静かな個室 〜排泄主義者と妖怪さとり〜

作品集: 22 投稿日時: 2010/11/28 20:55:04 更新日時: 2010/11/28 20:55:04
※この作品は東方Projectの二次創作作品です。
※この作品にはアダルト描写、スカトロ描写があります。
※この作品にはキャラ崩壊が含まれております。
※この作品はオリジナルキャラクターが主人公(?)です。
※この作品は


排泄主義者かく語りき
ワーハクタクの主張
便器の中の早苗
水橋パルスィの悩み
排泄主義者ニ鬼と会いする
天狗と河童と排泄主義者。そして鬼との別れ
排泄主義者、地霊殿に堕つ
再開。排泄主義者と小さな百鬼夜行


の続編となっております。


以上を了承された方のみ、お進み下さい。











◆◆◆



最初からこうなることを予感していたのかもしれない。
あるいは望んでいたのかもしれない。






男が萃香に告白し、
萃香がそれを恥ずかしくも嬉しく受諾し、
勇儀が祝杯にと秘蔵の清酒を疲れと安心感からぶっ倒れた男に飲ませようとし、
それを萃香がやめろばかこいつは病人だぞと力ずくで止めようとし、
図らずとも山の四天王二人による夢のチャンピオンマッチが展開し、
それに男が巻き込まれてその生命活動を停止しようとし、
そのやかましくも桁外れに強い酔っ払い鬼二人と一人の内通者によってさとり以下二名が拉致され拘束されけじめという名の責め苦を与えられ始めてから三日経った。
さとりは勇儀の家の地下、秘蔵の酒蔵の中にいた。
椅子の肘掛けに両手両足を縛られ、股を観音開きにした格好で拘束されていた。


「ふっ……うぅ……!!」


なけなしの力を振り絞って身をよじる。しかし発情期の猛牛すら繋ぎ止める厚い革紐はびくともしなかった。床にナットで止められた椅子の足は灼熱地獄が大噴火を起こすか、月が地球に衝突でもしない限り動くことは無い。
革紐で全身をくまなく包まれるのは巨大な蓑の中にでも閉じ込められたような気分だった。
頑強でありながらも柔らかな肌触りの革紐は汗と火照った肌の熱を吸い込み、信じられないほど熱くなっている。
三日分の垢と体液が肌と革の間でこすれて、気が狂いかねない痒みと切なさがさとりの全身を支配していた。骨折してギブスをしたときなんかとは比べ物にならない。百万匹の蚊に襲われ、血を吸われ、毒液を注入されているのではないかと本当に疑ってしまう。


「うっうっ……んっ……ごっ! げっげぅ!!」


少しでも刺激が欲しくて息を吸い込む。
何度も飲んでは吐き戻したせいでヘドロのごとく粘着質に変化した唾液がじゅるじゅると喉奥を這い回る。
ガラガラに乾いた喉が酷く痛む。当然の如く咳き込んだ。
唾液の半分は鼻腔に昇ったがクリップによって留められた鼻からは「ぶぴっぴっ」と絞るような音と黄色い粘液の鼻ちょうちんがわずかに漏れ出ただけだった。
残り半分は再び口へと戻ったがボールギャグによって蓋をされた状態では満足に吐き出すことも出来ず、ギャグの穴から豚のような嗚咽と共にわずかな白濁液を出せたのみだ。
そこにさとりが望んだ快感に似たものは一切なく、ただ血を滲ませるような痛みだけがある。
子犬がすすり泣くような声が漏れた。
今のさとりは酒蔵にいながら砂漠でさまよう遭難者と一緒だった。
コップ一杯の水をくれるというなら、どんな願いでも聞いてしまいそうだった。
誰が悪い誰が正しいなど痛みと欲求の前ではあっさりと捻じ曲がる。


「やほっ。さーとり。今日も来たよ」
「うぶっ!?」


部屋の扉の方から感じ取った心にさとりは肩を震わせる。
また奴が来た。
耳栓をされたさとりに音は届かないが、第三の目は部屋に入って来た者たちの心をはっきりと捉えていた。
入って来たのは三人。
さとりを攫いこの責め苦を始めた張本人、鬼の伊吹萃香。そしてさとりのペットである火車のお燐と地獄烏のお空だ。
胸が高鳴る。
同時に痛む。
胸では第三の目がどんな動きも見逃すまいと爛々と輝いている。


「ははっ。顔が真っ赤だね。流石に三日も経つとちょっと匂うよ」
「――――っ、うあぁぁ……ぶえっ……ぱぁっ……はぁはぁ!」


軽い衝撃が後頭部に響き、口のボールギャグが外された。
口内に溜まったヨダレがギャグに引かれるまま軟体生物のように伸びていく。
何時間ぶりの空気だろう。
ホコリとアルコールにまみれた、普段なら咳払いの一つでもしたくなる澱んだ空気なのに、口の中を満たす冷たさが冗談ではなく涙を誘う。
自由に呼吸ができる。
こんな当たり前のことが今は死ぬほど嬉しい。


「あ〜あ〜。よだれと鼻水で顔がぐしゃぐしゃじゃないか。これじゃあお嫁にいけないねえ。まあマニアな人には大うけかもだけど」
「……………」


萃香の言い草はまるで天上から見下ろすみたく偉そうなくせに、心の中では「あいつならどうだろう」というウブな子女のような不安の影がわずかに走っている。
だがその影もあっという間に桃色の風に溶けて消えた。
ああ。そうだ。
さとりは理解している。
萃香と男が重ねてきた行為も、それゆえの怒りも、あの告白のことも全部知っている。
こいつらは愛し合っている。


「あぉ」


舌がうまく回らない。ノリのような唾液が舌に絡み付いてくる。
息と舌でかき出すように唾液を吐き出し、ようやく一息つく。



「……あの山の四天王が人間の男なんかに骨抜きにされるなんてね。バカみたい」
「お。まだそんなこと言う元気があるのか。いいねいいね。それはいいことだ。ま、正直私自身驚いているよ。でも嬉しいのは確かだ。誰かに必要とされるのは良いもんだよ」
「甘ったるい心……反吐が出るわ」


目隠し越しにさとりは萃香を睨みつけた。
それは砂糖入れすぎの菓子を食べた時に似ている感覚だ。
他人の不幸は蜜の味というがそれは違う。他人の幸福こそ蜜の味だ。
ただあまりに量が多すぎて、心も胸も焼いてしまう。
愛し合う。そんな一時の気の迷い。
落ち着いて見つめ直せば二度と見れない。恥ずかしい青春の1ページ。一年もすれば飽き、新たな性欲の捌け口を探して違う方を見始める。
永遠の愛なんて頭がお花畑な妄想作家の戯言だ。
皺くちゃになって、シミが浮いた将来の姿を想像してみろ。
自分では満足に尿も足せず、転べばあっさり骨が折れる。やがて脳みそも老化し愛したはずの相方の顔も忘れてしまう。
そんな未来を直視しろ。


――――そんな嬉しそうな心をするな。


「嫉妬は橋姫の専売特許だろ。むっつりの嫉妬は惨めったらしいよ」
「誰が……」


そこから先をさとりは言えなかった。
むりやりに押し込まれたボールギャグに再びさとりの口は封じられる。


「そんな顔するなよ。ますます虐めたくなるじゃないか」
「ふっ――!」


汗に湿った下着を触れられた。
弄ぶように尻をなでた萃香の指はさとりの肛門まで辿り着くと、その周囲で円を描く。


「んぐぅっ! ふっ! うぅ――――っ!!」


ひとたまりもなかった。
能力で何をされるか事前に読めていても、それは蚊ほどに意味がない。
小さな指のたったひとなででさとりの中に溜まっていた快感の嵐は暴走し、発散場を求めて身体を荒れ狂う。
落ち着け。静まれ。収まってくれ。
心の中で叫ぶのに、身体はまるで言う事を聞かない。
死に際の痙攣のように身体は勝手に振るえ、失禁にも似た感触で股間が濡れていく。
だが萃香はそれだけをしただけで、それ以降はまったくさとりに触ろうとしなかった。
高まっていくオルガスムスの欲求は決して満たされず、さとりは悲鳴にも似た嗚咽の声を情けなく上げてしまう。


「辛そうだねえ。辛いんだよねえ。まあ三日も焦らされれば当然か。思わず哀れんでその紐をほどいてあげたくなるくらいだよ。でもダメだよ。あいつとの約束があるんだ。私はあんたに何もしない。何もさせない。絶対にね」
「くっ! うっ! ……ふぅぅぅぅっ!!」


何もしない。
それが、萃香が出した答えだった。
だから、萃香はさとりが何もできないようにした。
目には目隠し、耳には耳栓、鼻にはクリップ、最低限死なない程度に保障されたボールギャグの空気口。そして全身をがっちりと固定する革紐。それらをもってさとりを地下に隔離する。金属の冷徹さで萃香はさとりを放置する。


それだけではない。
さとりはこの三日間、水も食事も口にしていない。それでもさとりが健康体でいられるのは萃香が能力を駆使し最低限の栄養を身体の中に直接流し込んでくるからだ。
満腹感もクソもあったものではなかった。最低限死なない、死なせないだけの配慮。
それに加え、尿や便は腹の中に溜まった段階で萃らされるという徹底ぶりだ。
五感をことごとく潰され、食事も排便もできないというのは想像以上にストレスを与えてくるものだった。


新鮮な空気を吸いたい。
キンキンに冷えた水を飲みたい。
思う存分米を、肉を、野菜を咀嚼したい。
あの身体の中の毒素を吐き出すような排便をしたい。


それらの欲求で頭が破裂しそうだった。
とにかく生きる実感が欲しかった。
こうなると全身が性感帯だ。もう心の抵抗など無意味だ。
だが萃香はここで首にかかった力を緩めるような甘いことはしない。
純粋がゆえに鬼は容赦を知らない。
行くと決めた以上、地獄の淵が見えるまでとことんまで行く。それが鬼だ。


「んじゃ、今日もはりきっていこー」
「ぐ……っ。放せよ!」
「あふぅ……んぐぅ……」


強気の言葉で抵抗を示すお燐と困惑気味のお空。
事前に「言う事を聞かないとあんたらのご主人の頭がリンゴみたく潰れるよ」と笑顔で言われているためか、強引に腕を引かれても抵抗の意志は見せなかった。
二人の腹は無理矢理詰め込まれた汚物によってぽっこりと膨らみ、発生したガスが肛門をこじ開けようと暴れまわっているところだった。
服を脱がしていないのは、二人の意識を日常の延長線上に持ってくるため。ヘタに裸にすればどこか絵空事、現実とは受け止めないようになる。それでは意味がない。あくまでこれは責め苦の一環であると身に刻み込まねばならないと萃香は考える。
二人分のおまるが床に置かれた。


「今日は水分を萃らして固めにしたから、肛門のヒダをゴリゴリ削って存分に楽しめるはずだよ」
「んっ! ふぅ! ふぅ!!」


その言葉に拒否反応を示したのはお燐でもお空でもなくさとりだった。
その様子に萃香は口の端を釣り上げた。
萃香の狙いはあくまでさとり。二人はそのための布石に過ぎない。


「い――っ! ぐぅ! あはああああっ!!」
「んぅにゅっ!! んふっ! にゅうううううっ!!」


二人分の嬌声が響く。
萃香の宣言通り水分が抜かれて黒ずんだ固形便が揃って顔を出す。
お燐もお空も顔を真っ赤にしていきんでいる。二人の腹がゆっくりとへこみ、その中の汚物を少しずつ押し出していく。


「んっ! ふぐっ! んぐうううっ!!」


それに合わせてさとりもぶるぶると身体を震わせていた。
スカートの中の太ももはガクガクと痙攣し、何とか刺激を逃そうとする身体は椅子を必死に揺らす。
汚れた下着越しにもその菊座が切なげにヒクついているのが見て取れる。
さとりの第三の瞳は瞬きをせずに二人分の排泄感を必死に舐め取っている。

今、お燐とお空を支配しているのは巨大な糞便をひり出す苦痛だ。だがそれはちょっとした回路の切り替えで容易に快感へと変わる。
事実、二人はそれに染まり始めていた。
お燐はそれを薄々感づいていたからこそ未だに抵抗を続けていたのだし、お空はその正体がわからず困惑していたが身体が求める快感を素直に受け入れていた。


気持ち良い。
気持ち良い。
うんちが気持ち良い。


本来、心が読めるからといってもここまで感覚が鋭敏になることはない。
心が読めない者も怪我をした者を見れば痛そうと思う。さとりのサードアイはそれに確固たる根拠をつける程度だ。何故痛いのか、どのくらい痛いのか。それを見極められるくらいだ。
だが、今のさとりは視覚、嗅覚、聴覚、触角、味覚といった自身を決定付ける感覚をことごとく遮断されている。
そうなると残った第六感、第三の目が際立ってしまう。
読んだ心を自分のものに思えてしまう。


「聞けば」


萃香が口を開いた。


「こいつらに浣腸して楽しんでたんだって? “至高の浣腸”だったかい。それはペットへのサービスだけじゃないんだろ? 言わばオナニーの延長。浣腸に悶えるペットの心をのぞき見てその快感を得ていた。そうだろ?」


さとりは声も出せない。
萃香は両手で顎を支える形で座り込む。
大股開きのさとりの姿を下から見上げながら、


「裏返せばそれをされたいってこと。本当は浣腸をされてブリブリ出したいのに、太いのひり出したいのにそれをしない。それがちょっと腑に落ちなくてさ。私なりに考えたわけだよ。どうしてかなって。そして一つの結論が出た」


心の中で萃香が舌なめずりをした。





「“覚”という種族はすっごい淫乱なんだろ?」
「――――っ!!」





言葉は聞こえていないはずなのに、それを否定するようにさとりは身をよじった。
だが金属ナットで固定された椅子は頑としてさとりに抗う。
せせら笑う萃香の心。息も絶え絶え涙を浮かべて排便を続ける二人分の心。
心が犯されていく。


「相手の気持ち良いに共感してしまう。つまりセックスなんかしたら相手と自分の両方の感覚を受け入れることになるわけだ。単純計算で二倍の快感。しかも男の快感と女の快感両方感じられる。さとり、あんたはそれが怖かったんじゃないの。そんな快感を受け入れたら自分がどうにかなっちゃうことを知っていたんだ。だからしない。澄ました顔でペット相手に浣腸オナニーするのがせいぜい。そこから先は完全にアウト。セックスなんて持ってのほか。あいつを攫ったのもその辺が理由なんじゃないのかい? お前は恐れたんだ。排泄主義の快楽を。それに魅入られるのがわかっていたから。だから先手を打った。やられるまえにやれ。お前は男を篭絡しようとした」


萃香の指がさとりの身体を昇っていく。
足、尻、腹、胸、そして顔。
その顎に指先を当て、さとりの顔を上に向かせた。


「けじめはつけないとね」
「…………っ!」
「30分後、もう一度来る。そのとき答えを聞くよ」


それだけ言って、萃香はさとりから身を放した。
お燐とお空を押し出すように部屋から出し、扉のノブに手をかける。
一度だけさとりを見て、萃香は扉を閉めた。
重苦しい音共に酒蔵は闇に包まれた。
その中でさとりは一人、身をよじりボールギャグを噛み締めていた。


「ぐ……っ! ふぐ……っ! うぅ……!」


バレていた。
全部バレていた。
いや、それは萃香の心を読んだときにわかっていたのではないか。
でもそれに衝撃を受けている今の自分はなんだ。
簡単だった。たださとりはそれを認めるのが嫌だったのだ。だから目を逸らした。心を曲解して、自分の脳内ですり替えた。


さとりが心を読めない人物がこの世には二人だけいる。
一人は同じ“覚”でありその瞳を閉ざした妹、古明地こいし。
そしてもう一人。最も遠い隣人。自分自身だ。
“覚”の瞳でも自分の心だけは見えない。
誰も本当の自分なんて見ることはできない。
そうだ。
偽っていたのは自分だ。


お燐とお空が退室の間際見せた主人を信じる心。
彼女らは素直だ。もともと動物だった彼女らは信じた主人にはどこまでもついてきてくれる。心を曝け出してバカみたいに。
なのに。
自分はそれを利用していた。
彼女らを満足させるという大義名分を振りかざして、身体の中にある淫猥な欲求を満たしていたのだ。
でもそれはやっぱり他人事だから、根っこの部分で満たされない。
何度も何度も繰り返す。
お燐とお空の心に身を押し付けて。


「う……っ! うう……っ!!」


こいしの心が見えなくなったのはいつからだろう。
こいしが瞳を閉ざしたときから?
本当にそうだろうか。
本当はもっと前から見えなくなっていたのではないだろうか。
こいしが何を願っているかも知らずに、上っ面の心を読んで、何もかも理解していたつもりになっていたんじゃないだろうか。
それに瞳を閉じたってこいしはこいしだったのに。
何にも変わらないのに。
心が読めないからと言って、勝手に線引きをしたのは誰だ。
こいしが心を閉ざしたと決め付けたのは誰だ。


「んぐぅぅぅぅぅぅっ……!!」


憎かった。あの小鬼が憎くて堪らなかった。
何もかもあいつのせいだ。
あいつが余計なことをしなければ、今頃地霊殿の部屋の中でつつがない日常を送れていたはずなのに。
地上を追われて地下に移り住んでさえ、新天地は見つからないのか。
憎い。悔しい。
なんで、あんなに幸せそうに思えるのだ。なんで愛なんて信じられるのだ。
心が読める自分でさえ、何も見えないというのに。


「う……ぐぅ……」


もう一人の自分が囁く。



――受け入れちゃえ、と。



瞳を閉じたとき、こいしもこの声を聞いたのかもしれない。





◆◆◆





体温計の目盛りは37度の7分と8分の間を指していた。
身体はだるいが寝込むほどではないという中途半端な状態でこの三日間を布団の中で男は過ごした。
個の継続を願う動物としての本能からか、その間ずっと下半身が元気になりっぱなしだったのには困ったが、不思議と萃香や勇儀からのそちらへの看病はなかった。


おかしいな、とは思っていた。


鬼というという種族は食うのも寝るのもヤルのも気分次第なところがあって、萃香も勇儀も興さえ乗れば多少強引でもそれをやらねば気がすまない性格をしていた。
それなりの時間を萃香と過ごした男の経験上、本当に病気にでもなっているならともかく疲れで倒れているくらいなら萃香はその性欲を自制したりはしないと思う。
少なくとも口でするくらいはすると思う。萃香はそれを看病と言い張るかもしれないが、それはとても気持ちの良いことで、自分もまたそれを求めていたのに。
だから熱が下がった三日目の夕方、萃香に呼び出されたときに感じたのは疑問よりもどこか納得する気持ちの方が大きかった。
この平穏な三日はこのためにあったのだと肌で感じる。
そして落ち着いてから緊張し始めた。
きりきりと胃が痛み出し、喉がからからに渇く。
さとりたちの処遇について男は何一つ聞かされていなかった。聞いても萃香たちは答えないだろうし、無理に聞き出すほど男は自惚れているつもりはなかった。
動乱がここで終わるはずがない。
きっちりとした結末を萃香たちは用意しているはずなのだ。


「ここだよ」


地下の酒蔵の扉の前に男は連れられた。
そっと萃香の小さな手が放される。
左手に感じていた温かみがなくなるのは、なぜだか身を切られるように辛かった。
萃香が二歩横に下がる。
お酒の適温は病み上がりの身体にはちょっと肌寒い。
金属で縁取りされた分厚い木の扉に手をかけた。重たすぎて片手では動かず、両手を使わなければならなかったのがちょっと恥ずかしい。
萃香は何も言わなかった。
木と木がこすれ合う音を響かせ扉は開いた。
床の何度もこすれてついたであろう幾本もの黒い跡を一度眺めて、ようやく男は顔を上げる。
さとりはそこにいた。
酒の無い酒蔵の中で、目の目隠しも、鼻のクリップも、耳の耳栓も、口のボールギャグも、革紐も外され部屋の隅で膝を抱えていた。


「さとりたちを許してやって欲しいって言ったよね」


口調は穏やかなのに萃香の声はびっくりするくらい冷たかった。
秋口の早朝みたいな冷たい空気にその言葉はいつまでも男の耳に留まる。


「私の仕事はここまで。ここから先はあんた次第。あんたが何を選んでも私はそれに従うよ」
「それってどうい……」
「さあね。自分で考えな」


すっぱり言葉を切られ、萃香は腕を組んで壁に背を預けてしまった。腰に下げていた瓢箪の蓋を開けてひとあおり。アルコールの匂いが形を持って広がっていく。
これじゃあ、まともに話を聞いてもらえない。
男が途方にくれて実に情けない顔をさとりに戻す。
いない。


「わっ!?」


口に出した自分が驚くような声だった。
部屋の隅にいたはずのさとりは、いつの間にか男のすぐ足元まで近づいていた。
しなでかかるように男の両足に身体を預け、エサをねだる小鳥のように口を開ける。
口の中でよだれが白い糸を引いた。
ぎゅっと握られた太ももが少しだけ痛い。


「……ください」
「ちょっ!? さとり様!?」


両足に当たっている柔らかな感触に、男の理性が軽く弾けとぶ。
地下室のほのかな光源に照らされたさとりの顔は、びっくりするくらい色っぽかった。


「ください! ください! ください!」
「え!? なっ!? と、とにかく落ち着いて!!」


何かあるだろうと思ってはいたが、いきなり求められるなんて想像の範疇外だった。
そもそもあのさとりが、萃香と同じくらいプライドが高くて何でも見透かしたような目をしていて心読むことのできる力を持ったさとりが自分の足にしがみ付いておねだりをするなんてこと自体バカバカしい想像に他ならなかった。
男は傍から見たら死人のダンスように、しかし本人は至極真面目にさとりを引っぺがそうとその小さな肩に手を置いてよたよたとステップを踏む。
力自体は普通の女の子並みのはずなのに、その力は万力のように感じられる。
そんな男にじれったくなったのか、さとりは男の袴に手をかける。
抵抗する暇もなくあっさりと腰紐はほどかれ、袴がずり下ろされれば立派に起立した男のモノが顔を上げた。
そのときの反動で男のモノがさとりの鼻先にぺちとアッパーをかますが、それに何の反応も見せずさとりは鮫のようにワインレッドの頭にむしゃぶりついた。


「んっ! んっ! んんっ!!」
「ちょっ! さとり様!?」


一気に喉奥まで飲み込まれ、ぬめった舌が肉棒を舐め上げる。
その舌使いがあの日のときよりも遥かに乱暴だから、男はなおのこと混乱してしまう。
右手は睾丸に伸ばされ、三日の間に溜め込んだ精液を皮越しにぐにぐにとかき混ぜてくる。
まずい。
このままではまずい。
敏感になったペニスには乱暴なフェラでも致命傷だった。
二つの肉玉が硬直を始め、その中の生命の種をじょじょに先端に送りこみ始めているのがわかる。
ビンビンに膨張したカリを舐められる。
カウパーがさとりの唾液と混ざり合い、ぬめりとなって口と陰茎にまぶされる。


「ま、待って! 待ってください!!」


裏返った声で男は叫ぶ。
その声にさとりは肉棒を咥えたままぴたりと動きを止めた。
さとりの三つの瞳が男を上目使いに見つめていた。


「だひて……」
「う――」
「だひて……だひてぇ……!」


呻くような懇願するようなさとりの声。
その声に男の制止は容易く砕かれた。
さとりの声は、ただ淫猥に求めるだけではなく、何かの覚悟を感じさせる緊張感があった。
無理に止めたところで、何かが解決するとは思えなかった。
男はさとりの頭を掴んだ。
さとりの舌に合わせるつもりで、その頭を前後させる。


「んっ! んじゅっ! んんっ!!」


じゅっ! じゅっ! じゅっ!
二人の体液が混ざり合い、あわ立ち、白いしぶきとなって落ちていく。
三日ぶりの性の感触はびっくりするくらい気持ち良かった。
男が合わせ始めたことで余裕が出たのか、さとりの舌にもキレが戻り始めた。
やがて二人の行為は一方通行の自慰からセックスへと変わり、真っ赤に紅潮したさとりの顔に向かい男は子種をぶちまけた。


「あん……はぁぁ……っ」
「お、落ち着きました?」


なんと馬鹿なことを言っているのだと、自分でも思う。
さとり顔にこびりついた精液が顎を伝って落ちていく。さとりの顔を見るよりも落ちていく一滴一滴にピントを合わせる方が遥かに簡単で、背中に感じる萃香の視線が自分を責めるように酷く痛む。


「……責任」
「え?」


蚊の鳴くほどというのはまさにこのことを言うのだろう。
さとりはひび割れた唇を精液で潤しながら、ぽつりとつぶやいた。


「責任、とって」


最初に頭に浮かんだのは『なんだそのちょっと気になる男の子に半ば強引に迫られてその場の勢いでついOKしちゃったあと若気の至りに気付いた婦女子のような言葉は』というまこと失礼な物言いだった。
だが男からしてみれば自分は完全に被害者で、さとりはその加害者であったはずなのだ。
喧嘩別れしたところ拉致されて浣腸されたあげく便器扱いされたはずなのに。
寝込んで起きて突然地下室に案内されたらチンポしゃぶられたはずなのに。
お互いの心情はどうあれその構図は変わらないはずなのに。



――――自分、何かまずいことをした?



たとえば寝込んでいる間に、夢遊病にかかってさとりを襲ってしまったとか。
それとも地底ではチンコを舐めたら結婚しないといけない法律でもあるのだろうか。それは結婚するよりも遥かにハードルが高いことだと思うのだけれど。
さとりはそんな男の心読んだのか、まずいことを言ったとばかりにばつの悪そうな顔でそっぽを向いてしまった。
だがもじもじと身体を揺するその態度は明らかに男を求めている。


「す、萃香様ぁ」


思わず背後に声をかけるが、萃香は腕組したまま閉じた目をぴくりともさせず石像のように黙りこくっていた。
完全に我関せずの姿勢だ。恋人と思うな置物と思えと言われた気がする。
泣きたくなる。
自分が何をしたと言うのだ。


「……………っ」


ふと気付く。
さとりの肩が震えていた。
無理に無理を重ねて、ようやく決意の言葉を吐いたように。


「――――っ」


萃香は、後はあんた次第と言った。どんな選択をしても従うと言った。
さとりは責任を取れと言った。
唐突に理解した。




自分は何かを試されているのだ。




それが何かはわからない。ただとても大事なことなのだと思う。
バラバラになったパズルのピースの、最後の一つをはめるくらいに。
そしてきっと、一度はめ損ねたピースは二度と手には戻らない。


「……………」


たぶん、ピースをはめられなくても生活ががらりと変わるわけではないと思う。
萃香は前のように天真爛漫に男に寄り添い、うんちについての熱い議論に付き合ってくれるはずだ。
さとりたちとはここでお別れ。地底に来なければ二度と会うことはないだろう。
でも、なぜか。
その未来は、前と変わらないはずの生活は、ひどく色あせて見えた。
酒蔵の肌寒さが耳にずきずきと傷む。
一度だけ大きく深呼吸する。


「……していいんですね」


言われるまでもないと言わんばかりにさとりは四つん這いになってお尻を男へ向けた。
交尾をねだる猫のような姿勢のまま、後ろに振り返り欲情した視線を送ってくる。
布一枚越しにさとりの臀部がある。
そのわずか下に三角形の筋がある。
柔らかな曲線を描くそれに血が沸騰するのを感じる。
今すぐ襲い掛かってしまいそうな衝動をぐっと抑えつけ、男は満身の力をこめて口を開いた。


「でも、条件があります」
「……なっ!」


男が言う前にさとりの口から驚きの声が漏れた。
こういうとき、心が読まれるというのは面白くないなあ、と男は思う。
本当に驚いた顔も見てみたいのに。


「萃香様」
「ん?」


さっきまでまるで反応しなかったくせに、今度は即座に返事を返してくれた。
こんなところが可愛いなあ、と思う。
萃香のあの含みのある笑みが不思議と懐かしく感じた。


「みんなを呼んできてもらえますか?」


萃香は顔中のパーツを細めて笑顔を作った。


「おうよ」





◆◆◆





最初から気に入らなかったのだ。
なよなよとした態度で重要なところをぼかす。散々女を弄んでいるくせに自分に責任がないと思っている。
ここまで自分を追い詰めてフェラチオまでさせたくせに、未だにこいつは悩んでいる。
乱暴していいのか迷っている。
ムカついた。
早くして欲しいのに。
もう口から恥ずかしい言葉を吐き出してお尻と女性器を広げてでも、犯して欲しくて堪らないのに。
向こうの頭の中もえっちな妄想でいっぱいなのに。
こいつはまだ私のことを気遣っている。


相手に何もしなければそれが優しさだとでも思っているのか。
人はすぐ側にいるだけで影響を及ぼしてしまう。
何も知らない奴の同情なんてただの無責任だ。
野良猫にエサやるくらいの覚悟しかないくせに、排泄主義者なんて名乗るな。
周りの誰も言わないなら私が言ってやる。


――責任、とって


言ってから後悔した。
これじゃあ告白じゃないか。










「あ――――――――――――――――――――――――――――っ!!」


膨張した肉の塊がさとりの尻の中に沈んだ瞬間、耳が痛くなるような絶叫がその口から溢れ出た。
まだ数センチ、一番太い部分も中に埋まっていないと言うのに、さとりは太ももをがくがくと痙攣させ背中を弓のように反らす。
呼吸すらうまくできないのかぴくぴくと震える舌からはよだれが垂れ流しになり、絶頂の波に押し流された瞳は涙ぐんでいた。


「さとり様……」
「うわわわ……」


幼児が大人の膝の上に乗るような格好で尻の中に陰茎を突き入れるさとりを、お燐は神妙な顔つきで、お空は顔に当てた指の間から見つめていた。
格好が格好だけに、その接合部すら二人にははっきりと見える。
とても人体の一部とは思えないグロテスクな肉がさとりのお尻に飲み込まれていく。
さとりの方もうんちをするときだってこんなには広がるまいというほど大きく口を開け、充血した肉のヒダを見せながら健気にそれを受け入れていく。


「さとり様……全部入りましたよ」
「かっ! はぁ! はぁ!」


一番太い亀頭部分が入り口を通過すれば、後は根負けしたように重力に引かれるまま肉棒はさとりの中へ吸い込まれていった。さとりのお尻は男の太ももの形にむにゅと形を変え、その柔らかな尻肉の感触は非常に心地良く思う。

同じ幼女体型でもさとりと萃香ではやはり肉付きに差がある。
萃香は力強いしなやかな肉をしている。ぴっちりとハリがあり、その全てが生きているかのように激しく動き男を楽しませる。熱い生命の息吹に満ち溢れた脈動する肉。それが萃香だ。
一方のさとりは柔らかな女の子らしい感触で、乱暴にすると壊れてしまいそうに思う。まだ誰も足跡をつけていない雪原を思い浮かべる。さらさらの雪で作られた雪うさぎは簡単に崩れてしまう。それと同じようにさとりの身体も丁寧に扱わねば簡単に崩れてしまいそうだ。
ふと萃香が見つめていることに気付いた。
口元はにんまりと曲げられているのに、目はぱっちりと開いている。その大きな瞳孔に股間がわずかに縮んだ。
あの人こそ心が読めるのではないか。


「じゃあ、動きますよ」
「ま、待って……! まだ……まだ……!」


息も絶え絶えに男の腕を必死に掴むさとり。
直腸は痙攣を続けているからまだ絶頂が続いているのだろう。
ちらりと男はギャラリーを見やる。
萃香は言わずもがな。おちょこ片手の勇儀はいいぞもっとやれとはやし立ててくるし、お燐お空の視線はもう男とさとりに釘付けだ。
ただ一人、皆から離れた場所に飾り物のように立つこいしだけは、その感情を読み取ることはできない。
ちょっとだけ口元を歪めて、じっとさとりを見つめているように思える。
この三日間男の耳元で下劣なことを垂れ流していた少女と同一人物とは思えないほど、その姿は儚げで誰かが抱きとめなければ消えてしまいそうで。


「や――っ!?」


さとりの腕を強引に引き離し、男はさとりの膝を抱え上げた。
自然とさとりの足はM字に開かれ、その姿勢にさとりの顔に火が灯る。
有無を言わせず引き上げた。
カリ部分がガリガリと直腸の背中側を削るたびに、後ろの口は抗議をするようにはくはくと開閉する。
肉棒が空気に晒される冷たさとさとりの中の熱さが半々になって現実と夢想が交差する。
抱きしめるように突き上げる。
アナルの抵抗を打ち破り、肉棒は直腸の中を突き進む。


「あぅ! あっ! ふああああっ!! 深いいいいっ!!」


肉棒には精液と腸液が泡立って作られた白濁のぬめりがこびり付き、出し入れのたびにガムのように伸び縮みをする。
男の形に広げられたさとりのアナルは真っ赤に充血し、肉のヒダをわずかに漏らしながら肉棒を懸命に受け入れている。


「違う……! 違うよぉ……! みんなの心の中で見てきたのと全然違うよぉ! こんなんじゃ、こんなんじゃあ……!! だめだよぉ! 私、私……!!」


にちゅぐちゅ、と粘液が泡立つ音がする。
その音はさとりにも届いているはずだ。
肉を打つ音。
太ももとお尻が合わさる感触。
直腸を撫でるカリ首の味。


「そんな、そんなこと思わないで……! 私、えっちじゃない! えっちじゃないのに!」


独り言のように止め処なく続くさとりの言葉。
みんな、誰も言っていない。
だがその視線はさとりに注がれる。
お燐とお空はもうさとりを直視するようになった。むしろ食い入るように前傾姿勢になってさとりの顔と一番恥ずかしい部分を見つめている。


「さとり」
「ふあ……」


もはや心読む余裕すらないのか、さとりは口の端からヨダレを流しながら呆けた顔を萃香に向ける。
萃香は花咲くような笑みを浮かべ、さとりの腹部を指でノックするように撫で上げた。


「辛そうだね。じゃあ、そろそろ仕上げに入ろうか」
「し、仕上げ……? ヒグッッッゥ!? アッッ!? あああああああっ!!」
「うわっ!?」


瞬間、さとりの身体が電流を受けたかのように跳ね上がった。
抱え上げていた腕も跳ね除けんばかりの力に、慌てて男はさとりを抱きとめる。
カリ首が腸内を盛大にえぐるが、それさえ感じ取ることすらできないようだった。
太ももはガクガクと痙攣を続け、股間からは男が触れても居ないのに透明な潮が壊れかけの噴水のように飛び出す。


「す、す、すい……かぁ……っ!?」
「どうだい、身体中の性感帯をお尻に萃められた感想は」
「なぁ!? そ、そんなあ!!」
「萃香様……いつの間にそんなことを」
「前から試そう試そうとは思ってたんだけどね。流石に刺激が強くなりすぎるかなと思って自重してたんだ」
「かっ! あ…はぁ……っ!」


可愛くウインクする萃香だが、男は痙攣を続けるさとりを見てそら恐ろしくなった。
ただ挿入しているだけなのに呼吸困難を起こしたように息が続いていない。
これでピストンなど始めてしまった、らさとりはどうなってしまうのか想像もできない。


「頑張りなよ。こんな状態で絶頂なんかしちゃったら、脳に焼き付いてそれしか考えられなくなっちゃうだろうから。元に戻した後も毎朝のうんちででアクメ地獄になっちゃうよ」
「や……っ! やらぁ!! そんなの! そんなのっ!!」
「ほら、こっちにもプレゼントだよ。今までの分を返してあげるよ」


そう萃香が言うと黄茶色の霧がどこからともなく萃まり、さとりの下腹部へと吸い込まれていった。
それが消えると共にさとりの腹が便秘でもしているかのようにぽっこりと膨らむ。
男も何度も見た光景だ。永遠の排泄を行う際に発生する霧。
今、さとりの中にはこの三日の間、排泄するはずだった糞便が一気に詰め込まれているのだ。


ぐぎゅるるるるるる……っ!! ごぼごぼ……!


「ひぎぃ!!」


腸の蠕動運動は外から見える程だった。
萃香がわざと空気を混ぜて中に送り込んだのだろう、泡立つような腹の音にさとりの顔が面白いほど白くなっていく。


「だ……だめ……! こんな状態でうんちなんかしたら……っ!!」


下唇を噛みながら必死に便意と肛門の暴力的官能を押さえ込むさとり。
その姿を一瞥して萃香は男の頬に口を寄せた。


「最後まで面倒みなよ。男の子」


花咲くような笑みを浮かべた萃香。
その顔に後押しされ、男も頷いた。


「わかってます。やるなら徹底的に……ですね」


ぷにっとした感触を残し、萃香は再び部屋の端へと戻っていってしまった。
その感触を力に変えるようにして、男はさとりの身体を掴み上げ、激しく突き上げた。


「にゃあああああああっ!?」
「さとり様、覚悟してくださいね。一気にいきますよ!!」
「ま、待って! 待ってっ!! ひぅ! ひゃああああああっ!!」


男の肉棒が一気に最奥まで突き入れられた。
その先端には今までとは違う生温かさがある。
完熟したバナナのような感触。さとりの中の大便が、肉棒が届くところまで来ているのだ。


「さとり様、わかりますか? 今、さとり様のうんちをかき混ぜてますよ」


子どもを諭すように男は今の状況をこと細やかに実況していく。


「ほら、さとり様のエッチな汁とうんちが混ざって、私のお尻まで届いていますよ
「っ!」
「出し入れするたびにお尻の間から蕩けたウンチが漏れ出してますよ。もう、お尻ゆるゆるですね」
「やあぁっ!!」
「おちんちん咥えながらうんち漏らしちゃうなんて、さとり様は変態ですね」
「違う! 違うよぉ! 私は……私は……!!」
「じゃあ、皆さんに聞いてみますか?」
「……ふえ?」


ぴたりと動きを止めて、男はさとりを見学者たちの前へと向ける。
お燐もお空も勇儀も萃香も、今は一つのことを思っている。


「あ……ああああ……っ!! いやああああああああああっ!!」


読みたくなくてもさとりは強制的に相手の心を読んでしまう。
お燐は必死に違うことを考えようとしているが、その奥では軟便を撒き散らすさとりの姿がしっかりと焼きついている。
お空に至ってはさとりに感化されてオナニーを始めてしまっている始末。
勇儀と萃香がどんなことを思っているかは言うまでもない。


「わたし……わたし……」



さとりは両手で顔を覆いながら、自分の下半身に視線を向けた。
ぽっこりと膨らんだ腹。大口を開き肉棒を受け入れるアナル。


「もう……だめ……」


と尻切れにさとりは言った。
何となくそれが白旗のように思えた。
だから男は三日分の熱を全てさとりへ注ぎ込んだ。
わずかにうめき声を上げたと思う。
だが男のうめきはさとりの声にかき消えた。


「ふうああああああ―――――――――――――――――――――っ!!」


本当に壊れてしまったのではないかと思える絶頂の声の後、さとりの荒い呼吸は笑い声にも似たものへと変わっていった。


「くっ!」


男の腕がさとりの太ももを持ち上げる。
ペニスと言う栓がなくなった今、さとりの排便を止めるものは何もない。
三日分、と萃香は言っていたがそれ以前から便秘気味だったのかもしれない。蛇口を限界まで捻ったかのような強烈な勢いで半固体の糞便がさとりの中から飛び出していく。


「いぐっ! いぐいぐいっぐぅぅぅぅぅぅ――――――――っっっっ!!」


糞便と共にぶしゅぶしゅと愛液を噴き出しながらさとりは叫ぶ。
顔を真っ赤にし歯を食いしばりながらうんちをひり出す様子は、あの地霊殿の主古明地さとりとはあまりにかけ離れた姿だった。
排便のたびにその中に混じった空気が肛門を弾き、盛大なオナラを奏でる。
身体中の性感を萃めた肛門にはどれほどの快感が響いているのか想像もできない。
足元に巨大な糞だまりを作り、ようやくさとりの排便は終わった。
地下室には湯気と共に鼻の曲がりそうな悪臭が漂い始める。


「あ……はぁ……」


とす、と軽い衝撃と共にさとりは男の胸に背を預けた。
トクトクと脈打つ鼓動と、さとりの少し汗臭い髪の匂いを嗅ぎながら男はさとりの腹に手を置いた。


「お姉ちゃん」


目を開けて面食らった。
いつのまにか、目の前にこいしが迫っていた。
ハイハイをするような格好でもどかしげに胸をはだけ、さとりを下から子猫のように見つめている。


「――、ちゅーしていい?」


一拍分の間がセリフの前に入ったのを男は見逃さなかった。
その瞬間、わずかに目線を逸らしたことも。
思い人を待つように、ピンク色の唇を濡らすこいし。
さとりは一瞬、躊躇うように両手で鼻と口をおおって、


「匂うから……汚いから……」


と言った。
うんちを出した今、口臭を気にするのも意味がないような気がするのだが、その物言いに不思議と股間の緊張が高まってしまう。
きっとこいしには元気になっていく下の分身が丸見えだと思う。そう意識したら余計に胸が高鳴りだしてしまった。


「いいの。ありのままのお姉ちゃんでいいの。そっちのお姉ちゃんがすき」
「…………っ!」
「!? あ、わわ! さとり様!?」


みっともないくらいに狼狽した男の胸の中で、さとりはボロボロと涙を零していた。
ビーダマくらいあるんじゃないかと思う大粒の涙を流しながら、さとりはごめんねごめんねと繰り返した。
ふわりと風でカーテンが舞うように、白い髪が目の前に広がる。
その姿はまるでごじゃれたボトルに描かれる天使のイラストのようだった。


ちゅ。


先ほどまでの行為に比べたら蕩けるようなソフトな口付け。
山に咲く花々さえ恥らうような柔らかなキッスだった。
十回分の鼓動の後、どちらともなく二人は唇を離した。
透明な糸が二人を祝福するように唇をつないでいる。
お燐とお空がさとりとこいしのもとへ駆け寄るのが見える。
勇儀はにやにや顔で肩をすくめて、空になったお銚子を置き、勝手に萃香の瓢箪を手に酒を注ぐ。
ちょっと羨ましそうな顔をした萃香が「へん」とつぶやくのを男は聞いた。










つづく
どうも、ウナルです。
なんと一年近くぶりの排泄主義者です!!
「排泄主義者の続きを見たい!」という書き込みをされた方、本当にお待たせしました!!

前回のあとがきで「排泄主義者の冒険はまだ続きます」とか書いておいてこれほど放置。このまま打ち切りENDに突入しそうだったところを再び排泄欲が復活したのはひとえに応援してくれた方々のおかげです!

この場を借りて感謝を言わせてください! ありがとうございました!!







以下、知らなくても問題ない裏設定↓
『読心妖怪“覚”』
心読むことのでき、またそれを再現することのできる妖怪。ただし肉体の能力は人間とほぼ同等である。
かつては山奥に集落を作り覚だけで暮らしていたが、人間と交流が始まると生活が一変してしまう。年中発情し卑猥な妄想で埋め尽くされている人間の心を読んでしまった“覚”は人間への情念を持ってしまい、そのまま人間と交わってしまうことが多くなった。さらにその体験を読んでしまい、人間に興味を持ってしまう“覚”が出るという無限ループ。
結果、“覚”は人間との混血が進み、純粋な固体はその数を劇的に減らしてしまう。
今や純血の“覚”は古明地姉妹の二人だけとなっている。
これ以上人間との混血が進んではならないと古明地さとりは人間と交流しなくて済む地下へと引きこもり、さらに万が一にも混血をしまいと己にセックスを禁じ、自分の周囲を女性で固めた。しかしながらその行為が結果的にアナルセックス、スカトロ趣味へとさとりを傾倒させることになる。

“覚”と混血した人間の子孫はわずかながら読心の能力を持ち、古来日本では山窩や仙人と呼ばれていた。しかし、その能力も今ではほとんど失われている。
ウナル
http://blackmanta200.x.fc2.com/
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/11/28 20:55:04
更新日時:
2010/11/28 20:55:04
分類
排泄主義者
スカトロ
オリキャラ
伊吹萃香
古明地さとり
1. NutsIn先任曹長 ■2010/11/28 21:51:53
久しぶり、というより懐かしいぐらいです。
思えばずいぶんと話が膨らみましたね。お腹が膨らんだら排泄しないと。
あの陰険なさとりが前回見事に策に嵌った後、今回のような苛烈な責めに遭い、最後に姉妹愛が戻りましたね。
排泄主義、見事なり。
2. ぐう ■2010/11/29 07:23:38
復活待ってましたぜ!
相手の弱点を見抜く能力が、逆に自らの弱点を晒すという結果になってしまいましたね。
やはり生ある以上、何者といえど排泄に敵うものではないです。
そしてこいしちゃんマジ天使。
3. PTS ■2010/11/29 20:33:36
みんなもっとオナラを使ったほうがいいと思います^q^
せっかく萃香ちゃんが空気を入れてくれたのに音表現がないとは…!
4. 名無し ■2010/12/02 23:16:05
これはすごい
はじめから一気に読み直しましたよ。排泄主義者の活躍がもっと見たい!!
5. ウナル ■2010/12/02 23:22:08
みなさん、最後までお付き合いいただきありがとうございます!!

>>1 懐かしいくらいですよねえ。本当にお待たせしました。
>>2 さとりんは淫乱ッ!!
>>3 ごめんなさい。今回は擬音を使わずに書いたので。オナラもいいですよね!!
>>4 応援ありがとうございます! 排泄主義者の冒険はもう少し続くので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
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