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『東方死手帳 Act2 Episode6 Check』 作者: ヨーグルト

東方死手帳 Act2 Episode6 Check

作品集: 22 投稿日時: 2010/12/11 02:01:00 更新日時: 2010/12/13 14:44:59
「そうですか、それで、今の所の被害は?」

藍は手帳らしきものを手に取った。

「少し前の報告通り、人里にて心臓麻痺で倒れた人が数名。 最初の被害はそれらなんですが………慧音さんも」
「なっ………」
「先日の、寺子屋での授業が終わった後です。 ホームルームが終わり、生徒達が帰る頃に、急に心臓麻痺で倒れたそうなんです………」
「………え?」

魔理沙が話に入ろうとする。

「心臓麻痺? 一体何のことなんだ?」
「魔理沙さんには関係な…………いえ、大分関係ありますかね………? 慧音さんが死んだんですよ、心臓麻痺で」
「慧音が?」
「ええはい。 それ以外の副教員、生徒達は全員無事を確認できたそうです」
「………」
「まぁ、大体の人は無情にも自分の命が最優先ですからね。 当たり前と言っちゃあ当たり前なんですが………とりあえずは自分の命を優先したほうがいいかもしれません」
「何なんだ? つまりあれか? 今、幻想郷の人たちの命は狙われてるって言うのか?」
「そんなところです………早苗さん、新しく標的にされそうな人は誰でしょうか………やはり、重要人物?」
「たぶんそうでしょうね。 バレたくなければバレたくないなりにそれなりの人物を殺すでしょうし、おそらく、そう言う意味では………」



「早苗さん! 藍さん!」
「!?」

「はぁ………はぁ………」と息を切らせて駆けてきたのは、命蓮寺の住人、星寅丸。
一人だけで来たようだ。

「どうしたのですか?」
「それが………さとりさんが………心臓麻痺で………」
「(やっぱりか………)何時頃?」
「今日の………夜明け頃です………いや、十時頃です。 こいしさんが「様子おかしい」ということで他の使用人などを呼んだところ、死亡が確認されたそうです………」
「………確か?」
「はい、間違いありません。 ぬえと一輪を調べに向かわせました」
「………」

早苗は黙り込む。
今日のいきなりの被害者。
警備やら注意が足りないというレベルではなく、守りきることが出来ないのだ。
こういうことを防止する為には次の被害を読んで対策を練っておかなくてはならない。
それだけではなく、ミスをすれば重役人物の紫や藍まで死んでしまうかも知れないのだ。

「次の……………………」

■■■■■■■■■■

東方死手帳
   Act2 Episode6
       New Battle

■■■■■■■■■■

「………」
「………」
「………」
「………」

全員沈黙する。
最初に口を開くべき者もすっかり口を閉じている。
新しいキラとしての重責もあるのだろうか。

「これは………大丈夫で………?」
「今頃怯える必要は無いわ」

レミリアは冷淡に言い放った。
その言葉に、咲夜、パチュリー、美鈴、小悪魔、フランドールは冷静さを取り戻す。

「今更バレるとかのことじゃないわ。 手がつくわけない」
「自信はあるようですね」
「それならそれですぐに対策を練ってすぐに起こせばいいのよ」
「………」
「どうしたの、自信無い?」

全員黙り込む。
そんな皆の様子は見て、レミリアはノートとペンを取り出す。

「自信無いなら今すぐリタイアでもいいのよ?」
「!!」
「いえ、大丈夫です!」
「やれます! 絶対に出来ます!」
「了解です!」
「ふむ………それじゃあ早速行動に移して………いや、もう少し様子見でもいいかもね」

■■■■■捜査本部■■■■■

「これが捜査システムです」

早苗が目の前のあるものを指した。
そのものとは、にとりの残していた巨大な機械であり、あらゆる機能が備わっているもの。
外の世界に通じていた早苗だからこそ、少しぐらい理解は出来るが、この機械の全貌はまだ判っていない。

「幻想郷中で起きている事件とかが判るんですが、少々使い方がいまいちでして」
「?」
「にとりだからこそ知っていた使用方法とか用途とかがあるんですけど、まだ私には判りませんね」
「他に判りそうな奴とかはいないのか?」
「ええおそらく、いません 外の世界に最も精通している人物は紫さんでしょうが、本人はおそらく、興味すら示さないでしょう」
「そうなのか」

『ピコン!ピコン!』

「!?」

突然の効果音に、魔理沙とアリスは身を強張らせる。
早苗は機械にあるスイッチのうちの一つを押し、ヘッドホンと呼ばれるものを頭に装着した。
後に、ヘッドホンに流れている音をスピーカーモードに切り替えた。

「藍さんからです、魔理沙さん、アリスさん」
「………」
「発信地は人里近郊なのですが」

早苗が機械の画面を指差し、二人に指示する。

「藍さんですか?」
『人里での新たな動きです!』
「はい」

早苗の手前にあるスイッチを押すと、巨大な画面に小さなウインドウが出てき、そこに藍が表示された。

「あの動きですか?」
『はい! まぎれもなく、いえ、間違えるはずも無く、白蓮達の演説です。 早苗さんが以前に、白蓮達に頼んだことです』
「藍はそのままで、とりあえず、そちらの方に繋ぎます」
『了解しました』
「ピッ(早苗が発音した効果音)」

藍が表示されていてウインドウが消え、見下ろすようなアングルで人里の近くが表示された。
そこは近くにある小さな広場で、数百人程度が集まることが出来る広場であった。
広場の中心から少し奥に白蓮と、他の命蓮寺のメンバーも一緒にいた。

「これのことか?」
「ええ、少し前の会議で話した白蓮達のことです」





『今、幻想郷は混乱の渦に巻き込まれています! 早苗さんが独自に調べてくれたおかげで、新たな事実が判明しました! 今までの連続殺人は、キラという人物が何かを利用し、間接的な作業をして人を殺すものです!』

魔理沙は眉を少ししかめる。

『ですが、こんなことがあろうと、幻想郷皆さん! 老若男女に魑魅魍魎、あらゆる妖怪の人々! どんなことがあろうと揺るがされず、堂々と胸を張って立ち向かってください! 現在、私たちの力だけではキラを確定させ、捕まえることは出来ません! 皆さんの力が必要なのです! お願いします! 力を貸してください!』

「………?」

『幻想郷に力を! 我々人類に…………生物に栄光あれ!』





「やはりさすがですね、白蓮さん」

早苗は目を閉じながらそう頷いた。

「これなら幻想郷中の力を集められてもおかしくありません」
「集まるといいが」
「そうですね………観戦側の人も、キラ側の人もいるわけですし」

『あ、早苗さん!!』

「?!」

藍の突然の何かが聞こえた。
早苗は耳を傾ける。

「どうしたんですか?!」
『び、白蓮の近くの………小傘さんが倒れました!!』
「え………?」
『おそらく………あ、今度は白蓮さんが!!』
「!!!?」

早苗はモニターに目を向けた。



そこには……………広場に倒れている数十名の人里の住民と、白蓮達、命蓮寺のメンバーが倒れていた。

■■■■■■■■■■

『犠牲者は………人里の人間達が二十七名………白蓮さんと小傘さん、その他にも犠牲者はいそうです』

藍が深刻な顔で告げる。

「では藍さん、もう暫く捜査を続けてください」
『了解しました』

早苗は機器のスイッチを切ると、溜め息を吐いた。
厳重というほどではないが、それなりの警戒はしていた。

「犯人は幻想郷の中にいるのですが、判りませんね………やはり、椛さんの死があったというのも捜査の障壁とも言えるのですが、ただそれだけじゃないようです」
「というと」
「恐ろしいのは、幻想郷の住民が 『キラ側』 『観戦側』 『L側』 に分かれていることです。 キラ側はごく少数だとしても、観戦側が明白なら捜査の手も及ばない上に、それといったことも出来ません。 かといって、L側に誘うのも住民に取って危険で、殺されかねないでしょう………殺されるのなら、観戦側につくはずです」
「となると、勇気のあるものを集めるか、もしくは、今の私たちだけで解決させろということでもあるのか?」
「そういうことですね」

早苗は再び黙り込み、モニターを見つめる。
これといって変化は無いのだが、やはり、人間への心情の変化はあったようだ。
数十名以上は死んでいる。
ただのゲームで。

「(人々の心を弄ぶとは………キラ、恐るべし)」

『早苗さん!』

「!!」

再び藍の声が聞こえた。
それに即座に反応すると、早苗は機器のスイッチを押し、ウインドウを出す。

「何でしょうか」
『人員を見つけました』
「と、言いますと?」
『周辺をほっつき歩き、なにかしらを行ってみた所、L側につくものが見つかりました』
「何名ですか?」
『現在二名ほどです。 名前は挙げますか?』
「いえいいです。 もしかしたらキラが近くにいて、それで殺されてしまうかも知れない」
『判りました。 五分でそちらに向かいます』
「くれぐれもお気をつけてください」

■■■■■五分後■■■■■

藍が頭を下げる。
後ろには誰かが二名いた。

「こちらです」

その言葉とともに、後ろの二人が挨拶する。

「はたてです。 今回は捜査の協力ということで参加させていただきます」
「次はこちらです」
「ルーミアで〜す。 よろしくお願いします〜」
「………」
「………」



「(不安だ!!!)」



「………」

機器の前に、メンバーが全員揃う。
今の所
早苗。
藍。
魔理沙。
アリス。
ルーミア。
といったところ。
他にもメンバーが追加される予定があるかも知れないと藍は報告していたが、まだ不明。

「ええおそらく、はい、余裕がございましたら、参加してください」
『………』

早苗は先程から、地霊殿の人たちと通信している。
陰陽玉を大型化したような機能も備わっていて、相手からの音声はスピーカーモードとヘッドホンモードがある。
幻想郷の住民が聞いても全く理解できない言葉が羅列されるような機能が備わっている。
にとりの科学技術も賜物だ。

「それでは、燐さんを? あ、はい、ありがとうございます。 ですが、いいのですか? もし、犠牲になってしまったら………」
『………』
「では、そのように。 解除したくなったらいつでもお申し出ください、では」

通信が終わる。

「今、地霊殿の方から連絡がありました。 燐さんがメンバーとして派遣されます」
「大丈夫なのですか?」

藍はあくまでも皆の命が優先といった態度で、自分の命など二の次のようだった。

「あちらは本当に………」
「私もある程度は遠慮したのですが、それを覚悟の上でだそうです」
「だとしたら」

はたてが割って入ってくる。

「『私たちのミスは許されない』 『犠牲は最大零、最低でも零』 っていうことになるのね?」
「そういうことです」
「でも………」

ルーミアは視線を落としながら言う。

「私たちに出来るのかな………幻想郷中の命を生け贄に………いや、賭博で言う掛け金にしてるのと一緒なのに」
「そうですね………賭博の世界と一緒にするつもりではないですが、多少の犠牲も覚悟のうちにしろということでしょう。 たぶん、あちら側はそんな感じです」



藍はいいタイミングで切り出した。

「それはそうと、だいぶ捜査の方は進めていたのですが」
「何かあったのですか?」
「幻想郷は土地的な意味でそれほど広いわけではありませんが、大体の目星はついております」
「どこですか?」
「紅魔館です」
「…………………!!」

藍以外のメンバーの表情が強張る。

「………?」
「今日の午前中の動きです。 門番さんの姿が見当たりません………何より、一日に一度必ず、バルコニーに姿を見せるレミリアさんの姿も確認できません」
「それだけではまだ疑う余地は少ないと思いますが」
「捜査をしてみるだけするというのはどうでしょうか? 私が調べてきてもいいですよ」
「………」
「なら」

はたてが手をあげた。

「私が調べてくるわ」

■■■■■紅魔館付近■■■■■

はたてはいつもの持ち物とは違った。
バッグに少し、余計なものを入れておいた。

「(早苗たちの言う通りにすれば大丈夫なはず………うん、自信を持て)」

現在、はたては紅魔館の門付近まできているのだが、違和感を覚えた。
藍の捜査結果通り、いつものポジションにいつものように美鈴がいないのだ。
眠ってすらいない………花畑の手入れでもしているのか。
そうでないとしたらただのさぼりか、それとも、また別の用事でもあるのか。
それは別件と考えた。

「見張りは………いないか」

門から顔だけを出すようにして見回した。
しかし、花畑周辺とその近くには誰も見当たらなかった。



そのことを確認すると藍は中庭内に侵入した。



「………」

それだけでも十分。
藍は警戒を続ける。
地面に何かを仕掛けている可能性も、壁に何かが仕込まれている可能性も否定してでの侵入だった。
もちろん、誰かに見つかってもやりすごす自信はあった。

「(紫様に教えてもらった術で、短距離においてでの空間移動が可能に………)」

大分前、藍は紫にあたらしい術を教えてもらった。
紫の能力『境界を操る程度の能力』ほどには及ばないが、それに似たもので、念を込めることで短距離内の空間移動が可能となった。
やってはいけないことだが、使い方次第によっては住居内などに侵入が可能なのだ。



念を込める。

■■■■■紅魔館内部■■■■■

藍は息を殺している。

現在いる所は、紅魔館のとある廊下。
辺りを見渡し警戒するも、誰の姿も確認できない。

「(皆何処に行ったんだ? 旅行という時期でも、場所も無いし………妖精メイドの姿を見かけてもいいはずだ)」

そんなことを思いながら進む。

場所にして一回の大広間。
要するに玄関前の以上に広いロビー。
洋館としては普通なのだが。
やはり誰もいない。
藍は場所を変えようと、方向を変えた。

すると。

「………?!」

どこからか誰かの話し声が聞こえてきた。
それも独り言や二人分の会話ではなく、複数人での会話であった。
会話というより会議ぐらいの規模のようだ。

「(どこからだ?)」

藍は耳を澄まし、声が聞こえてくる方向に向かって歩いた。



場所にして廊下の手前。
少し違うのは、奥の廊下。
階は最上階の一つ下。
食堂前だった。
藍がおかしいと思ったのは『時間帯的に昼前ではない』というのと『配膳姿または料理の匂いがしなかった』というもの。
ただ個人だけの考えというのもあるが、とりあえずはそれが前提というもので調べることにした。

食堂の入り口は大きな扉でこしらえられていて、とても丈夫そうに見える。
音も通しにくそうに見えるが、妖怪であるおかげで音も大分良く聞こえる。

「?」

『やはり私たちがキラと疑われてもおかしくなくなったようね』

「?!」

『私たちが、いや、とりあえずはノートに私が名前を書いて作業を行って………』

「(ノート? 何のことだ? レミリア)」

『これからも作業は続けようか』
『出来るだけ怪しまれない死因を書くのも………』
『こいつの手を借りている上での………』

「ノート………こいつ………死因………作業………」

藍は考え込む。

が、それのせいで反応が遅れた。

席を立つ音が聞こえたのだ。
そして、ドアが開いた。

「ああ、あたしちょっとトイレへ」
「レミリア様、私も」



「!!!」

出てきたのはパチュリーと美鈴。

「!」
「あれ?」

パチュリーが藍に気づいた。

「何故ここに………」
「あ」

藍は何か策は無いかと考え始めた。

「あの、花果子念報の特別コーナーの設立での宣伝で、新しく紅魔館をベースに、とある人物の紹介とともに紅魔館を賑やかにしてみませんか?!」

■■■■■■■■■■

「藍め………」
「どうかしたか?」
「陰陽玉の通信が曖昧になってる。 もしかしたら見つかったのかも」

ピピピ!

「藍さん!?」
『ああ、早苗さん、ちょっとお話が』

■■■■■■■■■■

藍は冷や汗一本を垂らした。
あそこでうまい言い訳が思いつかなかったら確実に殺されていただろう。
先程のいいわけで呼び出されたのははたてで、早苗の祈祷のもと暗示をかけられ、怪しまれない態度になった。
もちろん、捜査という概念は消えていない。
現在、早苗からのある意味無理矢理の融資『十万円』ほどで軽い宴会を開いていた。
それなりに騒いでいて藍も怪しまれない状態となっていた。

『とりあえずははたてさんは囮ということで、藍さんは先に、脱出する方法を考えてください』

そんな指令を早苗から受けた。
紅魔館からの脱出は、後からはたてが考えるとしてでのことだった。

「(何でこんなことに………)」

そう思いつつも藍は酒を一口飲む。
これからの作戦は自分で考えろなどと言われると、困るものである。
瞬間移動で外に出るのもいいが、それでははたてが脱出しにくいはおろか、脱出すら出来ないだろう。

「(仕方ない………はたてさんに無理矢理頼むしか………)」

藍ははたての肩をポンと叩いた。





「………」

食堂の扉が開くと、はたてが入ってきた。
様子が違う。

「うへへぇ………」
『!?』

顔が赤い。

「はたての………ショーウターァイム………」
『??!』

レミリア達、紅魔館の皆は表情が固まった。

はたては千鳥足で歩いていくと、食堂にある、一つの窓に向かっていく。
そして窓を開き、サービスバルコニーに立った。

「な、何をするつもりよ!」

レミリアははたてに対して辞めるように叫ぶ。

「これからぁ………わたしがぁ………芸をお見せしまぁす………」
「は?」

はたては外に体を向けると、サービスバルコニーの手すりに手をかけ、塀に上った。

「あ、あぶあぶ、あぶぶ、危ないから止めなさい!!」
「だぁいじょおぶですよぉ………」

次にはたては体を曲げ、両手を塀の手すりに合わせると、逆立ちをし始めた。

「おい、止めろって!」
「………」

はたての体がぐらつく。





そして。




落ちた。

■■■■■■■■■■

「!!」

地面に体が叩き付けられた音。
レミリア達は体をびくつかせると、誰か確認しにいけと言い合った。
美鈴がサービスバルコニーにかけて、手すりからしたを見下ろすと、地面に『はたて』が倒れているのが見えた。

「こ、これはまずいのでは………」
「どうしる、どうする、どうしる、ドースル」
「こ、ここは」

藍が皆に提案する。

「私に任せてください、皆さんはいつも通りにしてくだされば………この情報の処理は私がしますので、とりあえず」

皆は頷いた。

■■■■■■■■■■

「危なかった」

はたては汗を大量にたらしながらそう言った。

「こうするしかなかったの?」
「こうしたほうが最善と言いますか? あの場で皆を蹴散らしても後から殺されるかもしれませんし」
「そうだったの」
「あ、そうそう、早苗さん」
「そういえば藍さんには偵察の方を任せていましたね」
「その結果です。 レミリア達が殺しの作業を行っているのは間違いないようです。 何でも、ノートに名前を書くと死ぬそうです」
「? ノート………ええ、ありがとうございます。 これからの行動も考えるので、よろしくお願いします」
「判りました」

■■■■■■■■■■

「さっきの騒ぎは」
「はたてが落ちたのよ、たぶん死んではいないと思うけど」
「そうか」

魅魔は安心した顔で言ったが、心の中は別だった。

■■■■■■■■■■

早苗は羊羹をテーブルの上に並べた。
箸も用意せずに並べただけである。

「藍さんの報告通り、今回のキラは紅魔館の皆さん、もとい、レミリアさんで決定です」
「あそこまで言っておいてキラじゃなかったらまさに無駄骨だ」
「ええ魔理沙さん、全く持ってその通りです」

羊羹の一つに手を添えると、平手で潰した。

「まずはいらないところから潰していき、レミリアさんがキラなのか、それとも他のメンバーがキラなのかを探っていきます」
「?」
「数日前のルールは破ってしまうかもしれませんが、最もな手です。 レミリアさんの言動からしてレミリアさんがキラなのは間違いないでしょう」

早苗は右から順番に羊羹を潰していき、最後の一つは何もせずに放置した。

「とりあえず、レミリアさん以外の人はどうやって潰すかが問題ですね」
「あっちのほうで仲間割れしてくれたら楽だな」
「そうですね。 こちらもあまり、直接手を下すなどして殺したくもありませんし、何より、キラさえ捕まえれば」
「………」

懐から陰陽玉を取り出すと、それをアリスに渡した。

「何を?」
「今からアリスさんが直接、レミリアさんに探りを入れてください。 それが最後です」
「もし、間違えたら」
「間違えたらごめんなさいでいいんです。 死んだら残念でもいいです」

アリスは汗をたらした。
毎回タイトルが英語ですけど、意味はありません。

どうも、毎度読んでくださってありがとうございます。
次回で、こっちのこれは終わりますが、
早苗ももうそろそろ死ぬんですね、原作の流れ的に。

>スリップスカル様
シブタク役はこーりんしかいないだろうと思ってやりました。

13巻を読んだ所、もとの蹴り方は何の意味も無かったそうですが、
蹴り方をあえて付けるならカポエラだそうです。

>kyoune様
結構可愛い名前だと思いまして。
『もり』ちか『りん』のすけ、ですね。

>専任曹長様
それなりに映画見合いなシーンも取り入れるとは思います(たぶん)
ワタリ役ははっきりしていないので、Lと一緒に死ぬ時に決めると思います。

小町の好物はよく解らないのでないと思います。

>4の人(様)
誤字の指摘ありがとうございます。
なかなか気づきませんでしたよ。



原作でいう『メロ&ニア編』に突入しますが、未だにメロポジションが決まってません。
どうしよ。
とりあえず、次回も会いましょう。
ヨーグルト
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/11 02:01:00
更新日時:
2010/12/13 14:44:59
分類
魔理沙
アリス(空気)
早苗
紅魔館の皆さん
その他
デ○ノート
1. NutsIn先任曹長 ■2010/12/11 16:56:56
なんと!!紅魔館に『帳面』が渡っていたとは!!

紫は不干渉か…。まあ、彼女まで死んだら収拾が付かなくなりますからね。
冒頭で藍が死んだとありますが、これは藍が死ぬ前の話?
幻想郷では、ごまかすのには宴会が一番ですね。
早苗さん、食べ物は粗末にしてはいけません。
そのうち、ストレスで早苗さんが甘いものを貪り食ったりして…。

白蓮の演説で『同道を』とありますが、『堂々と』の間違い?それとも、共に立ち向かおうという意味?

魔理沙とアリスに何時、『帳面』の所有権が戻るのか、楽しみです。
2. スリップスカル ■2010/12/12 00:24:50
原作を全部読み直してから見てみました。

レミリアに死亡フラグがwやっぱ普段通りの行動を取らないと怪しまれるわなぁ。

次回は藍がライフルブッ放して、魔理沙があの台詞を言ってニヤけるのかな?
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