のとき戦った全ての相手に********と言っていましたよ」

宙吊りにした魔理沙の全身に打撃を与えながら、美鈴は聞こえているか分からない魔理沙に語る。

「私を含め妖怪は博霊の巫女を殺すつもりで本気で戦いました。あなたは図書館で弾幕ごっこをして遊んでいましたけどね」

「げはっ!ぐぼぁ!!やめでぐでっ!」

「結果は知っての通りです。レミリア様の翼を引き千切りながら笑う巫女に我々は恐怖したものです」

「ぐびゅっ!げぼばぁああ!!けへっけけ…」


ぴくぴくと痙攣しだした魔理沙を地面に落とす美鈴。

地面に横たわる魔理沙の股間からショロショロと水音が聞こえる。どうやら意識を失って失禁しているようだ。




ふいに、魔理沙の体が地面にずぶずぶと沈んでいく。

「真剣勝負の途中ごめんくださぁーい。悪いけどこの子貰っていくわね」

紫がスキマから体を半分出しながら腰をフリフリしている。

「待っていましたよ。早く永遠亭に連れて行ってあげてください」

「あら優しいのね。本気での勝負なんだから人間なんて殺しても構わなかったのよ」

いつもの穏やかな顔に戻っている美鈴はポリポリと頭を掻いた。

「もともと殺すつもりはありませんでした。魔理沙さんは紅魔館に遊びに来てくれる貴重な客人ですし。それに……」

「パチュリー・ノーレッジに頼まれたのでしょう?死なないように痛めつけ妖怪の強さと恐怖、そして人間の脆弱さを心に刻み込む」

「さすが妖怪の賢者ですね。全てお見通しですか」

「貴方の性格なら人間に本気の勝負を挑まれても。傷つけるより別の方法で力を見せつけ追い返すでしょう。ふふふ…お優しいこと」

そう言いながらスキマの中に消えていく。



他に誰もいなくなった門の前で美鈴は一人呟いた。

「でも私の本心は……」






――――――――――――――――――――――――――――







魔理沙が去ってすぐ後の博霊神社では相変わらず霊夢はお茶を飲んでいた。

「なによ?」

「あら気づいてたの?」

霊夢の背後にスキマが出現し八雲紫が顔を覗かせる。

「裏ルールを魔理沙に教えるなんて霊夢は酷いわねえ。門番以外に言ってしまったら十中八九殺されるわよ」

「………」

「パチュリーに頼まれた?」

「それもあるわね」

「アリスに頼まれた?」

「それもあるわね」

「妖怪になったつよーい魔理沙と戦いたい?」

これまで反応の薄かった霊夢の口元が緩んだ。
紫はやれやれと思いながらも納得した。まったく幻想郷はバトルマニアが多くて困る。

「というわけで魔理沙の事はよろしく」

「えー」





――――――――――――――――――――――――――――






永遠亭に運ばれた魔理沙はお見舞いに来た妖怪に終始怯えていたが、今まで通り接するみんなに次第に心を許すようになっていった。

怪我も見た目よりも酷くなく三ヶ月でほぼ完治するそうだ。



ある日、魔理沙はベッドの上で魔法の研究を始めるようになった。

〔捨食の法、捨虫の法〕

そう、魔理沙は人間をやめ、種族として魔法使いになることにしたのだ。
今の魔理沙の心には妖怪の強さへの憧れと、人間の弱さへの恐怖があった。


それを聞いたアリスとパチュリーは魔理沙の研究を熱心に手伝った。
そして偶然にも退院の日に研究は完成しついに魔理沙は妖怪の魔法使いになった。



そして退院の日、霊夢がやってきた。ずっと研究を手伝ってくれていたアリスにパチュリーの姿もあった。


「おめでとう魔理沙!ついに妖怪になったのね」

「むきゅー!、退院もおめでとう」

アリスとパチュリーが祝福を送ってくれる。

「怪我はもういいのかしら?」

怪我を心配する霊夢に魔理沙は自慢げに答える。

「なんたって種族が魔法使いになったからな。怪我した直後だろうと妖怪の治癒能力であっという間に再生だぜ」

もともと健康な魔理沙は妖怪になったことで肉体も強化された。これなら本気の美鈴の動きにもついていけるだろう。
なにより人間の頃とは比べ物にならない溢れるような魔力がある。魔理沙は心の底から思った。

「妖怪になってよかった」と。







「じゃあ、魔理沙」


「さっそくだけど」


「言いたいことがあるの」


3人が声を揃えて同じ事を言う。


「ん、なんだ?」












「「「殺し合いをしよう」」」
初投稿です。感想とか書いてくれると嬉しいです

妖怪も巫女も実は血みどろの戦いが大好き
と考えてみました


幻想郷の秩序を守る博霊の巫女
反則的な能力を持つ瀟洒な殺人鬼
二柱の神の加護を受ける現人神
と超人が揃う中にポツンと普通の魔法使い

ジェロニモだって超人になれたんだ
きっと魔理沙だって
リング
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/11/27 07:17:30
更新日時:
2010/11/27 16:17:30
分類
魔理沙
微グロ
1. 名無し ■2010/11/27 16:44:32
発想力の高さ

ジェロニモってなんだっけ?
2. 名無し ■2010/11/27 17:03:08
あー、いいわ、これ
魔理沙は人間のくせに調子乗りすぎだからね
もっと凹られるべき
ついでに言えばゆうかりんに言いに行くべきだった

※1
ジェロニモ:漫画ドラえもんの主人公の友人兼ガキ大将の別称
3. 名無し ■2010/11/27 17:08:16
てっきり皆でよってたかって魔理沙をズタボロにしたいだけかと思っていたが、なるほど、そういうわけか
ほんと幻想郷はバトルマニアだらけだぜ

>1
湯でで卵な人が書いている漫画のキャラ
人間から超人に進化したけどあんま進化後は活躍できなかった人
4. kyoune ■2010/11/27 17:42:34
魔理沙は本当に努力家だなぁ。種族を変えてまで強くなりたいと思ったのか。
それだけ美鈴に、完膚なきまでに潰されたのが悔しかったのかな。
いづれにせよ、調子に乗ってた奴がボロクソにやられるのは見てて胸がスカッとする。
5. 名無し ■2010/11/27 18:25:21
魔理沙には妖怪になっても大して強くない妖怪になって欲しいわ。
寿命も長いし、強靭な体だから中々死ねないけど真剣勝負には全然勝てないで絶望する魔理沙が見たい。
6. 名無し ■2010/11/27 19:23:57
アドレナリン中毒者どもめ
まあそれもええことよ
7. NutsIn先任曹長 ■2010/11/27 19:44:04
おめでとう!!魔理沙!!
これで、『普通の魔法使い』を卒業だね!!





新たなバトル・ジャンキーの誕生であった。
8. スリップスカル ■2010/11/27 20:35:33
美鈴手加減せずに本気で殺せよw 喧嘩ふっかけて負ける魔理沙が悪いのだからwww

でも指示が無かったら絶対殺してたな 続きが気になる

1>
ネイティブアメリカンで髪が長ロン毛でウラララララ!が口癖のレスラーだよ
9. 名無し ■2010/11/27 23:12:11
これはもうちょっといじめてあげるべき。
10. 名無し ■2010/11/27 23:24:29
4分後、そこには三途の川に蹴り落とされる魔理沙の姿が!
「もう軽い気持ちで妖怪になったりしないよ」
11. 名無し ■2010/11/28 03:28:17
このまりさは殺し合いの日々で心折れなさそうだ
12. 名無し ■2010/11/28 12:06:55
こんな幻想郷もいいな
13. リング ■2010/11/28 20:56:02
コメントありがとうございます
やはりいじめ表現が薄かった感じがしますね

ごめんね魔理沙
14. 名無し ■2010/11/30 18:26:37
博霊
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